戦姫絶唱シンフォギア01 ~Take off toward a dream~   作:光からの使者

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お待たせしましたッ!今回からAXZ編がスタートしますッ!
オリジナル要素も多くありますが、読んでいただけると幸いです。

ちなみに本小説では3.5期『アレクサンドリア号事件』はアルゴス事変より前に起きていて無事に解決しています。



それではッ!AXZ編、スタートッ!


AXZ編 アルケミックソング
プロローグ バルベルデ地獄変


8月も下旬を迎えたある日、響と未来は西日が射す自分の教室にいた。

 

夏休みの宿題 9月1日 提出厳守

 

でかでかと黒板に書かれた文字。そして響は机の上に突っ伏していた。

 

「夏休みの登校日ってもっとこう‥‥適当だったはずだよねぇ‥‥?」

 

「なのにこの疲労感‥‥お説教の満漢全席とは思わなかったよ」

 

机に伏している響の額へ未来は、冷えた缶ジュースをくっつけた。

 

「気持ちぃぃ~~」

 

何故、響がこんなにも疲れているのか?それは、響が夏休みの宿題を終わらせられず、今日担任の先生にこっぴどく絞られたからである。

 

「まったく。今日が期限の課題が終わってないんだから、当たり前でしょ」

 

「何とか提出日を始業式までに伸ばしてもらえたけど‥‥」

 

起き上がった響はすぐさま未来へ両手を合わせる。

 

「お願い未来、手伝ってッ!でないと終わらない、間に合わないッ!」

 

「確かにこのままだと、始業式を通り越して響の誕生日までもつれ込みそうだもんね」

 

「しかたない。いいよ、手伝うよ」

 

未来の返答に響は喜んで未来に抱きついた。

 

「本当!?やっぱり未来は心のアミーゴだよ~~!」

 

その瞬間窓の外にヘリに乗ったクリス、調、切歌が姿を現す。

 

「続きは家でやれッ!」

 

「本部から緊急招集ッ!」

 

しかしプロペラ音と強風で響には聞こえない。

 

「えッ?なんて言ってるの?」

 

「デスデスデースッ!」

 

切歌がジェスチャーを付けて言うもやはり響には伝わらない。

 

「言ってること全然わから‥‥ぎょッ!?」

 

クリスの投げた靴が響の頬に命中する。

 

「あ、響ッ!?」

 

校庭に着陸したヘリへ響は向かう。

 

 

「未来心配しないでッ!課題も任務もどっちも頑張るッ!」

 

「うん、わかってる」

 

響を含め4人の装者が乗ったヘリは国連直轄タスクフォース S.O.N.G.本部へと飛び去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~バルベルデ~

南米 アマゾンの奥深く。自然豊かな大地に火薬と爆発音、バイクの走行音が響き渡る。

 

「高速で接近する車両を確認!」

 

レーダーで示された2つの反応に、軍服を着た将校らしき男は言う。

 

「対空砲を避けるために陸路を強行してきたなぁ。だが浅薄だ、通常兵装で我々に太刀打ちできるものか」

 

地面に設置された機械から幾つものジェムを射出、ジェムが砕けると描かれた魔法陣から続々とアルカ・ノイズが現れた。

 

「接近車両をモニターで捕捉」

 

「こいつは…!」

 

モニターに映し出された映像に将校らしき男は驚愕する。

 

 

 

茂みを越え、荒れ果てた大地を颯爽と駆ける2台のバイク。

青白のバイクに跨る蒼髪の女性。もう1つは薄緑色のバイクに乗る全身黒と黄色のバッタ人間である。

 

 

 

「敵は・・・・・」

 

 

「シンフォギアに仮面ライダーですッ!」

 

 

 

2台のバイクは立ちふさがるアルカノイズの群れを切り裂き進んでいく。

 

「対空砲には近づけさせるなッ!」

 

けれども翼はバイクを高速旋回し、【騎馬ノ一閃・旋】で対空砲の砲身を次々に切り落としていく。

雅人も新たに生み出された【ウインディーホースプログライズキー】のライダモデルをライズホッパーに纏わせたことで風よりも早い速度での運転が可能となった。その速さを活かし翼に接近しようとするアルカ・ノイズの軍団をどんどん轢いていく。

