戦姫絶唱シンフォギア01 ~Take off toward a dream~   作:光からの使者

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前回のあらすじ
エスカロン空港に再びバリュエル光明結社の錬金術師たちが現れたッ!
絶対的防御を誇るヨナルデパズトーリを前にマリアたちやサンジェルマンたちも苦戦を強いられてしまう。
しかし、響とシェイクハンディングガングニールの一撃が無敵の防御を打ち破り見事撃破するのであった‥‥


目覚めるオトメ

~sideリディアン音楽院~

冴えわたる青空の下にリディアン音楽院の鐘の音が響きわたる。

始業式を終えた生徒たちは各自席に着き担任の先生が指示をだす。

 

「はい、それでは夏休みの宿題を回収します。皆さん、後ろから集めてください」

 

そう言われ生徒たちは順番に課題を前へ渡していく。

しかし響は1人恐る恐る手を挙げた。

 

「え、えっと‥‥先生、あの‥‥」

 

「何ですか立花さん、まさか、宿題をやってこなかった、なんてことはないでしょうね?」

 

教師の鋭い視線が響へと向けられる。

すると響は先生へ申し訳なさそうに告げた。

 

「そ、そのまさかです‥‥」

 

「―立花さんッ!あなたという人はいつもいつも――」

 

響のカミングアウトに担任の先生も呆れを通り越し、怒声を挙げる。

 

「すいません、ごめんなさいッ!も、もう少しだけ、お願いしますッ!」

 

「はあ…響ったら…」

 

教師へ謝る響にため息を漏らす未来。板場たち3人娘も集まる。

 

「2学期になってもビッキーはビッキーだね」

 

「なんだか安心しました」

 

「さすが期待を裏切らないわよねー」

 

「‥‥今回はちょっと可哀想なんだけどね」

 

今は亡きバルベルデの大統領がもう少し慎重であれば、S.O.N.G.の任務もここまで忙しくならなかったのだから

 

 

場所を移しリディアン音楽院のロッカールームにて響は未来と話していた。

 

「大変だったのね‥‥急に飛び出していったと思ったら。地球の反対で、そんなことが‥‥」

 

 

「うん‥‥そこでまた、錬金術師に出会ったんだ‥‥。それに…」

 

死んだはずの了子さんの復活。

 

錬金術師たちと何やら因縁のあるサンジェルマン。

 

そして敵の目的がかつての了子さんと酷似していること。

 

「‥‥そうしなければならない理由があるのかもしれない‥‥。だけどそのためにもたくさんの人を傷つけていい理由にはならないよ‥‥」

 

(‥‥それにクリスちゃんも大丈夫かな…。両親と再会できてもまだ何か抱えてそうだし‥‥)

 

「はあ‥‥」

 

ため息をつく響を未来は気遣う。

 

「‥‥響。他にも心配があるんじゃない?」

 

「えッ!?あ、うん。つ、翼さんにマリアさん、奏さんと雅人さんが現地に残って調査を続けることになったんだ」

 

「リディアンの始業式には戻るとも言っていたから、もう帰ってくるはずなんだけど‥‥」

 

「ねえ、未来。ちょっと聞いてくれるかな‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~sideラセツ~

都市内にあるホテルの1室にてラセツは錆びた歯車を手に、ベットへ横たわる人形を見つめていた。

 

「ティキは‥‥惑星の運行を星図と記録するために造られたオートスコアラー‥‥」

 

「しかし機密保護のために休眠状態となっていても、アンティキティラの歯車により再起動しここに目覚めるッ!」

 

 

ラセツが歯車を人形にはめると目を覆っていたバイザーが外れる。

小さな欠伸とともに機械仕掛けの少女は目を覚ました。

 

「おはよう、ティキ」

 

「‥‥ラセツ・・・?ああ…!四百年近く経過してもラセツはラセツのままなのね?」

 

「ええ、私はワタシ。何も変わることはないわ」

 

「よかった、ラセツがラセツのままでいてくれて」

 

するとティキは周囲をキョロキョロと見渡す。

 

「ん?ううん?ところでパパとママは?それにサンジェルマンお姉ちゃんたちもいないよ?」

 

