東方友好録   作:青い灰

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100点満点と、能力

 

 

 

「───」

 

 

全身が、電気が走っているように痛い。

血液の代わりに泥でも

流れているんじゃないか、体が怠い。

 

 

「ソラ!!」

 

「フ、フラン?」

 

「起きたんだね、良かったぁ………」

 

 

ここは、どこだろうか。

ベッドの上に寝かされている。

 

 

「よっこいしょ……」

 

「あ、ダメ!」

 

「ぐぇっ!?」

 

 

ベッドから出ようとすると、

フランに首を絞められる。

死ぬ。死ぬって。

 

 

「フラン、そこまでにして」

 

「あ、お姉様!」

 

「…………よう」

 

「………えぇ」

 

 

やって来たのは、レミリアだ。

頬にはガーゼが貼られている。

 

気まずい。まぁ、とりあえずは。

 

 

「殴ってごめん」

 

「え?」

 

「いや、フランのことで頭いっぱいで。

  だから許してとは言わないけど、ごめん」

 

「………ふっ、あはははっ!」

 

「あ、お姉様笑ったー!」

 

 

レミリアとフランが笑顔になる。

…………うん。なんか、見たい光景も見れた。

 

 

「謝るのはこっちよ、ソラ。

  フランを助けてくれてありがとう」

 

「まー、お互い様だろ」

 

「どうかしら?点数は」

 

「点数?」

 

 

オレは顔を傾ける。

だが、2人で笑う姉妹を見て、思い出す。

 

 

「100点、満点!」

 

「やったぁ!お姉様、良かったね!」

 

「…………うん!」

 

 

レミリアの口調が大分楽になっている。

おそらくこっちが素なのだろう。

 

そのまま、30分ほど話を続けた。

 

 

「殴られたなんて、いつぶりかしら?」

 

「霊夢と魔理沙が来たときじゃない?」

 

「誰だ?」

 

「異変解決者よ。幻想郷では時々、

 ″異変″と呼ばれるものが起こるのよ。

 それを解決するのが、解決者の仕事」

 

「お姉様が異変を起こしたこともあってね!

  それで春が来なくなったり、

  朝にならなくなったこともあったんだ!」

 

 

カオスすぎねぇ!?

幻想郷怖っ!?

 

と、扉がノックされる。

 

 

「来たわね、医者を呼んであげたの」

 

「医者がいるのか。

  レミリア、ありがとう」

 

「当然の措置よ、酷い怪我だったし。

  フラン、行きましょう?」

 

「うん!またね」

 

 

2人が出ていき、そして銀髪の女性が入ってくる。

青と赤の配色の服を着ている。

 

 

「こんにちは」

 

「あ、こんにちは」

 

「…………ふぅん、あの吸血鬼を殴った、

 って言ってたからどんな人かと

 思ったらただの人間じゃない」

 

「あれ、もしかしてオレ馬鹿にされてる?」

 

 

なんか傷つくこと言われた気がする。

医者さん、そんなこと言っていいの?

 

 

「ふふっ、冗談よ。ごめんなさい。

  私は八意 永淋。医者よ。よろしく」

 

「空です。よろしくお願いします」

 

「えぇ、早速だけど傷、見せて頂戴」

 

 

オレは腕、足など、傷を全て見せる。

そして。

 

 

「───これって………!?」

 

「え、どうしました?」

 

「貴方、腕が千切れたことがある!?」

 

 

肩を揺さぶられ、聞かれる。

あります。2回くらい千切れました。

それを伝えると…………

 

 

「…………千切れた形跡はある。

  初めは、鋭利な刃物によるもの」

 

「あー、鎌鼬にやられました」

 

「………2回目は、焼かれて、切られたの?」

 

「フランにやられましたねー」

 

 

永淋は目を丸くする。

 

 

「まるで、あったことを

 無かったことにしたみたいな………

 かなり、中途半端な再生よ、これは」

 

「なんか不味いんですか?」

 

「えぇ、なんて言えばいいかしら………

 そうね、しいて言うなら

 『腕が切られたことを拒否してる』と言うこと」

 

「腕が………拒否ってる?」

 

 

どういうことだ?

 

 

「え、腕が千切れてないけど

 千切れた跡はある。みたいな感じですか?」

 

「そうね、雑に言えばそう。

  でも…………そうか、貴方、能力は?」

 

「能力?能力って…………フランの

 『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』

 みたいな能力ですか?」

 

「そうよ、あるんじゃないの?」

 

 

いや、知らないけど。

 

 

「知りませんけど………

  そういえば、青い光が出たような……」

 

「青い、光?」

 

「はい。レミリアをぶっ飛ばした時に、

  青い光がバチバチッって感じで」

 

 

当たり前のように使ってたけど、

あれは一体何なのだろうか。

 

使えるから使った、みたいな。

 

 

「…………攻撃系統の能力?

  でもそれだと回復なんて出来ない筈………」

 

「よく分かりませんけど」

 

「今、使える?その能力」

 

「えっと………」

 

 

体に力を入れてみる。

あの時より少し薄いが、体が青く光る。

 

 

「これが………え?」

 

「どういう能力か分かりますか?」

 

「いえ………寧ろ、分からなくなったわ。

  ねぇ、吸血鬼を殴った時、何か言った?

  言葉を通して能力を発動することもできるの」

 

 

そういえば、レミリアのスペルを

踏み潰して破壊したとき───

 

『その運命を破壊する───ッ!!!』

何故、オレはあんなことを口走った?

 

 

 

「運命を、破壊する、と言ったような………」

 

「運命を………破壊!?

  まさか、いや、それなら………」

 

 

その時、扉がバンッ!と音を立てて開け放たれる。

 

 

「お姉様!?」

 

「ソラ!何があったの!?」

 

 

レミリアが飛び込んでくる。

一体どうしたんだ?

 

 

「いや、こっちのセリフなんだけど」

 

「え?」

 

「……………成る程、そういうことか………

  貴女、確か『運命を操る程度の能力』

  だったかしら」

 

 

永淋がレミリアに聞く。

なにそのカッコイイ能力。しかも凄そうな。

 

 

「そう、だけど」

 

「成る程、これで確定ね。

  ソラ、貴方の能力が分かったわ」

 

 

え、マジすか。

うん、待って、まさか。

 

 

「″運命を破壊する程度の能力″、よ」

 

 

えぇ………

 

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