ただ、内容はほぼヒロアカまんまで、ハセヲこと三崎君が空気です。
嘘の事故や災害ルームにてヴィランが現れた頃。
オールマイトは出勤前に制限時間ギリギリまで活動したために、学校の仮眠室にて休まざるを得ない状況にいた。その姿は世間に隠している骸骨の様に細身になった本当の姿となっていた。
教師の仕事に専念しなくてはいけない身で、ついついヒーローとしての仕事に手を出してしまう。反省しているが、果たして直す気があるのか。
仮眠室のドアをノック音が聞こえた。そして、扉が開けられた先にいたのは八咫であった。
「久しいな、オールマイト」
本当の姿は世間一般には全く知られていないはずなのに、一目で何者であるかを見破られた。オールマイトは内心かなり焦った。その上、自分の既知であるかのような話し方だ。
「な、なんのことか。私は八木というものですが」
「隠す必要はない。あなたの事情は既に知っている」
「そう。彼は情報通だからね」
そして、傍に立っていたネズミなのか犬なのかよくわからない生き物。
「校長先生」
「YES! ネズミなのか、犬なのか、熊なのか。かくしてその正体は――校長さ!」
「本日も大変整った毛並みでいらっしゃる」
「秘訣はケラチンさ。人間にこの色艶はだせやしないのさ」
八咫は咳ばらいをして、暗に早く会話をさせろと伝えた。
「おっと、この話はまた今度。君が事件を解決に動いたことも今は後回しさ」
「それで、彼は一体……」
「11年ぶりだから覚えていないのも仕方あるまい」
「11年前……」
オールマイトは必死に記憶の中を探る。
「もしや、火野少年か!?」
「今は少年と言われるような年齢でもないがね。それと今は八咫で通っている。一応、プロヒーローになったのでね」
「意外だなぁ! 君はヒーローには興味ないと思っていたよ」
「プロヒーローになったのはその方が都合が良かっただけの話だ。しかし、今日はそんな話をしに来たわけではない。私が独自に追っている案件の捜索の中でオールマイト、ひいては雄英が狙われている可能性があることがわかった。至急に対策を取った方がいいだろう。既に襲われている可能性もある」
「なんだって……!?」
オールマイトは立ち上がり、マッスルフォームへと姿をかえる。
「まだ話は終わっていないぞ」
「13号君にも相澤君とも連絡が取れないんだ。火野君の言う通りかもしれん。間に合わなくなる前に早く行かなければ」
「……なら、早く行きたまえ。生徒が危機かもしれんのだろう」
オールマイトは、すぐにUSJへと向かった。
「やれやれ……彼は変わらんな」
「そうだね。でも、このままではいられない。彼の容体も状況もそれを許してくれない」
「衰えてもなおNO.1ヒーローで平和の象徴と謳われるその強さでも、抗えないものはある。どれほど強く、心が強靭でも資格がなければ、あれらには勝てん」
八咫は、色眼鏡の位置を直しながら呟いた。
広場の中央に現れたヴィランたち。その集団を引き連れてきたと思わしき黒い靄状の人間。
「13号にイレイザーヘッドですか……先日いただいたカリキュラムではオールマイトはここにいるはずなのですが……」
そして、広場の中央に陣取っている手を全身に着けた男。
「どこだよ。せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ……オールマイト、平和の象徴がいないなんて……子どもを殺せば来るのかな?」
それらの声は小声でヒーロー達に聞こえることはなかったが、その悪意を隠す気など一切ない。
ヴィランが直接ヒーローの養成所とも言うべき場所を襲うのは、ヴィランにとってもかなりのリスクが付き纏う。だが、侵入者用センサーが反応することもなく中から出てきたことを考えると、何からの策があってここに来たことが推測された。
それらを指摘する生徒たちもいた。
三崎は唐突に現れたヴィランの中に三爪痕の姿を探したが居ないようだった。あれが誰かと組むことは考えづらいがもしかしたらということもある。三爪痕は突然現れるのでワープの個性を使っていることも考えられた。
