戦姫絶唱シンフォギア01 ~Take off toward a dream~ 作:光からの使者
愚者の石を捜索するS.O.N.G。そこにプロテクトビーストが襲撃するも、これを撃退した。
しかし遂にアズが仮面ライダールシファーとなって動き出す。
一方雅人は自分の存在意義に不安を感じるも、亡の手助けもあって自信を取り戻す。
果たしてS.O.N.Gはどうなるか‥‥
~side S.O.N.G.~
襲撃から一夜明け、S.O.N.G.は再び愚者の石の探索にあたっていた。
切歌は、タブレットを眺めつつ、強い反応を示す泥を見つける。
「よし切ちゃん‥‥まずは落ち着こう」
調の言葉も空しく、切歌は泥濘へと突っ込んだことで泥が顔に付着する。
「デースッ!」
泥の中から金の欠片が混ざった塊を見つけ出す。
「あッ!見せてくださいッ!わぁぁ~~~」
「ちょッ!?」
発見した塊を視ようとエルフナインが向かうも、急いでいたあまり復帰した雅人の脚に引っかかってしまう。
雅人もエルフナインの転倒に巻き込まれるも、顔面から突っ込ませないように彼が下敷きとなる。
「す、すみませんッ!」
「こっちは見てらんない‥‥」
切歌から渡された塊を見てエルフナインは確信する。
「これこそがプロテクトビーストに抗う僕たちの切り札『愚者の石』ですッ!」
「すっかり愚者の石で定着しちゃったね‥トホホ‥‥」
~~side 装者~~
S.O.N.G.に内装されているシャワー室。身体に付着した泥と汗を流すべく装者たちはお湯を浴びていた。
「かぁ~~~五臓六腑に染み渡るデースッ!」
「流石、石の発見者は言うことが違う」
「そういえばエルフナインちゃんは?」
「マッパでマッハなカラスの行水さ」
泥の中から見つけ出した希望。プロテクトビーストに対抗するための対消滅バリアフィールドを施すために現在、エルフナインは了子、亡とともに作業を行っている。
「愚者の石の特性でラピスSの特性を相殺ねぇ‥‥」
「それが可能になれば、プロテクトビーストとも満足に戦える筈です」
するとお風呂場に来た友里がクリスに告げる。
「クリスちゃん宛に外務省経由で連絡が来ていたわよ」
「あたしに…?」
「クリスちゃんのご両親とバルベルデの兄弟が帰国前に面会を求めてるの。雅人君も同じ要件だったから藤尭君が伝えてるはずよ」
「あいつもッ!?」
一瞬嬉しそうな表情をするも、はっとどこか割り切れない顔をする。
「‥‥わかった。時間が出来次第向かうよ」
今もバルベルデのことを思い出してしまう。あの時は偶然フィーネが居たからこそステファンは助かった。けれどもいなかったら私は、正しい判断ができただろうか?
