戦姫絶唱シンフォギア01 ~Take off toward a dream~   作:光からの使者

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前回までのあらすじ
LiNKERを完成させるべくエルフナインが開発したマシンを使いマリアの脳領域へと潜入する。そんな中シンフォギアを破壊すべくラセツ達は新たな巨大アルカ・ノイズを召喚する。
分裂と増殖を繰り返すアルカ・ノイズに苦戦を強いられる中、アズの魔の手により雅人が再びメタルクラスタホッパーとなってしまう。




ワタシたちの愛は壊れない

~side響~

3体に分裂したアルカ・ノイズの内地上に降り立った個体と響は戦っていた。

巨大アルカ・ノイズは口から赤い泥を吐き、小型を召喚。飛行機から避難している一般人を襲い始める。

 

「これ以上、みんなを巻き込むわけにはッ!」

 

ブースターを吹かせ、ガントレットでぶん殴りアルカ・ノイズの首1つを消し飛ばすももう一つの首が響を薙ぎ払う。さらに泥を履いて増援を召喚してしまう。

 

「キリがない‥‥ッ」

 

~side翼~

工場コンビナートエリアへアルカ・ノイズを追いかけた翼は大剣で首を斬り落とすも、斬り落とされた箇所から再生し分裂・増殖してしまう。

 

「やはり‥‥さらなる分裂をッ!」

 

~sideクリス~

巨大アルカ・ノイズは触手を突き刺すが、クリスは躱し逆に弾幕を叩き込む。

結果、真ん中の胴体を首ごと破壊するが、すぐさま分裂し何事もなかったかのようにレーザーを放射する。

 

「どこまで頑張らせるつもりだ‥‥ッ!」

 

 

 

 

 

~side セレナ 切歌 調~

未だ目を覚まさず、魘される2人の手を優しく握る。

 

「頑張って‥‥ッ!」

 

「みんなも頑張ってるデスよッ!」

 

「だから2人も‥‥ッ!」

 

「シュ‥‥シュぅぅぅ」

 

 

 

~side マリア エルフナイン~

「此処は‥‥?」

 

「心象が描く風景では‥‥・なさそうです」

 

霧が晴れ、2人は宇宙のような空間へ佇んでいた。

すると‥‥・

 

【強く‥‥なりたい‥‥】

 

空間内にマリアの声が響く。

 

「いまの声は‥‥わたし…?」

 

【弱い自分を見せたくない】

 

【誰に嘘をついてでも‥‥自分の心を偽ってでも‥‥】

 

【でも本当は‥‥嘘なんてつきたくない‥‥】

 

かつてマリア自身が心の奥に閉まっていた声が確かにこの空間内ではっきりと聞こえた。

 

「ここは‥‥マリアさんの内的宇宙…ッ」

 

「わたしの心の闇‥‥。受け入れられない弱さに怯えて、誰かと繋がることすら拒んでいた、あの頃の‥‥」

 

「マリアさん?」

 

「誰かと手を取り合いたければ自分から手を伸ばさなくてはいけない‥‥でもその手が振り払われてしまったら‥‥」

 

するとマリアの身体が次第に消えていく。

 

「マリアさん‥‥!マリアさーーんッ!!」

 

エルフナインとマリアはそのまま離れ離れになってしまうのであった‥‥・

 

 

 

 

~side 響 翼 クリス~

 

小型アルカ・ノイズをぶん殴り消滅させていく響。

巨大アルカ・ノイズの頭にかかとを落とし、続けざまにバンカーを打ち込ん粉砕する。

 

「勝機ッ!」

 

翼も触手を伝い、千ノ落涙を炸裂させ巨大アルカ・ノイズを撃破する。

しかしその死体跡からさらなる小型アルカ・ノイズが出現してしまう。

 

「消耗戦を仕掛けてくると踏んでいたが‥‥なかなかどうして」

 

 

「全発全中‥‥もってけ全部だぁぁーーッ!」

 

MEGA DETH FUGAによるフルバーストが見事飛び回る巨大アルカ・ノイズに命中、跡形も無く粉砕する。

 

「増殖の元さえ断ちさせすれば‥‥」

 

それでもクリスの前にはアルカ・ノイズ軍団が広がっている。

 

「あとは貨物ばかりだってぇーーの‥‥」

 

響は伸ばされた触手の上を走り接近する。

 

「分裂したって、増殖したって‥‥」

 

「何度だって叩き潰すッ!」

 

