この素晴らしい小説に続編を!   作:Nail Clipper

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6部5話

6部5話

 

俺は血がついたジャージを着替え。4人で俺の部屋に集まった。全員は絨毯の上に腰を下ろし、円を作る。

 

「じゃあめぐみん、話を聞かせてくれ」

ダクネスは真剣な表情で聞いた。

 

「…私は何も言えません」

 

「「え?」」

俺とアクアは唖然とした声を出した。

「なぜ言えないのだ?」

ダクネスは鋭く聞き返す。

 

「これを言うと困る人がいるのです…」

俺は理解した。今ここで俺とアイリス様の話をすると、俺が断るしかなくなる事をわかっているのだ。だから言わないのだろう。

 

「その人は誰なの?」

アクアも鋭く聞く

 

「それも言えません…」

 

「頼む、言ってくれ。返答によってはクレアとアイリス様に謝罪をしなければならない」

ダクネスは少し怒った口調で言った。

 

「言えません…私は絶対に言いません」

 

「それでは困る。早く教えてくれ」

 

「お願いです、何も聞かないでください。私にはとても言えないです、その人の人生に関わる事なのです」

めぐみんが涙を目に浮かべながら言った。

 

 

仕方ない、どうにでもなれ。

 

「しょうがねぇなあ、俺が全部話してやる。3人ともよく聞いとけ」

これだけ秘密を守ってくれるめぐみんのためにも言うしかない

 

 

 

 

 

 

俺は全てを話した。 

 

 

「し、信じられないわ…カズマさんがそんなリア充みたいな問題を抱えていたなんて…」

「ああ、私もだ。だか、王女は戦果をあげた勇者と結婚するのが昔からのしきたりだ」

ダクネスは若干動揺している。

「それを突き止めためぐみんは王女にイラッときて爆裂魔法を打とうとしたのね?」

 

めぐみんが下を向きながら小さくうなずいた。

 

「まぁ、もうそんな事はどうでも良くなった。そんな事よりカズマ、お前は本当にアイリス様と結婚してしまうのか?」

ダクネスが精一杯焦りを隠しながら言う

 

ほら、こういう雰囲気になる

 

「わ、私は嫌よ?カズマは私たちと一緒にいてくれるわよね?」

アクアも上擦った声で言う

 

俺は黙って下を向く。

 

「カズマ、私は認めないからな?夜這いに行ってでも連れ戻すぞ?」

ダクネスは焦りを隠すのをやめた

「そうよ?意地でも行かせないんだから」

 

「それはダメです。カズマの権利を侵害してはいけません」

めぐみんは俯きながらもはっきりと言った。

 

「そんな事はわかっている!でも聞いてしまった以上は全力で妨害するからな?」

 

 

「そうよ?じゃあ、めぐみんはカズマかパーティーから外れてもいいと思ってるの?」

アクアが強く言った。

 

「そういうわけではないですが…今回ばかりは…」

 

 

「めぐみん、後悔するぞ?いいのか?」

ダクネスが半泣きで訴えかけるような顔をして言った。

 

 

「カズマ……」

涙を流しながら俺の方を向いた。

 

 

めぐみんは俺の首筋にバッっと抱きついて強く抱きしめてきた。

 

「カズマぁ……カズマぁ……」

 

 

 

アクアとダクネスが少し顔を赤くして、俺を見るとクスっと笑った。

 

なんだかすげー恥ずかしい。

けど嬉しい。

 

 

しばらく経っただろうか。

 

めぐみんがゆっくり離れ、

「もう後悔はありません」

と言った。

 

 

 

長い沈黙

 

 

 

 

「カズマ、本当に行ってしまうのか?」

ダクネスが少し勝ち誇ったような顔をして言った。

 

 

 

「行くわけないだろ?これからもよろしくな!!」

 

三人は満面の笑みで俺に飛び込んできた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺たちは式服に着替え、会場に入場するところだ。

 

これから、俺たちは国内外のお偉いさん達と夕食をとり、表彰状が渡されるらしい。

 

 

場内からアナウンスが聞こえてきた。

「皆さま、本日はお集まり頂きありがとうございます。それでは勇者様方の入場です。大きな拍手をお願いたします。」

 

