貴方の隣でぽかぽかしていたい(切実)   作:茜色のLily

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待ちきれなくて妄想したシン・エヴァンゲリオンです。ガバ考察超注意。それもご愛嬌ってことで


シン 夢と真実と天使

 黒波は与えられたベットで眠っており、ぱち波はその横で佇んでいる。

 

「ごめん。貴方を連れてはいけない。どうか健やかに」

 

ぼそりとつぶやいたぱち波は蜃気楼のように消えた。

 

 

ここは臨時隔離封印施設。現在はエヴァンゲリオン第7号機が封印されている。封印柱により貼り付けにされ、頑丈な拘束具により起動はおろか動くこともできそうにない。

 

「アンタ、何処に行くつもり?」

 

 アスカの声が聞こえた気がした。

 

「…また七号機を使わせろってアンタ…これの重要性が分からないの?」

 

 北上たちを助けたと言っても無断で使徒化を使用したことは重い罪だ。まだあの機体のことは解明しきれてない。ただ分かっているのは、少なくとも疑似シン化形態と対抗できる程のエネルギーを保有している。

 いうなれば使い方によってはインパクトを単機で起こせる最悪のトリガー。それを使わせろというのはNoと言うほかない。

 

 

「……はやく」

 

 ミサト達の思いもアスカの声も無視して出撃の準備を進めるぱち波をアスカは押し倒し拘束する。

 

「ふざけるんじゃないわよ!アンタもバカと同じ道を辿るつもり!?」

 

「……」

 

アスカに押さえつけられたまま溜め息を吐くぱち波。 

 

「ごめん、アスカ」

 

ぱち波に突如として生えた翼がアスカを包み眠らせてしまう。

 

 

アスカは悟った。もう、私の夢は叶わない。

 

 

 

『シンクロ率68%安定』

 

 ここまで下がりました。あいつらがダブルエントリーシステムを作ったのはこのためですか。リリンに近くなるたびにわたしはあいつらとの繋がりが弱くなっていきます。

 

 拘束具を破壊しヴンダーから脱出するぱち波。今は色々と改造途中だから追っては来れない。

 

『…せっかく作ってやったのに』

 

『すねるなむっつり。彼女は人だ。我らではない』

 

『泣くでないぞ幼きものよ。その身が天使であるなら』

 

『女体盛り…すいません。マジ勘弁して下さい』

 

『本当に、行くのかい?」

 

 うん…計画を進める前に真実を確かめに。もう少しだけ付き合ってもらいますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけでたった一つの真実見抜く見た目は美少女、中身は人外!その名も名探偵レイ‼︎が赴く場所はネルフです。

 

 なぜかというとセントラルドグマ最下層…つまり黒き月に用事があるのです。まぁ今は地上に転がってますけどね。

 

 が、もちろん防御は硬いです。何ですかあれ。パリで戦ったやつが可愛く見えますね。バチカン条約違反はもちろんのこと、新たな生命を生み出していませんかあれ。

 インフィニティをベースにエヴァの予備パーツで無理矢理シンクロ…いや、パーツそのものを自らの身体として認識していますね…。

 インフィニティの名の通りに活動限界はなし。パターン青の反応から劣化版であるけどS2機関あり。正に使徒擬きですね。

 仮設5号機や使徒へのシンクロ…四号機の実験と神の力の集大成がこれとかナニコレ笑えない。

 

「穴から虫みたいに出てくるわね」

 

多分あそこが生産工場なんだけど、私が用事あるのリリスがいたとこだしなぁ。

 

 

 

 

 

 

よし、正面から行こう。

 

シンクロ率落ちたと言っても使徒の能力が使えなくなっただけですし。身体能力はまだ変態だからへーきへーき。

 

「行くぞぉおおおおお!!」

 

『大和魂をみせてやれ!!』

 

『突撃ー!!』

 

『ypaaaaaaaaaaa!!』

 

 ぱち波たちは雄叫びをあげながら進軍する。それに気づいたMark04は迎撃しようとするが一瞬で十字架に還る。Mark04も負けじと次々迫ってくる。

 

『敵機確認!』

 

『敵機確認!』

 

『敵機確認!』

 

「ちぃ!パターン青…全員擬似S2機関持ちですか…!」

 

『報告。敵数およそ3000以上。現在進行形で増殖中♡』

 

「死ね」

 

『両脇から攻め込むぞぉー!』

 

