戦姫絶唱シンフォギア01 ~Take off toward a dream~   作:光からの使者

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長らくお待たせしました!

~前回までのあらすじ~
激しさを増すプロテクトビーストとの戦い。
そんな中、響が拾ったラピスが原因で錬金術師たちとひと騒動が起こる。
しかし了子からの提案によりS.O.N.G.と錬金術師協会が臨時同盟を組むことになったのであった‥‥


ユメを追うということ

ラセツを除く幹部たちがシンフォギア破壊作戦の準備を進める中、アズは1人、頑丈なジュラルミンケースのロックを解除する。

 

ケースの中には銀色の杖らしき物体が入っていた。

 

けれどもその杖は一般的な杖にはありえない鱗で覆われ、先端には蛇の装飾されている。永らく保管されていたのにも関わらず傷一つ、埃一つも付いていない。

何も知らない人間から見れば彼女は高級な杖を取り出したと思うだろう。だが、実態は異なる。

 

今アズが握っているのは『聖遺物』。それも『完全聖遺物』に値する代物だ。

 

何故彼女がそんな代物を持っているのか?

 

それはバリュエル結社にとっても、アズ自身にとっても今後の展開に必要不可欠な物だからだ。

 

今やシンフォギア、ファウストローブ、仮面ライダーに優位を取るプロテクトビーストだが、不安の芽はないことに越したことはない。

そのため、アズは前もって局長イヴにこの完全聖遺物を任せてくれないかと取引していた。

 

 

数ある聖遺物の中でも貴重な権杖。さすがのイヴも始まの方は渋っていたが、プロテクトビーストの開発にあたりプログライズキーやドライバーのデータを初めアズが結社にもたらした恩恵は遥に大きい。故に無視することはできず、仕方なく手に入れたのだ。

 

 

(トドロキに、アルセーヌ、リーパー‥‥。彼女らはアークの使者である私を信用してはいないだろう)

 

(いつ自分の寝首を搔くかわからない‥‥)

 

「‥‥そろそろ本気、出さないとなぁ~~~」

 

 

 

 

破滅の使者は戯けるかのように振舞う。楽園を創造せし鍵と門を手に。

 

 

愛する主(アーク)をまだ見ぬ楽園(エデン)へと、導くために‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side 雅人 亡~

身体を療養中の雅人はS.O.N.のGベットから景色を見つめる。

他のみんなは、ラピスSへの切り札『愚者の石』を捜索している中、自分は何もできないことに内心悔しがっていた。しかしメタルクラスタを使用し、度重なるアークの浸食と精神的疲労が溜まった雅人を戦場に出すことは認められないと弦十郎から言い渡されたことも理由である。

 

(‥‥俺って一体何がしたかったんだろう‥‥)

 

思い返してみても、霞掛かった記憶と忌まわしき実験の記憶しか思い出せない。

本当ならやりたいこと、叶えてみたい夢があったはず。

 

「駄目だ‥‥どうしても思い出せない‥‥」

 

記憶が曖昧としているならば、自分の存在の意義とは何だろう?

二課、S.O.N.Gに所属する以前のことを整理しても、ゼムの指示のままに行動していた。

それが今になって仇になるとは思わなかった。

 

(今思えば‥‥飛電雅人の由来、誰が名付けたのかもわからない‥‥産みの親のことも、両親のことも、記憶から抜け落ちている‥‥)

 

「俺は一体‥‥何者なんだ‥‥?」

 

「失礼します」

 

増々頭を悩ませる雅人の部屋に亡が訪れる。

 

「亡さん…どうしたんですか?」

 

「少しお話したくて来ました」

 

 

亡を部屋に入れると、亡はお見舞いのリンゴの皮をむく。

 

「どうぞ」

 

「ありがとうございます‥‥いただきます」

 

リンゴを食し、気分を落ち着かせた雅人はふと、亡に相談しようと話題を上げる。

 

「亡さん‥‥俺は、何のために存在しているんだろうな‥‥」

 