するとどこからか両耳の辺りに赤く光るモジュールを付けた長髪黒髪の女性が現れる。

 

「‥‥アズ。局長からか…」

 

「はい、直ちにお繋ぎいたします」

 

アズはモジュールを発光させ、電子版を空中に表示。音声を繋げる。

 

「えッ!貴女誰?それパパとママに繋がってるのッ!?」

 

「もしもし…パパ?ママ?」

 

「久しぶりに聞けたわ、愛娘の声が」

 

電子モニターから発せられた声にティキは興奮を隠せないでいた・

 

「ママッ!ママなのッ!?あたしだよッ!ティキだよッ!」

 

ティキの母親と思わしき声の主は告げる。

 

「興奮するのもわかるけど、ごめんなさいね、ティキ。積る話は後にしましょう?」

 

「うんッ!わかった、また後でね!」

 

モニターから離れティキはベットに腰掛ける。

 

「申し訳ありません、局長。神の力の構成実験には成功しましたが、維持には叶わず喪失してしまいました」

 

「やはり、忌々しいものね‥‥フィーネが造ったシンフォギア。人の手で作り出された神器ライダーシステム。そして‥‥今もなお動く錬金術師協会‥‥」

 

「疑似神とも言わしめる不可逆の無敵性を覆す1撃、そのメカニズムの解明に時間を割く必要があるかと‥‥」

 

「確かに必要かもしれないけど、単純な話さ。機能停止すればどれも一緒よ、シンフォギアも仮面ライダーもファウストローブも」

 

「‥‥了解です。ラセツ、トドロキ、アルセーヌが先行し討伐作戦を進めています。私も直ちに合流します」

 

 

そう言いうとアズは自動的にモニターを解除した。そしてラセツはテレポートジェムを砕きすぐさま向かうのであった。

 

 

(‥‥そろそろ私も動き出さないとね…。バルベルデでこいつ()が手に入ったのは嬉しいことだわ)

 

 

ティキしかいない部屋でアズは1人メモリーに記録された鉱石とプログライズキーの設計図を見て不敵に微笑むのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side翼、マリア、奏、雅人~

一方そのころ、バルベルデでの調査を終えた翼たち。彼女たちが乗った特別機206便は間もなく着陸態勢へと移ろうとしていた‥‥。

 

『当機は間もなく着陸態勢に入ります。安全のためシートベルトの着用をお願い――』

 

すると突然、機体を大きな揺れが襲った。

 

「――何ッ!?」

 

一同が窓を見ると大量のアルカ・ノイズの姿があり機体の周囲を完全に包囲していた。

 

「アルカ・ノイズッ!?」

 

「着陸直前の無防備な瞬間を狙われるなんて」

 

「わざわざ日本まで追ってきたのか‥‥」

 

全員がアルカ・ノイズを注目する中、機体の屋根が激しく軋み出す。

 

「今度はなんだッ!?」

 

屋根が引っぺがされ機体を襲っていた張本人が姿を見せる。

大柄な体は全身茶色の装甲に覆われており、両足には鋭い鉤爪を、さらに注目すべきは広々とした両翼と鋭利なくちばしである。

そして腰の部分にはゼツメライザーが巻かれゼツメライズキーも装填されている。

 

「あれはッ!?」

 

「どうやら、マギアを用意してまでこちらを始末したいらしい」

 

マギアが空けた穴によりケースが空中へと投げ出されてしまう。

 

「ケースがッ!?」

 

「おおおおおおおおッ!」

 

咄嗟にマリアは飛び出してケースをしっかりと掴む。

だがマギアとアルカ・ノイズはマリアへと狙いを定めていた。

 

Imyuteus amenohabakiri tron――

 

プログライズッ!Fly to the sky!フライングファルコン!

 

"Spread your wings and prepare for a force(空へ飛び立て!翼を広げ、風力を受け止めろ)."