 

「緒川さんッ!」

 

翼が振り返って叫ぶと正面に響、クリス、背後に奏を乗せた緒川さんの凧が打ち上がる。

兵士たちが凧へ向かって機関銃を放つが一斉に凧から飛び降り、緒川さんが煙幕で撹乱しつつ着地していく。

 

緒川さんは瞬間移動で銃を撃つ兵士たちを背後から当身で気絶させていく。

翼はアームドギア、脚部のブレードを合わせた3つの刃を展開、ブースターを吹かせて縦に回転し【無恐三刃】で戦車を切り裂いていく。

 

クリスはボウガンを手に持ち、群がるアルカノイズを撃ちぬいていく。

響も拳で戦車の砲弾を弾き返す。

 

奏はアタッシュランサーにパンチングコングプログライズキーを装填、地面を力強く突き刺し衝撃波で兵士たちを吹き飛ばす。

 

 

 

 

【SHIELD】

 

【オーソライズッ!】

 

雅人は白色のプログライズキーを起動、プログライズキーを読み込ませる。

 

衛星ゼムから照射された光が亀のライダモデルとなり、地面を響かせながら現れる。

 

「いくぞッ!」

 

 

『プログライズッ!』

そしてプログライズキーをドライバーに装填する。

 

 

Reflect、counter(跳ね返る反撃)

 

パンツァータートルッ!

 

A hard and tough shield even crushes diamonds.(硬く強靭な盾はダイヤモンドすら砕く)

 

 

亀のライダモデルが分解され、白く頑丈なアーマーを身に纏う。

そして左腕には亀の甲羅のような盾が装着された。

 

アルゴス事変の後、自らの力を強化するべく新たなプログライズキーを作り上げたのだ。

亀の力を宿したパンツァータートルは、左手に纏った盾で攻撃を防ぐどころか、攻撃に転じれる優れものである。

 

戦車から放たれる砲弾を頑丈な盾で薙ぎ払らいながらガンガン突き進んでいく。

 

 

「一斉射撃ッ!」

 

兵士たちがクリスへ向けてマシンガンとランチャーを発射する。

 

「よーしッ!」

全弾着弾した様子を見て安堵するが‥‥

 

「へッ!」

 

クリスは銃弾全て受けても全くの無傷どころか、逆にボウガンで持っていた銃を撃ちぬいた。

 

「て、撤退ッ!!」

 

退却していく兵士と入れ替わりに戦車が砲弾を撃ち込むが、響は持ち前の拳で砲弾を平気で殴り飛ばしガンガン進んでいく。それどころか履帯を引きちぎり動けなくなった所に砲身を引きちぎってぶん回す。

 

「あ、あんまりだぁッ!」

 

ガトリング砲で周囲のアルカノイズを一掃するクリスだったが、一瞬の隙を突いて砲弾が迫る。

 

「なッ!」

 

しかし寸での所で響がクリスの前に立ちふさがり砲弾をキャッチする。

 

「無茶してくれるッ!」

 

「うおおおおおおッ!クリスちゃん!」

 

「おうッ!」

 

受け止めた砲弾を投げ飛ばし、クリスがガトリングで砲弾を破壊する。

 

 

 

一方S.O.N.G.本部でも藤尭、友里、エルフナイン、亡がモニターを通じて戦況把握を行っていた。

 

 

「敵の損耗率34%ッ!」

 

「昨晩視聴した対戦車用の映画の効果てきめんです」

 

(‥‥映画を見ただけで普通ここまでいけるのか?)

