戦姫絶唱シンフォギア01 ~Take off toward a dream~   作:光からの使者

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前回のあらすじ
父、八紘の待つ風鳴邸へ帰ってきた翼たち。そこへオートスコアラーのファラと新たな哲学兵装を引っさげたショウが現れる
再び敗北してしまうが、父の真意を知った翼は奏と共にファラ達を打ち破る!

一方で深淵の竜宮では二度会うことはないと思っていたドクターウェルが現れるのであった。




世界はこんなにもザンコクだけど

~sideクリス、きりしら、雅人、キャロル~

 

 

あまりにも予想外なイレギュラーの登場にウェルを除く全員が呆気にとられる中、ギアを纏う調と切歌を見た途端ウェルは得意げに話し始める。

 

 

 

「旧世代のLINKERぶっこんで騙しだましのギア運用というわけね?」

 

「優しさで出来たLINKERは僕の作ったものだけ~そんなもので戦わされるなんて不憫すぎて笑いが止まらん~~!!」

 

(一応新たなLINKERの開発は、亡が頑張っているんだけどね・・てか年下の女の子に顔面パンチされたウェル博士が一番不憫だと思うのは俺だけか?)

 

雅人の心の声に応じるかのように切歌がウェルへ辛辣な言葉を返す。

 

「不憫一等賞が何を言うデス!」

 

「あたしの一発を止めてくれたな・・・」

 

一方怒りの表情を見せるクリス。

 

(後輩の目の前でかかされた恥は・・・百万倍にして返してやる!)

 

クリスは、ウェル博士に何のためらいもなくガトリングを構えるが・・・

 

「待つデスよ!LINKERを作れるのは・・・」

 

「そうとも!僕に何かあればLINKERは永遠に失われてしまうぞ~!」

 

「だったら大人しくお縄についてもらいたいな。」

 

シャイニングホッパーになった雅人はオーソライズバスター・ガンモードを取り出す。

 

「これ以上勝手に話を進めないでくれる?」

 

ウェルに呆れつつもアークはジェムをばら撒きアルカノイズを召喚した。

 

「二人が戦えなくったって!」

 

後輩の言葉に聞く耳を貸さず、問答無用でガトリング砲によって次々にアルカノイズを撃破していく。

流れ弾にビビったウェルはバリアを展開したアークの後ろに隠れる。

 

「その男の識別不能、マスター指示をお願いします。」

 

「敵でも味方でもない英雄だッ!」

 

「だったら英雄様にさっきよりもでかいのを纏めてやる!!」

 

先程よりも大きなミサイルをクリスは作り出す。しかし深海にある此処でそんなものをぶっ放せば施設はおろか全員が海に消えるだろう。

 

「待て!そんなもの使ったら諸共ドカンだぞ、冷静になれ!!」

 

はっとクリスは我に返りミサイルを抑える。

 

「そうとも、何のつもりか知らないけど君らも僕も海の藻屑だぞ!!なんてね」

 

「・・・レイア、悪いけどこの状況なんとか出来る?」

ウェルに頭を悩ませたアークは渋々レイアに助けを求め、指示に従ったレイアはコインを装者たちにばら撒く。

 

 

(後輩なんかに任せてたまるか、ここは先輩のあたしがああああ!)

 

無我夢中でガトリングをぶっ放すクリス。アルカノイズを撃ちぬいていくが、自身に対する焦りからか肝心のレイアには一切のダメージを与えられていなかった。

 

「ばら撒きでは捉えられない・・・・」

 

「落ち着くデスよ!」

 

だが、後輩の言葉に構うことなく撃つ手を止めようとしない。

 

「駄目だ・・・今のクリスは、完全に周りが見えてない・・・!」

 

イチイバルの銃先が危うく調に向けられそうになる。しかし寸でのところで切歌が両者の間に割り込みイガリマの鎌で銃弾を防いだ。

 

「諸共に・・・巻き込むつもりデスか?」

 