その踏ん切りが何時まで経ってもできない。
「過去は過去。選択の結果は覆らないし、予想もできない」
「だからとて目を背け続けては今すべきことさえもおざなりになってしまうぞ」
「ご忠節が痛み入るね」
ギスギスとした雰囲気の中、休憩広場に差し掛かった所、椅子に腰かけている弦十郎がいた。
「うむ。揃っているな」
「師匠、どうしたんですか?藪から棒に」
「全員トレーニングルームに来てくれッ!」
「おっさん!愚者の石が見つかった以上、今更が過ぎるぞッ!」
「これが映画だったらたかが石ころ程度でハッピーエンドになるはず無かろう!」
弦十郎は拳を思いっ切り合わせる
「御託は‥‥ひと暴れしてからだッ!」
~side バリュエル~
ベットの上では先日の戦闘で負傷したリーパーが眠っている。身体のあちらこちらに巻かれた包帯がより痛々しさを強調している。アルセーヌの錬金術により傷はふさがっていく。
「‥‥。」
トドロキは帰還後、謎の送り主から流されたラセツとイヴの会話を聞いていた。
イヴが足りない生命エネルギーを補うべく、我らを生贄にしようと企んでいたこと。
そんな局長に選択を迫られ苦悩するラセツの姿を。
「リーパーの治療はどう?」
「順調さ、少し時間はかかるが」
「‥‥同じ夢を、理想を求める仲間…」
歪んだ世界、理を正すため。錬金術師協会を離れ今日まで耐え続けて来た。幹部一同は最早家族同然の存在なのだ。
「仲間を傷つける奴をこれ以上許しておくわけにはいかん。我も腹を括るとするか」
意を決したトドロキはグッとキーを握りしめた。
~~トレーニングルーム~~
武装した装者たちの前にシュミレーターで再現されたアルカ・ノイズが続々と現れる。
一同はアームドギアを振るい、いともたやすくアルカ・ノイズたちを蹴散らしていく。
「わたしと切ちゃん。2人の歌を重ねればッ!」
「ザババの刃は相手を選ばないのデスッ!」
矢継ぎ早にシュミレーターは次から次へとアルカ・ノイズを再現させていく。
「はぁぁああッ!」
すると銃弾、光弾、けん玉、乱打がアルカ・ノイズを倒していく。
アルカ・ノイズを倒したのはファウストローブを身に纏うサンジェルマン、プレラーティ、カリオストロの三人と仮面ライダー001に変身した雅人であった。
「サンジェルマンさんッ!プレラーティさんッ!カリオストロさんッ!」
「無事治ったんですねッ!」
「ええ、お陰様でね」
「手伝うとか言っておきながら速攻寝落ちされたこともあったが、どうにか問題はないワケダ」
「あ~ん。その件はごめんってば~~」
一方、雅人の方も同じライダーでもある奏やセレナ、心配していた面々が話しかける。
「大丈夫なのか雅人?」
「そうよ、フォースライザーは人間が使うにはかなりの負荷がかかるはずよ」
従来まではそうだっただろう。しかしこのフォースライザーは亡の手により更なる改修が施された物。
本来負担を軽くすることに成功したのだ。メタルクラスタホッパーによってゼロワンドライバーが機能しない以上フォースライザーを使って変身するのがベストなのである。
「全員集まったな」
一同が振り返ると、軽くストレッチをこなす弦十郎の姿があった。
「今回は特別に、俺が訓練を付けてやる。ご客人たちも遠慮はいらんぞッ!こちらも遠慮なくいくッ!」
颯爽と飛び出した弦十郎はマリアに激しいラッシュを浴びせる。
「”う”ッ!?‥‥どうすればいいの…ッ!?」
「姉さんッ!」
マリアの代わりにセレナは駿足で迫るも、素早い動きを一瞬で見抜き姉妹諸共蹴り飛ばす。
「「だあああ――ッ!?」」
「マリアッ!セレナッ!」
「人間相手の攻撃は躊躇しちゃうけれど‥‥」
「相手が人間かどうか疑わしいのデスッ!」
ごもっともだが、言ったところで修業は終わらない。
「師匠ッ!対打をお願いしますッ!」
「俺もお手合わせ願いますッ!」
「おいッ!張り切るなとっくん馬鹿どもッ!」
響と001による攻撃が繰り出されるも、弦十郎は冷静に対処両手で響の拳、雅人の脚を掴む。
「猪突に身を任せるなッ!」
「司令は手を合わせ、我々に何か伝えようとしている‥‥ッ!」
乱打に回し蹴りを平然と躱し、弦十郎は2人を軽々と遠くに投げ飛ばす。
翼と奏は武器を取る。
(だがその前にわたしの跳ね馬が躍り高ぶる‥‥ッ!)