 

内心ツッコミを入れる亡だったが、弦十郎は装者たちに告げる。

 

「国連軍の到着は15分後。その前に迎撃施設を無力化するんだッ!」

 

 

「おりゃあッ!」

 

「せいッ!」

 

装者たちに負けず劣らず、雅人と奏も後に続く。

 

左手の盾を取り外して、エネルギーの盾を作り出し戦車の前へ叩き付ける。

すると衝撃で戦車はメンコのようにひっくり返る。

 

奏も負けじとアタッシュランサーで砲身を次々にへし折っていく。

 

 

「防衛ラインが瓦解しますッ!このままでは‥‥!」

 

軍が動揺する中、将校は1人でに飛び出していく。

 

「隊長ッ!?どちらへッ!?」

 

敵を一掃し終えた全員の上空に巨大な戦艦が現れる。

 

「でけえ!?」

 

「空にあんなのがッ!」

 

驚く装者たちの背後から三機のヘリとブレイキングマンモス ジェットフォームが駆けつける。

 

「あなた達!グズグズしないで、追うわよッ!」

 

「皆さん、早く乗ってくださいッ!」

 

 

装者たちはすぐさまヘリへ乗り込み、空飛ぶ戦艦へ向かう。

一方指揮官もモニターから反応を確認するも余裕そうに笑う。

 

「ヘリか…ならば直上からの攻撃は凌げまいッ!」

 

スイッチを押し、戦艦に搭載されている爆弾をヘリ目掛けて投下する。

投下された爆弾は真下にあるヘリに当たり爆発、爆炎を巻き起こす。

 

 

「やったぜ!!狂い咲きィ!!‥‥あん?」

 

 

喜ぶのも束の間、レーダーは変わらずヘリの反応を示す。

黒煙の中からアームドギアを構えた装者とパンツァータートルのエネルギーシールドを構えた仮面ライダーの姿が現れる。

 

「シンフォギアで迎え撃っただと…!?なら非常識には非常識だッ!」

 

 

今度は戦艦からミサイルが次々と放たれていく。

 

襲い来るミサイルに対し、クリスのガトリング砲、奏のオーソライズバスター ガンモードが片っ端から破壊していく。

 

それでもミサイルは際限なく向かってくる。

 

「立花、雅人、奏!殿は雪音に任せるんだッ!」

 

 

「えぇッ!?」

 

「四の五の言ってる暇はなさそうだ、行こう!」

『ライジングホッパーッ!』

 

「いっちょ、やってやるさッ!」

 

4人はミサイルに飛び乗りながらも戦艦目掛けて着実に進んでいく。

 

「こっちが抑えてるうちに他の2機はさっさと戦域を離脱してくれ!」

 

マリアが操縦するヘリとセレナが操縦するブレイキングマンモスがミサイルを引き付けるが、離脱していく調と切歌の乗るヘリへとミサイルは迫る。

 

 

「駄目だッ!間に合わない!」

 

 

「いくよ、切ちゃんッ!」

 

「合点デースッ!」

 

 

2人の乗るヘリの真横へミサイルが到達するその瞬間、調と切歌は同時にドアを開くとミサイルはそのまま通り過ぎ爆発する。

 

 

「やればできる!」

 

「あたしたちデス!」

 

その後ヘリはセレナの操縦するブレイキングマンモス ジェットフォームが案内したことで無事に戦域を離脱する。

 

「初手より奥義にて仕る!」

 

ミサイルを飛び越えた翼はアームドギアである刀を巨大化させ思いっ切り振り下ろす。

その結果戦艦は指揮官の眼鏡諸共両断される。

 

響は戦艦内部に侵入しアームドギアをドリル上に変形させる。

その様子に指揮官は慌てふためき、一目散に逃げ出そうとするも響は突進、指揮官をしっかりと掴みブースター全開で戦艦を貫通しながら脱出する。

 

 

"Progrise key comfirmed. Ready for buster."

