.hack//G.U. THE HERO   作:天城恭助

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アンケートは、今のところ揺光に投票が寄ってますね。総数が少ないので何ともですが……やっぱ、揺光かわいいもんね。アンケ通りにするかはわかりませんけど、誰を求められてるのかなぁ……って、ちょっと気になったもので。
 今後の展開で勝敗どうすっかなぁ……と思ってたところがあったのですが、アンケを見て決めたところもあります。そこまで書く前にエタる可能性もありますが、見てください。応援がもらえたら頑張れないこともないかもしれない。


黒い泡

 会場にて、トーナメントの組み合わせが発表された。三崎の初戦の相手は芦戸であった。

 酸を飛ばすことができる個性を持つ女子生徒。身体能力は1-A女子の中ではトップクラスに高い。個性は単体でも強力なうえ、応用も効く。三崎は、勝つのが難しいとは全く考えなかったが、油断していい相手でもなかった。

 

「よろしく、三崎!」

 

 芦戸は、とにかく社交的だ。明るく誰とでもコミュニケーションを取る。三崎にとっては、嫌い……という程でもないが、僅かな苦手意識がある。

 

「これから闘うって相手に随分と馴れ馴れしいな」

「別に戦うって言ったって、これからもクラスメイトには変わりないし、競い合うライバル兼仲間って感じじゃん? 馴れ馴れしくったって別に良いと思うんだけど」

「……まぁ、いいんだけどよ」

 

 三崎はA組女子が、チアのコスチュームを着ていることは完全にスルーしていた。

 

 

 

 トーナメントが行われる前にレクリエーションの時間があるため、一旦解散となった。

 レクリエーションへの参加は自由であり、トーナメント出場者は、体力温存であったり、精神集中の時間であったり、気を紛らわせる時間など、各々で備えていた。

 

 三崎は、会場の外をぶらぶらと歩いていた。

 

「三崎さーん!」

「……日下か」

 

 日下は息を切らしながら三崎に駆け寄った。

 

「お前、レクは?」

「抜けてきちゃいました。……レクでもあんまりお役に立てそうになかったですし」

 

 日下の態度に思わずため息が出る。日下は自己評価が低い。雄英のヒーロー科に入学できただけでも誇ってもいいだろうに。さすがにそれだけで誇らしげにされたら、それはそれでイラつくだろうが。

 

「あ、ごめんなさい! こんな話をしに来たわけではなくてですね。遅ればせながら、本選出場おめでとうございます」

「用はそれだけか?」

「それと、障害物競走の時助けてくれてありがとうございました」

「別に礼を言われたくて助けたわけでもねぇし、気にする必要なんてねぇよ」

「そうはいきません。そうしないと私の気が済まないんです」

「そうかい」

 

 律儀なものだと、そう思う。融通がきかないとも言えるかもしれない。

 

「それでお礼なんですけど、今度一緒にご飯にでも……」

「断る」

「え」

 

 日下が言い切る前に三崎は断った。日下の口から思わず声が漏れた。

 

「礼はいらない。その辺の奴でも誘って行けよ」

「何で……?」

「俺は誰かと馴れ合うつもりはない」

「なら……どうして私を助けたんですか?」

「気まぐれだ。気まぐれ。たまたまそういう気分だったってだけだ」

「それなら三崎さんはどうしてヒーローに……」

「もういいだろ! 俺はトーナメントに向けて集中したいんだよ! ほっとけ!」

「! ごめんなさい!」

 

 日下は走って、会場に戻っていった。

 

「で、お前は何の用だよ」

 

 そこに居たのは、B組の拳藤であった。

 

「私は千草を追って来ただけだよ」

「なら追いかけてろよ」

「あんたねぇ……!」

 

 拳藤は、三崎の胸倉を掴んだ。

 

「人を傷つけて何とも思わないの!?」

「別に傷つけた覚えなんてねぇよ。変な妄想押し付けんな」

「あの子は、あんたのことを想って……!」

「迷惑なんだよ、そういうの。勝ち残れなかったB組にはわからねぇだろうけどな」

 

 三崎は、嘲笑した。拳藤は思わず、殴りにいきそうになったがぐっと堪えた。負けたことは事実で、笑われても仕方ない。三崎を投げ捨てる様に手を離した。

 

「あんた、良いヒーローにはなれないよ」

「別になれなくていいんだよ。ご立派なヒーローにはお前らがなってればいい」

「それどういう意味?」

「てめぇで勝手に考えろ」

 

 三崎はヒーローらしくない。ヒーローらしくないで言えば、爆豪もそうであるが、三崎はまた違っている。ヒーロー科にあってヒーローを志していない。ヒーロー科に在籍する全ての人間に共通するはずの意識。それがない。

 