「奏ッ!」
「おうッ!」
双方からランスと刀を振るうも全て擦れ擦れを避けられる。
しまいには指2本で受けとめられてしまう。
「お見事‥‥ッ!」
「さすが、旦那。ここまでくるともう何されても驚かねぇよ‥‥」
翼が肩でのタックルを喰らった直後、奏にも右腕ラリアットが炸裂する。
「ほたえなッ!おっさんッ!」
「あーしをナメないでよぉッ!」
多段ミサイルと共に光弾を放つクリス、カリオストロ。しかし弦十郎は動じずにミサイルを丁寧に掴み、投げ返す。
「うおーーーりゃああああ」
「嘘だろッ!?」
「ちょッ!?そんなのって有りぃッ!?」
光弾と相殺しきれなかった分のミサイルがクリスとカリオストロを襲い、壁に叩き付けられる。
続いてサンジェルマンが銃弾を飛ばし、プレラーティがけん玉を振るうが‥‥
弦十郎は平気で玉を受け止め、逆に奪い取ってしまった。
「いくら何でも無茶苦茶が過ぎるワケダッ!?」
「一体何をどうしたら、あんなことができるというの‥‥?」
「フンッ!」
向かって来たところにけん玉を投げ返し2人を薙ぎ払う。
「数をばら撒いても、積み重なければ意味がないッ!心と意を合わせるんだッ!」
【爆振ッ!】
床が隆起し、振動で動けない調と切歌を吹っ飛ばすのであった‥‥
トレーニングルームの風景が元の無機質なものに戻ると、そこに立つのは風鳴弦十郎ただ一人。
装者、ライダー、錬金術師たちが満身創痍な様子で倒れている。
「飛電雅人、あの男は本当にただの人間なのか?」
サンジェルマンの疑問は御最もだが、本人曰く『飯食って、映画見て、寝る』であそこまで強くなったらしいので本当に一般人のようだ。
「早めに交渉に乗ってよかったわぁ‥」
「あぁ、、さもなくばあの男に3人纏めてやられていたワケダ…」
ひそひそ話はさておき、元気が未だに余っている弦十郎はカセットの入ったラジオを置く。
「忘れるな、愚者の石はラピスSに対抗するための手段に過ぎない」
「さぁ、準備運動は終わりだッ!」
先ほどの嵐が準備運動に過ぎないことを知り、目を点にする一同。
そして弦十郎は『英雄故事』と書かれたカセットテープを起動させるのであった‥‥
~side バリュエル~
どこかの祠、神社にて遂に開闢の儀式が行われようとしていた。
イヴがラセツの背中に手を翳すと、彼女の背中を抉り刻印が刻まれ、苦痛に顔を歪める。
「決心はついたかしら?まずは誰を生贄に捧げるのかしら?」
「ッ‥‥!!」
「さてと、S.O.N.G.の動向が気になるわね」
「ならば我が行こう。リーパーは負傷し、ラセツは儀式、アルセーヌは護衛に必要だろう?であれば我が行くのは必然と言えよう」
「勝算はあるのかしら?
名乗り出たトドロキにイヴは問いかける。
「無論。相手は類を見ない程の強者、出し惜しみ無しで行かせてもらう。アズ、君にも協力してもらうぞ」
「畏まりました」
~side クリス 翼 雅人~
ステファンの話によると、クリスが日本に居た間雪音夫妻とソーニャは紛争で家や家族を失った子供たちを支援しているという。
全てが変わってしまったあの日。支援物資の中に混ざっていた爆弾の暴発から幼かったクリスをソーニャは庇った。けれど目の前で倒れている両親を目の当たりにし、行き場のない感情を側にいた彼女にぶつけてしまっていた。
(わかっていた‥‥ソーニャお姉ちゃんは何も悪くなかった‥‥)
意を決してクリスはソーニャに告げる。
「ソーニャ‥‥あの時は本当に、ごめん」
クリスからの謝罪にソーニャは一瞬驚くも、そのふと吹っ切れた様子を見せる。
「ううん、こちらこそごめんなさい。」
そして両者は互いに手を取り合って雪音夫妻、弟のステファン、翼と雅人が見守る中和解した。
長きに渡るモヤモヤが遂に解消されたのだ。
平和な時間を過ごす中、クリスはバルベルデで聞けなかったことを質問する。
「なぁ、こんなこと聞くのもアレだけど‥‥パパとママはあそこから助かったんだ?それに先輩はともかく雅人まで呼んだ理由も教えてくれ」
ソネットと雅律は互いに見つめ合い、何やら神妙そうな様子だ。
「クリス、お友だちを呼んでもらったのは、とても大切な話があるからなんだ」
「「「大切な‥‥話‥‥?」」」
「どうして僕たちが今日まで生きているのか、そして―――」
しかし雅律の話の途中で壁が爆破され、アルカ・ノイズの軍勢がなだれ込む。
「少しは空気を読んでほしいなッ!」
「皆さん、早くここから避難をッ!」
「わかったわ、行きましょう先生方ッ!」
「あ、ぁぁ‥‥」
雪音夫妻が行ったのを見届けると一同はペンダント、ドライバーを手に取る
――Killter Ichaival tron
――Imyuteus amenohabakiri tron
「変身ッ!」
フォースライズ! ライジングホッパー!"A jump to the sky turns to a rider kick."