 

 

【バスターダストッ!】

 

【MEGA DETH INFINTY】

 

クリスと奏の弾幕が見事命中、戦艦は跡形も無く粉々に破壊された。

 

フライングファルコンへチェンジした雅人は奏を背に乗せ、翼と一緒に指揮官と共に川へ落ちた響の元へ向かう。

 

「立花、怪我はないか?」

 

「はい、一先ず任務は完了ですね」

 

「そうだな。響、いつもお疲れさん」

 

「あとは、お偉いさん方に任せましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side S.O.N.G.~

事態が収まり、難民キャンプへ足を運んだ一同。なんとかなったとは言え、戦争で怪我をした人や負傷した家族を心配する声を聴いているとなんとも言えない気持ちになる。

 

「よかった‥‥国連軍の対応が早くて」

 

「そうだな‥‥」

 

翼と響が会話する一方でクリスはフェンス越しににらみ着けていた

 

 

「クリスちゃん?どうしたの?」

 

「いや‥‥なんでもねえよ‥‥」

 

「‥‥」

(そりゃ、そうだよな‥‥腐った大人のせいで苦労するのはいつも関係ない人、だからな‥‥)

 

クリスが睨みつけていた理由も雅人には十分検討がついていた。

 

そこへマリアが運転するトラックが現れる。

 

「市街の巡回、完了デース!」

 

「乗って、本部に戻るわよ」

 

 

~移動中~

 

「私たちを苦しめたアルカ・ノイズ。それが武器として軍事政権にわたっているなんて‥‥」

 

「欲に溺れた人間は歯止めがかからない。立場が低い人間をもはや人として観てないんだからな」

 

雅人たちは、一部の腐った大人によって復讐鬼となってしまった人物を知っている。

悪意が人から人へ移ってしまった結果、どうなってしまうのかも

 

 

「バリュエル光明結社‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~バルベルデへ行く前~

 

「遅くなりました!」

 

「揃ったな、早速ブリーフィングを始めるぞ」

 

司令室のモニターには緒川さん、マリア、翼、奏が映った画面と亡、雅人が映った画面が表示される。

 

「マリア、そっちで何かあったの?」

 

『翼のパパさんからの特命でね。S.O.N.G.のエージェントとして魔法少女事変のバックグラウンドを探っていたの』

 

『わたしも知らされていなかったので、てっきり寂しくなったマリアが勝手に英国まで着いてきたのかと‥‥』

 

『だから、そんなわけないでしょッ!』

 

『まあまあ、落ち着けって』

 

『マリアさんの捜査によって1つの組織の名が浮上してきました。それがバリュエル光明結社です』

 

その名を聞いたエルフナインはバリュエル光明結社について語り始める。

 

「チフォージュシャトーの改造及びギーガーの貸し出しにあたりキャロルに支援していた組織だったようです」

 

『さらに、5年前日本各地を騒がせた十種神宝の盗難や滅亡迅雷.netの元締め、通信衛星アークの再建にも深く関わっている可能性も』

 

「裏歴史に暗躍し、現在の欧州を暗黒大陸寸前にまで陥れた要因とも囁かれています」

 

さらにモニターには蛇を逆さにしたマークが映し出される。

 

「あのマーク、見たことあるデスよ!」

 

「確か、あれって」

 

『そう、錬金術師協会よりも以前にマムやドクターへ送られ、F.I.S.武装蜂起のきっかけとなった謎の組織』

 

『我々が向きわなければならない、闇の奥底‥‥』

 

フロンティア事変、魔法少女事変とも深く関わっていた謎の組織それが、バリュエル光明結社である。

 

 

『存在を伺わせつつも中々、尻尾を捕まえさせて貰えなかったのですが‥‥マリアさんや亡さんが錬金術師協会から用意してくれた情報を基に調べてみた所』

 

 

緒川さんから送られた画面には荒れ果てた建物に、我が物顔で暴れ回るアルカノイズの大軍団が映し出されていた。

 

「アルカノイズ!」

 

『撮影されたのは情勢不安な南米の軍事政権国家‥‥』

 

「バルベルデかよッ!」

 

「装者たちは現地合流後、作戦行動に移ってもらう」

 

 

司令の声が響く中、響は複雑そうな表情を浮かべるクリスを見つめるのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~S.O.N.G.のシャワー室にて~

「S.O.N.G.が国連直轄の組織だとしたら本来であれば武力での干渉は許されない」

 

「だが、異端技術を行使する相手であれば見過ごすわけにはいかないからな」

 

 