 多い多い多い!馬鹿じゃないですかこの数!助けてー!集団ストーカーにおそわれてまーす!今のところワンパンで沈めてますけど、面倒なことこの上ない。これで白ウナギみたいに復活してきたらこの機体でブリッジしながらG走法しますよ!?(錯乱)

 

『『『やめて』』』

 

いいや。壊そ。

 

 量産機の首を掴むとそのまま脊髄を抜き、その引き抜いた骨で他の機体に投げつける。

 投げられた骨は装甲を容易く貫き数を減らしていく。取り囲もうとしても跳躍一つで避けられる。

 

「エヴァだろうが、異形だろうが身体の作り方はまだわたしの理解の範囲内」

 

腹に穴を開け、そこから体内のコアを握り潰す。足を掴んでくる機体にはエントリープラグ挿入口からコアを踏み砕く。

 

「コアを破壊しても死なないなら、プラグを破壊すればいいのです。無限機関があるならそれを破壊すればよし」

 

それでも迫ってくるやつは、脊髄、背骨を引き抜く。動けなくなる上に再生が遅くなりやすい。

 

何体か特別なのか何度も何度も再生してくる機体がいる。どこを壊してもすぐに再生してくるから鬱陶しい。

 

「全身がコアの存在を殺すのは難しいです。今の私では時間がかかります。なのでこうします」

 

黒き月の内壁に機体を骨の槍で関節ごとに固定する。ATフィールドを纏わせて突き刺してあるので、そう簡単には抜けない。

 

「死なない=無敵ではないです。強敵ではありますけど」

 

『毎回思うんだけど、女の子がしていい戦い方じゃないよね』

 

『だから、わしらが戦ってたのに…』

 

『ビューティフォー』

 

『…………』

 

『大変だ!新入りが気絶した!』

 

『衛生兵‼︎』

 

『SANチェック入りまーす』

 

『我に任せよ』

 

 使徒擬きが黒き悪魔に触れることなどできるはずがない。紛い物程度のATフィールドでは逆に奴らの機体が破壊される。

 

 特別な武器や能力を使っているわけではない。首をへし折り、コアを砕き、プラグを踏み潰す。

 ただ、それだけを繰り返しているだけだ。使徒の力を抜いたとしても、在り方が変わるわけではない。

 あの機体はギリギリ人の域に留まっている。それは使徒の力を持っていることだけが理由じゃない。

 

 しかし、数の暴力は確かに恐ろしいものだ。大蛇や大型哺乳類が非力に思われるアリに負けることだってあるのだから。

 黒き悪魔を囲い質量で押し潰そうとしても、悪魔がその四肢を振るっただけで紛い物の役目は終わる。

 

 これが普通のエヴァであったら活動限界の問題で一網打尽にされていただろう。

 だが、悪魔にその心配は要らない。もちろん無限ではないが少なくとも紛い物程度で活動限界は来ない。

 

 インフィニティを使っているとはいえ所詮は新人類にもエヴァにもなれない紛い物。その不完全さはリリンらしいとも言える。

 赤い大地に並び立つ十字架は悪魔に対する最後の抵抗なのだろうか。しかし、この悪魔にそんなものは意味が無い。自らその顔に十字架を付けているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんとか入口が見えたて来ましたね…。えっ?Mark04はどうしたかって?全てエントリープラグごと破壊してきました。どうせまた、増えるだろうけど。さて、結構奥の方まで来ましたね。

 

「…これがリリスの結界跡…」

 

 ぽっかり穴が開いてますけどね。これ、この機体でも壊すのしんどそうな材質ですね….マッマ、これリリスのやつで間違いない?

 

『もちろんさぁ』

 

 信者わくからやめようね。カヲル君曰くリリスの結界を壊すにはダブルエントリーシステムじゃないとダメ。アダムスの生き残りとは関係ない…?あっ知らない。ふーん…そう。

 

「………」

 

『かなり恐怖を感じた』

 

 鞭に蝋燭、猿轡〜。おっと、なんでもないです。カヲル君でさえ13号機のことは分からなかったらしいので後に考察していきましょうか。

 さぁ、着きました。セントラルドグマ最下層…横になってるから骨とか血とか大変なことになってますね。

 

 ここにあるのは…頭蓋骨と血と…これは…ヘリの残骸…。ここにあったのはリリスの首なしの骸。

 

 

そう。リリスの首なしだ。

 

 

「リリス」

 

『ママ』

 