相澤は13号に避難と学校側に連絡を試すように伝え、ヴィランに直接戦闘をするつもりのようだ。
「先生は一人で戦うんですか!? あの数じゃいくら個性を消すっていっても!」
「一芸だけじゃ、ヒーローは務まらん」
相澤はゴーグルをつけ、広場に飛び降りた。ヴィランは個性で狙い撃ちしようとするも発動することなく各個撃破していく。
ゴーグルをつけることによって視線を隠し、連携を乱す。捕縛武器を使って体制を崩し、相手に激突させる。数が多いと言えど、チンピラと大して変わらないようなヴィランであれば全滅は無理でも生徒が逃げる時間ぐらいは十分に稼げるだろう。
しかし、そう上手くはいかなかった。黒い靄状のヴィランが僅かな隙に階上まで上って来た。
「初めまして。我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
何故か、本来ならばここにオールマイトがいることを知っていたようだ。そして、それに必要な役割を果たそうとしていた。
そこに爆轟と切島が攻撃を仕掛けにいった。
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」
しかし、その攻撃は効いている様子がなかった。
「危ない危ない……そう、生徒と言えど優秀な金の卵」
靄状のヴィランから一気に靄が広がる。
「散らして嬲り殺す」
そして、包み込むように閉じていく。
そして、三崎が気付いた時には土砂ゾーンの上空にいた。
「っと」
ヴィランに囲まれていたが、轟が一瞬にして氷漬けにしていた。
ヴィランたちにこのままでは壊死すると脅しをかけて、オールマイトを殺せる根拠を聞き出しに行っていた。
そして、ヴィランは少し抵抗したもののあっさりと口を割った。
脳無という黒いヴィランが本命であると。
「助けに行くのか?」
「あんな奴らに平和の象徴は殺れないし、殺らせねぇよ」
「そうかい」
轟が中央広場に戻るのに三崎も付いていった。
「危ねぇから、お前は残ってろ」
「はぁ? てめぇが言える立場じゃねぇだろ。てめぇも俺も生徒でしかねぇんだからな」
「……そうだな」
意外とものわかりがいい。三崎はいまいち轟という人間を測りかねていた。ただ単純な実力で言えば、認めたくはないが今の自分より強い。それが単純に嫌だった。
向かう途中で爆発したかのような轟音が響き渡った。土煙が立ち昇っているところから考えておそらく戦っている。それもオールマイトが。
一気に駆けて向かった。
そこには脳をむき出しにしたヴィランをバックドロップを決めていたが、靄のヴィランのゲートにより逆に攻撃をくらったオールマイトの姿があった。
近くには、緑谷、爆豪、切島の姿が見えた。少し離れた位置には蛙吹と峰田の姿も見える。
爆豪がヴィラン達の死角から一気に飛び出し、靄のヴィランを爆破で吹き飛ばした。
さらに轟の氷結させる個性により、脳むきだしのヴィランの半身だけを凍らせた。それによって締めが緩まった隙にオールマイトは抜け出した。爆豪は靄のヴィランを組み伏せていた。
俺の出る幕はねぇな。そもそもサポートになるかも微妙なところだったが……
そう思っていた矢先だった。
「攻略された上に全員ほぼ無傷……すごいなぁ、最近の子どもは……恥ずかしくなってくるぜ敵連合……!」
そうぼやいていたが、その言に諦めはない。
「脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ」
脳むきだしのヴィラン、脳無は氷結した身体を無理に動かし身体が砕けても構わずに立ち上がった。
「皆、下がれ! なんだ!? ショック吸収の個性じゃないのか!?」
砕けた身体がみるみるうちに戻っていく。
「別にそれだけとは言ってないだろう。これは超再生だな。脳無はおまえの100%にも耐えられるように改造された超高性能サンドバッグ人間さ」
動き出した脳無は、爆轟に向かって走り出す。そして、その速度は
速い!!
