東方友好録   作:青い灰

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反撃

 

 

 

「…………っ」

 

 

無理だ。

これは、オレでは無理だ。

このジジイを倒せない。

 

更に相手は真剣。

死んでいる状態、魂だけのオレが食らったら

どうなるのか知りたくもない。

 

 

「無駄な足掻きだ」

 

「っるせぇ………!」

 

 

ジジイの剣を能力で強化した木刀で

防ぐが、それも時間稼ぎ。

 

剣の攻撃の重さが違いすぎる。

 

 

「妖夢!ボケっとしてないで手伝え!!」

 

「う………あ………」

 

「妖夢!!」

 

「…………っ」

 

 

妖夢に呼び掛けるが、狼狽えるばかり。

 

…………おそらく、このジジイは。

 

 

「………妖夢の爺さんか…………!」

 

「如何にも」

 

 

剣を弾き、後ろに下がる。

 

妖夢から、話を聞いたことがあった。

妖夢の剣の師匠で、爺さん。

先代の西行の庭師、魂魄 妖忌。

 

 

「なんで幽々子さんを拐った!」

 

「小僧、貴様に言う意味はない」

 

「話の通じないジジイが………!」

 

 

木刀を構え直す。

妖夢は棒立ち、なんでだ!?

 

 

「ぬぅあ!」

 

「ぐっ、う!?」

 

 

木刀で斬りかかってきた妖忌の攻撃を防ぐ。

ビリビリと、衝撃で手に痛みが走る。

 

 

「っ………く……!」

 

 

隙が、無い。

どう攻撃したものか、予想するが、

全て弾かれて反撃、死ぬ未来しか予想できない。

 

打つ手無し。

無謀、無駄、無意味。

 

ジジイが乾いた笑いを浮かべながら、

斬りかかってくる。

 

 

「諦めたな?」

 

「!ソラさん、逃げ──!!」

 

「ぐっ、ぎ、ぃがぁぁぁっ!!?」

 

 

右足を、斬られた。

 

 

 

 

 

……………舐められていた。

おかしい、とは思わなかった訳ではない。

だが………甘かった。

 

有り得ない速度の剣閃が、足を斬り飛ばした。

血が溢れた。感覚が消えた。

 

本能で、木刀を使って後ろへ跳んで、

距離を取った。

 

 

「ぐ、ぎぃぃっ………!

 んの、クソジジイがぁぁッ……!!」

 

「ほう?足を落として尚、口が利けるか」

 

「るっ、せぇ……!

 こちとら、何度も死にかけてんだよ……!!」

 

 

悪態をつき、正気と

痛みに塗り潰される精神を保つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無い。

 

 

 

 

 

 

 

────気づいた。

コイツは、違う。

 

尻餅をついた状態から、

木刀を地面に刺して立ち上がる。

 

 

「まだ立つか、諦めの悪い」

 

「恩と店のツケは絶対に

 忘れねぇように、親父に教わったからな……!!」

 

「なら、楽にして忘れさせてやろう」

 

「こいよ、()()が!!

 人間舐めんじゃねぇぞ亡霊もどき!!!」

 

 

吠える。

違う。コイツは妖夢のジジイじゃない。

 

偽者だ。

 

 

俺は妖夢を見る。

アイコンタクトを交わす。

 

 

 

 

「何を言い出すかと思えば

  …………口だけは達者なものだ」

 

「バァーカ!!そこ油断だ!!」

 

「ぬ……ぐぅっ!?」

 

 

妖夢が、やっと動いた。

鉄の擦れる音が響き、火花が散る。

 

 

「騙された自分が許せません………!

  ソラさん、この偽者はお任せ下さい!!」

 

「お前のせいでいらん怪我したんだから

 今度からウチの飯作り手伝えこの野郎!!」

 

「雰囲気考えて下さいよ!?」

 

 

よし。足失くなって「よし」なのか、

もう本当に感覚おかしくなってきたが、

幽々子さんを助けよう。

 

復元した足を確認、感覚を確認して俺は

桜の木へ走り出した。

 

 

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