接近した巨大アルカ・ノイズの首を響の拳が粉砕し、胴体ごと貫いた。

 

「何度だって‥‥・」

 

しかしさすがの響にも徐々に蓄積された疲労が忍び寄るのであった‥‥

 

 

~side奏 雅人~

奏のすぐ目前へとオーソライズバスター アックスモードの刃が振り下ろされるが‥‥

メタルクラスタの背後に銃弾が命中する。

 

「何をしている‥‥飛電雅人ッ!」

 

「‥‥‥‥」

 

ファウストローブを纏ったサンジェルマンの姿がそこにあった。

ヘイトが奏からサンジェルマンから移ったメタルクラスタは銃弾をものともせず接近し、何のためらいもなくオーソライズバスターを振り下ろす。

 

「くう――ッ!?」

 

(直撃は避けられているとはいえ、こう重なると――)

 

(遠からず活動限界がやってくるか)

 

「1人じゃ無理だッ!早く離れろッ!」

 

「だからと言って引き下がれるものかッ!」

 

奏とサンジェルマンはメタルクラスタを止めるべく立ち回るが、一向に決定打が与えられない。

そこへカリオストロとプレラーティが駆けつける。

 

「見つけたワケダッ!」

 

「1人で勝手に何してるのよ、もうッ!」

 

「プレラーティ‥‥カリオストロ‥‥」

 

「ともかく、援護するわ」

 

しかしサンジェルマンはカリオストロからの申し出を断る。

 

「駄目よ。あなたたちには帰れと言ったはず」

 

「何を馬鹿なことを言ってるワケダッ?」

 

「言い争ってる場合かッ!今はアイツを止めないと」

 

「あなたは黙っててッ!これはあーしたちの問題なんだからッ!」

 

ゴタゴタしている間にもプレラーティは嫌な気配を感じる。

するとメタルクラスタの鎧から無数のクラスタ―セルが飛び立ち鋭い刃が形成される。

 

「この間の群衆バッタッ!?回避するワケダッ!!」

 

「――くッ!」

 

「うぉッ!?」

 

刃は瞬く間にビルに突き刺さり、命中した箇所が喰い荒らされていた。

 

「なんて出力よッ!この前よりも強くなってないッ!?」

 

「アークが飛電雅人を取り込み続けているワケダッ!」

 

「冗談キツイったらッ!あんなの喰らったらひとたまりもないじゃないッ!」

 

「また来るぞッ!」

 

「あんなの避けるが勝ちよッ!」

 

「言わずもがなワケダッ!」

 

再びクラスターセルが解き放たれるが、サンジェルマンだけは避けようとはしなかった。

クラスターセルに襲われた彼女は、ファウストローブのあちらこちらを食い破られ、倒れてしまう。

 

「サ、サンジェルマンッ!?」

 

「馬鹿な、どうして避けなかったワケダッ!」

 

「――くッ、やはり受けきれぬか‥‥」

 

サンジェルマンの背後にはまだ一般人が居た。

 

「まさか、避難している人たちを護るために‥‥?」

 

ファウストローブが解除され、片膝を付くサンジェルマンにメタルクラスタが迫る。

 

「ご丁寧にトドメを刺そうと言うワケダねッ!」

 

「でもあーしたちがやらせはしないわよッ!」

(正直、ファウストローブなしじゃ、勝負は見えてるけどね)

 

(だが、サンジェルマンを救うためならば本望というワケダ)

 

「2人とも下がれッ!このままだと死ぬぞッ!」

 

【ガンライズッ!】

 

オーソライズバスター ガンモードの銃口をプレラーティとカリオストロに向けるメタルクラスタ。

 

「おらぁッ!!」」

 

奏は、咄嗟にドロップキックをかましメタルクラスタからオーソライズバスターを奪い取る。

そしてすかさずパンチングコングプログライズキーを起動する。

 

【パワーッ!】

 

"Progrise key confirmed. Ready for buster."

