ハイスクールD×D 運命を背負いし王(お試し)   作:銃剣

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あと一話ぐらいで原作前を終わりにしたいと思います


狩の時・覇の越える龍

「はぁ!…はぁ!…」

 

 

勢いよく森の中を駆け抜ける優男

その顔には余裕が無く、必死に一人(・・)で走っていた

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ!…ふぅ!…」

 

 

崖を駆け下りると共に岩陰に隠れ、再び駆け下りるの繰り返しをする大男

こちらも一人(・・)で居る

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

 

無言で獣道を行く悪魔

こっちも一人(・・)だった。何故彼等は別々に居るのか

それは移転してからの事だった

 

 

 

 

 

 

 

「奇襲に失敗し今、俺達に残された手は一つ………ひたすら奴の手から逃げるだけだ」

 

 

三つの分かれ道でしゃがみ込む三人

三人とも緊急用に移転の魔法陣を使い、なんとか男から逃げてこれた

 

 

「バラバラに逃げれば、一人ぐらいは助かるかも」

 

 

「けど…」

 

 

大男は苦い表情をし、同じく顔を暗くする優男

しかし、悪魔は表情を変えずに言う

 

 

「俺達は一度、完膚なきまでに叩きのめされた。そして、いつの日か奴を倒そうと結成した。神から貰った力は全て封印され、この世界に転生し、宿った力だけでここまで来た。正直俺もお前等と居て楽しかった」

 

 

悪魔の目には、野望とも言えるものがあった

他の二人も男によって神から貰った力を封じられ、転生した際、宿った種族の力だけで昇り詰めた

そしてこの三人は出会い、己を見つめ直し、鍛え上げ、ここまで来たが失敗に終わった

 

 

「だからこそ俺達は苦渋の決断をしなければならない。誰か一人でも生き残り、奴を倒す術を見つける為にも」

 

 

悪魔の言葉に二人は覚悟を決める

 

 

「これで……お別れだ。達者でな」

 

 

「二人も。道中気をつけてね」

 

 

「生き残れたら、また会おうぜ」

 

 

三人はそれぞれ違う道を走り去る

誰かが生き残るためにも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……疲れた」

 

 

時は戻り、森の中

優男は木々に囲まれている湖に出て来た

少し喉を潤うと湖に近づく

 

 

「綺麗な水だ」

 

 

優男が両手で水を掬い、一口飲む

ひと時の休息と疲れを取る。もう一口飲もうとする

 

その際、水面に自分の後ろに鎧を纏った男が映っていた

 

 

「ッ!?」

 

 

優男はセイレーンになる

振り返り、臨戦態勢を取る

 

 

「……居ない」

 

 

しかし、誰も居なかった

恐怖心で幻覚でも見たのか?っと思った。いやそう思いたいと優男は自分に言い聞かせる

そして、湖に視線を戻す

水面に映っているのは、焦っている自分―――

 

 

ではなく、男だった

 

 

皇帝(エンペラー)!?」

 

 

優男は異変に気づいたが一足遅かった

湖から数本の鎖が飛び出て体を巻き付け、引きずり込まれる

水中で藻掻くが、鎖は体中に巻きつく

 

 

「せっかく生きるチャンスを無駄にしたようだな」

 

 

水中でも平然と喋る男

右手に魔力を練り、優男目掛け連射する

 

 

「ぐぁあああああ!!?」

 

 

体から迸るほどの火花が飛ぶ

しかし優男も黙ってはいなかった。撃たれながらも鎖を引き千切り、水面まで上昇する

そのスピードは常人では計り知れない速さでだった

 

 

「ほぉ、中々の機動力だ」

 

 

『それだけじゃない。奴は体から来る抵抗を極限まで下げ、水力を使って、推進に使った魔力を最低限まで抑えている。あそこまで水の扱いを熟知しているのは』

 

 

「…ますます欲しくなった」

 

 

男は足元に魔力を溜め、水中を蹴る

蹴りにより、発生した推進力で急上昇する

優男が水面に出て這い蹲りながら岸に上がると、その数秒後水柱を立てながら陸に着地する男

 

 

「喜べ、私の空白だった力にお前達を加えてやる」

 

 

男は鍵を取り出し、優男に見せる

優男は、自分の置かれている状況にしか頭が回らず、雄たけびを上げながら突貫する

 

 

「はぁぁああああああああああ!!」

 

 

「愚か者め」

 

 

男の両肩に巻きついていた鎖が解かれる

すると鎖は黒から白に変わり、優男に巻きつく

 

 

『Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!Divide!』

 

 

さっきと違う電子音

それが連続で鳴ると、優男の魔力が半減し続け、その半減した分だけ男の魔力として得る

 

 

「な、何故『白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)』の力をお前が!?」

 

 

「…お前が知る必要は無い」

 

 

『吸収した魔力はどうする?』

 

 

「全て一撃に回す」

 

 

男の右手から今まで半減し吸収した魔力の塊が大玉として出てくる

優男は、その大玉を見て怯み、湖に逃げようとするが鎖によって動けない

 

 

「はぁ!」

 

 

男の撃った大玉は優男に向かっていき、直撃する

 

 

「ぐぁああああああああ!!」

 

 

強烈な攻撃を食らい、木々まで吹っ飛びぶつかる

その衝撃により、意識を失う。男は鍵を腰のベルトに差し込む

 

 

「非力な自分を呪うがいい」

 

 

『Seiren・Sealed』

 

 

鍵から緑色のオーラが発せられ、水のように流れる。男は優男を蹴り転がし、オーラを包み込ませる

包み込んだオーラが小さく球体になると男の篭手の甲の宝玉に誘われるように入りこむ

 