 拳藤には、三崎が何を考えているのかわかるはずもなかった。千草を傷つけて、何のつもりなのか、と。それでもヒーロー志願者か、と。それでも、彼は千草を助けている。

 『ご立派なヒーロー』。ただ嘲笑うための皮肉を込めた一言だろう。なのにどこか自嘲染みていると感じたのは、何故だろう。

 

「お前らB組は、観客席で指くわえて見てるんだな」

「このっ……!」

 

 煽られて、また怒りが湧き上がってくるが抑える。

 

「あんたも精々一回戦負けしないようにね」

「負けねぇよ。絶対にな」

 

 

 負けないだけの強さを手に入れる。そのために戦い続ける必要がある。戦い続けるために負けるわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一回戦第一試合。

 

 心操 対 緑谷。

 緑谷は心操の個性『洗脳』にあっさりとかかってしまった。洗脳により場外にさせられるというタイミングで緑谷は個性を暴発させて洗脳を解いた。心操は、もう一度洗脳をかけようと試みるがタネが割れているし、既に一度かかっている故に緑谷がそれに返事をするわけもなく、取っ組み合いになったところを背負い投げで心操を場外に出した。

 

 

 

 試合後、緑谷はリカバリーガールに治療を受けながらオールマイトと会話をしていた。心操が試合中に言った「恵まれた人間」。無個性であった緑谷には痛いほどに心操の気持ちがわかった。それでもヒーローになりたいと願った気持ちも。それでも勝ち抜かなければいけないのだと。

 そして、緑谷は洗脳にかかっている時に幻覚を見たと語った。オールマイトはそれをワンフォーオールに染みついた面影の様なものだと言った。緑谷はそれに納得いかない様子だったが、オールマイトは次の対戦相手を見なくていいのかと急かした。

 

「それと大事なことを言い忘れました」

 

 緑谷は深刻な表情を浮かべた。

 

「幻覚と一緒に……例の黒い泡みたいなのも見えた気がしたんです」

 

 ヴィランが最後に残していった謎の存在。ヴィラン曰く精神を暴走させるもの。それらしきものが幻覚と共に視界の端に居たのだ。

 

「……それは他の誰かに言ったかい?」

「いえ、まだ誰にも。もしかしたら、僕の気のせいかもしれません。けど、もしも本当にあれが居たのなら……」

「中止……とはならないだろうね。実害が出ない限り」

「な、何でですか!?」

「あの黒い泡『AIDA』は政府が存在を秘匿しているんだ。社会に無用の混乱を招くとね」

 

 それも理由の一つではあるが、政府の実験による副産物である可能性もあったために揉み消したいという事情もある。また、問題は日本に限らず世界にまで波及する可能性があるために問題が明るみになる前に揉み消さなければ国際世論で叩かれるのは必至である。

 

「それでも……隠しておくなんて……」

「あれらはどうも普通の物理法則が効かないようで、極一部の例外を除けば対処法が存在しない」

 

 対処法が存在しないものを公開したところで混乱を引き起こすだけで、害はあっても益はない。

 

「断言するが、仮に私が全盛期の頃の力を持っていたとしても『AIDA』には勝てない」

「オールマイトでも……!?」

「かつての彼がいればまた話も変わってきたかもしれないが……」

 

 オールマイトが思い出すのはモルガナ事件解決の立役者。しかし、彼の力も既に失われたものだ。

 

「彼?」

「『AIDA』に関しては私の方で対策を講じるから、緑谷少年は、試合の方に集中しなさい」

「は、はい……」

 

 

 なら、僕はAIDAに襲われた時どうやって助かったのだろうと……薄ぼんやりした記憶を思い出す。てっきりオールマイトや他の教師のプロヒーロー達に助けられたのだと思っていたが、全盛期のオールマイトでも倒せないものを他のヒーローたちが倒せるのだろうか。他のヒーローを侮っているわけではないが、それだけオールマイトは凄まじい力を持っている。あの時、最後に記憶に残っているのは、三崎亮の姿だった。

 

 

 

 

 

 一回戦第二試合。

 瀬呂 対 轟

 

 瀬呂は、轟に氷結させる前に速攻に場外に出そうと狙ったものの轟の超広範囲氷結で一瞬にして氷漬けにされた。瀬呂も思わず「やりすぎだろ……」と言ってしまっていた。あまりにもあんまりな様子に観客からはドンマイコールが沸き起こるほどだった。




 試合描写、超あっさり。スリム化。次回はそんなことないと思います。多分、おそらく、きっと、メイビー。

三崎(ハセヲ)とくっつくヒロイン誰がいいですか?(なお下の選択肢ほどエタる確率が上がる。そして、アンケート通りにするとは言ってない)

  • 日下千草(アトリ)
  • 倉本智香(揺光)
  • 久保萌(タビー)
  • 芦戸三奈
  • 拳藤一佳
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