戦姫絶唱シンフォギア01 ~Take off toward a dream~   作:光からの使者

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遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。!
本年もどうぞ宜しくお願い致します。


記憶の深淵 アナタはワタシが護る

~side マリア エルフナイン~

ダイレクトフィードバックシステムが接続され、エルフナインの意識はマリアの脳内へと辿り着く。

青空の下で黄色い花々が咲き誇り美しい空間となっている。

 

「これが…マリアさんの脳内?記憶が描く心象風景…」

 

するとすぐさま風景は一変し殺風景な室内へと変わる。

そこではナスターシャ教授が鞭を子供たちへ振るっていた‥‥・

 

『今日からあなた達には戦闘訓練を行ってもらいます』

『フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは涙より血を流すことで組織に貢献するのです』

 

ナスターシャ教授が鞭を振るった際エルフナインにも痛みが伝わる。

マリアの意識を共有しているため、この空間にいる以上記憶と体験は観測者である彼女にも及ぶのだ。

 

(マリアさんの記憶‥‥。レセプターチルドレンは皆こんな過酷な訓練を‥‥)

 

幼いマリアが見て、聞いて、体験してきた記憶をたどっていく内に風景は再び変化していく。

 

「あれ?ここは‥‥」

 

施設のような場所から雲が覆う町へと変わり戸惑うエルフナインの前に絶滅した筈のノイズたちが現れる。

 

「これは‥‥ノイズの、記憶‥‥?」

 

ノイズたちから逃げるべく走るエルフナインだったが、瓦礫に足をとられ躓いてしまう。

 

(もしここでボクが死んだら‥‥、おそらく、現実のボクも目を覚まさずに‥‥)

 

そんな彼女などお構いなくノイズたちは襲い掛かる。

 

「‥‥だめだ、逃げ切れない。ごめんなさい、マリアさん――」

 

Seilen coffin airget-lamh tron――

 

 

危機的状況の最中、頭上から光の剣が降り注ぎノイズたちを串刺しにしていく。

 

「マリアさんッ!?」

 

エルフナインの元にギアを纏ったマリアが駆けつけたのだ。

 

いくら相手がエルフナインでも、思い出を見られるのはちょっと照れくさいわね」

 

「あの…いつの記憶のどのマリアさんですか?」

 

「一緒に戦うって約束したばかりでしょ?」

 

「この場に意識を共有するならいるのはあなただけじゃない。私の中で私が暴れて何が悪い!」

 

エルフナインの手を引きマリアはノイズを斬り裂き進んでいく。

ノイズたちを蹴散らしていくと今度はドードーマギアやベローサマギアが率いるマギアの大軍団が現れ、2人を取り囲む。

「マリアさん‥‥!」

 

「大丈夫よ。アナタはわたしが必ず護る!」

 

トリロバイトマギアも蹴散らしていくマリアだが、ドードーマギア、ベローサマギアの2体をエルフナインを守りながら戦うため苦戦を強いられる。

 

(これじゃあ先に進めない‥‥エルフナインはなんとしてでも守らなきゃ)

 

 

「護って見せるのでしょう?白銀のナイトさん」

 

「何ッ!?」

 

すると今度はコーカサスオオカブトとアルシノイテリウムがトリロバイトマギアを派手に突き飛ばし現れる。

 

When the five horns cross,(5本の角が交わる時)

 

the golden soldier THOUSER is born(金色の戦士サウザーが爆誕する).

 

「あ、アナタは‥‥!!」

 

"Presented by ZAIA."