 

 

アルカ・ノイズが直撃したことで航空機は爆発四散するが、脱出した翼、奏、雅人の3人は各自変身を完了させ、アルカ・ノイズとマギアへ立ち向かう。

 

【BGM:月下美刃】

 

「蒼ノ一閃ッ!」

 

翼が放った一閃がアルカ・ノイズを斬りはらう。

『特別機206便、反応途絶ッ!』

 

『翼さん、マリアさんの脱出を確認ッ!』

 

『同じく奏さん、雅人さんの脱出を確認ですが…』

 

『このままでは海面に叩き付けられてしまいますッ!』

 

『翼ッ!マリア君をキャッチし、着水時の衝撃に備えるんだ!』

 

だが、相手としてもこのままおめおめ着水させるつもりはない

 

「そうはさせねよ」

 

「畳みかけろッ!」

 

号令と共にアルカ・ノイズとマギアはいっせいに襲い掛かる。

マギアはアルカ・ノイズを鉤爪で掴み、それを手裏剣のようにしてマリアへ投げつける。

雅人、奏、翼は回転しながら襲い掛かるアルカ・ノイズを次々と切り捨てるが、マギアは即座に羽根を広げ急降下する。

 

『マリアさんッ!』

 

『加速してやり過ごすんだッ!』

 

マリアは咄嗟に体勢を下にしてスピードを上げる。

そうするとマギアの鉤爪がヒールのギリギリを掠める。

 

"Progrise key confirmed. Ready to utilize."

ヘッジホッグアビリティーズ

 

アタッシュショットガンを構える奏を雅人が支え、翼もマリアを抱えて剣を天へ掲げる。

 

ガトリングカバンショットッ!

 

大量の緑色の針型の弾と千ノ落涙による剣の雨が降り注ぎ、マギアをアルカ・ノイズ諸共貫き撃破した。

 

マリアを抱えた翼はブースターを吹かせ脚部ブレードの噴射にて移動する。

雅人も奏を背に乗せて飛行し近くの港へと向かう。

 

「手厚い歓迎を受けてしまったようね」

 

「果たして、連中の狙いはわたしたち装者か?」

 

「それとも俺たち仮面ライダーか?」

 

「あるいは‥‥・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side S.O.N.G.~

 

「先輩ッ!」

 

「翼さんッ!

 

「姉さんッ!」

 

「マリアッ!」

 

「デス、デス、デース!

発令室に駆けつけた5人も相当心配していたようで、息が荒いことから容易にわかる。

 

「大騒ぎしなくても大丈夫。バルベルデ政府が保有していた資料はこの通りピンシャンしてるわよ」

 

マリアが宥めようとするも、響は心配でならなかった。

 

「そうじゃなくてッ!敵に襲われたんですよねッ?本当に無事でよかった」

 

「帰国早々心配をかけてすまない。気遣ってくれてありがとう」

 

「しっかし、アルカ・ノイズはともかくとしてマギアまでけしかけてくるなって思いもしなかったな」

 

「でもこれでアークとの繋がりがある噂は実証された。残党の方もシュウたちは言っていなかったし間違いない」

 

安心を確かめ合う中弦十郎は真剣な表情で話す。

 

「だが、安心してばかりじゃないのが現状だ。これを見て欲しい」

 

モニターには友里たちが記録した結晶に覆われた人形の映像である。

 

「もしかして‥‥オートスコアラー?」

 

弦十郎曰く、画面のオートスコアラーを始めとして全大戦時にドイツは化石燃料に代替するエネルギーとして多くの聖遺物を収集しており、その幾つかは同盟国であった日本のも持ち込まれていたという

 

 

「わたしの纏うガングニール‥‥」

 

「それに、ネフシュタンの鎧や雪音のイチイバルもそうであったと」

 

「戦後亡命したドイツ高官の手により南米にも多くの聖遺物が渡ったとされています」

 

「おそらくはこの人形もそうした経緯でバルベルデに辿り着いたものと思われます」

 

つまり全てを明らかにするためには保有していた機密資料を解析するしかないということである。

 

「そこでだ、この機密資料を解析するべく助っ人を用意した、入っていいぞ」

 

ドアが開くと、そこから白衣を着用し、眼鏡をかけた懐かしい人物が現れる。

 

「改めての紹介だ。櫻井了子君。シンフォギアシステムの開発者で心強い仲間だ!」

 

「はーい、ご紹介に預かりました櫻井了子よ。みんな、よろしくね~♪」

 

