貴方の隣でぽかぽかしていたい(切実)   作:茜色のLily

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はーい。日常回です。時系列はぱち波が黒波と寝た後ですね。音楽関係で運営に怒られたのに懲りない作者です。幕間という名の掘り下げ?になってしまった。

大分文体がおかしいけどそれもご愛嬌。


幕間 音が与えるもの

 予想外な事になりました。碇君が早々に我々がポカ波ではないと気づきました。ここまでは予定通りです。そのように背中を押しましたから。しかし、彼はそれを受け入れ始めました。さらに、黒波が原作よりもロストポカ波が少ないです。主にわたしのせいですが。

 

碇君はポカ波を助けたということを信じてます。そこに綾波は複数あるという情報がプラスされて、ざっくりと定義するなら『ポカ波は助けたけどここにはいない。けど黒波とわたしも気になる』という感じですね。

 

まぁ当のご本人は部屋でうんうん悩んでたりそこら辺をウロウロしてましたけど大体こんな感じでしょう。綾波を助けた。けど助けた綾波とは違う綾波が2人いる。なんで?ってなりますもんね普通。そして、受け入れ始めるというのは、わたし達を別々につまり、わたしとして見てくれるということです。やだ…シンジさん。かっこいい♡

 

 

おかしぃだろぉ!君そんなにメンタル強くないじゃないですか。すごく主人公してるけどそうじゃない。あっれー?これもイレギュラー(ぱち波と機体)のせいですかね?

 

因みに綾波レイの真実は冬月先生が教えてくれます。この時点で彼が綾波レイのことに触れているとメンタルブレイクの要因は世界と綾波レイの正体、父親の計画ですかね。

 

ふむ。改めて考えると少しまずいですね。このタイミングで彼らに修正がかかると守りきれないです。繋がりを持ったほうが良さそうですね。黒波との繋がりはかなり強くなりましたけど。

 

いや〜日本の聖典を見せたのは少しどじっちゃいましたね。彼女ははっきり言うと無垢ですから何色にも染められるのですよ。その結果、いろんな色を混ぜすぎて黒になっちゃいました。

 

具体的にいうと、喰われました。美味しくいただかれました。すごい声でました。そして、マグロじゃなくてよかったとかではなく行為自体がよかったと思う辺りわたしはもうダメかもしれません。聖典は彼女に必要以上のものを与えたようですね。

 

それで、これはヤバイと思って回収しようとしたら、黒波にまた寝袋に連れ込まれて、生命の成り立ちについて、また、聖典で学んだことを肉体言語と実践演習を通して説得させられたのでそのままです。黒波には勝てなかったよ…。

 

まぁ、それでも彼女は自分というものを見失ってないですからね。アヤナミ・レイの中でもわたしに次ぐ極めて異質な存在です。わたしとの繋がりが誰よりも強く、黒波がいてわたしがいる状態ですね。なのでより直接的な世界からの排除が少なくなりました。

 

では、少しだけ繋がりについて説明しましょう。簡単に言えばわたし(異物)をこの世界に繋ぎ止める概念みたいなものだと捉えてください。詳しくはわたしにもわかりません。ただ、これが無いと世界に消されやすくなります。もっともそれ以上に個人的な理由があるのですが今は割愛します。

 

 

という訳でやってきましたピアノ前。わたしの計画は

 

『誰もが立ち止まり耳を傾ける音楽を奏でよう!そしてそのまま飯とか食って仲良くなろう!大作戦』

 

です。

どうですかこの完璧な作戦。音楽好きな彼らは食いついてくることは間違いありませんし、ゲンドウ君はわたしが何かやらかすと飛んでくるので問題ありません。黒波?あぁ…。彼女はゲンドウ君にわたしのストッパーの役割を任させているので、ゲンドウ君が呼びます。

 

…できれば、できれば彼女は碇君とカヲル君にちょっかいをかけないで欲しい。無理だろうけど。彼らに兄貴、姉貴達は早すぎる。はい。気分を取り直して弾く曲を決めましょう。有名なピ●●●ストや曲のリスペクトでもいいんですが…。やめときましょう。世界が怯えてしまいます。なら…

 

 

 

〜♪〜♫

 

「なんだろ。ピアノの音だ。カヲル君がまた弾いてるのかな?」

 

シンジは聞こえてきた音楽に惹かれて広場までやって来た。そこにはカヲルもいた。

 

「カヲル君?君がここにいるということは…ピアノを弾いてるのは誰?」

 

「やぁ、シンジ君。それは自分の目で見てみるといい」

 

そう言いながら彼は手招きする。ピアノから少し離れた所から覗き込むとそこにはピアノを弾く髪を伸ばした綾波がいた。

 

