遡る彼は何を見るか   作:幽凪

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最近気づいたこと
心身共に耐久度が高いこと


種明かし

楔side

 

「ところでどうやってあの中をやり過ごしたの?」

 

能力を使って家まで移動したあと姉さんが問いかけてきた

 

「ん、あの弾幕のこと?」

 

「それに決まってるじゃない。それと分裂した矢のことも。大体予想はできるけど楔から聞きたいのよ」

 

あの時は必死だったから思いついたんだよね………そう思うとやっぱり姉さんのおかげになるのかな

 

「お姉ちゃんのおかげなんで照れるじゃない。で、どうやったのよ」

 

「多分、姉さんの予想通りだと思うよ。弾幕の時は霊力で編み上げた糸に僕の能力を使って触れた弾を戻せるようにしたんだよ。普通の糸だと糸自体戻っちゃうし、自分の霊力で作った糸ならどうだろうって思って……………結構賭けだったけどうまくいって良かった。あとはそれをメチャクチャに振ってただけだよ」

 

霊力製の糸………面倒臭いから霊糸でいいや。霊糸は長さも自由に変えられるし強度も十分。それが十本もあればほとんどの弾には振り回しただけで当たった………それでも抜けてくるやつは全力回避だったけど

 

「まぁ予想通り、と言ったところだわ。楔は霊力の量はそんなにだけど扱いは上手いから出来る芸当ね」

 

………そんなにと言っても姉さん基準の話で実際結構あるよ………たぶん。でも、褒められたのは嬉しいな

 

「楔が喜んでくれるなら幾らでも褒めてあげるわッ!!」

 

姉さんは今日も平常運転のようだ

 

「それで、矢の方は?」

 

もう予想が着いているというのに姉さんは嬉しそうに話をするように勧めてくる。何がそんなに嬉しいのだろうか?

 

「もちろん楔の成長に決まっているじゃない」

 

「…………………」

 

…………少し照れるな

 

「早く続きを聞かせてちょうだい」ボタボタ

 

「その前に鼻血を止めて!!」

 

今更だが姉さんはよく鼻血を出しているいるが何故だろうか。一日平均3回出してるんだけど体質かな?

 

「はいティッシュ」

 

もう常備しつつあるティッシュを渡す

 

「ありがとう楔」

 

……………血は足りているのだろうか

 

「増血剤を使ってるから大丈夫よ」

 

「それは良かった……………で、矢の話だよね」

 

「ほうよ」

 

さっそくティッシュを使っているので返事がおかしくなってる

 

「矢は霊力で作ってるの知ってるよね」

 

「いつも見てるから知らないわけ無いじゃない、むしろ楔のホクロの場所と数まで把握しているわ」

 

ササッ

 

「………………冗談よ」

 

「そうだよねそんなはずないよね。ちょっと身構えちゃってごめん姉さん」

 

「気にしないでいいわ………………………少し自重した方がいいかしら」

 

気にしてないようでよかった。何かボソッと言った気がするけど空耳かな

 

「話を戻すね。矢は創る時に工夫をしたんだよ。いつもは弾を作って一つ一つ創ってるけど、あの矢は二十個の弾を束ねてから矢にしたんだよ。それを能力で戻したんだ」

 

戻したのは数だけだから形状は矢のままだけど

 

「いつもは直線的な物ばかりだったからさ、これを使えば面の攻撃以外にも使えるかもしれない」

 

頑張れば離れたところで全方位攻撃とか出来るかな

 

「それは練習次第ね。今後も精進しなさい」

 

「そのつもりだよ」

 

新しいことが出来るようになるのは楽しいしね

 

「…………………それでさ姉さん、話し終わったとこ悪いんだけど」

 

「何かしら?」

 

「いつまでこの体制を続ければいいの?」

 

「お姉ちゃんがいいって言うまでよ………ふふっ」

 

