門絆学園   作:ルペコック

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第2章
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桜の花が散りかかり、4月も終わりに差し掛かってきた頃。彩子は戸惑いの感情の中にいた。目の前に映るのは自分を引き合いに対立する2人の男……と言ってもロマンチックな展開は無く片方はじつの兄である光蛇なのだが……。

この話を詳しく話すために時間は今日の朝まで遡る

 

・・・・・

今日の朝、彩子が陸乃と話をしていた時の話

 

「そういえば彩子さん?先ほど聞いた話なのですがこの前の上位アオアシラに攻撃をくらって入院していた暗狩(くらがり)さんと(とどろき)さんが今日学校に復帰するそうよ?」

 

「本当!?良かった~これで1週間ぶりにクラス16人全員での授業だね!」

 

「えぇそれと今日の防衛者学ですがなんと」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「…っとそろそろホームルームですね。席に戻りましょう」

 

「そこで話止まったら気にならない!?」

 

「ふふっ、まぁ時間になるまでのお楽しみということで」

 

「うぅぅぅ…」

 

「それに…あっちに挨拶しなくてよろしいのですか?」

 

「へ?」

 

陸乃の指す方向。そこにはヘッドホンに耳にかけゲームに熱中している女の子。それは確かにあの時アオアシラから助けた同級生、暗狩 迅だった。

 

「あっ、迅ちゃん…お、おはよう……」

 

「………」

 

「あ、あの」

 

「………」

 

「うぅぅ陸乃ちゃん」

 

「はぁ、おはようございます暗狩さん」

 

そう言って陸乃は迅の肩を叩く

 

「ん?ごめん今いいところだからちょっと待って……オッケーセーブ終わった…で何?」

 

「いえ、こちらの彩子さんが声をかけたがってたのですが暗狩さんの雰囲気に尻込みしてたので」

 

「……それはごめん」

 

「う、ううんいいよ。えっと迅ちゃんおはよう」

 

「うん、おはよう」

 

「さて暗狩さん?もうそろそろホームルームですからまた先生に注意される前にゲームはしまってください?」

 

「さすがにまた没収されるわけにはいかないからそれは聞いとく。ありがと」

 

「どういたしまして。さて朝の挨拶はしましたしそろそろ私達は席に戻りましょうか」

 

「う、うん迅ちゃんまた後でね」

 

そう言って彩子と陸乃は自分の席に戻っていく。そうこうしていると教室に担任の先生が入ってきて朝のホームルームが始まった。

 

「え〜皆さんおはようございます。今日も1日授業を頑張ってください。この学園に入学して1ヶ月たちましたがどうでしょうか?慣れましたか?」

 

先生はこちらの返事を聞くかのごとく2、3拍ほど言葉を止める。

 

「これから授業で怠けることを覚えずに頑張っていってください。それでは今日の連絡事項ですが」

 

大体の場合がここで終わるがどうやら今日は違ったようで

 

「え〜今日の5,6時限目の防衛者学ですが入学時に貰ったパンフレットには上級生が指導につくのは10月頃を目処にと書いてありましたが先日のアオアシラの一件で時期が早まりまして、今日からになりました。皆さんあまり上級生に迷惑をかけないようによろしくお願いしますね」

 

「え…?」

 

(え~?)

 

彩子はあまりの驚きにこの後しばらく固まっていたという

 

 

・・・・・

昼休み

彩子は陸乃と共にだがいつものメンバーに+αを足してご飯を食べていた。

 

「じ、迅ちゃん?」

 

「……ん?何?……」

 

「はぁ、せっかく一緒に食べているのにここまでゲームを優先されると誘った意味を考えさせられますね」

 

「ま、まぁ、それを承知の上で誘ったんだし文句は言えないよ」

 

「それはそうですけど」

 

「……で結局何?……」

 

アオアシラでの一件で龍力の件に対しては吹っ切れた彩子はこれから皆と仲良くなっていきたいことを光蛇、陸乃、焔の3人に告げたのが4日前の出来事。そこからアオアシラに襲われたのを助けた迅から仲良くなっていこうと今朝の挨拶や昼休みのご飯の誘いを行ったが前途多難のようである。

 

「……そういえば私パンフレットよく読んでないんだけどホームルームで言ってた上級生が教師に変わるって実際には何するの?」

 

「あ、私もそれ気になってた。陸乃ちゃん何するの?」

 

「お二人とも……基本的には今まで龍力の操作の勉強や座学で防衛者としての基本的な心構えを学んできましたが、これからは実戦的なことをやるようですよ?」

 

「実際に戦い方を習うってこと?」

 

「そうですね、前線を希望する人は武器の扱い方や龍力と武器を交えての戦い方を、後方支援を希望する人は…まぁそういうことですね」

 

「うぇぇ、私後方支援が良いなぁ」

 

「私も後方支援が良い、楽そうだから」

 

「いや暗狩さん、そんな不適切な理由で選ぶのやめてくださいよ」

 