普通ならば歓迎するのだが、人が人なので9人は開いた口が塞がらない状態に陥り、驚きを見せていた。

 

「ちょっと待てッ!?さらっと流そうとしてしてるけどなんでアンタが此処にいんだよッ!?確か事情聴取で拘留されてたはずだろッ!」

 

驚きを見せるクリスに弦十郎が説明する。

 

「確かに拘留されていたが、兄貴と相談した結果今の了子くんに危険性はないと判断しS.O.N.G.への配属が決定したんだ」

 

 

「で、でもその人にフィーネの魂は宿っているのよね?」

 

最もなマリアの意見に了子自身が答える。

 

「あーーその事なんだけど。蘇生された時、彼女の魂は相当傷ついていて必要な時以外は出てこないわよ」

 

「デ、デデ…?」

 

詳しい説明がされた後、響は了子に歩み寄って手を差し伸べる。

 

「だけどわたし、嬉しいです。また了子さんと一緒にいれるなんて」

 

了子も差し伸ばされた手を握る。

 

「こちらこそ、嬉しわ。響ちゃん、よろしくね」

 

 

 

 

 

 

~side 雅人~

本部から町へ買い出しにでていた雅人。スーパーマーケットで食料品や日用品を調達し、帰路についていた。

残暑もあってか季節も秋なのに対し夕方でも比較的に温かい気候である。

 

「さーて、戻ったら何を作ろうかな。やっぱり秋といえば焼き芋かな?でも秋刀魚の塩焼きも捨てがたい‥‥」

 

そんなたわいもない独り言を漏らしてると‥‥

 

「きゃあー!泥棒よー!」

 

平和な商店街に叫び声が上がる。

声のした方向をみると男が女性を突き飛ばしカバンを奪っていった。

 

「ひったくりよッ!誰か捕まえてーッ!」

 

「へッ!ぼーっとしてるお前が悪いんだよッ!」

 

「なら、貴方も悪いですよねッ!」

 

ひったくり犯が油断している間に雅人は懐に潜り込み、背負い投げを決める。

そして投げられた男に腕十字固めを仕掛け抵抗できないようにさせた。

 

「こいつ、大人しくしろッ!」

 

「ぐうう‥‥ちくしょう‥‥」

 

駆けつけた警官たちにも取り押さえられひったくり犯はみごとお縄についた。

 

「ふぃ‥‥何とかなったか‥‥」

 

「あ、あの…先程はありがとうございました」

ひったくり犯にカバンを盗まれていた女性が雅人に近づき感謝の言葉を述べる。

 

「いえ、どうということは‥‥・」

 

しかし雅人は女性の姿をみてぎょっとしていた。

なぜなら、亡から教えられていたイズの容姿と酷似していたからである。

ただし、髪は長く瞳も赤色なのだが‥‥

 

「‥‥どうかされましたか?」

 

「いや、何でもないですよ」

 

「そうですか、ならよかったです。今度また会えたらお礼をさせてくださいねッ!」

 

そう言い女性は向こうへと去っていった‥‥

 

「‥‥もしかして、イズの生まれ変わりだったりするのかな?」

 

そんな不思議な体験を経て雅人は再び家に向かって帰るのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side ???~

一連の様子を着物を羽織った老人が遠くから眺めていた。

 

「ほう‥‥中々見どころのある青年と言えようだな」

 

満足したのか老人は周囲にいた黒服の男に命じ、車を発進させる。

 

(人の身であれど、シンフォギアにも勝るとも劣らない力‥‥。護国のためにもいずれ手に入れなければなるまい…)

 

日本国家を裏から支える風鳴の一族の長 風鳴訃堂は自身の屋敷へ向かう中、何か考えるのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

~side???2~

先程雅人が助けた女性は薄暗い路地に入ると、自身の耳となるモジュールを露わにし、服も元の服装へと変化した。

 

(ファーストコンタクトは上々ね…。身体もアーク様の器として十分な成長を遂げくれた。)

 

そしてアズは不敵にほくそ笑む

 

(まさかあの時の少年が、ここまで成長するなんてね…。流石、アーク様だわ)

 