 

展開したキーを装填すると銃口から拳型のエネルギーが形成されていく。そしてトリガーを引き、メタルクラスタホッパー目掛けてナックルデモリションを模した大型のエネルギー弾を発射した。

 

【バスター∞ダストッ!】

 

「‥‥。」

 

真っ向から身体で受け止めるメタルクラスタだったが、流石にパンチングコングの力を宿したエネルギー弾の前には身体を仰け反らせる。

しかし仰け反ったのも束の間、再度身体を起こし、俯きながら歩き始める。

 

 

「ちくしょう‥‥あれでも駄目なのかよ‥‥」

 

サンジェルマンまでも倒れ、状況は最悪である。救援を呼ぼうにも響、翼、クリスはバリュエルの対応している最中で、マリアとエルフナインを診てくれている3人を呼ぶわけにもいかない。

もう一度ガングニルバルカンになればこの状況を打開できるかもしれないが、自分はLiNKERもなしにシンフォギアを長くない。そのため同時併用の負担が大きく、完成まで変身しないよう了子から念を押されているのだ。

 

一歩一歩、歩を進めていたメタルクラスタであったが、突如動きが止まる。

 

(一体どうしたってワケダ?)

 

(急に止まっちゃったわよ‥‥?)

 

その場にいた一同が驚く中、メタルクラスタホッパーはそのままどこかへと向かって行ってしまった。

 

「どうしちまったんだよ‥‥雅人‥‥」

 

すると、奏の元に弦十郎からの通信が入る。

 

『奏ッ!聞こえるかッ!』

 

「弦十郎の旦那ッ!?雅人が‥‥!!」

 

『そっちの様子はこちらでも確認している。彼は第19地区に進行しているアルカ・ノイズと戦っている。奏も向かってくれ』

 

「‥‥了解」

 

通信を終えた奏はライズホッパーに跨り、メタルクラスタがいる地点へとバイクを走らせた。

 

一方錬金術師たちの方もサンジェルマンが意識を取り戻す。

 

「‥‥ぅぅッ」

 

「「サンジェルマンッ!」」

 

「すまない‥‥気を失っていたようだ‥‥」

 

よろけつつもサンジェルマンは立ち上がるとどこかへ向かおうとしていた。

 

「ちょっとッ!どこに行くつもりよッ!」

 

「ラセツ達を止めに行く…。私のラピスはまだ壊れてなど‥‥」

 

「そんな身体で行かせないワケダッ!」

 

カリオストロとプレラーティはなんとしてでもサンジェルマンを行かせまいとするが‥‥

 

「私1人でも‥、必ずやり遂げる‥‥そうでなければ理想は遠ざかってしまう」

 

「この手から零れていってしまう‥‥」

 

2人を引き離し、サンジェルマンは単身でラセツ達を止めるべく行ってしまった。

 

「一体何が彼女をあそこまで突き動かしているワケダ‥‥?」

 

「わからないわ‥‥でもこのまま見殺しなんてできないわッ!」

 

カリオストロとプレラーティの2人もサンジェルマンを追いかけて行った‥‥

 

 

 

~side マリア~

暗く底のない闇の中。マリアは下へ下へと沈んでいた。

 

(わたしは‥‥自分で作った闇に溺れて‥‥かき消されてしまうの…?)

 

――シンフォギアの適合に奇跡というものは介在しない

 

――その力、自分のものとしたいなら、手を伸ばし続ければいい‥‥

 

ウェルの言葉でマリアの意識は覚醒する。

 

「マリアさん!」

 

マリアが意識を取り戻すと、白い機械的な施設に居た。

 

「ここは‥‥白い孤児院?わたしたちが、連れてこられた、F.I.Sの‥‥」

 

辺りを見渡すと、彼女たちの眼の先にはナスターシャ教授と幼いマリア、セレナが居た。

職員の女性が手を伸ばし、怯えるマリアは恐る恐る手を取ろうとするとナスターシャ教授は鞭で叩く。

 

『今日からあなたたちには戦闘訓練を行ってもらいます』

 

『フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは、涙よりも血を流すことで組織に貢献するのです』

 

まだ幼い子供だった姉妹にとってこの体験はとっても怖くて仕方のないことだろう。

 

――本当にそうなのかい?

 

本当にわたしの記憶にはマムに対する恐れの記憶しかなかったのか?

 

ふとマリアがナスターシャ教授を見ると、彼女はどこか悲しそうな表情をしていた。

 

いつの間にか記憶に蓋をし、忘れていたこと。

 

彼女はいつだって子供たちに何かあれば、真っ先に対処していたではないか!

 

ガングールと適合するときだって‥‥

 

『無理よ、マム‥‥、やっぱりわたしは、セレナみたいになれやしない‥‥』

 

『マリア。ここで諦めることは許されません。悪を背負い、悪を貫くと決めたあなたは、苦しくとも耐えなければならないのですッ!』

 

あの時も、マムはわたしを甘やかしたりせず、辛さに耐え心を鬼にしていた‥‥!