アークからは器として狙われ、悪意の記憶と出逢い、自分のあるべき姿を見失いつつあることを明かす。

その後も自分がため込んできた悩みを話すと、亡は懐かしい話でも聞いているような表情をしていた。

 

「亡さん?」

 

「あっ‥‥失礼、つい昔のことを思い出していました」

 

「昔のこと?」

 

「えぇ、せっかくですので少し話しましょうか」

 

 

 

 

~side亡~

 

――ご存じでしょうが、私はかつて滅亡迅雷.netの元で活動していたヒューマギアでした。

 

――まぁ、元々システムエンジニアとして働いていたのですが、当時のパワハラ上司に命令されて動く羽目になりましたがね。

 

――そんなことはさておき、自分が何者なのかも知らず、ただ命令されて従うだけの日々でしたが、ある日わたしは上司に撃たれチップだけとなっていました。

 

――気づいた時には、見知らぬ男の頭の中に埋め込まれていたのです。

 

他の人達が絶対無理だ、だの、できない、だの言っていたのにも関わらず、『俺には関係ねぇ、俺がルールだッ!』と言って持ち前の馬鹿力で、鍵だろうが、車のドアだろうが何でもかんでも抉じ開けてしまうような人でした

 

ちなみに普通なら寒いはずのギャグに、何故か耐性がありません。

 

しかし男は人1倍、夢に対しては熱かった。

 

自分には夢がないことを知り、苦悩するも自分の道を突っ走って『誰かの道具』ではなく自分の意思で夢に向かい続けると宣言したのです。

 

そんな堅物だった男が夢を持ち、変われるように導いたのは、しがない新米社長とAIの秘書でした。

 

底抜けに明るいように思えて、誰よりも夢に純粋な男。

 

その若さが故に、人と人工知能の相互理解に苦悩し、真っ向から対立することも‥‥

 

過程でかけがいのない存在を失い、絶望に染まろうとも、人とAIが手を取り、共存しようと夢に向かった。

 

 

心を持つことの大切さを教えた人間でした。

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

「この際、一つお聞きします。飛電雅人さん、あなたに夢はありますか?」

 

「‥‥!!」

 

(ッ夢か‥‥、何かを護るだけで、特に考えたこともなかったなぁ‥‥)

 

考える雅人に亡は、優しく語り掛ける。

 

「先代ゼロワン、飛電或人の夢は『人とヒューマギアが共存していく世界を作る』ことでしたが、貴方はアナタです。今、夢がなくても構いません。ゆっくりと時間をかけて見つけてください」

 

 

「私は、飛電雅人(あなた)が見つけた夢を手伝いと思っています」

 

「どうかあなたの夢を私にも叶えさせていただけませんか?」

 

かつては『夢』を知らず、自分を『道具』ではないと証明するために前へ進んだ亡。

 

そんな彼女は今、自分の意思で夢を叶えさせたいと言った。

 

であれば、雅人もくよくよしている場合ではない。

 

パチンッと自身の頬を叩き吹っ切れる。

 

「‥‥ありがとう、お陰で大夫楽になりました。俺‥‥必ず見つけてみせます」

 

 

――自分自身の夢を

 

 

『飛電雅人という1人の人間として』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side S.O.N.G.~

プロテクトビーストの動力源ラピスSに対抗可能とされる『愚者の石』。

それを捜索するべくS.O.N.Gは海上施設を設置。響、翼、マリア、たちの深海探査チーム、クリス、セレナ、奏、調、切歌の排出物探知チームに別れ懸命な作業が行われていた。

 

響たちの乗る潜水艦を通じ、愚者の石が保管されていた深淵の竜宮の有様を目の当たりにする。

 

かつての堅牢さは見る影もなく、無残に瓦礫が重なり合っていた。

 

「ありゃりゃ‥‥」

 

「思っていたより」

 

「ぺちゃんこ…ですね…」

 

「デース…」

 

画面を通し、クリスは思い出す。

 