「アルカノイズの軍事利用‥‥!」

 

「LINKKERの数さえ十分にあれば、わたしたちだってもっと‥‥」

 

「ラスト一発の虎の子デス、そう簡単に使うわけには‥‥デデデッ!?」

 

響は髪を洗い終わった切歌の両手を握る。

 

「大丈夫だよ!何かをするのにLINKKERやギアが不可欠なわけじゃないんだよ!」

 

「さっきだってヘリを護ってくれた。ありがとう!」

 

「な、なんだか照れくさいデスよ‥‥あっ」

 

響の押しに思わずてしまう切歌だったが、何やらじーっと見つめる視線を感じる。

隣を見ると、調が切歌をじーっと見ていた。

 

「じー‥‥」

 

「め‥‥目のやり場に困るくらいデスッ!」

 

 

一方シャワーを浴びるクリスの脳内では忌まわしき過去の記憶が呼び起されていた。

 

『パパ!ママッ!離して、ソーニャ!』

 

『駄目、危ないわッ!』

 

忘れたくとも忘れられない、クリスの両親が命を落とすこととなったあの日のことが

 

「クソッタレな想い出ばかりが、領空侵犯してきやがるッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side雅人~

一方雅人は船のデッキから戦争の跡が残る街の風景を見ていた

 

(ミーナさんも、こんな光景をいつも目の当たりにしていたのかなぁ‥‥)

 

 

アルゴス事変の際、過去で出会った女性 ミーナ・スクルディア。

彼女はかつてボランティア活動として紛争地を回っていたと言っていた。つまりは、このバルベルデと同じような場所を多く見ているということだ。

 

自分たちがが来る前まで、この国で戦争に関係のない人たちの命が毎日奪われていたと思うと心が痛む。

滅亡迅雷netもアークも、世界を憎み人類を恨んでいるのもある意味人間の身勝手さのせいなのでは?と時折思うことがある。

 

 

 

「‥‥アークが人類を滅亡させようとしていたのも何となくわかるような気がする」

 

 

 

 

 

「どうした?ため息なんて、アンタらしくもない」

 

「何か悩みごとがあれば相談に乗りますよ」

 

ふとため息を漏らす雅人の隣に奏とセレナが並ぶ。

 

「いや、何でもないよ。ところで二人ともどうしてここに?」

 

「弦十郎の旦那から呼ばれてな、アンタを連れて来るよう頼まれたんだ」

 

「わたしは奏さんの付き添いですが」

 

「そうなんだ」

 

そして2人は雅人が浮かない表情をしていたのを見てこう言った。

 

「あの有様を見せつけられて、思うところがあるだろうけど抱えこむなよ?抱えすぎると突然ポッキリ折れちまいかねないからな」

 

「それにわたしと奏さんはアナタに命を救われた身です。だから、何かあった時は迷わず頼ってください、仲間ですから」

 

微笑むセレナと奏を見て、雅人の心も少し晴れやかになっていく。

 

「うん、頼りにさせてもらうよ」

 

 

~side響、翼、クリス、雅人、奏~

 

「新たな軍事拠点が判明した、次の任務を通達するぞ」

 

調査の元見つかったバルベルデの軍事拠点は川の上流に位置する軍事施設と化学兵器を製造するプラントである。

川をボートで遡上して軍事施設へ侵攻せよとのこと

 

ボートで遡る最中クリスの脳内には再び辛い記憶がよぎる

 

『パパぁ!ママぁ!』

 

『駄目よ、危ないわ!』

 

 

炎が燃え盛り、瓦礫の下敷きになっているクリスの両親。幼いクリスは悲しみのあまり2人の側へ行こうするが、褐色の女性がそれを必死に抑えていた。

まだ幼く、激しく混乱していたクリスは女性に向けて怒鳴る。

 

『ソーニャのせいだッ!』

 

『はッ‥‥!』

 

「昔のことか?」

 

翼は昔を思い出して苦い顔をしているクリスを心配してか、声を掛ける。

 

「ッ‥‥ああ!昔のことだ、だから気にすんな!」

 

