東方友好録   作:青い灰

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LOSTWORD配信されましたねー。
チュートリアルガチャで絵しか出なかったので、
ちょっと内容が違って、ん?となりました。



八雲紫

 

 

「あらあら、失敗ね。

 焼き殺すつもりだったのに」

 

 

その声に振り向く。

空にいたのは……………

あのスキマという世界で出会った女性。

 

長い金髪、ふわりとした帽子。

手には扇子を持っており、顔を扇いでいる。

 

 

今の言葉で察する。

─────敵だ。

 

 

「逃げなさい、ソラ。

  紫の相手は私がするわ」

 

「紫?あいつのことか」

 

「え?名前も知らない…………紫!

 あなたは名前も名乗っていないような

 相手に何をするつもりなの!?」

 

「もう言ったわ、殺すのよ。

 名乗っていなかったから名乗るとしましょう」

 

 

笑みを浮かべる金髪の女性を前に、

オレは底知れないほどの恐怖を感じた。

 

そして、悟る。

 

 

…………この女性に関わった時点で、

   オレの死は、最初から確定していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「八雲 紫。幻想郷の管理者として、

  あなたには死んでもらうわ、人間」

 

 

人里だというのにも関わらず、

夜空を、弾幕の光が埋め尽くす。

 

 

「走りなさい!!」

 

「幽香は!?どうするんだ!」

 

「ここで紫を止める!」

 

 

無茶だ。

八雲紫から感じる力の

大きさは「余所見?甘く見られたものね」

 

 

「っぐぁ!?」

 

「幽香!」

 

 

一瞬で幽香の懐に移動した八雲紫が

閉じた扇子で薙ぐ。

幽香の身体がくの字に折れ曲がり、

家を貫通して吹き飛ぶ。

 

あの数の弾幕すら、フェイク。

力の差が大きすぎる。

 

 

「もう名前で呼び合う仲なのね。

  随分と(ほだ)されたようだけど………やはり」

 

「────っご、ぇ」

 

 

背後から脇腹への、蹴り。

速すぎる。

 

肺の空気が抜かれ、息が詰まり、

今のでおそらく、肋骨が何本か砕けた。

吹き飛ばされ、嘔吐する。

 

 

「呆気ない。

 私自ら動いた方が良かったわね」

 

「ぐ………おぇ、っ……て、めぇ……!!」

 

 

能力を全開で使い、

何とか立ち上がり左腕を引き絞る。

雷が迸り、血が噴き出す。

せめて、一撃。

 

 

「吸血鬼の、赤槍ッ!!!」

 

 

渾身、全力全霊の一手。

だった、筈だ。

 

 

「遅いわ、欠伸が出るわね」

 

 

まるで操作するように指を動かすと、

軌道が逸れ、明後日の方向へ。

 

…………駄目だ。死ぬのか。こんなところで。

こんな奴に殺されるて、たまるか。

 

 

「なんで………皆まで巻き込んだ」

 

「巻き込んだ?

 それを貴方が言うの?」

 

「───?」

 

「あぁ、そう。貴方の家にいた

 彼女たちなら巻き込むつもりはないわ。

 スキマに入れて、記憶を消しておしまい」

 

 

記憶を………そんなことが出来るのか。

あいつの能力が分かれば、対策が………

 

 

「幽香は貴方に手を貸したからね。

 残念ね、友達だと思って…………

 あぁ、これからも友達だったわね」

 

「よく、ぶっ飛ばしておいて、んなことが……」

 

「喧嘩する程仲がいい、って言うでしょう?