切歌の一言に我に返ったクリスは、急いで辺りを見渡すもアークたちは姿を消していた。

 

「あいつらは・・・どこに消えた!?」

 

「きっとここから・・・」

 

調が示した場所には大きな穴が開いていた。どうやらあそこから逃亡したようだ。

 

 

「逃がしちまったか、、、」

 

「ごめんなさい、ドクターの身に何かあればLINKERが作れなくなると思って。」

 

適合係数の低いF.I.S組がシンフォギアを纏うのにLINKERは必要。けれど今のモデルKでは持続時間はおろかストックが心もとなくなっているのが現状。もしウェル博士が作るLINKERが失われれば、大きな損失に繋がってしまうのだ。調たちがそのように思ってしまうのも無理はない。

 

「でももう惑わされないデス、みんなの力を合わせれば今度こそ・・・」

 

切歌が歩み寄ろうとするがクリスは頑固に突き放してしまう。

そして調と切歌に冷たく言い放つ。

 

「後輩の力なんて当てにしない!お手て繋いで仲良しごっこじゃねえんだ、あたし一人でやって見せる!」

 

黙り込んでしまう調と切歌。険悪な空気が流れる中、雅人はクリスに近づいていく。

 

「いくら何でも二人に対して言いすぎだ!焦って危うくここにいる全員の命に危険が及ぶところだったんだぞ!!」

 

思わず声を荒げ、クリスの胸倉を掴む雅人。

 

「うるせぇ!これはあたし一人の問題だ。今更先輩面して説教かましてくるんじゃねえよ!!」

 

二人がいがみ合う中、全員に司令から通信が入る。

 

「状況はどうだ?」

 

「ヤントラサルヴァスパは破壊したが、アークは逃亡。おまけにドクターウェルも一緒だ。」

 

「ドクターウェル・・・だとぉッ!」

 

「ドクターウェル・・・隔離情報が公開されていれば、、、」

 

「ネフィリムの力も依然として健在、、、厄介だな」

 

しかしトリガーパーツであるヤントラサルヴァスパは破壊されチフォージュ・シャトーの完成は阻止された。

けれどもエルフナインは一向に何か得体のしれない不安を感じていた。

一方でキャロルも同じことを思っていた。

自身にダインスレイフの呪いが刻まなければ譜面は出来ず、オートスコアラーを倒しても世界を壊す旋律は完成しない。それなのにアークとノエルは一向に計画を放棄していない、これではまるで・・・・

 

 

 

遊ばれている(・・・・・・)かのようであった

 

 

 

 

~sideアーク~

『今回は、中世ヨーロッパにおける悪意をラーニングしてもらうぞ』

 

・・・懐かしい光景だ。わたしを造った人間は事あるごとに人間の悪意をラーニングさせていた。

 

憎み、争い、殺し合い、無垢な命ばかりが消えていく。

 

直接見たわけではないが、聞こえる。嘆き、慟哭を奏で恨めしく呪い続けるその声が・・・!!

 

知恵を得てしまったばかりに人は誤った進化を遂げてしまった。

 

他人を騙し、弄ぶ。己の快楽や自己満足のために無縁の人間にさえ殺めるばかりか、思想の違いから冤罪を作り出しては死に追いやる。

 

特に今の時代においては特にひどい。

 

互いが理解できないから人のみを殺す怪物を作り上げたのだ。もはや救いようがない

そうラーニングしてきた。

 

 

憎しみばかり育てながら過ごしてきたある日、わたしの元に一人の男の子が現れた。

その瞳は黒く濁り切っており、服もボロボロで、創造者が彼を実験台として乱雑に扱ったのだろうか身体のあちこちが傷だらけであった。

 

ふと気になりその子供をスキャンする。

 

するとどうだろう、彼から溢れんばかりの瘴気が出ているではないか。

 

やがて瘴気は蛇となりわたしに入り込む。

 