「詮索はしない。だが、今は前だけを見ろ。でないと‥‥」

 

 

翼が言い終わる前に、ボートが照らされ機関銃の銃弾が飛び交い始める。

 

「状況、開始!」

 

「一番槍、突貫しますッ!」

 

 

「こっちも準備完了!」

響がギアペンダントを構えると同時に雅人も、ゼロワンドライバーを腰に巻きプログライズキーを構える。

 

『ジャンプッ! オーソライズッ!』

 

「変身ッ!」

 

『プログライズッ!飛び上がライズ!ライジングホッパー!』

 

"A jump to the sky turns to a rider kick."

 

 

 

Balwisyall nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

 

真っ先に響が力のこもった拳で車をぶっ飛ばす。すると警報が鳴り響き、設置された機械から続々とアルカ・ノイズが現れる。

 

響、翼、クリス、雅人、奏は武器を手に次から次へとアルカノイズ軍団を蹴散らしていく。

施設に駐屯していた兵士たちは装者たちに向けて銃を乱射する。

 

しかしすかさず翼が兵士たちが持っていたマシンガンをバラバラに切り刻む。

クリスもアームドギアを大きな弓へと変形させ、バナナノイズへと放ち3体纏めて撃ち貫いた。

戦いの衝撃で建物の煙突が折れ、逃げ遅れた少年へと落下していく。

 

そこへ響は咄嗟に少年を抱え、助け出した!

 

「わが軍が圧されるのか‥‥!こうなれば諸共に吹き飛ばしてくれる!」

 

モニターで戦いの様子を見ていた敵の司令官はアルカノイズを召喚する道具のスイッチを押す。

出現した魔法陣から巨大サイズのアルカノイズが召喚される。

 

「デカブツまで出すなんて!?」

 

すると巨大アルカノイズは鋏から赤い液を零すと、それが大量の小型・中型アルカノイズに形成される。

 

「みんなガンバレは作戦じゃないッ!」

 

慌てふためく兵士たち。そんな彼らに対してアルカノイズたちは見境なしに襲い始める。

イモムシ型ノイズが回転丸鋸となって兵士らに襲い掛かるが、雅人は横から飛び蹴りを喰らわせ吹っ飛ばす

 

「早く逃げてください!」

 

「手当たり次第に‥‥!」

 

「誰でもいいのかよッ!」

 

「ふざけた真似しやがって!」

 

クリスが放った矢が巨大アルカノイズに命中する。

 

 

 

ALTHEMIS CAPTURE

 

 

 

翼も蒼い炎を双翼にして羽ばたき、巨大アルカノイズを十文字に切り裂く。

 

炎鳥極翔斬

 

奏はアタッシュランサーにアサルトウルフプログライズキーを装填する。

 

 

"Progrise key comfirmed. Ready to utilize."

 

 

アサルトチャージ!マグネットストームカバンブレイク!

 

 

プログライズキーを装填した槍を巨大アルカノイズの胴体目掛けて投げ飛ばすと槍が狼型のエネルギーとなって巨大アルカノイズの胴体を貫く。3人の一斉攻撃を受けしめやかに爆散するのであった。

 

 

「おい!あれ!」

 

兵士が指さす空からは回転しながら建物に突っ込もうとする1体のアルカノイズがいた。

 

「プラントに突っ込まれたら、辺り一面汚染されちまうぞ!」

 

「何とかしないとッ!」

 

しかし、響の行く手をアルカノイズ軍団が阻む。

 

「どけえええッ!」

 

チャージライズ! フルチャージ!