 

黒と金のアンダースーツを着て銀のアーマーを持つ5本角の戦士。

それはマリアやエルフナインの記憶にも新しいある人物が変身したものであった。

 

「仮面ライダーサウザー。私の強さは、桁外れよ」

 

 

悪意の使者ベル・A・ベアトリーチェ。

 

黄金の輝きを纏いて再臨したのであった‥‥・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたがどうしてここにッ!?」

 

「それは後で教えてあげる。今は突破するわよッ!」

 

ベアトリーチェが変身する仮面ライダーサウザーは、サウザンドジャッカーを軽快に振り回し、突破口を切り開く。

 

マリアとエルフナインもベアトリーチェとともに駆け抜けると風景が再び変化する。

 

「ここは‥‥どこ?」

 

「マリアさん自身も忘れかけている深層意識のイメージでしょうか…」

 

すると暗い雪原だった空間が淀み始め、開いた穴が3人を飲み込んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side S.O.N.G.

 

「東京湾にアルカノイズ反応!」

 

発令室のモニター画面に新たなアルカ・ノイズの姿が映し出される。

巨体ながら翼を広げ、胴体からは7つの首と頭が生えていた。

 

「空間を切り取るタイプに続き、またしても新たな形状…、しかもかなり巨大なタイプのようですッ!」

 

翼たちも現場に向かう中、放課後の響たちにも通信が入る。

 

「分かりましたッ!ヘリの降下地点に向かいますッ!」

 

「もたもたは後回しだッ!行くぞッ!」

 

「わたしたちも本部にッ!」

 

「マリアたちの様子が気になるデスッ!」

 

「行きましょうッ!月読さん、暁さん」

 

セレナ、調、切歌の3人は一目散に本部へ向かう一方、響は未来に告げる。

 

「未来も学校のシェルターに避難しててッ!」

 

「――響ッ!」

 

「誰だって譲れない想いを抱えてる」

 

「‥‥」

 

「だからって勝てない理由にならない」

 

すると未来は響にやさしく話しかける。

 

「勝たなくてもいいよ」

 

「‥‥え?」

 

「だけど絶対に――負けないで」

 

未来の言葉を受けて響は少し心の重りが外れたような気がした。

 

「わたしの胸には歌がある」

 

「‥‥うん」

 

こうして響はクリスと共にヘリの降下地点へと向かうのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

~side 雅人 奏~

同じくアルカ・ノイズの出現場所へ向かうべく雅人と奏はライズホッパーを走らせていた。

 

「‥‥。」

奏は雅人の後ろに乗りつつも彼の身体が少し震えているのを感じ取った。

 

(そりゃ…怖いだろうな)

 

メタルクラスタホッパー。一度変身してしまえば目に映る全ての生命を喰らい尽くすネフィリム以上の災厄。

しかも亡さんからの報告によれば対抗策を用意しなければ、いつものゼロワンになることすら出来ない。

 

人の命を救うために戦って来た雅人からしてみればこれがどれほど悪夢なのかが理解できるだろう。

 

「‥‥なぁ雅人」

 

「‥‥どうしました‥‥奏さん?」

 

「あたしが言えたことじゃないんだけど、アンタはアンタのできることをやってくれ」

 

「無理に戦おうとしなくてもいい」

 

「‥‥ッ」

 

「またメタルクラスタホッパーを使ったらあたしが絶対に止めてやる。2度も救われたアンタを今度はあたしが‥‥」

 

「‥‥ありがとう奏さん」

 

奏での会話で雅人の心がどこか軽く感じるのであった‥‥

 

 

 

 

~side ラセツ トドロキ リーパー アルセーヌ ~

バリュエル光明結社の錬金術師たちは戦艦の甲板に立っていた。

 

「オペラハウスの地下には、ティキや飛電メタル以外にも面白そうなやつがゴロゴロ転がってたな」

 

「計画を進めるにあたって出し惜しみするわけにはいかん」

 

「負けたら元も子もない」

 

「そう、我らバリュエル光明結社は、神の力をもってして世の理をあるべき形に戻すッ!」

 

声高らかに宣言するラセツであったが、脳裏に響の言葉が再生される。

 

『それが誰かのためならば、わたしたちはきっと――手を取り合える‥‥。』

 

立花響のあの言葉‥‥。彼女は純粋に我々とわかり合おうとしていたのかもしれない。

しかしラセツにとってはその言葉がどこか不快に感じたのだ。

 

(あの目‥‥あの言葉‥‥かつての私そのものだ‥‥‥。ただがむしゃらに手を伸ばし、綺麗ごとばかり並べ上げて救える命を取りこぼした私だ‥‥!!)