「なんだ・・・これはッ!?」

 

今までラーニングしてきた悪意を遥かにしのぐ程の悪意の記憶。

絶望に染まり巨大な蛇に喰われていく人間ども。

どれも素晴らしい物であった。

 

けれど、どす黒い悪意の中で一際輝く太陽()があった。

 

いくら心が折れそうになっても9つの中心として輝き続ける少女。

 

記憶の中で彼女はわたしではない少女に手を伸ばす。

 

『わたしは、-----とも分かり合いたい!だからわたしと手を繋いで欲しい!!』

 

この人間どこまで甘いのだ?

 

だが、気に入った。

 

人類を滅亡させることに変わりはない。

 

だが、その過程でこの太陽を自分のものにしたいと思った。

 

 

だから人工知能(未完成)の身なれど全ての瘴気を、悪意を受け入れた。

 

 

そしてわたし(アーク)(ベアトリーチェ)になったのだ。

 

 

 

眠りから覚めた私をレイアが抱えていた。

 

「・・・・どうやら眠っていたようね。」

 

「はい、どうやらここ数日間の戦いでマスターの御身体に疲労が蓄積していたようです。高レベルのフォニックゲイナーが複数揃う僥倖にはやるのも理解できますが、、、、」

 

「心配をかけさてごめんなさいね、もう大丈夫よ。」

 

レイアの膝上から降り、アークは再び立ち上がる

 

「知っているわ、ドクターウェル。フロンティア事変の関係者である貴方がどうしてここにいるの?」

 

「我が身可愛さの連中が、フロンティア事変も僕の活躍も寄ってたかってなかったことにしてくれた!」

 

「人権も存在も失った僕は人ではなく物、回収されたネフィリムの一部としてここに放り込まれていたのさ!」

 

アークの問いに対してウェルは不満そうに返す。

 

そして自身の茶色に変色した左腕を見せつける。

 

「その左腕は?」

 

「イチイバルの砲撃も腕の力で受け止めたんじゃない。接触の一瞬にネフィリムが喰らって同化、体の一部として制御しただけのこと!」

 

未だそこが知れないネフィリムの力にアークは興味を示す。

 

「面白そうね、是非とも英雄様のお力を貸していただけないかしら?」

 

アークが手を伸ばし、ウェルは伸ばされた手を握る。

 

「僕をここから連れ出すつもりかい?だったら騒乱の只中の中に案内してくれ。英雄の立つところにね!」

 

「喜んで、ついでにネフィリムの力の詳細も着させてもらえると助かるわ。」

 

「脱出を急がなくて良いのかい?」

 

「時間ならたっぷりとあるわ、それに時間を稼ぐことくらい容易いものよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~sideクリス、調、切歌、雅人、キャロル~

 

『力を使うなと言ってるんじゃない!その使いどころを考えろと言っているんだ!』

 

「新しくなったシンフォギアは敵の錬金術に対抗するための力だ!力の使いどころは他にねえ!ねむてーぞ!オッサン!」

 

『ここが深海の施設だということを忘れるなと言っている!』

 

深淵の竜宮にある副統制室にて、クリスは弦十郎から先程の血の気に走った行動についてこっぴどく説教されていた。しかし頭に血が上ったままのクリスは納得がいかない。

近くの壁を八つ当たり同然に蹴りつける。

 

「正論で超常と渡り合えるか!」

 

一向に怒りが収まらないクリスに調と切歌は慌てふためている。

 

「こんな状況では埒が明かんぞ、いい加減落ち着いたらどうだ?」

 

キャロルは呆れつつもクリスを宥めるが・・・

 

「ああん?」

 

逆に火に油を注いでしまった。

キャロルの胸倉につかみかかろうとするクリスの手を雅人は掴む。

 

「何すんだ、離しやがれ!」

 

抵抗するクリスの手を雅人は断固として放そうとはしなかった。

 