(深淵の竜宮が破壊されることになったのは、あたしがぶっ壊したからだ‥‥)

 

今思え返せば、本当にあの時の判断が正しかったのか疑ってしまう。

 

(本当はもっと冴えたやり方があったのかもなぁ‥‥)

 

海底より送られた泥が潜水艇を通じて地上に引き上げられる。

 

「こんなんで、本当に見つかるんだろうな?」

 

「もっと気楽にいこうぜ?張り詰めてちゃあ石も出てきづらいだろ」

 

「先輩‥‥」

 

軽口を交えながらも金属探知機で作業を続けていると、突如悲鳴が上がる。

 

一同が振り返えると、自衛隊の人々の前にアルカ・ノイズが出現。次々に殺害していく。

 

『アルカ・ノイズの反応を検知ッ!』

 

『反応座標絞り込みます‥‥我々の真上ですッ!』

 

『まさか‥‥』

 

『こちらの動きに合わせて…!』

 

 

――Zeios igalima raizen tron

 

――Various shul shagana tron

 

――Killter Ichaival tron

 

――Croitzal ronzell Gungnir zizzl

 

――Seilien coffin claidheamh soluis tron

 

 

 

 

――ショットライズッ!

 

 

 

迎撃態勢を整えたクリス達はアルカ・ノイズを蹴散らしていく。

 

 

「大丈夫デスッ!落ち着いて避難をッ!」

 

アルカ・ノイズから逃げ遅れた人を救うべく切歌は避難誘導するが、彼女の元にプロテクトビースト『トドロキ』が現れる。

 

「大丈夫とは、随分な余裕があるものだな?能天気少女ッ!」

 

「誰が能天気デスとぉッ!?」

 

「目の前にいるだろうがッ!」

 

トドロキの火炎弾が切歌目掛けて放たれる。切歌は咄嗟に攻撃を避けるが、それが逃げ遅れた人たちに直撃。塵も残らずに焼却されてしまう。

 

「‥‥他愛もない」

 

人を殺めても少し苦い顔をするだけで吐き捨てるトドロキ。

そんな彼女に苛立ちを抑えつつも切歌は向かって行くが、拳による地ならしで吹っ飛ばされてしまう。

 

 

「切ちゃんッ!?」

 

「何処見てやがるッ!」

 

調が目をそらした一瞬の隙を突き、リーパーのヤクザキックが炸裂する。

 

「調ッ!!」

 

「暁さんッ!」

 

心配する奏とセレナ。しかしアルセーヌが繰り出すレイピアと体術の前に防戦を強いられる。

 

「ダインスレイフを抜剣できないシンフォギアに仮面ライダーなど相手になんねぇな」

 

「此処で我らに壊されるといい」

 

 

 

どうやらトドロキ、リーパー、アルセーヌの目的はシンフォギアたちの破壊にあるようだ。

 

「連中の目的はシンフォギアの破壊…?」

 

「愚者の石じゃないのデスかッ!?」

 

目的が愚者の石ではないことに気づいたクリスはギアからミサイルを展開。

プロテクトビーストを牽制させる。

 

一方深海で作業にあたっていた響たちにも連絡が入る。

 

「水上施設が攻撃を受けているッ!?」

 

「すぐに浮上しますッ!」

 

『そのまま作業を続けてくださいッ!』

 

「えッ?」

 

『どうやら奴らは愚者の石のことを知らないようだ。回収作業のことがバレれば邪魔されかねない』

 

しかし賢者の石の亜種『ラピスS』の力を不安視する響だが、緒川が現時点での対抗手段を明かす。

 

『ユニゾンです。調さんと切歌さんの歌を重ねれば‥‥』

 

『抜剣せずとも対抗できるッ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「だったら埒をこじ開けるッ!」

 

クリスはガトリング砲を展開、弾丸を放ちながらトドロキへと迫る。トドロキは咄嗟にファイアウォールを形成し銃弾を防ぐが‥‥

 

「根性ぉぉぉぉぉッ!」

 

気合と根性でファイアウォールを解除させ、銃口を突き付ける。

ふッと微笑むとガトリング砲が弓へ変形、鏃が眼前に現れる。

 

(ほぅ‥‥この娘、ゼロ距離射撃とは恐れ入る。だが、我がこの程度避けられぬと思うたかッ!)