「今回は真面目にやって。貴方はどっちのリリス?」

 

頼むから、胃に優しいものでお願いします。

 

『安心していいわよ。私はあっちとは乖離しているから』

 

 

 

 

 

 

 

「嬉しくない…うん。過去最高に厄ネタ」

 

ははっ笑えよ。こんなクソみたいな真実に辿り着いたわたしを。ここでぇ…皆さんの為に…ちょっと待ってください…

 

 

〜少女胃薬服用中〜

 

 はい、説明します。(げっそり)この首なしリリス。あれ旧劇の神リリスです。この時点でだいぶクソみたいな状況ですね。まぁだから何って話なんですけど、まずはこの世界について説明しましょう。

 

 まずですね、新劇の世界がイレギュラーだって言ったじゃないですか。そのまんまで存在自体がイレギュラーな世界だったんですよね。旧劇のあのラストから偶然生まれたのがこの新劇世界ってわけで。

 

 それで、旧劇世界のように碇君の物語が始まります。その頃、旧劇世界では月にゼーレが建造施設を整備。

 はいここポイントです。ゼーレ生きとったんかワレェ!と言いたくなりますがカヲル君が起きた時にいたゼーレは多分新劇のゼーレです。新劇のゼーレがモノリスとして旧劇世界に建造施設を設備した。

 

 Qどうやって違う世界に行けるの?

 

Aネブカドネザルの鍵だと思うんですけど。

 

 多分これ。逆にあれ何に使うの?誰か教えてエロい人!なんか魂の形を変えて悠久の時を生きるらしいです。もしかしたら、旧劇ゼーレが魂の形を変えたのが新劇ゼーレなのかもしれませんね。

 

 あと、どう考えてもセントラルドグマ最下層じゃないでしょ。ガフの扉を開き、サードインパクトを起こしたのはジオフロントじゃないですか?

 そもそも、インパクト=ガフの扉を開くことではないのかもしれませんが…。

 

 次に世界の意思についてです。この世界は終わりを望んでいるって言いましたけど、まぁその通りです。

 

 旧劇の世界から生まれた新劇世界は元に戻ろうとつまり旧劇世界と合体しようとしてたんですね。そりゃそうですよね!インフィニティ達まで使って原作よりにしたのはインパクトを起こすためなんですから。

 

 インパクト中現れるガフの扉が世界を繋ぐ門でカヲル君はそこからこっちに来た。恐らく碇君が起こしたニア・サードインパクトで中途半端に世界が融合しました。結果あのクソみたいな世界になったと。

 

 世界と言っても次元とかに区切られている訳ではないと思います。ゲンドウ君達実際行ってますしね。惑星間移動するようなロケットで。

 新劇の月にカヲル君がいたと仮定すると、ゲンドウ君と冬月副司令という組織の長が第八使徒が接近している中でロケット乗ってるとか危なすぎるし、何より月に血の跡がないです。

 

で、融合の結果リリスの骸がセントラルドグマにエントリー。元々いたのはリリスは行方不明。もしかしたら骸と融合したという可能性もあります。

 月面の巨人がリリスだとしたら神リリスと同化しているのにも筋が通る。他にも、セントラルドグマにいるのはリリスではなくアダムという考察もありましたね。

 

 Mark06が究極のヱヴァンゲリヲンと呼ばれていたのは、使徒の力をリリンのものにした機体だったから。使徒入ってましたし。光輪ついてましたし。また、Mark06は建造方法が違います。普通のヱヴァンゲリヲンはアダムかリリスのコピーです。おそらくはそのまま本体を使っているのでしょう。

 

 Qの問題機もとい第13号機ですが、アレATフィールドがないじゃないですか。ATフィールドは普通どんな生物にもあるんですよね。

 

つまり、魂…コアが無い。

 

 わたしと同じです。クローンは肉人形でしか無い。魂が入ったものだけが綾波レイとして生きられる。

 

 第13号機の魂つまりコアとなったのが渚カヲル。13番目に堕とされることにより、パターン青へ。第13号機もとい第13の使徒が魂を得たことによりフォースインパクト開始といったところでしょうか。

 

 『魂が2つ無いと槍を扱えない』

 

そう。碇君もまたコアとなっていた。これがゼーレの保険。第12の使徒によって堕とされたカヲル君。

 おそらく碇君にDSSチョーカーがついていればパターン青の反応が出たと思います。第11の使徒として

 