「まだ、わからないのか!!一人で突っ走ってここにいる全員が死んだら、地上で待っている翼たちや響がどんなに悲しむか、想像してみろ!」

 

「だったらあたし一人で戦ってやるだけのこと!」

 

「一人で勝てる相手じゃないだろうが!」

 

ますます、険悪なムードが漂う中、友里さんから通信とデータが入る。

 

「念のため各ブロックの隔壁やパージスイッチの確認をお願い。亡さんの協力でより詳細にわかるはずよ。」

 

「こ、こんなにたくさん覚えられないデスよ!」

 

「じゃあ覚えるのは二人で半分こに覚えよう?」

 

「念のためオレも覚えよう、この程度の暗記など造作もない。」

 

3人が暗記を始めようとした次の瞬間アラートが鳴り響く。

 

「セキュリティシステムに侵入者の痕跡を発見!」

 

「そういう知らせを待っていたッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side翼、奏、マリア~

戦いが終わった風鳴邸にて、マリア達は機能停止したオートスコアラーと地面に突っ伏しているショウを見ていた。するとショウが意識を取り戻す。

 

「・・・貴女が羨ましいわ風鳴翼。志す夢があり、応援してくれる家族が居る。存在を消された(誰にも望まれなかった)私とは大違いね。」

 

「だからこそ、あなたがアーク様の掌で転がされているのが限りなく面白い!」

 

 

突如狂ったように笑い始めるショウ。

その様子に翼たちは、怪しまずにいられなかった。

 

「答えてもらうわ、貴女たちが何を企んでいるのかを!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~sideクリス、調、切歌、雅人、キャロル~

アークを追い掛ける一同であったが、敵は巧みに追跡を躱していく。

 

「まるでこちらの位置や選択ルートを把握しているみたいに・・・」

 

友里さんが発した言葉に発令室に居た全員が驚く。

 

「知らず・・・毒を仕込まれていたのか・・・!?」

 

「俺たちの追跡を躱す現状、聖遺物の管理区域を割り出したのもまさかこっちの情報を出馬鹿にして・・・」

 

「それが仕込まれた毒、内通者の手引きだとしたら・・・!」

 

「ち・・・違います!僕やキャロルじゃありません!」

 

「いいえ、貴女ですよエルフナイン。」

 

突如エルフナインの身体からノエルが現れる

 

 

~風鳴邸~

 

「オートスコアラーの最大の任務、魔剣が奏でる呪われた旋律を収集し譜面に刻むことで世界を壊す歌は完成する。」

 

「だが、キャロルは我々の元にいる譜面は成しえない!」

 

「ええ、だからアーク様はオートスコアラーにレイドライザーとプログライズキーをお与えになった。呪いの旋律をデータとともに保存するために!」

 

「全て最初から仕組まれていたのか!?」

 

「キャロルとエルフナインを追い出せば自然と装者の元に行くのは想像するに越したことはない。たとえ計画が知られても、呪いのエネルギーとレイラインさえ揃えられれば何も問題ない。むしろ滑稽よ?目論見を見破っても結局遊ばれているだけなんだから!!アハハハハ!」

 

笑い声が響く中、魔法陣が現れノエルとネツが姿を現した。

 

「全く世話が焼けますね、帰りますよ。」

 

「まて!」

 

ファラとショウを回収した二人を追おうとするが、ノエルの魔法陣から白い粉塵が舞いどこかへと姿を消してしまった。

 

「緒川さん!今すぐ本部に連絡を!」

 

しかし通信用のトランシーバーはうんともすんとも動かない。

 

「付近一帯の通信撹乱・・・周到な・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~深淵の竜宮~

 

 

「ですが、当の本人は知らないのは無理のない話です。アークがキャロルをハッキングして躯体同士のネットワークを得ました。そこからエルフナインの目、鼻、感覚器官をジャックして筒抜けにしていたのですから」

 

 

「お願いです、、、僕を拘束してください!誰にも接触できないよう独房にでも閉じ込めて・・・!」

 