 

【カバンダイナミックッ!】

 

雅人はアタッシュカリバーで斬撃を放ちアルカノイズたちを一掃響の道を作る。

 

「ありがとうございます!」

 

迫る誘導弾型アルカノイズの真下に着いた響。

向こうもブースターを吹かせプラントを貫こうとしている。

 

「響ちゃん、乗って!」

 

「はい!」

 

雅人が振り上げた右脚をジャンプ台にして勢いをつけた響はバンカーを展開し真正面からぶつかる

 

「ぶっとべーーーーッ!」

 

響の拳が炸裂し、エネルギーに耐えきれなくなったアルカノイズは貫かれ夜の空に爆散するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~オペラハウスにて~

人知れずひっそりと佇むオペラハウスにバルベルデの大統領が多数の部下と共に潜んでいた。

 

「閣下、念のためエスカロン空港にダミーの特別機を手配しておきました」

 

「無用だ、亡命将校の遺産ヴィーシュピネの結界が起動している以上、この地こそ一番安全なのだ」

 

余程オペラハウスに仕掛けた結界に自信があるのかバルベルデ大統領は椅子に踏ん反りかえっていた。

 

「あれ程釘を刺したというのに、国連軍に目を付けられるとはとんだ失態を犯したものですね、大統領?」

 

「何者だ!?」

 

部下たちが声のする方向を見上げると窓には4人の女性の姿があった。

 

「ラセツ!トドロキ!リーパー!アルセーヌ!」

 

「契約の通り、失敗した対価を支払って頂きます」

 

すると4人は横笛を手に取って清らかな音色を奏で始める。

 

「あの者たちは?」

 

「バリュエル光明結社が遣わした錬金術師‥‥」

 

すぐさま大統領は胸元のバッチを手に取り4人へ見せる。

 

「あれが異端技術の提供者たち‥‥!」

 

「同盟の証があるものには手を貸す約定となっている!国連軍がすぐそこにまで迫ってるのだ!奴らを撃退してくれ!」

 

 

笛の音色が奏で終わると、大統領の部下たちが藻搔き苦しめ始める。

身体のあちこちをかきむしる部下たちはやがて光の粒子となって消えてしまった。

 

「ああ…!?」

 

そして大統領の身体までも光となって消滅し始め出した。

 

「か、痒い、痒い!でも‥‥ちょっと気持ちいぃ~~!!」

 

快楽に身を委ねた大統領閣下の姿も消滅し、光の玉へと混ざりあっていく。

 

「契約、完了」

 

 

一方黒服たちと共に観客席の陰に友里、藤尭、亡は身を潜めていた。

 

(調査部の報告通りこのオペラハウスを中心に衛星からの補足が不可能だ…。この結界のようなものは主構成の電波を妨害しているのか?)

 

(プラント襲撃を陽動に乗り込んでみればとんだ隠れ拠点だったようですね‥‥)

 

 

ラセツたちが、地下への階段を発見し降りていった数分後、今度は別の3人組が階段へと向かい降りていく。

 

(サンジェルマン!プレラーティ!カリオストロ!彼女たちもバルベルデへ来ていたのか‥‥!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side響、翼、クリス、雅人、奏~

プラントを制圧した一同だったが責任者がいると思われる部屋はもぬけの殻であった。

 

「どうやら指揮官には逐電されてしまったようだな‥‥」

 

「翼さん、この子が」

 

響は先程助けた少年を連れて来る。

 

「俺見たんだ!工場長が車で逃げていくところを‥‥!もしかしたらこの先の村に身を潜めたのかも」

 

「君は・・・?」

 

「俺はステファン。俺たちは無理矢理、村からこのプラントに連れてこられたんだ」

 

「七面倒なことになる前に、とっ捕まえきゃな!」

 

「ステファン君、その村まで案内してもらえるかい?」

 

「ああ、勿論!」

 

翼のバイクにステファンとクリスを乗せ、雅人のライズホッパーに奏と響を乗せる。

そしてステファンの案内の元、敵の指揮官が潜んだ村へ急いで向かうのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~オペラハウス地下室~

大量の物が保管されている地下室で錬金術師協会幹部とバリュエル光明結社が対面しまさに一色即発の事態が起こっていた。

 

「久しぶりだな、サンジェルマン、プレラーティ、カリオストロ」

 

「ああ、何百年ぶりだろうか‥‥」

 

「アンタたちがコソコソと何か企んでいることはあーしたちにはお見通しよ!」

 

「さっさと手に持っている金属鉱石とアンティキティラを手放し、我々に降伏した方が身のためなワケダが?」

 

