「さーて、第二種目よ! 私はもう知っているけど~何かしら!? 言ってるそばからコレよ!」
電光掲示板に表示された種目は騎馬戦。
ルールは、2~4人のチームで騎馬を作ること。障害物競走の結果によってポイントが割り振られ、その合計のポイントがそのチームの持ち点となる。
ポイントは下から5ずつ増える。そして、一位に与えられるポイントは1000万。
その情報が与えられた途端に緑谷へと注目が集まる。
1000万、もはやその数字に意味はない。持っていれば勝ちが確定する。そういう一発逆転を狙える様な要素だ。
チーム決めも競技時間も制限時間は15分。
三崎にとっては予選さえ突破できればそれでいい。わざわざ目立つ必要もない。となると、注目度が低い人間と組んだ方が漁夫の利を狙いやすい。影を潜めて終盤に奪い取る。それが理想的な形になるだろうか。それぞれの配点や誰がどれくらいの得点を持っているかでも状況は変わってくるが、それが一番労力が少ない且つ勝ちやすい方策であると考えた。
「ねぇ」
「あぁ?」
誰かに話しかけられ、返事をしたら途端に意識が低下した。
なんだ……!? 一体、何が……? ダメだ……意識が……
このまま気絶するかと思いきや、意識が覚醒した。ふと、脳裏にスケィスの影が見えた様な気がしたが、あれが起こしたのだろうか。
「てめぇ、俺に何しやがった」
話しかけてきた男は、以前A組の教室にやってきた普通科の男だった。その表情には驚きが見て取れる。
「……洗脳か?」
理由はわからないが、そういう個性だと思った。そう直感できたのは、自身の内側に居るスケィスが教えたとでも言うのだろうか。自身の力なのにどことなく気味の悪さを感じてしまった。
「……そうだよ。あんたの個性は障害物競走の時に見たよ。ヒーロー向きの良い個性だよな」
驚きは隠せていないが、極めて平静を装った風に会話をする。三崎は、結果的には洗脳されなかったので特に気にすることもなかった。
「なんだ、羨ましいのか? ま、俺にはどうでもいい話だ。それで、俺と組みたいのか?」
「……いいのか? 俺はお前を洗脳しようとしたんだぞ」
「結果的にはならなかったし、お前の個性はこの予選を勝つのには便利そうだ。時間が少なくなったところで、洗脳で動きを止めて奪えば、トップは無理でも予選通過ぐらいなら余裕だろ」
「……よし、組もう。後の二人は既に組んでるから。それに洗脳も済ませてある」
「へぇ……なかなか手が早いな。って、こいつは?!」
普通科の男――心操の後ろには普通科の二人。一ノ瀬と倉本が居た。
倉本は間違いなく心操の個性によって洗脳されているだろうが、一ノ瀬は本当に洗脳されているのだろうか。自身と同じく碑文使いである一ノ瀬が洗脳にかかっているのは考えづらかった。
「なんだ? 知り合いか?」
「いや、知り合いって程でもねぇけど……」
「個性は知らないけど、この二人、普通科とは思えないほど身体能力が高いんだよ」
「あぁ。俺もそれは見てた」
障害物競走を途中までとはいえ、首位付近を走っていた。何故、順位が下がってしまったのかはわからないがこの二人のスペックの高さはヒーロー科に引けを取らない。
「名乗ってなかったな。俺は心操人使」
「三崎亮だ。短い間だが、よろしく頼むぜ」
結論から言うと、事は三崎の目論見通りに進んだ。
騎手に心操を置き、序盤には早々にハチマキを取られてしまった。わざとだが。
ほとんどの騎馬は緑谷を狙って動き、緑谷はサポート科の装備と麗日の個性によって飛んで逃げ、更には常闇の牽制によって上手くことを運んでいた。爆豪も当然ながら緑谷を狙っていたが、逆にB組の物間に取られていた。
三崎はこの目立つグループは、常に取り合いの状況に立たされているのでさり気なく取るというのは難しかった。出来るだけポイントが高い且つ自分たちと同じように圏内に入れそうだったら逃げに入ろうとしている騎馬から取るのがベスト。得点を持っていないのは状況を俯瞰的に見るという点に置いても悪くない選択だった。
終盤、残り時間も僅かとなったところで予選突破圏内に居るグループ及び競っているグループ。すなわち、緑谷、轟、爆豪、物間、そして鉄哲この5グループ内でほぼ決まりだ。そして、現在競っている状況にないのは鉄哲だった。正確には激しい競り合いではないということ。4グループは激しい競り合い状態で、この中に突っ込むのは危険だった。そして、鉄哲チームに声をかけられる状況にあった。
心操の「洗脳」は声をかけて相手が返事をすれば成立する。心操の個性を知らずして、これを避けるのはほぼ不可能だ。相当に無口だったり、口を効けないなどの特殊な場合を除けばほぼ100%上手くいく。洗脳にかかっている間の記憶はなく、衝撃で洗脳は解ける。
予定通りに洗脳にかけることに成功し、苦も無く鉄哲の持つハチマキを全て奪取。
競技は終了となった。
結果は1位轟チーム、2位爆豪チーム、3位心操チーム、4位緑谷チーム。以上の4チームが次の本選に進出することとなった。
一時間の昼休憩となり、各々が昼食を取るべく移動する。倉本が何が起きたのかもわからず、混乱していたが、一ノ瀬は早々に何処かへと行った。
一ノ瀬とは早々に話をつけたかったが、心操に一言も挨拶もなしに居なくなるのも悪いので一言。
「助かったぜ」
「お互い様だ。……あんたとは当たりたくないもんだ」
「ご自慢のその個性も俺には効かねぇみたいだからな」
「そうだな……でも、どちらにしろ次でバレるんだ。初見殺しの個性じゃ、勝ちあがるのは難しい」
雄英体育祭は例年最後は一対一のトーナメント戦になる。
「工夫だけでそれを何とかするのも厳しいな。特殊な状況にこそ強いだろうが、タイマンにはまるで向かねぇ」
「あぁ……それでも、俺はこれでヒーローに……!」
「まぁ、初戦で俺に当たらない様に祈っておけ。初戦さえ乗り切れば、誰かしらはお前の個性の良さに気付くだろ」
「……あんたは俺の個性をヴィラン向きとか思わないのか?」
「はぁ? お前以外の大概の個性だって悪用もできんだろ。ヒーロー向きもヴィラン向きもあるかよ。結局はどう使うかだ」
心操は少しだけ面食らった様な表情をした後、僅かに微笑む。
「また会場でな」
「あぁ」
漫画の方でもメインメンバー以外の描写は意外と省かれてるんですよね。人数多すぎて、なかなか詳細書けるもんでもないでしょうけどね。
三崎(ハセヲ)とくっつくヒロイン誰がいいですか?(なお下の選択肢ほどエタる確率が上がる。そして、アンケート通りにするとは言ってない)
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日下千草(アトリ)
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倉本智香(揺光)
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久保萌(タビー)
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芦戸三奈
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拳藤一佳