東方友好録   作:青い灰

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人里へ

 

 

 

「えー!?もう行っちゃうの!?」

 

「あはは、また来れたら来るよ」

 

「もう少しゆっくりしていってもいいのに」

 

 

流石にそう言う訳にもいかない。

フランの件から3日。

 

館のみんなとも仲良くなった。

だが、それは良くないことに気づく。

なので、人里に行くことにした。

 

 

「別にいいのよ、貴方は私たちの恩人なんだから」

 

「でもなー、一応見聞くらいは広めておきたいし、

  働き所も見つけないといけないからさ」

 

「紅魔館で働けばいいのにー」

 

「あんまり頼ってばかりも良くないからね」

 

 

というわけで、

オレは紅魔館を後にすることにした。

わざわざパチュリーまで出てきて見送ってくれる。

 

 

「それじゃ、ありがとう!また来るよ!」

 

 

オレは最後に大きく手を振って、

紅魔館を出たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜にもらった地図を見ながら進んで行くと、

オレは3時間ほどで人里にたどり着いた。

 

 

「へぇー、ここが人里か………」

 

 

和服の人々が村を作り、

そこで暮らしている、ということだったが。

 

 

「しまった、服」

 

 

このままの格好では目立つ。

どうしたものだろうか。

 

と、ここで目の前に誰かが現れる。

腰まで伸びた銀髪、リボンのついた帽子。

青い服を着た女性だ。

 

 

「こんにちは」

 

「お、ちゃんと礼儀は出来ているな。

 こんにちは。その姿、外の世界の人間だな?」

 

「あ、はい。多分そう言うことになりますね。

  オレは空って言います」

 

「そうか、私は上白沢 慧音。

  この人里の纏め役のようなものだ」

 

 

人間の見た目だが、妖怪の力も感じる。

やっぱり人間に友好的な妖怪もいるんだなー。

 

 

「待っていた、ソラ。人間の身で

 まさか吸血鬼の館から無事に出てくるとはな」

 

「待っていた?えーと、どういう?」

 

「昨日、あの館のメイドが来てな。

  多分、明日ここに来るからよろしく、と」

 

「咲夜………!」

 

 

あぁ、やっぱり良い人たちばっかりだ。

寧ろ、あそこに行けたのは幸運なのかも知れない。

 

 

「里を案内しよう、ついて来てくれ」

 

「よろしくお願いします!」

 

 

慧音に里を案内される。

慧音は寺子屋もやっているようで、

里の子供たちや妖精たちまで来るらしい。

 

活気に溢れていていい所だ。歩いている間も、

みんなニコニコしていて良い人たちばかりだ。

 

オレは里の外れまで案内される。

 

 

「よし、案内は一通り終わったな。

  話は変わるが、ソラはここに住むのか?」

 

「はい、出来ればですけど。

  働き所も見つけたいですね」

 

「ふむ、この先に空き家があるが………

  まだ綺麗な家だった筈だ、そこに住むか?」

 

「良いんですか?」

 

「あぁ、使っていない家だしな。

  仕事場については私が考えておこう。

  ここまで来て疲れているだろう?」

 

「何から何まで………ありがとうございます」

 

 

こうして、夕方になるまでにオレの家は

見つかり、オレはそこに泊まることになった。

 

食事まで慧音さんは用意してくれた。

聖人か、あの人は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~慧音~

 

 

今日はあのメイドが言っていた男を案内したが、

悪い人間ではなさそう、というより、

あんな20もいかない男があの紅魔館に

優遇されるとは、一体何があったのだろうか。

 

 

「………まぁ、聞けるときに聞けば良いか。

  里へ馴染むまで時間もかかるだろう」

 

 

慧音は日記に綴る。

 

3時間ほどの道のりのはいえ、ただの人間が

無傷で吸血鬼の館から人里に来れるとは思えない。

 

だが、あの男から妖気は感じなかった。

博麗の巫女の御札を持っている訳でもない。

一体、何者なのだろうか。

 

 

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