 

矢が放たれ、擦れ擦れゼロ距離射撃を避けるトドロキ。だが、その先端には切歌が付いていた。

 

「何ぃッ!?」

 

飛ばされた切歌は勢いのままに調の元へ到達。止めを刺そうとしていたリーパーから引き離す。

 

「さぁて、いっちょやらかすデスよッ!」

 

「切ちゃんッ!」

 

 

――地獄からテヘペロちゃん 悪魔だって真っ青顔 鎌をブンブンするのDeath

 

――小っちゃいってナメないで 電ノコは 一番痛いのUnderstand?

 

 

2人のユニゾンから繰り出される猛攻。あれほど優位であったリーパーから余裕が消えていく。

 

『調ちゃんと切歌ちゃんのフォニックゲイン飛躍していきますッ!』

 

『この出力でなら!』

 

 

 

――二人だけの愛のメロディー

 

 

「世に居場所がなかった俺たちを否定せず、向き合ってくれたのはラセツだぁ‥‥!!惚れた女のために応えるのが人間ってもんだぁぁあああああ!!」

 

 

「「リーパーッ!!」」

 

「綺麗ごとばかりじゃあ、何も出来ねぇんだよぉッ!!」

 

 

――KIZUNAギュッと熱く束ね

 

――KIZUNA       束ね

 

 

 

 

――重ね合おう重ね合おう

 

 

 

 

――「大好き」がね… 溢れる

 

 

 

――支え合って 強くなろう

 

 

「負けられるかぁぁあああッ!」

 

 

【KILIING ORNAMENT】

 

リーパーが纏う武器・装甲が紫色の宝石蛇となり真っ向から【禁合β式・Zあ破刃惨無uうNN】とぶつかり合う。

宝石の牙とザババの刃によって激しい火花が散るも、ユニゾンの力が圧し勝ち大蛇を2つに裂く。

 

「うわぁぁあああッ!」

 

競り負けたリーパーは、そのまま海面に叩き付けられる。

 

「リーパーッ!?トドロキ、退くぞッ!」

 

「是非も無し‥‥」

 

やむを得ずリーパーを回収しトドロキ、アルセーヌは撤退する。

 

 

「重ね合ったこの手は‥‥」

 

「絶対に離さないデス」

 

「そういうことは家でやれ…」

 

「やったな2人ともッ!」

 

「暁さん、月読さん、凄かったですよッ!」

 

プロテクトビーストたちを追い返し喜びを分かち合う一同。

しかしそんなのも束の間。了子から通信が入る。

 

『皆、巨大なエネルギー体が接近しているわッ!警戒してッ!』

 

「なんだってッ!」

 

 

通信後、すぐさま水上施設上空に謎の飛行物体が現れる。

 

「なんだッ!?」

 

「上からッ!」

 

茨のような翼を広げ空中に佇む謎の人型物体が手を翳すととんでもないほどのエネルギー砲が放たれる。

辛うじて避けるも水上施設が被害に見舞われる。

 

奏は装者たちを見下ろしている物体の腰にドライバーがあることに気づく。

 

「あれは‥‥ドライバー?」

 

「見たことのない‥‥仮面ライダー?」

 

 

 

 

 

 

得体のしれない謎のライダーを前に、装者たちは身構えていた。

藍色のボディに、骸骨のような不気味な顔をしているもクリスは何故か、奴の背の翼に懐かしさを感じていた。

 

(なんだ…?この感じ、どこかで…)

 

「来るぞッ!」

 

懐かしさを感じつつも謎のライダーと装者たちは交戦する。

 