 

「そうだ‥‥わたしたちにどれほど過酷な実験や訓練を課したとしても、マムはただの1人も脱落させなかった‥‥」

 

それだけでなく、マリアたちが決起したことにより存在が明るみになったレセプターチルドレンは全て保護されている。全てはマリア達を生かすために‥‥・

 

松代のおばあちゃんだって言っていた

 

――トマトを美味しくするコツは、厳しい環境に置いてあげること。

厳しい環境の中で、トマトは自然と甘みを蓄えていく。甘やかしてばかりでは決して美味しくならないと

 

 

「大いなる実りは、厳しさを耐えた先にこそ‥‥。優しさばかりでは、今日まで生きてこられなかった‥‥」

 

「わたしたちに生きる強さを授けてくれたマムの厳しさ。その裏にあるのは‥‥」

 

――ナスターシャにも、マリアにも、いつだって伝えて来た‥‥、そう人とシンフォギアを繋ぐのは――

 

「可視化された電気信号が示すここは、ギアと繋がる脳領域…。誰かを思いやる、熱くて深い感情を司るここに、LiNKERを作用させることができれば――ッ!」

 

 

 

 

 

 

~side S.O.N.G.~

エルフナインは目を覚まし現実世界へと帰還する。

腕もとですやすや眠るベルをそっと座席に置き、飛び上がる。

 

 

「エルフナインッ!?」

 

「どうなったデスかッ!」

 

「もうひと踏ん張り‥‥そのあとはお願いしますッ!

 

エルフナインに続きマリアも目を覚ます。

 

「姉さんッ!」

 

「ただいま、セレナ。そして、ありがとう、マム」

 

 

エルフナインと入れ違いになる形で了子がラボの中へと入る。

 

「了子さん‥‥?」

 

「どうしたんデスか?」

 

「ちょっとセレナちゃんに用があってね」

 

「わたしにですか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 響 

何度も何度も分裂を繰り返すアルカ・ノイズを相手に響の疲労がピークを迎え始めていた。

 

「何度分裂したってぇッ!」

 

がっしりと受け止める響だったが、分裂した片割れがどこかへ行ってしまう。

 

「しまったッ!?」

 

受け止めたアルカ・ノイズを地面へと叩き付け、頭を蹴り砕く響。

追いかけようとするが、頭上に超弩級戦艦が現れる。

 

「あれって…バルベルデで落とした‥‥ッ!?」

 

 

「いくらシンフォギアが堅固であろうと」

 

「所詮は、人の身ならば」

 

「心を折ればいっちょあがりよ」

 

「総力戦を仕掛けさせてもらう」

 

戦艦からは次々とアルカ・ノイズが産み出され、ばら撒かれていく。

 

『アルカ・ノイズ、第19地区へと進行中ッ!』

 

「それって…リディアンの方じゃ・・・」

 

『ボッサっとしてねぇでそっちに向かえッ!』

 

「クリスちゃんッ!?」

 

「空のデカブツは‥‥あたしと先輩がなんとかするッ!」

 

「でも‥‥それじゃ‥‥」

 

戸惑う響をクリスは止渇する。

 

「あたしらに抱えられるもんなんてたかが知れてるッ!お前はお前の信じる正義を握りしめろッ!せめて自分の最善を選んでくれッ!」

 

最善の選択を選べなかったクリスだからこそ響のは自分と同じ後悔を背負わせたくはないのだ。

 

「‥‥ありがとう、クリスちゃん。だけど、わたし――」

 

響はイグナイトモジュールを使おうとコアへ手を伸ばす。

 

「待っていたのは、この”瞬間”ッ!」

 

「イグナイトモジュール‥‥」

 

――その無茶は後に取っておくデスッ!

 

 

「‥‥えッ?」

 

上を見上げると物凄い勢いで3機のジェット機が飛び回る。

 

「わがままなのは響さん1人じゃないからッ!」

 

――Various shul shagana tron

 

――Zeios igalima raizen tron

 

――Seilien coffin claidheamh soluis tron

 

FLASHING DASHッ!オーバーライズッ!

 

「変身ッ!」

 

ショットライズッ!フラッシングチーターッ!

