戦姫絶唱シンフォギア01 ~Take off toward a dream~ 作:光からの使者
~プロローグ~
「なぁ、ウチら変わらないといけないと思うんだゼ」
錬金術師協会の施設内にある食堂にて開口一番にミラアルクはヴァネッサ、エルザへ告げる。
「急にどうしたのミラアルクちゃん?」
「そうであります」
唐突なミラアルクの言葉に2人は思わず首を傾げる。
「実はな‥‥」
理由を聞かれたミラアルクは経緯を説明し始めた。
「‥‥うちら協会に保護してもらって長くなるだろ?なのにウチらができることなんて雑用くらいだゼ」
ミラアルクは現状を良しとしてはいなかった。協会の役に立とうとサンジェルマンたちに頼み込み錬金術について講義を受けさせてもらい基礎程度の錬金術ならばできるようになっていた。それでも元から適性があるわけじゃない為恩返しできている実感が足りなかったといえる。局長の話によれば近々人類を生み出した神様が復活するとまで言われているのだ。このままくすぶっていたら恩を返せずいずれ来る戦いにおいて足を引っ張るだけだ。それだけは何としてでも防がねばならない。
「このままじゃ駄目なんだゼ。協会に恩を返すため、役に立つために変わらなきゃならないんだゼ」
決意の眼差しで訴えるミラアルクにヴァネッサとエルザもいつものように冗談を飛ばす余裕はなかった。
協会内における自分たちの立場はよく知っているしこのままの状態でいるつもりはないのは2人も同様に思っていたようだ。
「そうねぇ・・・。協会は絶望の淵にいた私たちを救ってくれた。人間の身体に戻る術を考えてくれるどころか衣食住だって保護してくれた」
「悪辣な環境に身を置いていたわたくしめらにこれほどまでに良くしてくれたであります。このまま何もできないのは嫌でありますッ!」
ヴァネッサ、エルザ、ミラアルクの心は同じだった。
現状を打開するべく話し合っていると宇宙野郎雷電こと雷が食堂へと立ち寄っていた。
「よぉッ!3人とも湿気た面してどうした?」
「雷のアニキッ!」
「雷兄ちゃんでありますッ!」
「兄さん、その様子だと仕事終わりのようですね」
3人は過去に雷に救われたこともあり彼のことを兄のように慕っている。
そんな雷も悪いように思ったりはしていないようで協会内で彼女たちの世話をしている。
「おうよ。旦那に頼まれてた機械の修理が終わったとこだ。んで一体何悩んでたんだ?」
雷が議題を問うと彼女たちは素直に悩みを打ち明ける。
「‥‥なるほど、もっと結社の力になりたいと」
「そうなんだよアニキ。ウチらもっと協会の役に立ちたいんだゼ」
「雑用ばかりでは実感が湧かないであります」
「でもわたしたちでは錬金術で役に立つわけじゃないし・・・どうしようと思って‥‥」
「う~~ん‥‥俺にも難しい話だなぁ‥‥亡だったらこういう話には詳しいと思うが‥‥」
話が平行線を辿る中、ふと雷の脳内回線に連絡が受信された。
「おっと。アダムの旦那から呼び出した。どうやら、3人にも用があるらしい」
「「「????」」」
突然告げられたアダムからの呼び出しに困惑しつつも3人は雷と共に局長の部屋へと向かうのであった‥‥
~~局長室~~
局長の部屋へやってきた一同をアダムは椅子に腰掛けながら待ち構えていた。
「アダムの旦那、連れて来たぜ」
「ありがとう。助かるよ、いつも」
全員が部屋に入ったことを確認するとアダムは椅子から立ち堂々とした態度を見せる。
「さて。理由がある、他でもない君たちを呼んだのは」
「任務がある、君たちへ」
「任務‥‥?」
「でありますか?」
アダムの口から発せられたのは他でもなくヴァネッサ、エルザ、ミラアルクへの任務命令であった。
「君たちも聞いているだろう、バリュエル光明結社のことは」
「はい。長を失い残った局員も大方国連に逮捕されたとそうですが・・・」
「確かにそうだね、大方は。けれども捕まえ切ったわけじゃない、全てを」