「仕事に関係することで楽そうに勝る理由なんて存在しないと思う」

 

「いや、一応防衛者は人の命を預かる仕事なんですよ!?」

 

「ま、まぁ迅ちゃんもやる時にちゃんとやってくれるよ…多分」

 

「そーそー、やる時はちゃんとやる」

 

「はぁ、これに関しては少しは彩子さんを見習ってほしいです」

 

「そういう彩子だって後方支援志望だったじゃん」

 

「彩子さんは楽そうとかそういう理由じゃなくちゃんとした理由があるので大丈夫です」

 

「……本当に?」

 

「ま、まぁ私の龍力はサポート向きだしだったら後方支援の方が良いのかなって」

 

「ほら」

 

「……なんか私がてきとうに決めてるみたいです納得いかない」

 

「事実その通りじゃないですか」

 

「むぅ…」

 

「あはは」

 

「さてそろそろ防衛者学の時間ですね。お二人とも移動しましょう?」

 

「あっ、うん!」

 

「待って、今いいところだから」

 

「……そもそも学校にゲーム機持ち込まないでくださいよ」

 

「それは天地がひっくり返っても断る」

 

 

・・・・・

「さて今日の防衛者学だが朝言っていた通り今日から上級生たちに指導をお願いする。まずは挨拶からだな。それではどうぞ」

 

「えー、15期生の1人で龍力のモンスターはケチャワチャの鬼面 陽子(きめ ようこ)です。後方支援のお手伝いは私一人なので至らぬ所もあると思いますがよろしくお願いします」

 

「15期生で龍力はボルボロス、名前は力堂 真琴(りきどう まこと)です。前線希望の皆さんのお手伝いが出来るかどうかは分かりませんが精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。そして私の横に立ってるこの3人唯一の男が!」

 

「止めろ!そういう言い方!えー、俺が前線希望の指導の1人、桜坂 蒼空です。このクラスは5月の段階でこういう授業をさせてもらってるという事で優秀な人の集まりなんだろうなと思いながら今日からの指導を楽しみにしていました。これから互いに高め合っていけるように頑張っていきましょう!」

 

指導生の挨拶が始まってから終わるまで17期生の皆が色めきだっていた。その中で彩子だけが蒼空の視線がたまにこちらを向いていることに気づいていた。

 

(気のせい…だよね?)

 

しかし彩子はそれを自分の気のせいと断じて気にしなかった。

 

「さてそれではまずは皆が前線と後方支援どちらに行きたいか希望を取りたいと思います」

 

「前線が良い人は俺の所に」

 

「こ、後方支援が良い人は私のところに来てください」

 

そうして全員が思い思いの希望する人の所に移動していく。彩子は昼休みにも言っていた通り、後方支援の方に移動した。そして全員が移動し終わった後だった。

 

「それでは早速指導に」

 

「ちょっと待った。真琴」

 

「…蒼空?どしたん?」

 

そう言うと蒼空は後方支援の方に来た。そして彩子の前に立つと

 

「烏音 彩子さん。君は前線の方に来るべきだ。こっちの指導を受ける気はないか?」

 

「え!?えーと」

 

「君が後方支援の方に行く理由もだいたい検討がつく。でも俺は君は前線の指導を受けるべきだと思っている」

 

「え、えーと、その、あの」

 

「ちょっと待った」

 

「お前は光蛇?」

 

「彩子は自分で考えて後方支援の方に移動してるし龍力を考えても前線に立たせるには無理がある」

 

「残念だけど俺はそうは思わない。彼女は前線の指導を受けるのが適していると俺は本気で思っている」

 

「先輩が勝手に思うのはそれは先輩の勝手だ。だがそれに他人を巻き込むなよ」

 

「え、えっと」

 

何か彩子を置いてけぼりにして彩子のことで対立が起きている。そんな気がした。止めなければと思ったがここでこの対立に参加者が増えることになった。

 

「光蛇さんの言うとおりですね先輩」

 

「り、陸乃ちゃん!?」

 

「彩子さんの龍力はサポート向きですし先日龍力を制御しきれるようになったばかりでまだ戦闘にも慣れていません。そのような状態で前線の指導を受けても」

 

「……なるほどな。分かったこの場は一旦諦めよう。だが俺は本気で彩子さんは前線の指導を受けるべきと考えている。だからどうだ?ここは1つ決闘をしないか光蛇?」

 

「決闘?」

 

「5月の終わりの体育祭。その中の種目の1つ決闘戦で17期生のチームが俺たち15期生のチームに勝つことが出来たら俺は諦めよう。だがもし俺たちが勝ったらその時は」

 

「前線の指導を彩子が受けるってことか。良いぜ」

 

「ちょっ!?」

 

「男に二言は無いな?」

 

「あぁ!」

 

「だから私の意思は!?」

 

こうして彩子の今後を賭けた決闘の取り決めがされたのだった。

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