 …………………()()()()()()()()()()()()()()()

 

「───」

 

 

そうか、幽香の記憶を消したら。

オレのいた記憶も全て消える。

 

────え?いや、待て。

まさか、まさか……………

 

 

「幻想郷には、(こよみ)がない…………」

 

「ふふっ、良いところに目をつけたわね?」

 

 

まさか、いや、まさか。

そんな筈は、そんなことが、あっていい筈が。

 

 

 

 

「幾度も繰り返すのよ。

 記憶を消して、また再び異変がやって来るわ。

 回る回る、それはまるで輪廻のように、ね」

 

 

 

 

紅霧異変、レミリアが起こした異変があった。

その時、フランがおかしくなったというが、

魔理沙との接触で良くなった筈だ、

という話を咲夜から聞いた。

 

春雪異変、幽々子さんが起こした異変があった。

その時、あの桜が影響し幽々子が霊夢たちと戦い、

桜を枯らせる、封印したことに成功したと

妖夢が言っていた。

 

 

 

健康だったフランが、狂気に落ちていたのは。

枯れた筈のあの桜が、復活していたのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全部、お前の仕業だったのか───!」

 

「くるくる、くるくる、と、

 何度だって私はこの世界を回すわ。

 だって、幻想郷は私のものなのだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何度も、回っていたのだ。

 

霊夢たちが幻想郷で異変を解決してしまったら、

八雲紫が、幻想郷での全ての記憶を消す。

 

優しいフランは再び狂気に落ちて、

枯れたあの桜は再び力を取り戻す。

 

 

「今回はサイクルを少し進めたわ。

 だけど、あなたという邪魔が入った。

 余計なことをしてくれたわね、本当に」

 

「余計なことだと…………ふざけんじゃねぇよ!!」

 

五月蝿(うるさ)いわよ」

 

「ぐ、がっ!?」

 

 

また、一瞬で。

接近され、扇子で顎を打ち上げられ、

踵落としを背に食らう。

 

地面に叩き落とされ、見下ろされる。

 

 

「フ、ランが、あんなに元気に、なったんだ」

 

「……………」

 

「幽々子さんが、助かっ、たんだ」

 

「……………」

 

「それを、何とも、思わねぇのか………!!」

 

 

必死に立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それがどうかしたのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────ぇ」

 

「貴方には分からないでしょうね。

 別に構わないわ、理解する必要もないもの」

 

 

扇子を、振り上げられる。

 

 

「足掻くものだから、そこそこ楽しめたわ。

  死んでも魂を潰して、楽にしてあげるわ」

 

 

振り下ろされる扇子を、

見ていることしか出来なかった。

 

 

 

背中が、引かれる。

 

 

「チッ、邪魔を………!」

 

「ウォォォォン!!」

 

「見つけましたか!ご無事ですか!?」

 

「この、声は…………」

 

 

センに、ミズ。

スキマに入れられていなかったのか?

 

 

「酷い傷…………!

 八雲 紫……許しませんよ…………!!」

 

「グルルルルゥッ………!!」

 

「本来なら消える筈だった神が二柱………

  また世界ごとやり直さないといけないわね」

 

 

二柱………センも、神様だったのか。

本来なら………そうか、オレが介入したから……!

 

すると、なんと靈夢と霊夢、幽香までも現れる。

 

 

「助かったわ、霊夢」

 

「まさかスキマに閉じ込められるなんてね。

 他のは手遅れだったみたいだけど」

 

「…………それも、何度もあったことかしら?」

 

「さぁ、どうかしらね?

 で、あなたたちは何をする気なのかしら?」

 

 

5人が顔を合わせる。

 

 

「「「「守るだけ(です)よ!」」」」

 

「ウォォォォン!!」

 

 

センがオレを背中に乗せ、

靈夢と霊夢がオレの横に浮かぶ。

 

 

「待っ、てくれ………!

 なんで、逃げないんだよ………!!」

 

「馬鹿言ってんじゃないわよ、

 死にそうな奴を見捨てるような人じゃないのよ」

 

「博麗の巫女として、

 いつも通り人間を守るだけよ」

 

「家族を見捨てることは出来ませんから」

 

「私たち、友達でしょう?」

 

「ワフッ!」

 

 

その言葉に、八雲紫は無表情で扇子を開く。

弾幕が発射される。

 

 

「殺しはしないわ、死の淵を見せてあげる」

 

 

センが走り出し、

博麗の巫女の二人が横でセンを守るように

弾幕を消していく。

 

水神と花の妖怪がそれぞれの力を駆使して

幻想郷の管理者と対峙する。

 

 

 

八雲紫()からの、逃亡戦が始まった。

 

 

 

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