飛びあがり、調と切歌の斬撃、奏の突きが炸裂する。

 

「さっさと墜ちやがれッ!」

 

クリスがガトリング砲をぶっ放し胴体の装甲を破壊する。

すると、たちまち破壊されたはずの装甲が元の状態に再生されてしまった。

 

「どうなってんだッ!?」

 

「だったらッ!」

 

「再生できない程バラバラに斬り裂いてやるのデース!!」

 

装者たち全員が一斉攻撃を仕掛けるも、何度でも元に戻ってしまう。

 

「これでも貫けないの‥‥?」

 

(あの再生‥‥)

 

「まさか‥‥ネフシュタン…?」

 

クリスはかつてネフシュタンの鎧を身に纏っていたことがある。先程から既視感があったのはあのライダーがネフシュタンを持っている可能性があったからである。

 

「ネフシュタン?確か、鎧は消滅して冠も了子さんが持ってるんじゃあ‥‥」

 

『ええ、クリスの推測は当たっているわ。あの兵器‥‥いや仮面ライダーはネフシュタンが組み込まれている』

 

「デデデッ!?」

 

再生能力を前に膠着状態となるが、謎のライダーは急に攻撃を止める。

 

「初めまして国連組織S.O.N.G.の皆さん。私はバリュエル光明結社 秘書のアズこと仮面ライダールシファーと申します」

 

自らをアズと名乗るライダーは饒舌に語り出す。

 

「皆様には降伏をお薦め致します。S.O.N.Gが持つ異端技術及びテクノロジーを全て明け渡しなさい」

 

「なんだと…!」

 

「ふざけないでッ!」

 

「そんな要求、認められません」

 

「当たり前なのデース!」

 

「あぁ、あたしたちは降伏なんか絶対にしないぞッ!」

 

「そうですか。まぁ、勧告しましたからね?それでも干渉するというのなら‥‥絶滅することを覚悟の上で」

 

そういうとアズはどこかへと去っていった・

 

 

 

 

 

 

 

 

~side S.O.N.G.~

発令室にて了子から改めてあのライダーに組み込まれているという『ネフシュタン』について説明がなされた。

 

本来 ネフシュタンには『鎧』のみならず『冠』『権杖』が存在していた。

了子の推測によれば権杖を発見したのは、ドイツの極秘研究機関『ブリル協会』と見て間違いない。

先の大戦によって解体されたものの歴史の闇に潜んでいたという。同じく歴史の闇に潜んでいたバリュエル光明結社との関係は確実に存在していただろう。

 

その過程でブリル協会との取引にてこの『ネフシュタンの権杖』を手に入れたと思われる。

 

そしてもう一つの問題なのはアズの存在だ。

 

『アズ』…アークによって生み出された悪意の使者。アークの素質に足り得る存在に力を与え人類滅亡の任を任されているヒューマギア。

 

『仮面ライダールシファー』人々を電子の楽園へと導こうとした教祖エス・一色理人を極めて身勝手な理由で裏切ったアバター『ベル』が奪ったドライバーとキーで変身した。

 

脅威的な強さを誇るも、死線を乗り越え夢へ羽ばたく者たちによって敗北、破壊されたと思われていた。

 

しかしアズによって復元、蘇ったとされる。

 

 

 

新たな問題が浮上したとは言え、今S.O.N.G.が出来ることはプロテクトビーストに対抗するための愚者の石を見つけ出す。ただそれだけであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~side ラセツ イヴ ティキ~

 

バリュエル光明結社が宿泊しているリゾートホテル。その室内プールにてティキは天井にプラネタリウムを展開し浮かんでいる。

 

「祭壇設置の儀式は順調かしら?」

 

「はい。ですが、中枢制御の大祭壇設置に必要な生命エネルギーが不足しております」

 

するとイヴはわざとらしく困ったような声を上げる。

 

「大変じゃない。困ったわねぇ‥‥生命エネルギーは必要不可欠なもの‥‥このままだと生贄が必要になるわ」

 