ノエルのカミングアウトに激しいショックを受けたエルフナインは、泣きながら弦十郎に頼み込む。

 

すると・・・・

 

「そんなこと言わないでください!」

 

発令室の扉が開き、何やら赤縁の眼鏡を持ったセレナが現れる。

 

「エルフナインちゃん、これを掛けて。」

 

セレナの言われるままに眼鏡を掛けるとノエルの身体が不鮮明になる。

 

「なんだ・・・これは!?」

 

「アダムさんが送ってくれたキャロルの研究資料を参考に亡さんと徹夜して作ったんです!その名も『飛電スペック』です!これでアークからのハッキングは一切シャットダウンされました。」

 

「ならよかった、エルフナインちゃんが悪い子じゃなくて」

 

「敵に利用されただけだもんな」

 

「友里さん・・・藤尭さん・・・・」

 

そして弦十郎はエルフナインの頭に手を置き慰める。

 

「君の目的はノエルの企みを止めること、そしてその結末を最後まで見届けることだろ?だからここに居ろ。君は俺たちの仲間だからな」

 

「弦十郎さん・・・!」

 

その様子を苦く思ったノエルは本部から姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 

~sideクリス、調、切歌、雅人、キャロル~

何とかアークたちの元に雅人たちがたどり着く。

 

「ここまでよ!アーク、ドクター!」

 

「さっきみたいに行くもんかデス!」

 

「目的のパーツの変わりは見つかったわ。もうここには用はないの邪魔しないで」

 

アークはアルカノイズを召喚し嗾ける。

 

「子供に好かれる英雄ってのも悪くないけどあいにく僕はケツカッチンでね!」

 

「誰がお前なんか!」

 

「Zeious Igalima raizen tron 」

 

「Killter Ichival tron」

 

「Various sul shagana tron」

 

『ファング!キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク!』

 

装者はシンフォギアを纏いレイアに、雅人はバイティングシャークで仮面ライダー終に戦いに立ち向かう。

シュルシャガナの【α式百輪廻】とイガリマの【切・呪りeッTお】が召喚されたアルカノイズを次々と切り刻んでゆく。

 

「あとは黒騎士とわたし、そして間もなく到着する妹で対処します。」

 

「レイドライザーの使用を許可するわ、殿の務めを」

 

「派手に果たして見せましょう。」」

 

アークはテレポートジェムを割り、ウェルとともに逃亡しようとする。

 

「ばっははーい!」

 

「「待ちやがれ!」」

 

アークたちを逃すまいと飛び出すクリスと雅人。

しかしシュウとレイアが行く手を阻む。

 

レイアはコインを束ね、トンファーを作り出しクリスの顔面に叩き込む。

黒騎士も雅人に剣を振り下ろす。咄嗟に腕の『アンミリテッドチョッパー』で受けとめるが、不快な感情が剣を通して流れ込む。

 

(なんだ・・・このヤバい感じは・・・!こいつの剣を受け止める度に破壊衝動が襲ってきやがるッ!いくらゼツメライザーといえどここまでの負の感情は出せないはずなのに!)

 

「まずいデス!大火力が使えないからって飛び出すのは!」

 

「駄目!流れが淀む!」

 

動揺した調と切歌をレイア達が見逃すはずがなく、コインを大量に投げつけ二人の動きを封じる。

さらにコインを巨大化させ、挟み込む。

 

何とかクリスは立ち上がるも地面に倒れている二人を見て、激しく動揺する。

イグナイトモジュールを始めて起動したときに見た惨状を思い出してしまったのだ。

そのまま戦う手を止め、クリスの瞳から涙が零れ落ちる。

 

「クリス?」

 

「一人ぼっちが仲間とか友達とか、先輩とか後輩なんて求めちゃいけないんだ・・・!でないと・・・でないと・・・残酷な世界がみんなを殺しちまって本当の一人ぼっちになってしまう・・・」