「だからこそ潜り込むのさ、残党は」
「「残党・・・!!」」
そうバリュエル光明結社は局長ウィズベインや幹部格のラセツたちが死亡したことで事実上崩壊。国連や諜報部の活動によって上層部は確保されたものの下っ端に位置する錬金術師たちは各地に散らばってしまった。
「でもどうして我々なのでありますか?調査部がいるのでありますからわたくしめらが動く必要はないと思うのでありますが‥‥」
確かにエルザの考えは最もである。協会も残党が散らばることを予測しており既にサンジェルマンたちを初め錬金術師たちに残党の対処を任せていたからだ。
「人員を割けなくなりつつあるのさ、残党狩りの」
「どうしてなんだゼ?」
「備えなくてはならないからさ、いずれ来るカストディアン・アヌンナキの脅威に」
「だからどうしても必要なのさ、自由に動ける人員が」
そしてアダムは真剣な眼差しを3人に向ける。
「託しても構わないね、この任務を君たちに」
アダムからの問いかけにヴァネッサたちは既に覚悟を決めていた。
「「「承りましたッ!!」」」
「頼んだよ」
こうしてヴァネッサ、エルザ、ミラアルクの3人で構成された特殊チーム『ノーブルレッド』は潜伏しているバリュエル光明結社の残党を捕縛するため日本へ出発した。今回の任務を進めるにあたりノーブルレッドを支援するため戦闘経験が豊富な雷も同行を許可されている。
また、人外な見た目をカモフラージュするため観光客の姿に扮し協会内でも幹部を除き長期休暇という措置を取った。
誇り高き深紅たちは恩に報いるべく残党を捕まえることだろう。
それが彼女たちの運命を左右することになるとも知らずに‥‥
~~先史文明期のシュメール遺跡にて~~
1人の錬金術師は遺跡に遺されたデータや痕跡を調査していた。
その傍らには狼と蝙蝠に機械の部品が組み合わさった合成獣『キメラ』を連れている。
「調査は進歩しているかしら?」
そんな錬金術師の元にレザー生地の衣服に身を包んだアズが現れる。
アズの姿を見た錬金術師は嬉々とした様子で出迎える。
「これはこれは秘書様。ご機嫌麗しゅう存じます。貴女様より賜ったキーの恩恵もあり邪魔者が現れること無く粛々と調査が進んでおります」
頭を垂れで自分を出迎える錬金術師にアズは上機嫌になる。
「あなたたちが居てくれたお陰でスムーズにことが進みそうだわ。ことを全て成した時は・・・再興した組織にて上の爵位を約束するわ」
「ありがとうございます、アズ様」
アズに感謝を述べる錬金術師にアズは3本のキーを新たに渡す。
「アズ様・・・これは・・・?」
渡されたキーはそれぞれ紫色で蠍をかたどった物、深紅色のハヤブサをかたどった物、スカーレットカラーのド―ドーをかたどった物である
「以前あなたに渡したジャパニーズウルフ、オニコ、ネオヒゼツメライズキーとは異なるキーです」
「私はあなたの創造する合成生物が気に入っているの。これは史上最高の傑作になるであろう作品に対する投資よ。精々励みなさい」
「は、はいッ!ご期待に応えられるよう精一杯務めさせていただきますッ!!」
アズは錬金術師にキーを託し姿を消す。
(元構成員とはいえ、手駒が増えたことは喜ばしいこと。先史文明の技術が奪えればアーク様の強化にも繋がるし仮に無駄だったとしても器の成長に役立つ、一挙両得ね)
アークの元に戻る間、アズはひっそりと邪悪な笑みを浮かべるのであった‥‥
・アズ
キーを錬金術師に渡し何かを企んでいる。
・『ノーブルレッド』の3人
折角の機会を得たため張り切っている。
・雷
久々の任務のためやる気満々である。
主人公の設定について少し変更しても良い?それに伴って2・3話をリメイクする可能性あり
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全然あり
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このままでいい