 

救える命があってもどこかで必ず取りこぼす命がある。

人間というのはいつの時代でも争いごとが絶えない生き物だ。

どんなに芽を潰しても、手を取り合おうとしても、争いは蛆虫のように這い出てくる。

そのたびに人知れず悪は栄え、善良な人間の命が大勢散っていく。

 

少なくとも自分が善良な人間とは言わない。

でも悪意が大切なサンジェルマンやその仲間たちに及んで命を奪ってしまったら‥‥

そう考えると怖くて仕方がなかった。

 

それと同時に人知れずアナタ(サンジェルマン)が涙を流しているのを私は知っている。

だってあなたは優しい人だもの。

だからこれ以上彼女のカウントを増やすわけにはいかない。

彼女が背負う業は全て私が肩代わりするんだ。

そして神の力で支配の楔から解放した後は、私たちは全ての罪と共に消えよう。

サンジェルマン達に新世界を任せる。

 

 

「この正義は、我らにこそありッ!行く道を決して振り返るものかッ!たとえ1人になろうとも」

 

「つれないことを言うな、ラセツ」

 

「そうとも。1人きりにさせねぇよ」

 

「私やトドロキ、アルセーヌは、元より表の道を歩けないロクデナシだった。それをラセツ、君が救ってくれたんだ。どこだって4人さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side マリア エルフナイン ベアトリーチェ~

 

「連れて来たわよ~」

 

「あ、あなたはッ!?」

 

ベアトリーチェによって深層意識に連れてこられたエルフナインは驚く。

何故なら3人の前には馴染み深い白衣眼鏡がいたのだから

 

「そうとも。僕は行きずりの英雄――」

 

「ドクター・ウェルッ!錬金術師協会にいるはずではッ!?」

 

驚愕するマリアにウェル博士はいつものハイテンションぶりを見せつける。

 

「それでもこうして君の胸に居続けている‥‥」

 

「――記憶の人間ってのは、だいたいそういうみたいだねぇッ!それにしてもマリアの中心で叫べるなんて超最高ぉッ!」

 

ウェル博士についてはマリアが一番よく知っているはずなのだが、彼の言動に戸惑いを見せていた。

 

「あんな言動‥‥わたしの記憶にないはずよ」

 

「だとすると、ウェル博士に対する印象や別の記憶を元に投影されたイメージ‥‥ということになるのでしょうか?だとするとベアトリーチェさんも‥‥」

 

「そう、私もマリア・カデンツァヴナ・イヴの記憶化やイメージで構成され、引っ張り出された存在なの」

 

「‥‥自分の記憶を叱りたいッ!」

 

マリアの記憶からウェルとベアトリーチェが呼び出されたことに何か関係があるのではないかと考えられる

 

「もしかしたらマリアさんの深層意識がシンフォギアと繋がる脳領域を指示しているのかもしれません」

 

「アガートラームの導き?それならセレナとか適役が居たはずよ‥‥」

 

「ウェル博士とベアトリーチェさんから直接想起されるもの‥‥だとするのならば――」

 

「生物学者にして英雄ッ!定食メニューもかくやという盛りすぎ設定ッ!」

 

「はいはい、いいからさっさと要件を言いなさい」

 

興奮しているウェル博士をベアトリーチェが窘める。

 

「‥‥そうでしたね。いつだって僕は伝えてきたッ!はぐらかしなんてするものかッ!」

 

「忘れているのなら自分の手で拾い上げなきゃ。記憶の奥底に鍵は転がってるわよ」

 