……彼女は助けた綾波じゃないって言っていた。Mark09の綾波にもあの後聞いてみたがやっぱり彼女ではなかった。それでも受け入れられるようにしたかった。姿形が同じだからって自分の求める綾波とするのは違う。その行為は初めは必要としてくれるから、褒めてくれるからと肯定していた。でも、違った。そう扱われることの辛さを知った。だから僕はしたくない。そう思ったんだ。それに流石にあんなことをする彼女をあの綾波だとは思えない…。

 

 

 彼女が奏でる音は綺麗だった。僕の知らない音だった。彼女の歌声はとても悲しくて、それでも背中を押してくれるような…そんな声だ。その歌は『誰かにまた会える』という約束の歌だろう。僕に別れの時が来ると言っているように聞こえてしまった。この歌のように彼女も眠ってしまうのだろうか。

 

「…〜♪」

 

拍手の音が響く。

 

「上手だね。僕も知らない曲だ」

 

「うん。とても綺麗だったよ。えっと…」

 

「好きなように呼んでいい。君がそう理解してるなら大丈夫」

 

「…そっか…そうだね。綾波」

 

…このスケコマシめえ…!素敵な笑顔で呼ぶなんて反則ですよ。毎回思うのですが、碇君やアスカ達は中学生が放っていい色気を超えていますよね。なんですか?あの綾波の柔らかスケベボディーは。なんですか?アスカの健康的なエロスボディーは?話が逸れました。とりあえず彼らを呼ぶことはできましたね。後は、

 

「…見つけた」

 

「いきなり上から降ってこないで下さい。碇君達がドン引きしてますよ」

 

「大丈夫。怪我してない」

 

「怪我してなくても三階ぐらいの高さからパルクールしながらやってくるって普通ドン引きですよ?」

 

はい。黒波がいつのまにかこんな能力を備えていました。これのせいでわたしはどんなに逃げても捕獲されます。使徒化してないと安定した3次元移動できないのに黒波は普通にできるので怖いです。恋する乙女は強いってね。おっとゲンドウ君も来ましたね。顔が青いですが大丈夫ですね。

 

「ふむ…揃いましたか。ではこれよりネルフ音楽会を開きます」

 

はい、2人ともポカーンとしてないで黒波と冬月先生みたいに拍手なさい。はいそこ。頭を抱えて首を振らない。強制イベントですよ。覚悟おし!

 

「では、わたしはさっき弾いたので碇君達お願いします」

 

「えっ、いきなり言われても…」

 

「大丈夫だよシンジ君。連弾は何回かやっただろう?ほら。行こうじゃないか」

 

「ちょちょっと待ってよカヲル君!」

 

うーむこの薔薇色。続けなさい。

 

〜♪

 

2人の連弾の音は不思議なものだった。わたし達はいつのまにか森の中にいた。彼らは口を開けていないのに会話をし、それはまるで小鳥のようなさえずり。

〜♫

曲調が変われば表れるものも変わった。次は絵画展にいるみたいだった。ピアノの旋律が風景を、高低が感情を、強弱が色を、それを合わせて全体で一つの絵を描いていた。

〜♬

主にカヲルが手を引きシンジが後についていく。まるで先程の光景のような連弾。いつか、逆の光景を見ることはできるのだろうかと一人の異物は考えていた。

 

2人の演奏は終わり拍手が鳴る。いや〜いいね。こういった高潔で綺麗な音楽がこの世界にはあってる。さて、次はゲンドウ君だ。

 

「…貴様…」

 

「君も少しは息抜きをしたらどうだい?」

 

「…ふん…誰のせいでこんなに疲れていると思っている」

 

誰のせいでしょうかね(すっとぼけ)

 

「何。いいじゃないか碇。私も手を貸そう」

 

「…今回だけだ」

 

そう言ってゲンドウはチェロを持ち出してきた。冬月はヴァイオリンだ。ではわたしはピアノを。

 

チェロの低く響くような音に合わせてヴァイオリンの高音が旋律を刻む。ゲンドウが奏でる音は重く、自分の意志を持った音だ。あまり一般の人達にはいい音に聞こえないだろう。だが、わたしには彼らしいと、素直だなとそう感じさせる音だった。重い音だ。彼の肩には何がのっているのだろうと考えてしまう。そんな音を刻む彼は薄く微笑んでいた。あぁ、あの時も同じように不器用な微笑みをしていたのを思い出した。

 

ヴァイオリンの高音は気高く美しい。それは良く彼の性格を表したものだ。そんな老人が何故あのような計画に賛同するのか。この演奏を聞くとなんとなく理解できる。彼らは凹凸なんだろう。薄汚れても、重い罪を背負っても諦めない人。潔癖で人らしくありたい臆病な人。そんな印象をわたしに与えた演奏だった。

 

また拍手が溢れる。彼は少し恥ずかしそうだ。

 

「…次は私」

 

一番の不安要素、黒波。さてどんな演奏…を…ちょっと待ってください。その机はどっから持って来たんですか。そして何をするつもりですか?

