楔side
もう日課になった早朝の走り込みと鍛錬を終え、姉さんを起こす前に風呂に入ろうと思ったら廊下で姉さんに会った
「珍しいね、何時もならまだ寝てる時間なのに」
「今日は楔に見せたいものがあったから早く起きて準備しようとね……………ふぅぁぁぁ」
やはりまだ眠たいようであくびをしている
「見せたいものって?」
「それは行ってからのお楽しみよ。でもきっと驚くわよ、すごく」
「へぇ、じゃあ楽しみにしてるよ」
どんなものかなぁ。と、思いながら汗を流すべく風呂に向かう……………が
「………姉さん、何でついて来てんの?」
「久しぶりに早く起きたのだしお風呂にでも入ってサッパリするのもたまにはいいかなと思ってね。眠気を覚ますのにもちょうどいいじゃない」
「だったら先に入ってきなよ。僕は朝ご飯の支度をしてから入ることにするから」
来た廊下を戻り台所へ行こうと足を向け……………
「一緒に入ればいいじゃない」
ガシッ
ようとしたところ後ろから肩を掴まれた。嫌な予感しかしない
「………そういえば痛みそうな魚があったから早めに調理しておかな「それなら干物にしようって一昨日楔が干していたじゃない」まだ鍛錬が途中だ「お姉ちゃんが渡したメニューを最後までやってたわよね」少し寒気が「それはいけないわお風呂に入って温まらないと」……………」
…………………逃げ場がない
「あのさ姉さん、一応僕もいい歳…………なはずだから流石に一緒に入るのはなぁ………なんて思ったりしてるんだけど……」
やっと罰ゲームから解放されたと思ったのに
「お姉ちゃんとお風呂に入るが罰ゲームだなんて…………」
その場に崩れ落ちる姉さん
「いやそんなことないよ!ただちょっと恥ずかしいし………い、いろいろあるからさ!!べ、別に姉さんと入るのが嫌ってわけじゃ」
「それなら入りましょう!今!すぐに!!」
勢い良く立ち上がったと思ったら襟を持たれて引きずられていた
「ねねね、姉さん!?止まって!!お願いだから!!」
「一緒に家族愛を確かめ合いましょう!!」
ダメだ暴走してる…………だったら
「”戻れ"」
体力と霊力が大幅に上がったことにより暴走状態の姉さんを正気に戻せることが可能になったのだ
「よしこれで」
「さぁ服を脱ぎなさい、背中を流してあげるわ」
効いてない、だと。そんな馬鹿なこの前は戻ったのに!?
「あれ、気絶してない」
最初の時は失敗して気絶したのに
「…………まさか」
「(家族)愛に不可能はないわ!!」
「能力を跳ね返したのかぁぁぁ!?」
効果が出る前に返されたらそりゃ効かないし気絶もしないよね
「しょうがないわね。お姉ちゃんが脱がしてあげる!!」
手をワキワキさせながらこちらににじり寄ってくる
「姉さんやめッ!?」
・・・・・・・
・・・・・
・・・
「やっぱり楔の作るご飯は最高ね」
「ああ、うん、そうだね」
「楔の料理を食べれるのもあと少しなのね、寂しくなるわ」
「ああ、うん、そうだね」
「…………この料理の名前は?」
「ああ、うん、そうだね」
「………………起きなさいッ!!」
「イダァァァァッ!?」
な、なんだッ!?敵襲か!?
「あ、起きた?」
隣をみると姉さんがいた
「いきなり衝撃が走ったんだけど姉さん知らない?」
頭がすごく痛い
「お姉ちゃんは知らないわよ。お風呂で頭でも打ったんじゃない?」
お風呂……………………………ブルッ!?
「突然寒気が」
思い出すことを拒絶するかのように寒気が全身に
「そんなに震えて風邪でも引いたの?薬出しておくから食べたら飲みなさい」
「ありがとう姉さん」
「これくらいどうってことないわよ」
そうゆう姉さんの顔はツヤツヤしているように見えた
「そうそう、今日はお風呂使えないから」
「え、なんで?」
「やっぱり覚えてないのね。楔はお風呂でのぼせて鼻血を出して倒れてたのよ。まだ血が染みていて取れてないから」
そんなことがあったのか
「姉さんが助けてくれたの?」
「他に誰がいるのよ」
「それもそうだね」
とりあえず残りのご飯を食べよう。うまうま
・・・・・・・
・・・・・
・・・
永琳side
「それでこの森にあるの、その見せたいものって?」
「そうよ。あと少し歩いたら見えてくるわ」
私達は特訓で使った森に来ていた。正確にはその先にある山に用があるため森までは楔の能力でショートカットしてきた
「結構歩いたけどまだ?」
「あと少しよ」
約三時間程歩いている。もうそろそろ…………
「見えたわ」
「ッ!?これは……」
ふふっ、驚いてる驚いてる。予想どうりだわ
「姉さんこれは………?」
「これは………というよりここは、ね。ここは楔の家よ」
「僕の………家」
「そうよ。お姉ちゃんが月に行った後はここに住むのよ」
「それはまた………なんで?」
「今住んでいる辺りは月に行く時の余波で壊れてしまうのよ。だから遠くて見晴らしのいいここに楔の家を建てさせたのよ」
「いつの間に………かなり広いし大きいように見えるけど」
「そのように建てさせたもの。そうなってないと困るわ」
「いつから?」
「特訓が終わってから」
「…………それって二週間前じゃないか!?」
早ッ!?とまた驚いてる楔
「最速で最高の仕上げにさせたわ。お姉ちゃんが監修したから間違いない」
「通りで最近出かけることが多かったのか……………でも二週間で建てれるもんかな」
「できるものよ。お金と権力と人員さえあれば」
「ウチの姉さんマジぱねぇ」
楔が変な電波を受信したようだけど気にしない
「中も見ましょうか」
・・・・・・・
・・・・・
・・・
楔side
いつも同じ時間に森まで送ったり迎えに行ったりさせたのはこれを建てていたからか………にしても
「広すぎない」
「そんなことないわよ」
どう見ても一人で住むには広い。道場に弓道場、離れまである
「掃除が大変そだなぁ」
「いざとなったら綺麗な状態に戻せばいいじゃない」
そう考えるとすごく便利だな僕の能力
「いつかお姉ちゃんが帰って来たら二人暮らしになるんだから広さはこれでいいのよ」
「……………そうだね」
姉さんが月で自分の義務を果たすまで。何年、何十年、何百年、たとえ何億年経とうとも
「その時が来るまで待ってるよ、この家と」
「そう言ってくれると嬉しい」
姉さんが笑う。僕もつられて笑う
こんな日々ももう少しで終わってしまうのか
「それじゃあ戻りましょうか」
「そうだね」
それでも今はこの時間を大切に過ごそう
次で別れ………になると思います