 

『本当に殺さないのか?』

 

 

「あぁ、希少種族の最後の生き残りだからな。能力の埋め合わせに丁度良かろう」

 

 

男はそう言って、魔法陣で転移する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…ここまでくれば」

 

 

「私からは逃げられん」

 

 

「ッ!?」

 

 

場所は一変し、荒野

そこには大男とさっきまで優男を捕らえた男だった

一瞬で先回りする

 

 

「くそぉ!」

 

 

大男はタロスになり岩を掴み、投げつける

 

 

「無駄な事を」

 

 

男は魔力の球を撃ち、破壊する

その隙に大男は、両腕に力を溜める

 

 

「ふんがぁぁあああああああああ!!」

 

 

溜めた両腕を思いっきり地面に叩きつける

その衝撃により、地面が大波のように立ち、男に迫る

周りの岩は地の大波に飲み込まれ、残るは男のみ

 

 

『力だけで地面の形状を変えるか』

 

 

「パワーにはパワーで答える」

 

 

今度は両腕の鎖が解かれる

腕は赤いオーラを発し、纏う

 

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

 

またも違う電子音

一回に付き、男の魔力が倍増されていく

 

 

「散れ」

 

 

体に溜め込んだ魔力を光線と化し、一気に放出する

光線は地の大波に当り、かっ消す。残るは塵になった砂が舞うだけだった

 

 

「『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』だと!?お前は力を封じるだけなはず!」

 

 

「話すつもりはない」

 

 

男は紋章を作り、大男に向かって飛ばす

大男は逃げようとするが、その前に紋章が立ちふさがり振り返って逃げようとするが捕まる

 

 

「ぐぁあああああああああ!!」

 

 

紋章の拘束と攻撃により、苦しみだす

 

 

「っふ!」

 

 

男が手を後ろに引く動作をする

大男を拘束する紋章は地面と垂直になり、男の所まで引き寄せられる

そして男と接触できる所まで引き寄せられた時、紋章が起き上がると同時に消える

拘束が解かれた大男は男に首元を掴み上げられる

男はすぐにベルトに違う鍵を差し込む

 

 

『Talos・Sealed』

 

 

鍵から紫のオーラが発せられ、電気のように迸る。掴み上げられた大男は、電気に体を撃たれ包み込まれる

オーラが小さく球体になると男の篭手の甲の宝玉に誘われるように入りこむ

 

 

「残るは、一匹」

 

 

男はドラゴンウルフの悪魔を捕まえようと動く

すると真っ黒い鳥が男の周りを飛んでくる

 

 

「これは、ビショップか」

 

 

鳥が男の指に止まると、鳥は折り紙のように折り畳み手紙になる

男は手紙を開け、素早く読むと

 

 

「……全く面倒な」

 

 

男は手紙を燃やし、魔法陣で転移する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男は自分の城に戻り、王の部屋の扉を開く

部屋にはビショップ、ユイ、そしてもう一人革ジャンを着てサングラスを掛けている男が居た

 

 

「ビショップ。この城に軍勢が攻め込んでいるとは本当か」

 

 

「はい。それも我々に敗北した者達が同盟を結び、連合軍として」

 

 

「一度ならず二度来るとは、身の程知らずな奴らだ。ワンサイドゲームの始まりだな」

 

 

「ゲーム感覚でやるのは結構ですか、真面目にして下さい。ルーク」

 

 

革ジャンの男、ルークが喜びながら言うとビショップは注意する

すると男は、そのやりとりを見て言った

 

 

「悪いが今回はお前達の力は借りん」

 

 

「それってどういう事?」

 

 

ユイは首を傾げて聞く

 

 

「アイオンの力を解き放つ」

 

 

『ッ!?』

 

 

アイオンとは、男の体に宿る神器の事である

それを聞いた三人は驚愕した

 

 

運命龍(デスティニー・ドラゴン)を…いえ、創造神をお使いになられるのですが帝王(エンペラー)

 

 

「そろそろ奴らに世界を総べる者が誰か、その身に刻んでもらう」

 

 

男はそう言って城の外へ出る

そして、城のてっぺんまで行くと遠くから連合軍が攻め込んでくるのが見えた

 

 

「かなりの兵力だな」

 

 

『俺の力を解くと言ったが、大丈夫か』

 

 

「あぁ、心配ない。禁手化(バランス・ブレイク)

 

 

男はオーラに包み込まれ、龍の鎧を纏う

すると両腕、両足、両肩の鎖が大きく亀裂が走る

男の口からもう一人の男の詠唱が発せられる

 

 

「我、目覚めるは…」

『汝、力を司るは…』

 

 

「全ての者を制定する全能龍なり」

『この世の裁く、絶対的破壊なり』

 

 

「罪人は根絶、死人には消滅」

『輪廻を断ち、魂すら滅する』

 

 

「我、運命を導き覇道すら超え」

『汝、聖と邪を混沌に葬りさり』

 

 

「『全ての者達を絶滅へと進捗せよ』」

 

 

『Juggernaut Drive!!!!』

 

 

全ての鎖が一瞬で砕かれ、緑のオーラが発せられる

オーラは見る見るうちに城を覆い、さらには迫り来る軍勢すら覆うとしていた

突然の事に兵士たちが混乱していると

 

 

『Riberation』

 

 

突如巨大な魔力の塊が兵士の上空に現れ

 

 

「『絶滅せよ』」

 

 

『Wake Up・Ⅰ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、運よく帰って来た兵士が見たのは

 

 

攻め込んだ城の周りの一帯がなくなり

 

 

その地で立っていたのは龍を纏った王だったという

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