"Break down."
変身が完了した一同は、現れたアルカ・ノイズを駆逐し、外に出る。
するとどこからか灼熱弾が降り注ぐ。
「やはり誘いに乗ったか」
『敵錬金術師とエンゲージッ!』
しかし現れたプロテクトビーストはなんとトドロキだけである。
不可思議に思いながらも、トドロキを倒すべくクリスはボウガンの矢を放つが軽い身のこなしで攻撃を躱していく。
「ちょこまかとッ!」
即座にボウガンを向けるも、後ろにある建物ごと撃つわけにはいかず、発砲を躊躇う。
「どうやら、根はいい娘のようだ」
トドロキの言葉に、揺らいだ隙を突かれプロテクトビーストの拳圧で吹っ飛ばされる。
「悪く思うな、これも任務なのだから」
クリスの脳天目掛けて拳を振り下ろすトドロキ。そこへマリアの蛇腹剣が迫る。
流石の彼女も、咄嗟に避ける。
マリアだけでなく響たちに、錬金術師たちまでも駆けつける。
「逆転劇はここからデスッ!」
「そうとも‥‥逆転劇はここからだよなあッ!」
追い詰められたはずのトドロキはテレポートジェムを4つ、響たちの足元に投げるとたちまち装者たちの姿が消えていき、クリス、マリア、カリオストロ、雅人が残された。
「女神ザババの二振り『イガリマ』と『シュルシャガナ』。そのユニゾンが脅威だと仲間が身体を張って見せてくれた」
「そりゃあまた随分と‥‥」
「わたしたちも舐められたものね」
再びトドロキは火炎弾を放つも、クリスのボウガンが相殺しマリアが懐へと迫る。
「この距離なら飛び道具は‥‥ッ!」
アガートラームの刃が迫る中、トドロキはふと笑う。
そしてジュエルドライバーの上に付いているボタンを押し込む。
――ラース・オブ・ビーストォォォッ!
”
ドライバーが展開すると同時に、身に纏った堅牢な装甲にきめ細やかなひび割れが起きる。
溢れ出す炎とマグマと共に真の姿が露わとなる。
全身が炎に包まれ、ガントレットに包まれていた拳は激しく燃え滾る。
眼が不気味に赤黒く輝き、クラッシャーが解放され鋭い牙が剥き出す。
品行方正であった
いや、
前方から迫るマリアのダガーを難なく避け、燃え滾る拳で渾身のアッパーを喰らわせる。
「マリアッ!」
心配するクリスの懐へすぐさま潜り込んだトドロキは、正拳突きを叩きこむ。
さらに001の顔面を掴み、何度も壁に叩き付ける。
「やらせないわッ!」
トドロキの背後から殴りかかるカリオストロ。しかしより肥大化した強靭な尾で拳をガードされ逆に返り討ちにされてしまう。
「”どうした?””もっと打ってこいッ!!”」
「”ア”ア”ア”ア”ア”」
理性の大半を焼き尽くし、もはや獣の域を超えた怪物は執念の炎を燃やす。
全員が束になって掛かっても、暴れ狂うプロテクトビーストを止められないッ!
