???side
目が覚めるとそこは見知らぬ森だった。
………はて、なぜに僕はこんなところで寝ていたのだろうか、とりあえず立ち上がって周りを見渡すと
大きな口に鋭そうな牙の生えた普通の獣ではなさそうな………というより二足歩行している時点で普通ではない獣と目が合った。
「…………………」
「…………………じゅるり」
なんださ涎垂らしながらこっちに向かってくるよ。僕の近くに野生の小動物でもいたのかな?かわいそうに君はあれの昼ごはんになってしまうのだね、同情するよ。
「お前うまそうだな」
アハッ☆なんか喋ったよこいつファンタジーな世界かここは?
………はい、現実逃避おしまい。どうやら僕がかわいそうな小動物だったようです。同情してください。
とにかくこの場を逃げ延びるッ
ゆっくりと向かってくる獣のようなもの…まぁ化け物としよう。それに合わせて足に力を込めながらふところを何かないかと探る。………あった、石みたいな硬い物。こいつを投げるッ‼︎
「ッ!?」
一瞬怯んだ隙に全力で逃げ
「逃がさねぇよ」
「グフッ!?」
鉄球を思いっきりぶつけられたような衝撃が横腹に走った。妙に嫌な音が響い。……ぜったい骨折れた。
正直甘く見ていた。きっと逃げるくらいならできるだろうと。でも違った。これは逆らうことが馬鹿馬鹿しく思えるほどの差天と地、月とスッポン、それほどまでに違う力の差に、もう逃げることは出来ないと頭の中でわかってしまった。
「こんなもん投げて俺様をどいにかできると思ったのか?だったら馬鹿だな人間、妖怪である俺様にただの人間がどうこうできるわけがねぇだろうがよぉ」
こんな状況なのに頭が冷静になって行く。そうか妖怪だったのか、じゃあはなっから逃げるなんて無駄だったかな。
「こんなところに来たのが運の尽きだ、美味しく俺様に食べられな」
よく見たら僕が投げた物は綺麗な小さい指輪だった。投げても意味なかったなら投げなければよかった。
「じゃあ、いただきます」
走馬灯見る時って時間がゆっくりになるとかいってたけど本当だったんだな。大きな口が迫ってくる。鋭い牙はやすやすと僕の肉を引き裂くだろう。あぁ、空が青い。もう見ることができなくなるのかな?死んだらどうなるのかな?こっちに向かってくる矢はどこに刺さるのかな?疑問がつぎつぎと湧いては消える………ん?
「ええ、いただくわ。あなたの内臓」
矢が妖怪の頭に当たって頭が弾けた。血が噴水のように溢れる。間近にいた僕はその血をじゃんじゃん浴びてしまっている。一目でわかる、妖怪は死んだ。そうわかった途端に体から力が抜けて行った。今更になって腹が痛い。一気に気が遠くなるのを感じた。
「あら、肋骨が何本か折れてるわね。大丈夫?」
赤と青が見えた気がしたが、確認知る前に目の前が暗くなった。
永琳side
薬に使うための材料を採りに森に来てみれば妖怪に人間が襲われていた。ちょいど妖怪の内臓も必要だから助けてあげましょうか。
「じゃあ、いただきます」
「ええ、いただくわ。あなたの内臓」
放った矢は寸分の狂いもなく妖怪の頭に命中した………ちょっと加減間違えちゃったかしら?
「あら、肋骨が何本か折れてるわね。大丈夫?」
血まみれになってしまった青年に声をかける………この辺では見ない顔ね。月の頭脳と言われる私が知らないなら少なくとも都市に住んでる者では無いわね。まぁそれは聞けばいい話だろう。
「一先ず手当てからね」
青年に近づき手当てしようとする…
「ッ!?」
…瞬間に我が目を疑った。先ほどまで折れていた肋骨が元に戻っている。彼は人だ。ならば…
「能力持ちか…」
気絶しているようだし、話は家で聞きましょうかね。
どうでしたでしょうか。楽しんでいただけましたか?