 因みにMark09もほぼ同じですね。黒波を贄に完全なアダムスの器となる。マリの発言からアダムスの器になるとパイロットになんらかの影響が出る。だから、早くそこを出た方がいいと言ったのでしょう。

 そういえばヴンダーで戦ったMark09はまだアダムスの器ではなく移行形態でしたね…。

 

 

 閑話休題

 

 次、インパクトの条件について。インパクトの条件ってコアとコアの接触だと思ってましたけど、もう少し複雑な条件が新劇の世界にはありました。

 

 まずは旧劇のインパクトの条件を確認しましょう。

 

 旧劇のセカンドインパクトはロンギヌスの槍と人の遺伝子によりアダムを卵に還元する際に発生。副次的なエネルギーにより南極大陸は蒸発。世界の海面水位が上がり大混乱の結果、人類の半分が死亡。

 

 サードインパクトはセカンドと何が違うかというと人類を魂と生命のスープに変え、新たなる生命に進化する人類補完計画の為に行われました。

 ゼーレはアダム系が持つ生命の実とリリス系が持つ知恵の実を合わせると神になれると知り人類補完計画を承認。

 

 使用したものは、リリスのコピーである初号機とそのパイロット(渚カヲルの代用品として)、神となったリリスとエヴァシリーズ。

 

 一方新劇では、セカンドインパクトは4体の光の巨人と4本のロンギヌスの槍が発動の鍵となっていました。

 

 バチカン条約で一国のエヴァ保有数を3体までに制限。つまり、エヴァが4体もしくはそれと似た存在4体がインパクトの条件に入る。

 

 ニア・サードインパクトの時は初号機の一機だけなので完全なインパクトではないのかもしれません。無理矢理4人に分けることもできますが。逆にフォースの時は分かりやすいですね。第13号機、第12の使徒、渚カヲル、碇シンジの4人。

 

 インパクトには覚醒が必要でガフの扉を開き魂を浄化させることがインパクトの真実ですね。そして、そこはリリンが踏み入れられない世界となる。

 

 太古からの大量絶滅プログラムとカヲル君は言ってました。このプログラムを設定したのは新劇世界の人々に知識を与えてくれたゼーレなのか、世界なのかはもう分かりません。ゼーレは消えましたし。

 

 

 

『数が揃わぬ内に初号機をトリガーとする』

 

この加持の言葉の数は残りの使徒の数なのか、光の巨人の数なのかは分かりません。

 

 最後。わたしについて。ループの件なんですけどループじゃなかった説が濃厚になりました。ガフの扉は異世界を結ぶ橋で多分わたしは毎回そこから、世界をまたいで来たというとんでも事実。

 確かにわたしはこの世界(エヴァ世界)の人間じゃないからね。ごみ感覚で捨てられましたね。

 おそらく魂がガフの部屋に入らないのでしょう。なので他の世界線に飛ばされる。

 

 

 なんてことをしてくれたのでしょう(# ゚Д゚)

 

 多分碇君のせいなので、殴っておきましょう。この機体も何処で創られたものなんですかねえ…。

 

「とらとらとら‼︎」

 

思い出しました‼この機体があったところ!バチクソ怪しいじゃん!よし善は急げだ。イクゾー!

 

 

 ぱち波が踵を返そうとするとロンギヌスの槍が7号機のATフィールドを容易く貫通して眼前に迫って来ていた。

 背筋が凍る感覚が走り何とか身をひるがえして回避に成功したが久しぶりに感じた死の気配にぱち波は震えた。

 

『こんな時に…第二、第三のアダムスの器か…!』

 

 ロンギヌスの槍のコピーを携えて現れたのは異形のヱヴァンゲリヲン。4444Cとはまた違った異形だ。

 腕を羽に見立てた翼を持ち、白と紫の不気味なカラーリング、アダムを象徴する仮面は外れかけており複数の光が漏れている。

 仮面の奥から見えるものには神聖なものを感じるが、どうにも禍々しいものが混じる。

 

『…聖ヒエロニムスと聖ヨハネの代行者か…!これだけの存在を投入してくるなんて…!』

 

「分かるように説明して下さい。女にしますよ!」

 

 説明聞いたけど聖人とか知るかボケェ!まあ、あれがアダムスの器だってことが分かればいいです。というかこいつらクソ強いんですけど。身体能力とかは空飛べるぶん普通のエヴァより機動性いいかなって程度だけど槍がヤバい。コピーだけどアンチATフィールドがしっかり発生してる。