内心、主であるアークを褒めつつもすぐさま表情を険しくさせる。

 

「でも邪魔はさせないわよ、風鳴訃堂。仮面ライダーはアーク様に捧げる大切なプレゼント、絶対に渡さないから‥‥!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side響、翼、クリス、未来~

場所は打って変わって都内のレストランへと移る。

下校途中だった響は学校で話しそびれていたことを未来に話そうとしていた。

 

 

「それで、話の続きを教えて?」

 

「うん。バルベルデのこと話したでしょ?」

 

「確か、クリスが昔離れ離れになったご両親と再会したって話だよね・・・?」

 

「うん‥‥それがクリスちゃんがご両親に会う前に男の子と会ってね。それが、昔の知り合いの人の弟だったみたいで‥‥」

 

「結局、お父さんたちと再会してから何も話せずに帰ってきちゃってね‥‥。あれからずっと落ち込んでるみたいなんだよ」

 

 

「だから、何とか元気づかせてあげたいなって――」

 

「余計なお世話だ」

響が言い終わる前にクリスが話しに割り込んできた。

 

「うええッ!?」

 

「そんな言い草はないだろう雪音。2人はお前を案じているんだ」

 

翼もクリスを宥めようとする。

 

「ええッ!?翼さんもいるッ!?」

 

「わたしたちだけでなく、皆雪音のことを心配している」

 

しかしクリスは強く怒鳴ってしまう

 

「わかってる!けどほっといてくれ。あたしは大丈夫だ」

 

「あの時はどうすることもできなかったが、今はシンフォギアがある。二度とあんなことは起こさせないからな!」

 

クリスの気持ちを聞いて翼は神妙な表情で答える。

 

「‥‥それが雪音にとっての『正義の選択』というわけか」

 

「ああ…」

 

「正義の‥‥選択‥‥」

 

どんよりとした雰囲気を察してかクリスは話題を響へ変える。

 

「‥‥そういや、お前。まだ夏休みの宿題を提出できてないらしいな」

 

「ぎょッ!?」

 

「そうだった‥‥どうしよう未来――」

 

「頑張るしかないわね。誕生日までには終わらせないと」

 

誕生日と聞き翼は未来へと尋ねる

 

「立花の誕生日は近いのか?」

 

「はい、13日です」

 

「へ――。後2週間もないじゃねぇか。このままだと誕生日も宿題に追われる羽目に‥‥」

すると無線に通信が入る。

 

「はい、響です!」

 

『アルカ・ノイズが現れたッ!位置は第19地区、北西Aポイント。そこから近いはずだ。既に雅人君と奏も向かっている。直ちに急行してくれッ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~北西19地区Aポイント~

 

Balwisyall Necell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

 

 

 

 

 

「やっと来たな。シンフォギア」

 

「首尾は?」

 

「まだ誘いだしたところだ」

 

「試作に終わった機能特化型どもの使い時――」

 

ラセツは2つのテレポートジェムを撒き、大型アルカ・ノイズとマギアを呼び出す。

 

「新手のお出ましみたいだなッ!」

 

すると突然5人は周囲にいたアルカ・ノイズたちを巻き込んで姿を消してしまう。

 

『大型アルカ・ノイズを確認』

 

『同時に、大型マギアも確認できました』

 

『消えただとぉッ!?』

 

S.O.N.G.のモニターにも全員の姿が全く見えていない。

ギアやアーマーに搭載されていた集音機から辛うじて音声が拾える状況である。

 

『空間を閉じてしまうアルカ・ノイズ‥‥』

 

先程まで街中で戦っていた5人は広がる異様な空間に困惑している。

各自、周囲を囲むアルカ・ノイズに攻撃するもすぐさま復元されてしまいまったくダメージが通らない!