「はんッ、冗談はそのちっこい身体だけにしなプレラーティ」

 

「我らが素直に降参するような者ではないことはそちらも理解してるはず」

 

「それとも力づくで捕まえてみるかい?」

 

両者睨み合いを続ける中、亡へコードを繋いでいた藤尭の端末がアラーム音を鳴らしてしまう

 

「あッ!?」

 

「撤収準備!!」

 

バリュエル光明結社へ銃で牽制しつつ後退する友里たち。

止むを得ずサンジェルマンたちも逃がすために魔法陣から光弾を放ち牽制する。

 

 

ラセツも魔法陣で攻撃から身を護るが、去ったのを確認するとテクタイトに先程、光を宿す。

 

「せっかくだから、大統領閣下の願いも叶えるとしよう」

 

「生贄より抽出したエネルギーを宿したテクタイトに荒魂の概念を付与させる」

 

テクタイトを倉庫にあった像に翳すと光が巨大な大蛇へと変貌する。

 

地面より這い出た『大蛇ヨナルデパズトーリ』は車で撤退する友里たちへ襲い掛かる。

 

 

「本部!応答してください!本部!」

 

「友里さん!藤尭さん!亡さん!」

 

「装者たちは作戦行動中だ、死んでも振り切れ!」

 

「死んだら振り切れません!」

 

「それの意見はごもっともです!」

 

黒服の乗った車を噛み砕きながらヨナルデパズトーリは追跡の手を緩めない。

3人が乗った車へ喰らいつこうする。

 

カーブに差し掛かったところで藤尭はサイドブレーキを思いっ切り引いた。

 

「軌道計算、暗算でええええッ!」

 

何とかギリギリでヨナルデパズトーリの噛みつきから逃れる。

 

「やり過ごせた‥‥」

 

「‥‥反応…真下!?2人とも衝撃に備えて!!」

 

直後にヨナルデパズトーリの尻尾に打ち上げられ車は横転、崖の下へと落ちてしまう。

 

「S.O.N.G.の方々。あなた方に恨みはありませんが‥‥御命頂戴致します」

「くッ・・・・!」

 

まさにヨナデルパズトーリは絶体絶命。その時‥‥

 

 

Seilien coffin airget-lamh tron

 

 

「歌…?」

 

「どこから‥‥?」

 

 

唄声と共に車がヨナルデパズトーリへと衝突、爆発を巻き起こす。

車から瞬時に飛び出す4人の人影。

 

藤尭たちを助けるべく、ギアを纏ったマリア、調、切歌。仮面ライダーバルキリーへ変身したセレナが立ちふさがるのであった‥‥・

 




今回登場したウインディーホースとパンツァータートルプログライズキーのアイデアを提案してくださったのは『カオスソウル』様と『TheDark』様です!
とても良いアイデアをありがとうございました!

設定集

・バリュエル光明結社
錬金術師協会と対を成す組織。裏歴史に暗躍し、欧州を暗黒大陸ギリギリまで追いやった一因とも噂されている。
また、はぐれ錬金術師たちを束ねており、各地に存在する聖遺物を収集している。
近年直属の企業を立ち上げており、表向きは慈善行事を掲げているが裏では暗殺稼業や異端技術の取引など黒い噂が絶えない。

*十種神宝盗難事件
本編の5年前に日本各地の神社で大切に保管されていた十種神宝が何者かによって全て盗まれた事件。当時の警察と一課、二課の調査部が捜索するが、犯行の痕跡や素性など一切判明できず迷宮入りになってしまった。


次回予告

バリュエル光明結社が生み出した巨大な怪物ヨナルデパズトーリにマリア達F.I.S.組が立ち向かう。

逃げた指揮官を追って村へ辿り着いた響たち。
しかし指揮官は村の少女を人質にし、うかつに手をだせない。

果たして、装者たちの運命はいかに!?

次回『カコからの呼び声』

本小説版LOST-SONG編、読んでみたい?*XV編後

  • 勿論ッ!
  • う~ん・・・
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