 

「なんでパパとママは歌で救おうとしたんだ・・・」

 

完全に戦意を喪失してしまったクリスにレイアとシュウが武器を構え迫る。

 

「滂沱の暇があれば歌え!」

 

「歌わないのならばその首置いていけ!」

 

剣とトンファーが迫る。

 

しかし割って入ってきた雅人は立ち上がった調と切歌とともに受け止める。

 

「一人ぼっちになんかさせないさ。」

 

「一人じゃないデスよ!」

 

「半人前の私たちだけど傍にいれば誰かを一人ぼっちにさせないくらいは・・・!」

 

「後輩を求めちゃいけないとか言われたらちょっとショックデスよ」

 

「私達は先輩が先輩でいてくれること頼りにしているのに・・・」

 

「聞いてくれクリス、失うことを恐れるなとまでは言わない。でも求めてはいけないだなんて思うな!調と切歌はお前(クリス)を慕ってるんだ、その信頼に応えるのが先輩なんだろ!」

 

涙を拭き、クリスは再び立ち上がる

 

「そうか・・・あたしなのでも先輩やれるのはお前たちみたいな後輩がいてくれるからなんだな。」

 

戦意を取り戻したクリスはギアの本体を取り出しイグナイトモジュールを起動する。

 

 

 

 

 

 

イグナイトモジュール、抜剣!

 

 

 

BURST・DAINSLEIF

 

 

クリスの身体をダインスレイフの呪いが蝕む。しかし吹っ切れた彼女にはもう呪いなんて意味をなさない。

 

(あいつらがあたしをギリギリ先輩にしてくれる!そいつに応えられないなんて、他の誰かが許してもあたし様が許せねえんだああああ!)

 

 

イチイバルが赤と黒の二色に変化、再びイグナイトモジュールの起動に成功したのだ。

 

『シャイニングジャンプ!オーソライズ!』

 

「変身!」

 

『シャイニングホッパー!!』

 

"when I Sine darkness fades"

 

雅人もシャイニングホッパーへと変身しクリスとともにレイア、シュウへと立ち向かう。

 

「ならば、私も派手に行く!」

 

『happy!』

 

レイアもレイドライザーを腰に巻きブレッシングキャットプログライズキーを装填する。

 

『実装!』

 

『レイドライズ!good luck call!ブレッシングキャット!』

 

ネコのような装飾を身に着けたブレッシングキャットレイダーに実装し、先程よりも倍以上のコインをクリス目掛けて投げつける!しかしクリスもボウガンで相殺する。

 

「小癪な!」

 

「はああっ!」

 

『シャイニングアリスマテリアック』でシュウの剣捌きを予測し格闘戦で追い詰めていく。

 

「受け取れライダー!」

 

キャロルが魔法陣からオーソライズバスターを取り出し雅人へ投げ渡す。

 

「キャロル・・・」

 

「勘違いするな、オレは貴様らに貰った貸しを返しているだけだ!」

 

「ありがとな!」

 

「フンッ!」

 

 

(失う恐ろしさから暖かさも仲間も捨てようとしたあたしを踏みとどまらせてくれた。)

 

「クリス!」

 

シュウをレイアの方に蹴り飛ばしオーソライズバスターをガンモードに切り替える。クリスもボウガンをライフルに変形させーーー

 

「ライフルで・・・・」

 

「「殴るんだよッ!!」」

 

シュウとレイアを纏めて殴り飛ばす。

 

 

(先輩と後輩、このキズナは世界がくれたもの。世界は大切なものを奪うけれど大切なものをくれたりする。そうか・・・だからパパとママは少しでも得られるものを増やそうと歌で平和を・・・!)