壁まで吹っ飛ばされたクリス。辛うじて身体を起こすとステファン、ソーニャに雪音夫妻がいた。
「なッ!?避難したんじゃなかったのかッ!?」
よく見てみるとステファンの脚が崩落で落ちた瓦礫に挟まれてしまっている。
そうこうしているうちに壁をぶち破り暴走したトドロキが侵入してしまう。
「”オ”オ”オ”オ”オ”」
侵入と同時に挟まれていたステファンの脚が抜け出すも、そこへトドロキの拳が迫る。
「危ないッ!逃げてッ!」
なんとステファンの前にソネットが立ってしまう。装者ならばともかく生身の人間はひとたまりもない。
「ママーーーッ!!」
寸でのところでクリスの放ったボウガンが命中し、トドロキを牽制、カリオストロ、マリアが外へ引きずり出す。
「大丈夫かッ!」
「う、うん。大丈夫だ‥‥」
「私も大丈夫よ」
「――はやく逃げてくれッ!」
すると、雅律がソネットに向けて告げる。
「行こうソネット。時間がない」
「ええッ!」
そう言って夫妻はどこかに向かってしまう。
「おいッ!一体どこへッ!?」
――時間がない?なんのことだ…?
クリスが疑問に思っていると‥‥
「クリス、わたしたちのことは良いから先生たちを追ってッ!もしかしたら大変なことが起きてしまうッ!」
(大変なことッ!?でもまだアルカ・ノイズが大量にいる中、2人を置いていくわけには‥‥)
迂闊に動くことが出来ないクリス。すると突如通信が入る。
『クリス、貴女は雪音夫妻を追いなさい。この場は―――」
「私が凌ぐッ!」
失われたはずの鎧を身に纏い、鞭を片手にフィーネが現れる。
「フィーネッ!?」
驚くクリスであったがフィーネは鞭を振るいアルカ・ノイズを消し飛ばす。
「‥‥ありがとう。後を任せる」
「クリス」
「ステファン‥‥」
少し足を引きずりつつも、ステファンはクリスの元に辿り着く。
「先生たちはクリスと再会するまで、ずっと苦しんでた。失った過去に囚われ続けていると思う」
「でも過ぎ去った時間は戻らない。でも未来はいくらでも切り開ける。姉ちゃんとクリスだって、前に踏み出せたんだ。あの2人だってきっと‥‥」
初めは両親のことが嫌いだった。だが、弦十郎に諭されてパパとママの本当の想いを、夢を、理解できた。
もし2人が誤ったことをしようと言うのなら子供として止めなくてはならない
「ああ、あたしがきっちり話をつけてやるよ」
発破を掛けられたクリスは勢いよく飛び出し、夫妻を追うべく建物の中へと行くのであった‥‥
~side フィーネ~
「散れッ!」
両手に持つ鞭を振るい、次々にアルカ・ノイズを斬り裂くフィーネ。
しかし100体以上倒したというのにアルカ・ノイズの波は収まる気配が一切見られない。
「アークの実力を見て、本気で装者たちを潰すつもりか」
それでも彼女の疑念は尽きない。たった1人の幹部が此処までの投入が可能なのか?それとも‥‥
(考えられるとしたら、アークもしくは結社が欲しいものが此処にあるということ‥‥)
クリスの後を追うにもアルカ・ノイズを通すわけにはいかない。
彼女の纏う『ネフシュタンの鎧』。デュランダルとの対消滅で失われたはずの代物だが、この鎧はフィーネが新たに手にした完全聖遺物『ネフシュタンの冠』によって再現された物だからだ。
再生が売りのネフシュタンの中で冠は異質で、対象の頭に被さることでその者の記憶を読み取り、形を変えて再生・再現するという効果を持つ。
つまりフィーネ、櫻井了子の記憶に残るネフシュタンの鎧を読み取ったことで再び戦いへ赴けるのだ。
それでも数の暴力の前にはさすがに苦戦を強いられる。
分解器官を受けても再生は可能だが、冠は再現する代償として肉体に大きな負荷がかかる。
それ故、何度も使用できないのが弱点でもあるのだ。