その移動から攻撃までの一連の動作によって生じる余波でさえ、強烈な風圧だった。
それを目で追える者は、その場ではオールマイトだけだった。故に、爆豪には避けられない。しかし、爆豪に脳無の攻撃が当たることはなかった。オールマイトがかばったからだ。
「加減を知らんのか……」
「仲間を助けるためさ。仕方ないだろ? さっきだってほらそこの地味なやつ。あいつが俺に殴りかかろうとしたぜ? 誰がために振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ? ヒーロー?」
大仰に手を広げ。たくさんの手を付けたヴィランは語る。
「俺はな、オールマイト! 怒ってるんだ! 同じ暴力がヒーローとヴィランでカテゴライズされ善し悪しがきまるこの世の中に! 何が平和の象徴! 所詮抑圧のための暴力装置だ、お前は! 暴力は暴力しか生まないのだと、お前を殺すことで世に知らしめるのさ!」
その語りにオールマイトは冷静に答えた。
「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の眼は静かにもゆる者。自分が楽しみたいだけだろ。嘘吐きめ」
先ほど語っていたヴィランは面の様に付けている手で隠れているのにも関わらずニヤついているのが見て取れた。
「バレるの早……」
余裕なのか、頭のねじが飛んでいるのか。あるいはその両方か。異質さが際立つ。
みんなでオールマイトをサポートすれば、撃退できる、と切島は言うが
「ダメだ! 逃げなさい」
「さっきのは俺がサポートに入らなけりゃやばかったでしょう」
緑谷も何か言いかけたが、口を閉ざした。
「それはそれだ、轟少年! ありがとな! しかし、大丈夫! プロの本気を見ていなさい!」
「脳無、黒霧やれ。俺は子どもをあしらう」
「クリアして帰ろう!」
ヴィラン達が一斉に攻勢に出る。
「おい来てる。やるっきゃねぇって」
「ちっ!」
三崎もまた万全ではないが、構えを取るしかない。
しかし、その前にオールマイトが脳無に立ち向かった。その勢いに大量の手を付けたヴィラン――死柄木弔は気圧され、動きを止める。
脳無とオールマイトの拳がぶつかる。
「ショック吸収って自分で言ってたじゃんか」
「そうだな!」
「真正面から殴り合い!?」
脳無とオールマイトの殴り合いは、その余波で誰も近づけない程だった。
「無効でなく、吸収ならば! 限度があるんじゃないか!? 私対策!? 私の100%に耐えるなら! さらに上からねじ伏せよう!!」
「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!」
「ヴィランよ、こんな言葉を知ってるか!?」
――
オールマイトの一撃が脳無のボディを捉え、そのままUSJの外へと吹き飛ばした。
「……漫画かよ。ショック吸収をないことにしちまったぜ。究極の脳筋だぜ」
「やはり衰えた。全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに300発以上も撃ってしまった」
「衰えた? 嘘だろ……完全に気圧されたよ。よくも俺の脳無を……チートがぁ……!」
「全っ然弱っていないじゃないか!! あいつ……俺に嘘を教えたのか!?」
「どうした? 来ないのかな!? クリアとかなんとか言ってたが……出来るものならしてみろよ!!」
死柄木は、オールマイトの気迫に気圧されたが、まだ余裕があった。
「……あんまり使いたくなかったけど、仕方ない。黒霧帰るぞ」
「死柄木弔……あれを使うのですね」
なんだ、帰るのか?
死柄木は懐から黒い球体の物体を取り出した。
「直接この目でオールマイト倒されるところが見れないのは残念だけど、これでやられてくれるならそれはそれで良いな」
黒霧は靄を広げ、死柄木はその中に入っていきながら、球体を投げ捨てる。
球体の物体はガラスの様に砕け、黒い泡の様な中身が溢れていく。
「そいつは、他者の精神に入って暴走を引き起こす。平和の象徴が平和を壊すなんて皮肉が効いてて面白いと思わないか?」
そう笑いながら消えていった。
「まさか、AIDAか!?」
「知ってるの、三崎君!」
「あぁ。だが、詳しく話してる時間はねぇ! こいつは逃げるしかねぇんだ!」
俺が憑神を開眼させてさえいれば……!
黒い泡は、何もない空間に消えては現れる。それはまるで何かの鼓動であり、生き物の様に見える。そして、この場で最も近くにいたオールマイトに向かって動き出した。その速度は、脳無に比べたら大したことがない速度だった。
「オールマイト! そいつに触れるな! 攻撃されたら、消えちまう!!」
「な、何!?」
しかし、オールマイトは既に体力を使い果たしており、一歩でも動けば本当の姿を晒してしまいかねない状態だった。
Shit!
そんな悪態を内心で吐く。
だが、そのオールマイトの状態を知っている者も居た。
「オールマイトォーー!!」
そう言って駆け出したのは、緑谷だった。オールマイトをかばうために前に立った。
「緑谷少年!!」
「SMASH!!」
AIDAに向かってオールマイトの天候をも変える一撃を彷彿とさせる拳が放たれた。その一撃によって緑谷の腕は、うっ血するほどだった。
しかし、AIDAには意味がなかった。拳によって生じる風圧も無いように動いていた。
「そんな……!!」
そして、黒い泡が緑谷を貫いた。
三崎(ハセヲ)とくっつくヒロイン誰がいいですか?(なお下の選択肢ほどエタる確率が上がる。そして、アンケート通りにするとは言ってない)
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