再び空間が霞ががかる。

 

「離れないで、エルフナインッ!」

 

 

 

 

 

 

~side セレナ 切歌 調~

アルカ・ノイズの出現に伴い、3人は友里に代わりダイレクトフィードバックシステムと接続しているエルフナイン、マリアの看ていた。

 

「ドクター‥‥ウェル‥‥どうして‥‥ここに‥‥」

 

「ぅぅ‥‥ベアトリーチェさん‥‥」

 

魘されている2人をセレナたちは心配していた。

 

「なんだかよくわからないけど‥‥」

 

「どうにも様子がおかしいのデス‥‥」

 

子蛇のベルも自分の尻尾をエルフナインに握らせ少しでも負担を軽減させようと頑張っていた。

 

「姉さん‥‥エルフナインさん‥‥頑張って‥‥!!」

(また姉さんに辛い思いばかりさせて‥‥わたしには何もできないの‥‥?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~響 翼 クリス 奏 雅人~

 

 

Balwisyall nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)――

 

 

搭乗したヘリから響 翼 クリスは飛び出し、クリスの放ったミサイルに乗って空を飛ぶアルカ・ノイズへ立ち向かう。

 

「気になるのは錬金術師の出方だ‥‥抜剣を控え、イグナイト抜きで迎え撃つッ!」

 

「何のつもりだか知らねえが、たくらんけ相手に遅れは取らねぇッ!」

 

アームドギアが変形した4問、3連ガトリング砲が蝙蝠型アルカノイズを撃ちぬいていく。

 

「この身を防人たらしめるのはいつだって熱き心意気ッ!!」

 

翼も続くとばかり乗っていたミサイルを輸送型にぶつけ、飛び出し逆羅刹で斬り裂いていく。

 

 

『アルカノイズ、残存数68パーセントッ!』

 

『それでも出てこない錬金術師‥‥』

 

一方宙に佇むアルカ・ノイズの腹部から泥が赤い墜ちるとそこから小型アルカ・ノイズがたくさん生まれる。

 

「こうも奴らをウジャつかせているのはアイツの仕業かッ!

 

「つまりは狙いどころ」

 

「トリガーのタイミングは翼さんに任せますッ!」

 

「眼にモノ見せる。はあああああッ!」

 

響と翼のコンビネーションで巨大アルカ・ノイズを三分割にする。

 

「そしてあたしは片付けられる女だッ!」

 

そこへクリスのMEGADETH PARTYが炸裂し首も数本破壊する。

 

ところが三分割されたアルカ・ノイズの身体が別々に再生し、3つ首の竜3体となり活動し始めたのだ。

 

「まさか、仕損じたのかッ!?」

 

『分裂した巨大アルカ・ノイズ、個別に活動再開しました!総数3ッ!』

 

それぞれがバラバラに動くということは装者たちの分断が目的だと考えられる。

 

『司令ッ!入間基地より入電ッ!必要であれば、応援を寄越してくれると――』

 

『無理だッ!相手がアルカ・ノイズでは、空自の装備じゃ足止めだってままならないッ!下手をすれば被害が――』

 

『いや、入間基地にはコード814を要請してくれ』

 

『ハイヤーを、ここにですか?‥‥了解しましたッ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side 奏 雅人~

響たちが交戦している中、こちらも巨大アルカ・ノイズがばら撒いた小型アルカ・ノイズを相手にしていた。

メタルクラスタホッパーに変身するわけにもいかない雅人は戦闘を奏に任せ、自身は市民の避難誘導に努めていた

 

「避難経路はこっちですッ!急いでッ!」

 

「お前らをこれ以上行かせるかよッ!!」

 

ショットライザーとアタッシュランサーの2刀流でアルカ・ノイズを片付けていくが‥‥

 

「クエ―――ッ!!」

 