大きな扉が開けられ、俺たちは中に入った。その中はとてつもなく広く、体育館の3倍はあるだろう。丸テーブルがいくつも置かれ、それぞれの席に豪華なテーブルクロスが引かれてある。

大きな拍手に迎えられ、俺たちは一番前の表彰台の近くの席についた。

俺たちが席についた事を確認して、アナウンサーが続けた。

 

「本日、夕食会及び表彰式にご出席いただきありがとうございます。今夜は人類の勝利を祝い、親交を深めましょう。それではグラスを持ってご起立願います。」

 

ガラガラガラ

 

 

「では皆さま、人類の勝利を祝って乾杯!!」

 

「「「「「乾杯!!」」」」

 

夕食会では豪華な食事が振る舞われた。

 

夕食会はとても楽しかった。

たくさんの貴族と会話ができたり。モテまくってるダクネスをおちょくってみたり。アルダープの悪口を言ったりした。

 

でも、俺は心から夕食会を楽しめない。

理由はわかっている。アイリス様の求婚を断らなきゃいけない。

 

俺は表面上は楽しんでいるが、内心はその事しか考えられない。

表彰式での感謝の言葉の嵐もほとんど耳に入ってこなかった。

 

 

そして、ついにその時は訪れてしまった。

 

 

俺は肩をトントンとされ、振り返ると、緊張した様子のアイリス様がいた。

 

「カズマ様、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」

アイリス様はやはり緊張しているらしい。声が少し震えている。

 

「ええ、いいですよ」

「ありがとうございます。ではこちらへ来てください。」

 

アイリス様は俺の手を引っ張って行った。

みんなの顔は見ないようにしておこう。

 

 

 

 

俺は会場から離れたベランダのような所に連れられた。

ふぅ、と深呼吸をして、アイリス様が話し始めた。

「カズマ様…この世界に平和をもたらしていただきありがとうございました。あなたは間違いなく後世に語り継がれる英雄です」

 

「あ、ありがとうございます」

 

どうやったらこんな綺麗な目ができるんだろう。

 

「それで…昨日のクレアからの話…覚えていますか?」

 

俺は黙ってうなずく。

 

「その……今回の話は政略結婚のようなものでは決してありません。私は、私は本当にカズマ様に惚れてしまいました。カズマ様が城を去った日のあの喪失感、日に日に増すあなたへの思い…私はカズマ様が魔王を倒したと聞いた日。これで晴れて求婚ができると思い。嬉しくてたまりませんでした。」

 

アイリス様は俺の手を取り、

「側室などと回りくどい事は言いません……………カズマ様、私と結婚してください!」

頭を下げ、空いている手を俺に差し出してきた。

 

 

ああ、苦しい……

辛い、悔しい、悲しい…。色々な感情が押し寄せてきた。

 

「ご、ごめんなさい…本当にごめんなさい…俺も本当は断りたくない…でも…俺には仲間が…」

苦しい、絞り出すような声で断った。

 

「やはりそうですよね……すいませんでした。カズマ様は仲間を大切にする優しい方です。」

アイリス様は涙目になりながら言った。

 

それでも俺の手を離そうとはしない。

 

 

「悩ませてしまってすいませんでした……本当なら私が胸の内にしまっておくべきだって事はわかっていました。でも、でも…」

アイリス様は堪えきれずにポロポロと涙を流した。

 

 

俺だって泣きたいよ…なんで俺が女の子を泣かせなきゃいけないんだ。

 

 

アイリス様はしばらく泣いていた

 

「カズマ様…もう一つわがままを許してもらってもいいですか?」

空いた手で涙を拭いながら言った。

 

「ええ、なんでもします。」

 

アイリス様は少し恥ずかしそうに顔を赤らめると、

「あの…キスしてください」

と言った。

 

「あ、あの…それは…だってアイリス様きっと初めてですよね?いいんですか?俺なんかで…もっとこの世界にはいい男がたくさんいるんですよ?俺が初キスをもらうわけには…いや、もちろん嫌じゃないですよ?でもアイリス様は本当にそれでいいのかなって思って…」

 