【生贄】、その単語にラセツは眼を点にする

 

「完全な肉体を持つ幹部3人の内、誰かを生贄に捧げれば不足分のエネルギーは足りる筈よ」

 

さも他人事のように話すイヴをラセツは睨みつける。

 

「局長‥‥貴女様は…どこまで変わってしまったのですか…ッ!」

 

「選択の時間よ、あなたの夢・理想を追うためのね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかしい……」

 

星を映しながら、恋乙女は誰にも聞こえることのないほどの声で呟くのであった‥‥・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~side????~~~

 

「~~~♪~~♪♪~~~」

 

「反応は良好だ」

 

「~~♪♪ ~~~♪♪」

 

海外から訪れた人々が泊まるホテルの一室にて美しい婦人の歌が響く。この一室はカラオケや自由に唄える部屋のため騒音対策が完璧であり、夜に唄っても問題ない所であった。

 

「このまま行けば、もう間もなく‥‥」

 

 

 

 

「はぁ‥‥はぁ…ふぅ‥‥」

 

「少し休もう」

 

「ええ…そうするわ‥‥」

 

歌い手 ソネット・M・ユキネは息を整え、夫の雪音雅律は妻を支える。

 

「君ばかり無理をさせて済まない」

 

「無理じゃないわ。だってこれも2人の理想のためだもの」

 

「数値は順調に上昇している。あともう少しで起動する筈さ」

 

「もうすぐ、今度こそ平和な世界が‥‥」

 

「そうね‥‥私たちが望むのは不幸な争いが繰り返されない世界‥‥」

 

「そのためなら、僕たちはどんなことを構わない。娘と離れ離れになってから、そう…誓ったんだ」

 

 

コードに繋がれたパソコン。そしてデータチップが挿入された小さな機械。

画面には、聖遺物についての資料と人工知能について書かれていた。

 

 

 

 

【ドキュメント】人工知能ゼア復元計画 著:ミーナ・スクルディア

 

【搭載装置】完全聖遺物『デウスの歯車』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~????~

インターネットの情報網を探り、衛星アークは遂に見つけ出す。

 

ようやく見つけたぞ。ゼア‥‥ッ!

 

 

 

悪意の魔手が今、まさに伸ばされようとしていた‥‥・




おまけ 錬金術師たちによる愚者の石への見解 案:グレイド様

サンジェルマン「何もかもが賢者の石と真逆の特性を持つ石‥‥。我々のラピスと似た特性を持つプロテクトビーストには確かに対抗できるかもしれないな」

プレラーティ「創り手としては、何百年かけてようやく完成したファウストローブも石ころ一つで対策されるのだから、少々納得がいかないワケダ」

カリオストロ「それにしても賢者に対して愚者って名づけるなんて中々センスあるじゃない!名付けた人とは仲良くなれそうかも♪」

今回の聖遺物&ライダー
・『ネフシュタンの権杖』
登場作品 戦姫絶唱シンフォギアXD イベント ティアーズ・オブ・ピースメーカー
ネフシュタンシリーズの1つで鎧と同じく再生能力を持つ。
劇中では戦闘機に搭載され、再生能力を武器に猛威を振るった。

・仮面ライダールシファー
変身者 シンクネット幹部『ベル』
本体  メンタルクリニック医師

計画の真相を知り、自分が楽園の創造者になろうと、エスからドライバーとキーを強奪して変身した。エデンよりも高いスペックを持つが、再生能力を失い本領を発揮できず、ゼロワン、ゼロツーの前に敗北した。

・『デウスの歯車』
小さい歯車のような完全聖遺物。本来デウスエクスマキナという神様は存在しない。
しかしこの歯車を組み込んだ舞台装置は演劇を必ず幕引きに到達させることからこの名がついた。いわば哲学兵装寄りの聖遺物。

本小説版LOST-SONG編、読んでみたい?*XV編後

  • 勿論ッ!
  • う~ん・・・
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