いきなり、ペンギンの意匠がされているマギアが奏を背後から強襲する。

 

「なんだこいつッ、どっから出てきたッ!?」

 

マギアは、黒いハリケーンを纏いながら、腹で滑走。奏を翻弄しつつ攻めていく。

さらには、アルカ・ノイズも加勢し、数の暴力で徐々に追い詰めていく。

 

「奏ッ!」

雅人も駆けつけようとするが、変身できない自分がまともに戦うのは不可能。勇んで行ってもアルカ・ノイズに分解されてEndである。そのため彼女が傷ついていくのを物陰からただ見ているだけしかできない。

 

「‥‥ねぇ、変身しないの?」

振り向くと占い師に似た格好をした女が背後に立っていた。

フェイスベールのせいで顔がよくわからないが、どこか妖艶な声で雅人の耳元で囁く。

 

「いいのかな~~?早く変身しないと彼女、やられちゃうよ?」

 

しかし変身して暴走することを最も恐れている雅人はもどかしくも頑なに変身を拒む。

雅人は激しく葛藤するが、その間にも奏はドンドンマギアとアルカ・ノイズに追い詰められていく。

 

「くッ‥‥ぅぅぅ‥‥」

 

「ほ~ら~、は・や・く~~~」

 

 

「俺が‥‥止めるしかない‥‥ッ!!」

 

とうとう雅人はゼロワンドライバーを巻き、メタルクラスタホッパープログライズキーを手に取る。

 

 

飛電メタルズアビリティ!

 

「変身ッ!」

 

オーソライズッ!プログライズッ!

 

 

メタルライズッ!

 

 

 

 

「くぅ‥‥ぁぁあああああああああああッ!!」

 

 

Secret material! 飛電メタル!

 

メタルクラスタホッパー!

 

 

It's High Quality."

 

 

~???~~

メタルクラスタホッパーに変身した雅人は再び暗黒空間へ閉じ込められてしまう。

しかし今度は、赤い文字が彼の意識を塗り潰さんとする。

 

「あ、ああぁぁ‥‥」

 

アークの悪意が身体の支配権を乗っ取り、悪意に染めあげられていく。

 

「ぁぁ、ぁ‥‥」

 

 

彼の抵抗、いや意思そのものを許さず悪意(アーク)は徐々に徐々に

 

 

 

アークの意思のままに‥‥

 

 

 

 

~side 奏 雅人~

メタルクラスタホッパーに変身した雅人は首を傾けながらマギアへと向かって行く。

 

「クエーーーーッ!」

 

いきり立ったマギアは雅人に滑走し迫るが‥‥・

 

「‥‥‥‥」

 

 

メタルクラスタホッパーはマギアが間合いに入った途端、強烈に蹴り上げ吹っ飛ばす。

さらにクラスターセルを四方八方にばら撒き、周囲のアルカ・ノイズごとマギアを喰い散らかしていく。

喰われた獲物たちは、さっきまで動いていた痕跡も残さず破壊されてしまった。

 

「雅人‥‥ッ!」

 

「‥‥‥‥」

 

【アックスライズッ!】

 

奏の声に反応したメタルクラスタは俯いたままオーソライズバスター アックスモードを手にゆっくりと歩み寄る。

 

ショットライザーで牽制するが、無反応のまま歩みを進める。

 

「止まれッ!止まってくれ雅人ッ!」

 

 

(アイツをあのまま行かせれば‥‥どんな被害になるかわからない。下手すると避難してい人たちにも‥‥)

 

今度はボディ目掛けて発砲するが、止まるどころか、歩みを早くし彼女の眼の前へと到達する。

 

(はぁッ‥‥はぁッ‥‥。なんだこの圧倒的、威圧感‥‥)

 

 

 