「初めてだからカズマ様とがいいのです。もし今してくれなかったら私は望まない人とする事になってしまいます…だからお願いです…」

 

「ああ、本当にいいんですね?」

 

アイリス様は無言で目を閉じた。

 

俺はアイリス様の頭に手を回し、アイリス様の柔らかい唇に俺の唇を押し付けた。するとアイリス様は俺の唇をチロっと舐めた。

 

まさに映画のワンシーンのようなキスだった。

 

俺がアイリス様から離れると、年相応の笑みを向けてくれた。

 

「ありがとうございました。すごく幸せです。」

 

「俺もだよ」

 

「カズマ様?私はまだあなたの事を諦めてませんよ?これからも積極的にアタックしますからね?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その後は特に何事もなく夕食会は終わった。

 

 

 

みんなは着替えて俺の部屋に集まっていた。

 

3人は何やら俺の方を見て、ヒソヒソと話をしている。ミツルギ達は何やら楽しそうな話をしていた。ゆんゆんは、めぐみんがかまってくれないので、例の如くぼっちだ。

 

俺はというと、さっき殺された時に着ていたジャージに付いている血を洗い流している最中だった。

 

俺はジャージをティンダーで乾かし、アクアにジャージを縫ってもらうように頼んだ。

 

「私が縫おう。私だって女なのだからこれくらいできて当然だ。それに…手に針が刺さる感覚もまた……いい」

まぁ今回はこのドMに任せる事にするか。

 

ダクネスは裁縫道具を持ってくると、せっせと縫い始めた。

 

「ねぇカズマ、ちゃんと断れたの?」

アクアが心配そうに聞く

 

「まぁな、でもまだ諦めてないってさ」

 

「お望みなら消して差し上げましょうか?」

 

「やめろ」

こいつらと話しているとアイリス様がいかに常識人かわかる。

やっぱり結婚しておくべきだっただろうか?

 

 

 

 

時間も経ち、ミツルギ達とゆんゆんは部屋に戻り、3人も戻ろうとしていた。

 

「じゃあカズマ、これは明日の朝までに仕上げておくからな」

 

「ダクネス?カズマのジャージの匂いを嗅ぎながら自己処理とかしちゃダメですからね?」

 

ダクネスは顔を赤くし、

「そ、そ、そんな事はしない、つもりだ」

とボソボソ言った。

 

図星だったのかよ…

 

 

「じゃ、じゃあまた明日ね」

 

アクアが若干ダクネスから引きながら言った。

 

 

 

 

3人が出て言った後、ランプを消してベッドに入った。

 

 

 

 

次の日の朝

 

俺たちは城を出る準備をしていた。

と言っても俺もほとんど手ぶらで来たわけだし持って帰るものと言ったら表彰状と1000000000000エリスくらいか。

 

 

…一兆エリスってどうやって持って帰るんだろう?

 

そんな事を考えているとクレアが部屋を訪ねて来た。

「カズマ殿、失礼する」

 

俺がドアを開けるとクレアはソファに座った。俺も対になってるソファに座る。俺とクレアはこの城の滞在中にすごく仲良くなったみたいだ。

「カズマ殿…王女様の求婚を断った人を私は初めて見たなな」

 

「まずかったか?」

 

「いや…まずくはないんだが、アイリス様が気の毒でな…」

 

「そうか…悪いことしたな…」

2人で暗い雰囲気になっていると、クレアがその雰囲気を脱出するように、

 

「まぁいい、別な話なんだかあの額を全部持って帰るのは大変だろう?だから必要な分だけ持って行ってこの城に保管しておくのはどうだ?好きな時に取りにこればいい。」

クレアは明るく言った。

 

「なるほど…名案だ」

 

「アイリス様の提案だ。金庫の鍵は自分が持ち歩くと言っていた。」

なるほど…頭のいいやつだ。

 

「話はこんなところだ。カズマ殿今回は色々と迷惑をかけてしまって申し訳ない」

 

「まぁ前回も掛けられましたけど」

 

俺とクレアは笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちはアイリス様とクレア達に見送られ城を出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




途中ラブコメみたいになってしまいました。

次回からはしばらく日常回です。

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