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「ほぇぇ〜ここが門絆学園……」
大きな建物の門の前で少女「
「どうした彩子?ここに入学するの楽しみだったのか?」
すると後ろから声がかかる。
そこには燃える赤い髪が特徴の青年「
「あっ、光蛇。う〜ん楽しみ…だったのかな?」
「なんだ、歯切れ悪いなぁ?」
彩子の歯切れの悪さに光蛇は不思議に思いつつも気にせずに次の言葉を放つ
「まっ、俺にくっついてまでここに来たってことはそういう事なんだろ?ん〜?」
「そ、そんなんじゃないって」
「ん〜本当か?」
「ほ、本当だって!」
彩子はハッとして光蛇の顔を見る。
そこには驚く光蛇の姿のみがあった。
「ハ、ハハ流石にそこまで否定されると傷つくなぁ」
「あっ、ごめん光蛇」
シュンとして彩子は光蛇に謝る。
「いいって、俺達の仲だろ?」
「あっ、うん」
「ハハッまぁいいや、じゃ!俺は先に言ってるからな!そこで突っ立ったまま遅刻するんじゃねぇぞ!」
「あっ、光蛇……」
彩子は手を伸ばして引き止めようとするが光蛇の踏み出しが早く彩子の手は空を切り、光蛇は先に行ってしまう。
「光蛇にくっついて…か……」
兄の一言を思い出して俯き考え込んでしまう
思い出すのはこの力を受け取ったあの日。自分の不手際で兄に迷惑をかけ、あまつさえ兄の死の文字が見えたあの日。
(だから私は…罪滅ぼしのためにこの学園に入ることを決めたんだ……)
ふと彩子はスマホの時計を確認する。そこには〈7:48〉と記されており、これ以上考え事にふけこんでいては入学式に遅刻してしまうだろう。急いで彩子は入学式がある体育館に向かう。
桜舞う校門前の道を走り、入学するにあたって学校側から送られてきたパンフレットを頼りに体育館を探す。のだが、
「えっと・・ここさっきも通ったような・・・」
彩子は口を引きつらせながら頭を抱える。
「どうしよう!このままじゃ遅刻しちゃう!」
「あなた、どうしたの?」
「え?」
声がしたほうに振り向く。そこには深緑の長髪をはやした凛とした雰囲気の少女が立っていた。
「ここは部外者は立ち入り禁止のはずだけど・・入学生ならもうすぐ入学式よ?」
「うっ、それがパンフレット通りに向かってるはずなんだけどたどり着けなくて・・」
「あぁ・・迷子なのね。いいわこっちよ!」
「ふぇ!?」
少女は突然彩子の手を取って走り出す。
「ほら!急ぐよ!」
「ま、待ってよぉぉ!!」
そうして彩子と少女は入学式の開始2分前にたどり着き周囲から多少の注目を浴びることになった。
入学式が終わり彩子達17期生は1年生の教室に移動した。
「ハッハッハッあれは傑作だったぜ」
「もう!笑わないでよ!私は私で皆から一斉に視線を受けて恥ずかしかったんだから!」
「でも俺は言ったはずだぜ〜?考えに没頭しすぎて遅刻しないように気をつけろって」
「うっ、それはそうだけど」
「まっ、遅刻しないだけ良かったじゃん。まぁ2分前なんてギリギリも良いところだけどもな」
「うぅぅ……」
「仲が良さそうね。」
二人の会話の間に割って入ってきたのは彩子を体育館まで連れて行ってくれた少女だった。その後ろには赤茶色の髪をはやしたおちゃらけた雰囲気をかもし出す少年もいた。
「あっ、あなたは」
「フフッ私に関係ありそうな話だったから割って入っちゃった。」
「あ、あのありがとうございました!」
「良いの、困っている人がいたら助けるのは当たり前なのだから」
「まぁ君を助ける前にも人助けをしていて遅れたらしいんだけどね」
「ちょっと?言わなくてもいいことは言わなくていいの」
「はいはい分かってますよお嬢様」
「そうやってすぐに茶化す…」
「アハハ…えっと自己紹介がまだだったね。私は烏音 彩子。こっちは双子の兄の光蛇。」
「私は
「ちーっす、俺の名前は
焔が挨拶を終えると同時に陸乃は呆れた顔で焔の耳を引っ張る。
「ちょっと焔?馬鹿っぽい事はあまり言わないでよ」
「痛い痛い!俺がどう見られようと俺の勝手だろ!?」
「あなただけなら別にいいんだけど、下手すると私達まで同類に見られるじゃないの!」
「うっ、それはすまん。ってだからって耳まで引っ張らなくたって良いじゃん!?」
「そうでもしないとあなた反省しないじゃない」
「なんだとー!」
焔は陸乃に襲いかかる格好をしながら蛇のように「シャーッ」と言って威嚇をする。その様子を見ていた彩子は思わず笑いを堪えるが光蛇の方は堪えられずに笑いでふき出してしまう。
「フフフッ、二人とも仲いいんだね」
「えっ、そ、そうかしら…」
「まっ、俺とこいつの仲だからな。なっ!」
「ひゃっ!?」
そう言って焔は陸乃と肩を組もうとし、それを許してしまった陸乃の頬はだんだんと赤くなっていく。
「ち、ちょっと!」
「俺の親父とこいつの親父が親友同士でなその付き合いで俺達も出会ったってわけ。所謂幼馴染ってやつだな」
「そ、それはそうなんだけど…ちょっとはなして……」
「ん?あぁキツく組みすぎたか?」
「そ、そうじゃないんだけど、良いからはなしなさい!」
「ワーッたワーッたよ」
そう言って焔は陸乃への肩組みを解く。
「ったく。ノリがわりぃなぁ?」
「ご、ごめんなさい…でも流石にああいうことはいきなりやられると」
((あぁ…なるほど))
(確かにいきなりはビックリするよね)
(女子にいきなり触れるのはデリカシーねぇよな)
兄弟二人で別々の事を考えるあたりやはり男女の差があるのかもしれない。
「あっ、そういやさ!」
「どうしたのかしら?焔」
「いや、二人の龍力を聞いてねぇなと思ってさ!お前も気になるだろ?陸乃?」
「そうね、聞いても良いかしら?」
「おう良いぜ、俺の龍力はクルペッコ亜種だ。改めてよろしくな!」
「ほぉ、亜種って珍しいものを引いたな。なぁ、陸乃?」
「えぇ、そうね。基本龍力は原種しか宿せないのに」
「へへ、そうか?」
「それで彩子さんは何の龍力を宿したのですか?」
「わ、私は…」
「彩子さん?」
彩子がたじろぐのを見て陸乃は少し訝しげる。
「私は……」
とその時、彩子の声を遮るようにチャイムの音が鳴り響く。
「あっ、ごめんホームルームのチャイムなっちゃったね。席に戻ろう?ほら、光蛇も!」
「お、おう?」
「…えぇそうね、ほら焔あなた席あっちでしょ戻りなさい」
「ちぇー、もう少しで聞けたんだけどな」
「あはは、ごめんね。」
そう言いつつ4人が自分の席につきに戻ろうとする。とその時だった。陸乃が彩子の耳元に口をそえ、二人への内緒話に持ち込んだのは、
「彩子さん?」
(陸乃?)
「言いたくないのなら素直に言いたくないで良いのですよ?」
(!?)
「勘違いならごめんなさい。でもそう思ったので、」
「……うん、ごめんなさい」
(それでも私には誇れる龍力なんてない。だって
そうして二人も席に座り、ホームルームが始まり、時は過ぎていった。