 

「そんな馬鹿なッ!?」

 

「攻撃が‥‥通らないッ!?」

 

『まさか、Anti-LiNKERッ!?でも一体、だれがッ!』

 

しかし装者並びにライダーには何ら異常は見られない。

 

『能力が下がったわけでもない‥‥となると…』

 

『ああ、攻撃力を下げることなく、守りを固めているのか』

 

 

『皆、聞こえるか?』

 

「旦那ッ!一体全体どうなってんだッ!?」

 

『そこはアルカ・ノイズとマギアが造り出した亜空間の檻とみて間違いなさそうだッ!』

 

この亜空間においてはアルカ・ノイズの再生力が活発化しており攻撃を与えても即座に回復してしまうのである。

 

『ギアの出力が下がったように思えるのはそのためです!』

 

「だったらドカンとパワーを底上げしてぶち抜けばッ!」

 

「呪いの剣‥‥抜きどころだッ!」

 

すると3人はギアモジュールを、雅人と奏はプログライズキーを手に取る。

 

「イグナイトモジュール‥‥」

 

「「「「「抜剣ッ!」」」」」

 

BLOWッ!

 

WAVEッ!

 

BURSTッ!

 

ASSAULT BULLETッ!

 

HYPERJUMPッ!

 

各自のイグナイトモジュールが稼働し、仮面ライダーもシャイニングアサルトホッパーとアサルトウルフへと変身しアルカ・ノイズへ立ち向かう。

 

力づくで片付けていくもアルカ・ノイズは次から次へと湧いて出てくる。

 

「こいつらに限りはあんのかッ!?」

 

『抜剣した以上、カウントオーバーはギアの機能停止。立ち止まるなッ!』

 

『何もできないもどかしさ‥‥』

 

『黙ってみてるばかりなんて嫌デスよッ!』

 

『暁さん‥‥月読さん…』

 

悔しそうに拳を握りしめる二人をセレナは不安そうに見つめていた。

 

『ボクがLiNKERの開発に手間取っているから‥‥。でも――』

 

(ボクにも何かできる筈‥‥!)

 

すると傍で半円上に寝転んでいるベルを見てエルフナインは何か革新を得る。

 

(出現したときに観測したフィールドの形状は半球上…はッ!)

 

『皆さんッそこから空間の中心地を探れますか!?』

 

『こちらで観測した空間の形状は半球!であれば制御機関は中心にある可能性が高いと思われます!』

 

そこでクリスがマイクユニットをばら撒き、歌声がフィールド内を反響していく。

 

『ギャアアアアアッ!!』

 

反響した歌に耐えきれなかったのか、姿を隠していた大型のカエルマギアが現れ、それにともない巨大アルカ・ノイズも現れる。

 

「あれがこの空間を作ってるアルカノイズとノイズを生み出しているマギアかッ!」

 

正体を捉えた一同は必殺技への体勢を整える。

 

「立花、乗れッ!勝機一瞬ッ!この一瞬に全てを懸けろッ!」

 

翼の剣が巨大化し、クリスのミサイルが合体しカタパルトを形成する。

 

【TRINITY RESONANCEッ!】

 

 

カタパルトから射出された響は勢いのままぶち抜いて破壊に成功する

 

 

「俺たちも続くぞッ!」

 

「ああ、任せろッ!」

 

アックスライズッ!ゼロワンオーソライズッ!

 

オーソライズバスター アックスモードに展開した雅人は奏を思いっ切り打ち上げる。

 

「喰らえええッ!」

 

【アサルトチャージッ!マグネットストームブラスト フィーバーッ!】

 

 

右脚に狼型のエネルギーを纏わせた回し蹴りがマギアへ直撃し、爆発四散となって消える。

 

元凶が倒されたことで亜空間は解除され、全員元の世界へと帰還できたのであった‥‥

 

 

 

~side バリュエル~

時同じくしてマギアとアルカ・ノイズを撃破した瞬間を捉えていた。

 

「せっかくの新型だったが‥‥まぁ予定通りデータが取れただけありがたいと思うか」

 

「そんなに悠長にしてていいのですか?」

 

そこへ、アズが現れる。

 

「アズ、また局長から何か?」

 

「いいえ、あのティキという子が気になることを言っておられましたのでお伝えしようかと」

 

「気になること?」

 

「ええ、此処は神様に願いごとするのにちょうどいい場所ってね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Project■■e:■■■ 報告書 

著 某国研究員

 

20XX年 〇月△日

 

