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戦争から数十年
と言っても、戦争とは言い難い物である。あれは殲滅と言った方が良いのか
あの出来事により、人々は『ダークネクロ』を恐れ、もう歯向かうという事は考えなかった
人々に残されたのは『ダークネクロ』の一族から身を隠し、隠居するしか無かった
それから『ダークネクロ』がこの世を知らしめる時代から《恐嚇時代》とも言われて来た
しかし、その時代は刻々と終わりに近づいていた
「はぁ…はぁ…」
王の一室のベットに寝る
その顔は苦痛に歪み、大量の汗を掻いている
そしてワイシャツの隙間から見える黒い刻印。それが体中に蔓延っている
「
そこへ、ビショップが部屋に入ってくる
「ダメです。先代と同じように神器による物なので今の医学ではどうする事も」
「っく!」
ビショップは苦い顔をし、血が滲み出るぐらい拳を握る
「先代と同じ結末を迎えてしまうのか。なんとかならないのか
『こればかりは無理だ。本来神器は人間か、その血を引く者にしか宿らない。俺は特殊だが、それ以外は他の神器となんら変わらない。それに俺の存在自体にも関わっている。純血である『ダークネクロ』では俺から流れる力に体が付いていけない。その瞬間、力による拒絶反応が起こった。この刻印が証拠だ…これが全体に行き渡った瞬間、所有者の命は尽きる』
アイオンは、非常な現実を伝えるとビッショプは部屋を飛び出す
医師もビッショプの後を追い、部屋を出る
「アイオン、父上も同じようになったのか」
『あぁ。先代は力の使い過ぎ、
「……父上の最期はどうだった?」
『笑っていたよ、幸せそうにな。先代のクイーン、つまりお前の母の腕の中でな』
「そうか」
城の入り口にある巨大な階段
そこにはルークが居た。そこへビショップが階段を下りてくる
「ビショップ。
「先代と同じだ。最早時間の問題だ」
『ダークネクロ』の王の死
それは一族にとって深刻なことである。王が死んだ事を同族に知れば、玉座に上り詰めようとする輩が出てくるのである。それは同族同士で殺し合い、蹴落とし、全てが崩壊しかねない状態である
「俺達が居る限り、他の奴等も好き勝手は出来ない」
「しかし、それを続けられる事は不可能だ。王が存在しなければ、我々の立場も危うくなる、『ダークネクロ』の掟に従わなければならない」
『ダークネクロ』の掟は一言で言えば強者
一族の中から遥かな強さを持つ者を決め、その者を王とする
それから王が選ぶ三人の者達、クイーン・ビショップ・ルークを決める
王を含めた、四人の者達は一族を従えなければならない
万が一、王が絶命した時は、残る三人は今の地位を下ろされ、再び王を決める
だが例外として王にご子息が居た場合、そのご子息に受け継がせることが出来る
「ルークから下ろされれば、俺の力も弱まる。どうするんだビショップ」
「今、それを考えている!」
ビショップの怒鳴り声からは苛立ちが伝わる
そこへ医師が慌てて階段を下りてくる
「た、大変です!?」
「どうした」
医師の異変にビショップが問いかける
医師はその問いに
「
姿を消しました!!」
場所は変わり、荒地の果て
ここは
周りには兵士達が使っていたとされている剣や槍などの武器は、地面に突き刺さり
弓や弓矢などの物は散らばっている
『何故、城を抜けてここへ来た』
「あぁ、少しな」
『もうお前の命はない。これが運命だ』
「ならば、それすらも断ち切るまでだ」
そして自分の胸に手を当てる
「アイオン、確かお前は封印ならばどんな物でも封じられるな」
『それは出来るが、何故だ?』
「……私自身を封印しろ」
まさか自分自身を封印するなどという馬鹿げた事を言ったのだから
『一体何を考えている。おまえ自身を封印など』
「父上が残した物を途絶える訳には行かない。だから生き続け、未来永劫の王として君臨し続ける」
『だが、お前の体の刻印は一向に侵食し続けている。どうする気だ』
「方法はある。神としての力、ズルワーンであるお前の力で時間を封じる。つまり、俺の体に進行している刻印の時間の封印、そして俺の老いる時間、寿命の封印をする」
ここでも驚愕したアイオン
自身の生きる時間を止める。それは即ち不老不死
しかし言い換えればく生きる屍とも言える
『……なるほど。それならば可能だが、お前を封印するには俺の中にある力を二つを手放す必要がある。このままの状態だと封印前にお前の体が崩壊する恐れがある』
「そうか。だったら…」
それは赤と白の玉であり、その二つは空の果てまで飛んでいく
『良いのか?あれは倍増と半減だぞ』
「あれはいずれ本来の所有者に宿るだろう。それにお前の創造の力を使えば何とかなる」
『そうか。……いいだろう。お前の心の底から湧き出る野望。俺もお前と永久に生きよう』
『Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!Bind!』
連続に鳴る電子音
ありとあらゆる空間から鎖が現れ、
一本一本が体の部分に巻き付く
そして地面に何重にも魔法陣が展開し、足元から結晶が這い上がってくる
結晶化が半分になると
「どうして何も言わないんだ。ユイ」
「………」
顔には出ていないが、どこか寂しさがあった
「今からでも遅くない。何か言ったらどうだ」
「今から言ったって遅いわよ……
瞳から流れ落ちる涙
そこには様々な思いが詰まっている
「ずっと一緒に居てくれるって!ずっと側にいるって約束したでしょ!それなのにどうして勝手に行くの?答えてよ。……ねぇ答えてよ!音也!!」
音也は何も反応せず語る
「私は……俺は父さんのように偉大じゃない。でも父さんは言った、お前はお前として生きろと。お前の生きた証を見せてくれって」
徐々に結晶化が進む
そしてついに顔まで覆う瞬間、音也は首だけ振り返り
「だから俺の事、忘れないでくれ。それからお前と会えて良かった」
「ッ!?……音也ぁぁぁあああああああああああああああ!!」」
これが
全身が結晶と化し、魔法陣の中に沈んでいく。それを見届けるユイ
この出来事は、ほんの数分の事だった
この事態に『ダークネクロ』の一族は一斉に召集を開始し、次世代の王を決めようとした。しかし、王は死んだのではなく封印されたの事で掟には当てはまらなかった。よってユイ達の地位は守られた
また、『ダークネクロ』の一族は表の世界から身を引くことになった
これはビショップによる決断だった。同族同士で内戦などを引き起こさない為でもあった
その日、《恐嚇時代》の元凶だった『ダークネクロ』が一斉に姿を消した
それを知った人々は観喜の声を上げ、元の暮らしに戻ったという
そして時代は進んで行き、悪魔、天使、堕天使、ドラゴンなどの種族が増え続け
世代が変わっていき、数十、数百という月日が流れ、人間は他の種族の存在を認知しなくなった
この時、歯車が噛み合い、回り続ける
それは決して止めることの出来ない
今、物語りは始まりつつある