.hack//G.U. THE HERO   作:天城恭助

3 / 26
僕のヒーローアカデミアのシナリオをなぞりつつ.hack//G.U.のシナリオをなぞるような形になるので、実は.hack//G.U.の内容を知らない方が楽しめるかもしれない。もちろん、同時に追う都合上それなりの変化は起きるだろうけど。


悲劇の舞台

『私が投影された!!』

「ぉっ」

 

 雄英から届いた合否通知。その映像に唐突に映し出された№1ヒーローの姿に驚く。亮はヒーローに詳しいわけではないが、さすがにオールマイトのことは知っていた。

 

「今回君の得点はヴィランポイント50ポイント。これでも合格圏内だが、見ていたのはそれだけじゃない! 審査制のレスキューポイント! 君には25ポイントが付けられた。合計75ポイント。堂々の合格だ!」

 

 亮は合格したことをあまり喜んではいなかった。ヒーローを目指してはいるが、究極的な目的はそこではない。伝説のヴィラン「トライエッジ」を殺すことにある。

 トライエッジは姿さえ誰にも見られたことがない。ネットの掲示板で名づけられたヴィランである。現れた場所には必ず三角形の傷痕(サイン)を残す。それだけならばただの悪戯かもしれない。だが、被害者も存在する。志乃は赤く光る傷痕を残して死んだ。

 亮は雄英ならば、情報も集めやすいと考えた。そして、トライエッジは恐ろしい強敵であるはず。そのためには更に強くなる必要がある。雄英ならば、強くなる環境としても十分だろう。

 

 携帯が震える。何かの着信だ。その送信者を見て驚く。

 

「オーヴァン!?」

 

『いつもの公園で待つ』

 

 今まで一切の連絡がなかったのに、急にだ。

 ともかく、オーヴァンの待つ公園へ向かった。

 

 

 そこには、左腕に枷のようなものを巻き錠前でカギをしている男。オーヴァンの姿があった。出会った頃にはしてなかったが、小学校を卒業するころにはそうなっていた。不思議に思って聞いたが、はぐらかして詳しく話すことはなかった。

 

 

「久しぶりだな。亮」

「久しぶりって……あんたが突然いなくなったんだろ! あんたが居なくなった後、志乃は……!」

「知っているよ」

「知っているって……どうして志乃の葬式に顔も出さなかったんだ!」

「ヒーローの仕事が忙しくてな……どうしても抜け出せなかったんだ」

「……あんた、一体どこにいたんだ……?」

「亮。お前は今のところ俺の期待によく応えてくれているよ」

 

 オーヴァンはゆっくりと歩きだす。

 

「そいつは小さな種子だった。そこに宿るものが何なのか。確かめるために俺はそいつを育てた」

「育てる? 何の話だ。オーヴァン」

 

 オーヴァンは足を止めた。

 

「比喩的な言い回しさ」

「その変な腕になってから、オーヴァンは話をはぐらかす……」

「……トライエッジのことを知りたいか?」

「ヤツを知っているのか!?」

「あれはただのヴィランではない。消えない傷痕を残す。俺の調査が正しければ、今日奴は戻ってくる。あの、悲劇の舞台にな……」

「あのさびれた聖堂か……! ついに、ヤツをこの手で……! 絶対に志乃の仇を取ってやる! なぁ、オーヴァン」

「あぁ、これは俺たちにしかできないことだからな」

「俺たちにしか……!」

「俺は準備があるので先に行く。あの場所でまた会おう」

 

 オーヴァンはその場を去っていった。亮も自身にできる準備を武器を用意した。頼りないかもしれないが、包丁などの刃物をいくつか用意し、あの場所へ。

 

 そこは倒壊した建物がそのまま残されていた。そして、中には台座が残されており、そこには三角形の傷痕が残っていた。その下には花束が添えられている。

 亮はここで志乃と会話したことを思い出していた。

 

 

『昔、ここには少女の像があったんだって』

『少女?』

『アウラ――そう呼ばれてたらしいよ』

『なんでなくなっちまったんだろ?』

「さぁ、愛想尽くしちゃったのかもね。この世界に……』

 

 思い出から引き戻すように音が聞こえる。ハ長調ラ音、亮が知る由もないが、そういう音だった。

 

「何の音だ……!?」

 

 見渡しても何もいない。もう一度台座の方を振り返ると、青い球体が浮かんでいた。そして光と共に小さく爆発した。

 爆風に目を閉じて、目を開けたときには蒼い炎を纏った男が浮いていた。

 朱い色をしたツギハギの服と帽子。地に降りて、武器を構えた。独特な武器だった。扇子のように開いて卍の字のような形になった短剣を二つ持っていた。

 

「こいつが、トライエッジ……!?」

 

 あの三角形の傷痕のイメージと重なる。亮はこいつこそがトライエッジだと確信した。

 

「てめぇえええええ!!」

 

 亮は個性を発動させた。全身が異形の姿へと変わる。実技の試験とは違いより禍々しく、歪に、凶悪に尖った爪や脚部。三つ目で口や耳もない姿。

 亮は爪を振るった。人に当たれば容易に人を殺傷するモノだが、そいつは短剣一本――つまり左手だけで防いでいた。

 

「このぉ!!」

 

 その後も、連続で攻撃するも全て片手で防がれる。そして、そいつは右手の短剣を振るう。亮はそのまま弾かれ飛ばされ、右手の爪と化した指が粉々に割れていた。

 

「があぁあああ!!」

 

 異形のままで血は流れないが、激痛が走る。亮は睨みつける。

 

「一体何なんだ、てめぇは……?」

 

 相手が応えることはなかった。ただ虚ろな目で亮を見ていた。

 

「こいつが……こいつが……志乃を……!」

 

 右手を元の人間の腕に戻して包丁を持つ。

 対照的にトライエッジは武器をしまった。

 

「まだまだぁ!!」

 

 左手でトライエッジを再び攻撃したが、右手の素手だけで受け止められた。

 

「!? これならどうだ!」

 

 右手にあった包丁を突き刺すが、左の掌が覆うようにすると消し去られてしまった。

 

「!!?」

 

 驚いている間に、トライエッジの手が亮の顔を覆っておりそのまま突き飛ばされた。とても人間の力とは思えなかった。今までの戦いから見てまるで複数の個性を持っているようだった。

 だが、亮はまだ諦めてはいない。

 今度はトライエッジが右手を挙げた。

 

「何をする気だ?」

 

 そのまま亮に右の掌を向ける。トライエッジの右腕を腕輪のように光が纏う。そこから光が翼の様に広がる。その翼は腕はを中心に回転し、掌には徐々に光が集まり、それが亮に放たれた。

 

「……! 避けられねぇ!」

 

 光の玉が亮を直撃した。

 

「がああああああ!!」

 

 全身に痛みが走った。光は1、2秒の間だけ亮に纏わり付いていたが消え去った。

 

「なんだ……?」

 

 異形となっていた部分が崩れていくように消え去っていく。

 まるで自分そのものが消え去るようだった。

 

「はぁはぁ、はっ、はっ、ああああああああ!!」

 

 亮は恐怖に怯えたような絶叫を挙げて気絶した。トライエッジが去る姿を目の端に写して。




誰か、続きを書きません?

三崎(ハセヲ)とくっつくヒロイン誰がいいですか?(なお下の選択肢ほどエタる確率が上がる。そして、アンケート通りにするとは言ってない)

  • 日下千草(アトリ)
  • 倉本智香(揺光)
  • 久保萌(タビー)
  • 芦戸三奈
  • 拳藤一佳
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。