 

It runs through the earth like a flash of light(閃光の如く大地を駆け抜ける)

 

No one can catch up with that speed(その速さには誰も追いつけない)

 

「今度は、わたしたちの番ですッ!」

 

シュルシャガナ イガリマ フラッシングチーターとなった3人がアルカ・ノイズを切り刻みながら降下する。

 

『シュルシャガナ、イガリマ クラン・ソラウ、エンゲージッ!』

 

『バイタル安定。バックファイアも規定値以内に抑えられています』

 

『よく間に合わせてくれた‥‥ありがとうエルフナイン君』

 

LiNKER完成に必要だったのは、人とギアを繋ぐ脳領域。それを司るのは人を思いやり、自分を殺してでも守りたいという無償の想い。

 

「それを一言で表すなら――」

 

 

愛よッ!!

 

 

「最高‥‥なんて言わないわ。アナタは最低の最低よ、ドクターウェル」

 

 

 

切歌、調、セレナの3人は、それぞれラセツ以外の幹部に攻撃を仕掛ける。

プロテクトビーストを纏ってはいないものの幹部たちはそれぞれ本気で彼女たちを迎え撃っていた。

 

リーパーは高圧水流を放ち、トドロキは拳にエネルギーを纏わせ接近戦を繰り出す。

 

「LiNKERとやらはただの薬であろう?それで我らに勝てるとでも――」

 

「LiNKERをただの薬だと思わないでほしいデスッ!」

 

トドロキの拳を受け止めつつ切歌は反論する。

 

「みんなの想いで完成させた絆でッ!」

 

調が【Δ式・艶殺アクセル】でリーパーに迫るが、寸でのところで結界を張り無理矢理押し返す。

 

「明日を掴みますッ!」

 

アルセーヌが巻き起こした風の間をセレナ光の速さで駆け抜ける。

そして懐に潜り込み、蹴り飛ばす。

 

「がはッ‥‥ッ!?」

 

じりじりと幹部たちを追い詰めていく3人は、一斉に飛び上がる。

 

調と切歌が手を繋ぎ、脚の鎌と丸鋸を一体化させる。

 

『フラッシュチャージッ!【GIGAVALTX†BLAST†FEVERッ!】』

 

光の剣となって調、切歌と共に幹部たち目掛けて叩き付ける。

咄嗟にラセツが駆けつけ、魔法陣を展開し防ぐも、勢いを殺せずそのまま巨大戦艦を貫く。

そして戦艦は跡形も無く消し飛ぶのであった‥‥

 

 

 

「あいつらは何処デスかッ!」

 

土煙に紛れ、プロテクトビーストとなったラセツの羽根弾が切歌目掛けて放たれる。

 

「切ちゃんッ!」

 

「あなた達の命、新世界創造に活用させてもらうッ!」

 

切歌の命を奪うべく凶弾が猛スピードで迫るが‥‥

 

「何?」

 

響が割って入り、羽根弾を受け止め投げ捨てる。

 

「間違ってる‥‥誰かの命で創る世界なんて間違ってるよッ!」

 

「4対4にだからとて」

 

「高を括ってるな?」

 

「いいや、これで8対4だッ!」

 

リディアンを初め、各場所のアルカ・ノイズを掃討した装者たちが集結する。

 

「わたしたちのことも忘れないでもらおうかッ!」

 

ファウストローブを纏ったサンジェルマンに、纏えないカリオストロ、プレラーティも駆けつける。

 

そして同時に、未だアークの支配下にあるメタルクラスタホッパー(飛電雅人)の姿も

 

「いい加減に聞かせてもらおうか、バリュエル光明結社。その目的を?」

 

「人をあるべき姿に戻すって言ったあなたたちは一体何と戦っているのッ!?」

 

「あなたたちが何を望んでいるのか教えてッ!本当に誰かのために戦っているのならわたしたちはきっと手を取り合える」

 

「‥‥手を取るだと?浅はかな‥‥ッ!」

 

「我らは神の力を持ってしてバラルの呪詛を解き放つ」

 

ラセツの言葉にサンジェルマンの考察は確信へと変わる。

 

「バラルの呪詛を解き放つ‥‥?まさか‥‥ッ!」

 

 

 

 

 

 

そうとも我らが月の遺跡を掌握するッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side???~

街中に位置するリゾートホテルにて局長 イヴ・ヴァイスハウプトは、アズと2人っきりになっていた。

ティキは現在、ベットの上でラセツたちが持ってきた『かいけつ・うたずきん』を呼んでいる。

 