 

おもむろに黒波は机を叩き出しリズムをとり始めた。

 

ん?この春風を感じさせるリズムは…。おい!それはマズい!

 

「イラッシャイマセエェ〜↑。ナナナ〜」

 

やめて!色んなとこから怒られる!あっー困ります!黒波様困ります!

 

全力を以って違う曲に変えさせました。生贄はわたしです。泣きたい。

 

黒波が奏でる音は儚さが目立っていた。シンジはこの曲を知らなかったが彼女を表現している曲だと感じた。しかし、曲が進むにつれて違うことに気づいた。

 

まともな曲でびっくりしているぱち波です。

…彼女はもう人形ではありません。それでも、まだ何をしていいのかわからないのでしょう。わたしは手出しできません。糸が切れた人形が再び動くには糸をつけ直すか人間になるかの二択ですから。彼女は後者を選び頑張ってますから。頑張る方向が不安ですが…まぁ大丈夫でしょう。

 

その後、音楽会は進みそのままみんなでご飯を食べた。そこでまたぱち波の食料が提供されたことに一悶着あったが無事に終わることができた。それぞれが部屋に戻る中でぱち波だけがピアノの側にいる。彼女はピアノと向き合うと一人曲を奏で始めた。

 

その曲は自分に対する嫌悪、世界に対する憎悪、心の葛藤といった負の感情が入っていた。その中にも優しさや思いやり、愛が入っているのは彼女らしい。彼女の歌声は廃虚の街に響く。

 

「…わたしは、この世界をどうしたいのだろうね」

 

世界を変える力がある

 

それだけだ

 

心構えなんてガタガタだ

 

今日触れ合って見て改めて分かった

 

わたしは異物だ

 

何度も消されてきた

 

それでも諦めきれなくて、ここに辿り着いた

 

音が止み、痛いくらいの静寂が夜を支配する。月と星々だけが彼女の姿を見る。

 

…あぁ、わたしきっと怖いんだ

 

彼等をわたしの手で一度失うことが

 

碇君はすごいなぁ

 

わたしなんて考えただけで身体が震えるのに

 

消えるのには慣れたはず

 

なのに

 

触れ合ってしまったから

 

消えるのも怖いんだ

 

貴方の側にいたい

 

もうわたしは忘れてしまったから

 

そこにいるのは帰る場所を忘れ、悲しみと恐怖に震えるただの少女だった。膝を抱える少女の上から音が一つ流れた。その音は彼女を優しく包む。

 

「…何しに来たんですか…黒波」

 

「……」

 

黒波は黙ってぱち波の隣に座る。

 

「笑っていいですよ。こんなわたしを」

 

いつものように戯けてみせるが、顔は膝から離れない。黒波は彼女の顔に手を添え顔を上げさせる。彼女の赤い眼は揺れていた。その眼を見たまま口付けをする。

 

「…なんで…」

 

優しいキスだ。こんなキスをされた記憶はもうない。

 

「…なんでですか…異物であるわたしに…放って置い」

 

口付けでその口を閉ざす。キスされるたびにぱち波は自分の瞳と心が揺れるのを感じた。そのまま彼女の胸に抱きすくめられる。頭を撫でられる感触は初めてだ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大丈夫、貴方は消えないわ。私が側にいるもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう呟かれた言葉がきっかけだった。

 

 

「うあ''…ひっぐ…うあぁああ‼︎ああああああ!」

 

黒波は彼女が泣き止むまで頭を撫で続けた。

 

廃虚の街に響く迷子の少女の泣き声

 

それは少しだけ人間らしくなった証だった 

 

 

 

 




ぱち波を泣かせたいと思ってやった。反省も後悔もしてない。普段おちゃらけてる人はなにか隠してるというあるある設定。何度も消され、ループしてる為、現実世界の自分を忘れている。

曲名だけならセーフなので音楽会で演奏した曲のイメージをば

ぱち波・ぼくらのレットイットビー

シンジ&カヲル・人生のメリーゴーランド

ゲンドウ、冬月、ぱち波・残酷な天使のテーゼ

黒波・からくりピエロ

迷子の少女・とても素敵な六月でした
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