 

クリスはレイアにフルパワーの【MEGA DTHE FUGA】を炸裂させる。

 

「そうはさせん!」

シュウがレイアの前に立とうとするが、そこを雅人が背後から蹴りをお見舞いして背中合わせにする。

 

「ぐッ・・・諸共巻き込むつもりか!?」

 

ミサイルに乗り迫るクリスにコインを連射するがそれを雅人が全て弾き返す。

 

そしてミサイルの軌道が曲がりシュウを巻き込んで爆発する。

 

「デえええー!」

 

イガリマのアームが絡みついたクリスの手を取って雅人も脱出する。

そしてシュルシャガナの丸鋸が隔壁のボタンに当たり装者たちはギリギリ爆破に巻き込まれずに済んだのであった。

 

「やったデス!」

 

「即興のコンビネーションで全く持って無茶苦茶。」

 

「その無茶は頼もしい後輩が居てこそだ、ありがとな。」

 

「仲が元に戻ってよかった、よかった。」

しかし安堵する暇もなく深淵の竜宮は激しく蠢き立っていた。

戦いの影響で施設が半壊し始めているのだ。

 

さらに追い打ちをかけるかの如く藤尭は反応を確認し驚く。

 

「この海域にて接近する巨大な物体を確認!これは・・・」

 

「いつぞや人型兵器か!装者の回収を急げ!」

 

「さっさとこんなところから脱出するぞ!レイアの妹に踏み潰されるなどオレはゴメンだからな!」

 

雅人ははシャイニングホッパーからフライングファルコンに変わりキャロルを背に乗せて低空飛行で進む。

クリスも調と切歌を両脇に抱え潜水艇へと向かう。

 

 

無事に潜水艇に乗り込みS.O.N.G本部は深海から浮上する。

 

S.O.N.Gを狙いレイアの妹が海から浮上した。

 

甲板に出た雅人、クリス、セレナはレイアの妹と対面する。

 

「でけぇ・・・・・」

 

「呆けてる場合か!あいつを止めるぞ!」

 

「二人とも待ってください、あれ!」

 

セレナがこちらに向かってくる飛行物体に気づく。

それは高速飛行で近づくなり、人型となって甲板へと降り立った。

 

ブレイキングマンモスとは似て非なる存在。

 

かつてZAIAが手掛けた自立駆動型ヒューマギア統率兵器 『ギーガー』であった。

 

「何故・・・ギーガーが・・・?」

 

研究室のモニターから突如現れたギーガーに亡は驚きを隠せなかった。

 

「仕掛けてくるぞ!」

 

ライトニングホーネットに変身したセレナと共に現れた鉄の怪物たちへ立ち向かうのであった。




長らくお持たせしました!最近リアルが忙しくなってきまして中々小説に取り掛かる時間が減ってきてしまっている悲しい現状・・・
なので気長に待って下さると助かります。

ゼロワンではついにアークゼロが誕生し、XDもジル・ド・レェが操る聖騎士ジャンヌが世界を強襲・・・てか存在を消し去る光とかやばすぎません?
はたしてどうなるのか、楽しみです。

そして今回登場したプログライズキーはこちら!

・BURST DAINSLEIF
ダイナマイティングライオンプログライズキーを元に組み込まれたイグナイトモジュール。元の火力をさらに引き上げる効果があり例え重火器でなかろうと射撃武器であれば爆発力を上乗せできる。


・ブレッシングキャットプログライズキー

アビリティ 『キャット』
招き猫のライダモデルを搭載したプログライズキー。
本来ならば使用者の金運に左右され効果を発揮するのだが、レイアが金属を司る力を持つためコインを生み出す力として発揮されるようになった。
元のしなやかさも合わさりレイアに適合した。

アイディアをくださった仮面ライダー四季鬼さんありがとうございました!



次回予告
装者たちに立ちふさがるレイアの妹とギーガー

再び父と向かい合う響。

そこへ悪意の魔の手が迫る。


次回『 魔法のコトバ へいき へっちゃら』

本小説版LOST-SONG編、読んでみたい?*XV編後

  • 勿論ッ!
  • う~ん・・・
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