そう言って姉さんは僕の頭を撫でる…………………膝枕されてる僕の頭を

 

「そうは言っても……………やっぱり恥ずかしいよ」

 

今までは何とか種明かしに気を逸らしていたけど、それが終わった途端に恥ずかしさが溢れて

 

「ダ〜メ、罰ゲームなんだから我慢しなさい」

 

これが最後の罰ゲームと聞いた時はそんなことでいいのって思ってしまったけど、度重なる罰ゲームのせいで感覚が麻痺していたみたいだ……………膝枕ってこんなにも恥ずかしいものだったのか。ちなみに最近猫を見ると嫌な汗が出てくるようになった………………………あぁ姉さん、人にはネコミミも尻尾ないよ

 

「戻ってきなさい」

 

「イテッ」

 

姉さんに軽くチョップされた…………はて、何を考えていたのだろうか思い出せない

 

「恥ずかしさに耐えかねてボ〜ッとしてたんじゃない?」

 

…………そうかもしれない

 

 

 

その後二時間経っても膝枕は終わらなかった………………なんだが眠くなってきた

 

 

・・・・・・・

・・・・・

・・・

 

永琳side

 

「寝ちゃったみたいね」

 

私の膝の上で眠ってしまった楔はさっきまでの赤く恥ずかしがっていた顔から安心しきった寝顔になっている

 

「本当に私にはできた弟よ」

 

楔の頭を撫でながら思う。楔のやっていた特訓は薬を使ったとしても常人では到底無理なものだった。約半年でここまで仕上がったのは紛れもない楔の才能と努力によるものだろう。本人が苦手だと思っているものでも実際はかなり出来ているのだが、なにせ比較対象が私なのだから苦手と思うのは仕方が無い…………強いというのも考え物ね

 

「あと四ヶ月か………」

 

私と楔に残された時間はそれだけしかない。それまでにやることはちゃんとやっておかなければ

 

「それにしても予想外だったわね。まさか霊力に能力を付属させるなんて」

 

楔の手前見栄を張ってしまったが完全に斜め上をいっていた。楔の能力は直接触れた方が燃費がいい。逆に言うと離れた物に能力を使うのは消費が激しいのだ。霊力は体力よりも燃料としての質がいいのか、霊力が増えてからは気絶することはなくなったが前の状態ではきつかったかもしれない。そんな楔のリーチが伸びた。あの弾の量を戻しきるには直接触れなければ恐らくその時点で霊力は切れていた

 

「霊力で作った物は楔自身にカウントされるということね」

 

考察をまとめるとこうなる。これは楔にとっては強みになる

 

「でも出来ればあまり能力に頼りきりにならないようにして欲しいわ」

 

頼りすぎるといざという時に困るからね

 

「そういえば……………」

 

鬼ごっこをし始めた次の日に楔が言っていたことを思い出した。ちょうど覚醒丸を飲んだ二日後のこと

 

「結局楔の新しい能力はわからなかったわね」

 

楔の中には新たな能力が生まれていた…………いや目覚めたといった方がいいかしら。能力を複数持つ者は稀にいる。楔はもともと二つ能力があったのだろう。覚醒丸が能力を目覚めさせた……………が、肝心の能力が何かまではわからなかった。完全に能力が目覚めたならば楔自身がわかるはずだし、元々の能力は記憶がなかったから楔も忘れていたけど

 

「そんなことより」

 

そんなことより、である。もう四ヶ月後には月に向かってロケットを飛ばすのでここら辺は焼け野原になるであろう……………なので少し遠いところに楔の家を建てなければいけない

 

「楔に特訓完了したプレゼントも作らないといけないしね」

 

そういって明日渡すはずのプレゼントを思い出す

 

「今日のことも踏まえて少し細工をしましょうか」

 

渡すのはもう少し遅れそうね

 

 

 

楔と別れるまであと四ヶ月

 

 

 

 

 

 




楔くんの新しい能力はなんでしょうね
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