東方友好録   作:青い灰

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アドレナリン切れた状態で
「腕無くなったらこうなるよ?」
ってなった主人公が見れます。




鉄の味

 

 

────周囲に咲く、血の華を見た。

 

炎に飲まれ、呻く人々を。

 

刃に胸を貫かれて、怒る人ならざる者を。

 

 

 

 

 

 

 

屍の山の上に、それは立っていた。

 

涙を流すその姿は、残酷で、美しくて。

 

 

思わず、手を伸ばした。

それも、オレに手を伸ばす。

 

 

────たす、けて

 

 

声が聞こえた、気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ッ!!?」

 

 

飛び起きる。

………冥界で、借りた寝床だ。

 

何か……夢を、見ていたような。

 

 

「永久に眠っていれば良かったものを」

 

「え」

 

 

声がした。

 

鼻に、その臭いがした。

手が、濡れていて。

 

 

「ひ───っ!?」

 

 

血が、月明かりに照らされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左手が、無かった。

 

 

 

 

 

 

全身から力が抜け、

オレは能力を無意識で発動する。

 

 

「あ、あああああああああッ!!!」

 

 

そして、■を走る

電撃のような痛みに、絶叫する。

 

痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいいたいいたい

 

 

「ぎ、いあぁぁあぁあぁぁぁぁあッ!!!?」

 

 

ねつがうでをなくて、てがなくてなってて、

いたい、いたい、ない、てがない、ない

いたいあついさむいつめたいきもちわるいいたい

くるしいきついいたいあついさむい

 

 

「どうしたんですか!?」

 

「ぎ、がああああああああああッ!!!?」

 

 

つめ、たい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は、っ、はぁっ、はっ………!?」

 

 

意識が覚醒する。飛び起きる。

───能力の影響か、左手は復元していた。

 

だが、まだ血はべっとりついており

オレは呼吸が詰まり咳き込む。

 

 

「げほっ、がっはっ、げほっ、はっ、はぁっ」

 

 

何とか落ち着かせて呼吸を元に戻し、

オレは周囲を確認する。

誰もいなかった。

 

幽々子さんや、妖夢は───?

 

立ち上がって、ふらつく足取りで二人を探す。

置いてあった木刀を拾い上げて、

まずは家の中を探す。

 

 

「いない………どこに」

 

 

外に出る。

足跡が、続いていた。

 

 

「………行かないと」

 

 

その足跡を辿っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………!」

 

 

冥界を奥に進んでいくと、

巨大な桜の樹がそびえ立っていた。

 

その樹に、幽々子さんが縛り付けられている。

意識がないのか、ピクリともしない。

そしてその樹の下では。

 

 

「く………っ!」

 

「その程度、か!」

 

「妖夢──!?」

 

 

妖夢が誰かと戦っていた。

初老の剣士…………

 

だが、妖夢の動きがかなり鈍い。

それこそ、オレと戦った時以上に。

 

オレは木刀を握り、能力を発動。

剣士に斬りかかる。

 

 

「ぬ!?」

 

「ソラさん!?」

 

 

刀に弾かれる。

オレは少し下がり、下段に構える。

 

 

「くく、こちらの小僧の方が楽しめそうだ。

  邪魔をするなよ、妖夢」

 

「………っ!」

 

「何やってる!手伝え!」

 

 

妖夢が動かなくなる。

何かを迷っている───?

 

 

「っ!」

 

「手を斬ったつもりだったが、

  これは一体どういうことか?」

 

「黙、れ………!」

 

 

青い光が木刀を纏い、刀を受け止める。

連続で斬りつけられるが、

回避と弾きを繰り返して防ぐ。

 

 

「ふん!」

 

「ぐ……あっ!?」

 

 

横薙ぎの刀を両手で木刀を支えて防ぐが、

大きく吹き飛ばされる。

 

なんとか体勢は保てたが、剣速が速い。

防戦一方にしかならないな………

 

 

 

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