人間らしからぬ無機質さに奏は思わず、怯んでしまった。

通常ならばメタルクラスタを止めるべく、躊躇せずにアタッシュランサーで向かって行くだろう。

しかし今回ばかりは違った。

人間が感じる筈の痛みを初め、変身者の感情が一切感じられないのだ。

改めて悪意の強大さに晒されているという事実に身体が恐怖している。

 

そんな彼女を余所にメタルクラスタはオーソライズバスターを容赦なく振り下ろす。

 

(しまった‥‥避けきれな‥‥)

 

無情な刃が1人の歌姫目掛けて迫るのであった‥‥‥

 

 

 

 

 

~side 亡 了子~

S.O.N.G.がごたごたになっている間2人は第二研究室にて作業を行っていた。

作業台の上には刀身が蒼い蛍光イエローの剣が置かれている。

 

(‥‥とりあえず、武器の製造は完了した。後は‥‥)

 

「亡ちゃん、連絡がついたわよ」

 

「ありがとうございます。了子さん」

 

了子と亡は椅子に腰掛け、パソコンを操作し画面を変える。

 

「お久しぶりです、みなさん」

 

4分割されたモニターの内、3つの画面にはナスターシャ教授、ウェル博士、キャロルが映し出される。

 

 

『それで、僕たちに頼みたいことって何だい?』

 

『エルフナインが頑張っていると聞いてわざわざ来たのだ。しょうもないことならば許さんぞ』

 

「‥‥わかってます」

 

亡はパソコンを操作し、あるデータをそれぞれ送信する。

 

「今、私たちS.O.N.G.は敵の策略によって窮地に立たされています。LiNKERはエルフナインやマリアさんが頑張っていますが、雅人さんを筆頭とした仮面ライダーも強化しなくてはなりません」

 

『Ms.亡。あなたには衛星ゼムがあるのでは…?』

 

ナスターシャ教授の言葉は最もだが、あくまでも過去のデータを再現したりライダモデルを新たにつくりだすだけ。ガングニルバルカンのような聖遺物とのデュオレリックは対応していないのだ。

 

機械である以上、できることには限りがある。

しかし人間である彼女らから意見を取り入れれば、まだ見ぬ力を手に入れれるかもしれないのだ。

そしてヒューマギアの善意に勝るとも劣らない善意のデータが‥‥

 

「お願いですッ!皆さんの知恵を私に貸してくださいッ!!」

 

『あなたに救われた命です。私の知恵でよければいくらでも貸しましょう』

 

『僕の知識がまだ見ぬ英雄を創り出す‥‥・最高に燃えるじゃないかッ!これもまた英雄ッ!』

 

『はぁ、、、、仕方ない。俺も付き合ってやる』

 

 

「本当に‥‥ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、了子も白色のブランクプログライズキーと赤いペンダントを用意する。

 

「眠っているとこ悪いわね。アナタの力を借りるなんて」

 

(別に良いわよ。あっちであのお方と約束したもの)

 

(それに自分の罪を後悔するつもりなんてない。でもこうして生き返った以上やれるだけのことをやるだけ)

 

「‥‥ありがとう。フィーネ」

 

 

自身の内に宿るもう一人の自分に感謝を言いつつ了子は再び作業に戻るのであった‥‥




・設定
ガラスマギア
オオウミガラスのロストモデルを搭載したマギア。
アズの手によってけしかけられるもメタルクラスタホッパーによって瞬殺された。
イメージは真っ黒なストーミングペンギンレイダー




次回予告
メタルクラスタの暴走が止まらない中、響たちも分裂と増援を繰り返す巨大アルカ・ノイズに苦戦を強いられる。
マリアもエルフナインと共に自身の闇とも言える辛い記憶と向き合うこととなる。

次回『ワタシたちの愛は壊れない』

今年も感想を初め、アドバイスや誤字報告などお寄せください。
近いうちに質問コーナーも設けたいと思います。


本小説版LOST-SONG編、読んでみたい?*XV編後

  • 勿論ッ!
  • う~ん・・・
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