 本日未明極東から被検体の少年が搬送された。まだ、若くしてこのような施設に拉致されたことは同情の余地があるがこれも我が国が聖遺物に変わる特異災害に対する優位性を獲得するために必要なことだ。被検体が目を覚まし次第適合実験を開始とする。

 

20XX年×月〇日

 初めは被検体に激しい抵抗があったものの実験は順調に進んでいる。人格も相応しいものとなり我々の命令を素直に実行されるようになった。身体能力も脳の活性化に合わせ素晴らしい数値をたたき出している。このまま上手くいけば数ヶ月後には正式な運用が期待できるだろう。また、上層部も報告を受け予算を多く算出してくれるようだ。ありがたい。

 

20XX△月◇日

 ‥‥まずいことが起きた。試験運用中に被験者の脳が一時的に拒否反応を起こした。やむを得ず実験は中止とする。やはり端末を介さずの適合には限界があると思われる。しばらくは被検体を培養液に入れ治療に専念させよう。

 

20XX年 ◇月Λ日

 解読されたドキュメントより■■■■■■■■が完成。疑似人工知能■■■を搭載し非常時には被検体に変わり自動で敵を排撃するだろう。このシステムが20年も前に造られていたことは驚くべきことだろう。当の両企業は既に失われたが、我が国が人類の未来のために活用させてもらうこととする。

 

*追記

 衛星の復元作業を頼んでいた錬金術師たちのアジトが協会にバレたらしい。

まったく‥‥胡散臭い連中だと思っていたがまさかここまで役立たずとは思わなかった。しかも完成途中だった衛星も海に廃棄したらしい。はぁ‥‥近い内に生みの親が打ち上げた2代目衛星をハッキングする準備をしなくては

 

20XX年 α月Ω日

 非常事態発生!まさか、この施設に侵入者が現れるとは‥‥!!一体どこの国の刺客なんだッ!警備兵もたった一人の女如きに全滅してしまった‥‥やつの狙いは何だ…。まさか…!

 

*追記

恐れていたことが起きた。奴の狙いは被検体と■■■■■だった…。さらに■■■■■が自ら動き出して被検体に取り憑いて■■したッ!?これ以上施設は持たないだろう…これを書いている私も時期に始末される。せめてこの記録だけでも残すこととする。

 

*追記2

今思えば資料を解析していた時点で■■■を制御できると思い上がったのがそもそもの間違いだったのだ‥‥

あれは技術が発展した我々の時代ですら手に余る‥‥。はじめからやめておけばよかった‥‥。

■■■は怪物だ‥‥奴は世界を飲み込みかねない悪魔だ‥‥ッ!

 

悪魔の器を利用しようとは絶対にするべきじゃない‥‥

 

これを見つけたものに託す‥‥悪魔に取りつかれた■■の■は‥‥

 

■■■■■O・ ■■D■‥‥ここから先は滲んで読めなくなっている

 

 

 

 

 

以上でドキュメント全報告を終了とする。




設定集
・ハーストマギア
特別機206便をアルカ・ノイズと共に襲った新型マギア。
ワシの絶滅種ハーストイーグルゼツメライズキーでゼツメライズする。
従来のマギアが周囲の人間を殺傷しようと暴れるのに対し、ハーストマギアは特定の人物を標的に定め襲う。身体も従来のマギアやアークマギアと比べ大柄な体である。
マギア<ハースト<ギーガー
あまり目立たなかったのだがスペックも高性能である。強襲ではなく通常戦闘だったならば間違いなく苦戦していただろう。

・オスアカマギア
オスアカガエル別名 オレンジヒキガエルの力を宿したマギア。
モデルは小さいがマギアは大型で出現時は夕方であったため姿を隠していた。
その後巨大アルカ・ノイズが空間を作った際も隠れており産卵の要領で次々にアルカ・ノイズを孵化させていた。

次回予告
翼たちが持ち帰った機密書類を解読するべくS.O.N.G.は長野県松代に存在する風鳴機関へと赴く。周辺の警戒任務にあたるマリアたちだが、そこへリーパーとアルセーヌが姿を現し襲い掛かるッ!

次回【ソノのイシ 制御不能】

本小説版LOST-SONG編、読んでみたい?*XV編後

  • 勿論ッ!
  • う~ん・・・
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