「計画の方はどうかしら、アズ?」

 

「上々でございます。アーク様も久方ぶりに地上へ出ることができ大変お喜びになっています」

 

その報告を聞き、イヴは上機嫌になる。

 

「そうか、そうか。それならばよかった」

 

「それはそうとイヴ様、頼まれていたお品物、ご用意できましてございます」

 

アズは用意して箱の覆いを取ると、そこには黒と紫で模られたプログライズキーが用意されていた。

まじまじとイヴは眺め微笑む。

 

「フフフ‥‥これが神の力をさらに引き出す鍵。これを使うのが楽しみだ」

 

「気に入っていただけて何よりでございます」

 

――これでようやく、かつての失敗を取り戻せる。

 

 

~先史文明期~~

 

『ここまでにしようか、茶番は』

 

『●●●●●●、貴様が犯した罪あの世で償ってもらうぞッ!』

 

半獣人と半龍人が同時に巨大な影へダメージを叩き込む。

 

すると影の主は苦しみながら次第に身体を崩壊させていく。

 

【あリえヌ‥‥あリえヌぅぅぅ‥‥ッ!わたシは、かミなノだゾ‥‥・わたシがほろビルなど‥‥あってはナラなイぃぃぃぃッ!!】

 

『決して神であるものか、君が。命を弄ぶお前がッ!』

 

『私たちは確かにヒトよりも劣るかもしれない。だが、生物の成長に限界などない。神という立場に甘んじ可能性を軽んじたのがお前の敗因だッ!』

 

黄金に煌めく大火球、翡翠に輝く宝剣が悪しき存在を完全に滅ぼす。

 

【グおォォ‥‥。ミとメなイ‥‥ミとメなイィィィ‥‥ッ!いツのヒかカなラズ‥‥ショウ‥‥めい‥‥シ、て、や、るゥゥゥ‥‥】

 

【クぐツどモよリも‥‥アグラを、かイて、ばかリの、カみ、よりも、シハいシャたる二ふサわシいこトォォォォ‥‥ッ!】

 

そう言い残し黒く巨大な異形は消えていく。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

――アダム・ヴァイスハウプト‥‥完全すぎるが故に廃棄されるはずだった失敗作ごときが‥‥ッ!

 

――不完全にも満たないヒトよりもこの私こそが、支配するに相応しいのだッ!

 

 

 

「今後ともよろしく頼むわよ、アズ?」

 

「はい、こちらこそよろしくお願いいたします、イヴ様」

 

2人の悪女が妖艶な笑い声がリゾートホテルの室内に響き渡る。

 

しかしアズの手にはもう一本のキーとドライバーが握られていた。

飛電ゼロワンドライバーに酷似した謎のドライバーに、紺を基調としつつ血のように赤い線が刻まれた正体不明のキー。イヴに渡したキーとは全くもって別の物である。

 

イヴに忠誠を誓いつつも、アズは内心妖しく微笑んでいた。

 

全ては愛する御主人様(アーク様)のために‥‥

 

(さーて、わたしもそろそろ、本格的に動き出さないとね)

 

【"OVER THE EDEN."】




・『フラッシングチーター』

アビリティー:FLASHING DASH
スペックは走力はラッシングチーター以上でそれ以外はシャイニングホッパーと
同等であり、シャイニングホッパー同様の演算処理装置を持つ。
プログライズキー案:otona様

聖遺物『クラウ・ソラス』
起動聖詠「Seilien coffin claidheamh soluis tron」
スコットランド・アイルランド民話に伝わる光の剣。
ガングニ―ル 天羽々斬 イチイバルの他に伝わっていた謎の物体から生まれたギア
つい最近まで聖遺物とまで見られてはおらず、物珍しさから風鳴訃堂が所有していた。
アガートラームと同様に出自不明の聖遺物として欧州にて発見された。
物語によって異なる描写をされることからか、光の剣のみならず持ち主の役に立つ道具へと姿を変えられる。

次回予告
真の目的を明かしたバリュエル光明結社。それでもわかり合おうと手を伸ばす響と排除の姿勢を崩さないサンジェルマン。

本当に人と人は真に分かり合えないのか?

イグナイトモジュールの天敵である『プロテクトビースト』を対策する為、愚者の石捜索作戦が開始されるッ!

次回『ワタシが取るべき正しい選択』

本小説版LOST-SONG編、読んでみたい?*XV編後

  • 勿論ッ!
  • う~ん・・・
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