 ATフィールドが全く意味が無い。そしてこいつら完全な全身コアですね。使徒の能力が使えない今の状態だとマジで戦い辛いです。

 

 奴らが放つ槍は早くそして正確だ。そして決してこちらに近づいてこない。反撃を避けるためだろう。

 槍は勝手に奴らの手に戻っていく性質を持つ。それに巻き込もうと槍と挟む陣形を取る。

 

 手が届かぬ距離では無いが必ず狙われた機体のフォローに回るという厄介さ…中々頭いいですね…。

 ならばこちらも頭を使って対抗しましょう。

 

 

 

 では作戦を開始します。

 

ステップ1

投擲された槍をキャッチして投げ返し串刺しにします。

 

ステップ2

もう一機の腕ごと槍を奪いプラグ挿入部分からコアに通して刺します。

 

ステップ3

頭突きし頭部を砕きます。

 

ステップ4

逃走を開始します。

 

「撤退!撤退!」

 

『不時着を試みます』

 

『ぎゅうぅぅうんん!』

 

『敵機確認!敵機確認!』

 

『ネルフノイヌメェ!』

 

「これより、作戦を開始する」

 

『了解!』

 

『了解!』

 

『了解!』

 

『やってやるさ…なんでもなぁ!』

 

『ん?今なんでもするって(以外略』

 

喧しく赤い大地を疾走するぱち波だった。

 

ーーーーーー

 

 碇シンジは赤い大地を放浪していた。彼がここにいる理由は彼自身が逃げ出したと多くの職員に思われているが、真実はぱち波がシンジを逃がしたのだ。

 何も言わず、シンジが抵抗してもただ荷物を渡されて外へ連れ出された。また、DSSチョーカーにはとある機能が付け足されていた。

 

 

 

 

なんで、生きているんだろう

 

なにもしたくない

 

迷惑をかけただけだ

 

 手の中のスイッチを握りしめる。これを押せば楽になれる。そう書いてあった。何度も押そうと思ったのに未だこうして苦しんでいる。

 

 また、友達を殺してしまった。信じたくないから逃げ出したけど知らないフリをするのにも限界がきていた。

 

 この世界の理不尽を憎んだ。なんで僕だけが

 

 自分の運命を呪った。なんで僕なんだ

 

 今日もどこかを探してる。ただ逃げているのかもわからない。

 

 

空が青い…霞んだ色の廃墟に小鳥が止まっている。どこかで聞いた波の音がする。

 

「…変な匂いだ……確か…潮風の匂い」

 

シンジが見た光景はセカンドインパクト前の光景と酷似していた。青い海があり生き物がいる証拠が風に運ばれている。目の前の海は水平線の彼方まで青い。

 

「空が…割れてる…?」

 

 空を見上げると青い空があった。

 

 青

 

それは海の青だ。鏡のような空が海になっている。鏡の空に映る海と水面に映る空がまるで合鏡のよう。

 

シンジは砂浜に座りその不思議な光景を眺める。かつて、同じベクトルの景色を誰かと見たような感じがした。

 

 

 何日か経って体が軽くなった気がする…。渡された食料も前までは胃が受け付けなかったのに、今は胃に収まり栄養になっている。スイッチを握りしめることも少なくなった。なのに、ずっとここにいたいとは思わなかった。

 

「…もう、夜か」

 

ここの夜も不思議なものだ。空と海には月と星々が並んでいた。赤い線の入った月がここが現実ではないと僕に教えさせた。

 

「…ここは、どこなんだ」

 

 僕は探索を始めることにした。ここは廃墟の海だ。ここ数日誰も来ないしいない。まだ形が残る廃墟の中にも人が生活していた痕跡はなくなっていた。

 砂浜で欠片を見つけた。それは僕の顔が映るただの鏡の欠片だった。割れ目は日に日に大きくなっているからそこから落ちてきたのだろう。月明かりに欠片を照らして見ると、鏡には少女が映り込んでいた。

 

「…君は…?」

 

シンジが鏡に問いかけると砂を踏む音が後ろから聞こえてきた。

 

「秘密。後ろを振り返ってはダメ。姿が見たいなら鏡で見て」

 

 綾波の声。鏡に映る姿も綾波だ。

 

夜が明けるまではまだ時間がある中での出来事だった。

 




これ一本の映画で謎全部回収できるかと不安な作者です。シリアスって難しいね。
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