「不完全なシンフォギアを纏うあの子が戦っているのだ。完全聖遺物を纏う私が弱音など吐けるかッ!」
引き続きアルカ・ノイズを倒していくフィーネ。だが、オタマジャクシ型アルカ・ノイズが彼女の背後から奇襲を掛ける。
「しまッ――」
「はあッ!」
咄嗟に駆けつけた001が繰り出した真横からのキックによって不意打ちを仕掛けたアルカ・ノイズは消滅する。
「飛電雅人…ッ!」
「大丈夫ですか、了子さん」
「ええ。それよりも‥‥」
フィーネは視線を襲撃によって壁が崩壊しつつある建物へ向ける。
「飛電雅人、恐らくこの襲撃は裏がある。雪音夫妻の元にはクリスが向かっているけど、もしかしら‥‥」
アークによる妨害があるのかもしれないと察した雅人。
そんな彼にフィーネは亡から任されていたメタルクラスタホッパープログライズキーを渡す。
「ッ‥‥!!」
「暴走を恐れるのことは正しいわ。でも、いつまでも足を竦ませているわけにはいかないの」
「前へ、前へ、進むことを恐れないで」
(いざというときは‥‥私が――たとえあの子たちに恨まれようとも止めてみせるわ)
「‥‥わかりました。任せてくださいッ!」
「私も後で向かうわ、頼んだわよ」
同じく建物へ向かう雅人をフィーネは見守るのであった‥‥
~side クリス~
崩落しつつある建物を一部屋ずつ探し回るクリスだが、三階にまで上がっても一向に雪音夫妻の姿が見当たらなかった。
(まずい‥‥二人を見失っちまうなんて‥‥)
焦るクリスはふと、壁に手を触れると勢いのまま壁の中へ引きずりこまれる。
「うわッ!?な、なんなんだよ‥‥ここは…ッ!?」
何もかも真っ白い世界で、空間内では大量の0と1が漂いソネットと雅律の真ん中には小型の衛星のような機械が光を放っていた。
(明らかにおかしい‥‥遠目からじゃ一切わからなかったのにッ!)
だとすればここは結界で守られていたということになる。
「…そうかッ!そういうことだったのかッ!!」
すると様子に気づいた雅律とソネットがクリスを見つめる。
「来てしまったんだね、クリス」
「2人とも、やっぱり…」
「あなただけには嘘をつきたくはなかった‥‥」
「でもそれ以上に巻き込みたくなかった」
「もしかしてそれは‥‥ッ!」
「ああ。これが、人が自らの手で造り上げた現代の
「私たちがミーナ・スクルディアさんから託され、今日まで隠し続けてきた物です」
~side 亡~
クリスが雪音夫妻と対峙している頃、亡のラボでは異変が起きていた。
プログライズホッパーブレードが突如輝きを増したのである。
「これは‥‥ッ!」
驚愕する亡。するとブレードの側からホログラムが構築されていき人の形となる。
『ご無沙汰しております。亡さん』
新世代型ヒューマギアの象徴とも言えるモジュールに、緑色のリボンとメッシュがある女性型ヒューマギアが姿を見せる。
「どうして‥‥あなたが‥‥此処に‥‥ッ?」
イズッ!
夢に向かって飛び続ける男をいつ片時も傍で、支えた敏腕AI秘書イズ。
長い時を経て、姿を現したのだった‥‥
*憤怒の獣(ラースオブビースト)
ジュエルドライバーを展開することで抑えられていた獰猛な生物の精神を解放するモード。
スピリッツライズキーによって引き出された性能をさらに引き出すことができる。
モード名は幹部ごとに異なる。
トドロキverはダンボール戦機のラスボス イフリートインフェルノモードがモデル。
2/16日 調ちゃん、誕生日おめでとうッ!
今年も切ちゃんと仲良くね。
本小説版LOST-SONG編、読んでみたい?*XV編後
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勿論ッ!
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う~ん・・・