ちなみにpixivにイラスト置いてるので見てもらえるとより楽しめると思います→ https://www.pixiv.net/artworks/82644200
暇だ。
じっとりと汗をかいた体をクーラーで冷やしながら、ベッドに寝そべってそう呟く。愛しの彼は風呂場の中、スマホを触ろうにもカバンに入れてあるそれを取りに行くのは面倒。というか激しくした後だからあまり動きたくない。一緒にお風呂に入ればよかったかな、とも思ったがそれはそれでまた彼に手を出してしまいそうで。
そもそも彼が今シャワーを浴びているのは、さっき私がゆっくりさせてと言ったからだ。いつもよりダルくなって休みたいと思ったから、下着だけ着けてもらってシュン君は体を洗いに行ってもらったんだ。放置プレイとかそんなんじゃなく、ただ単に私に用意された休憩タイムなのだ。しかし一人ではそんな時間ももて余してしまうらしく、休憩時間は退屈な暇へと変貌していた。
寝返りをうとうと体を捻ると、足に布団ではない何か布状のものが足に触れた。手元に寄せると、それはシュン君がいつも着ているパーカーだった。洗濯機に入れられず放置されたそれは、私の好奇心を大いに刺激した。
「シュン君、いつもこれ着てるよね」
手に取り寄せて、じいっと眺める。暑さに沸騰した頭は、イケナイコトばかりを妄想していた。
「っ、ダメ。これ今これ抱いたり着たりしたら汗ついちゃうし、そんなことしたら変態みたいだし、第一勝手に借りるのは……」
くしゅん、と突然くしゃみが出る。どうやら冷房が効きすぎている、というより下着姿で冷気を受けているからか。このままでは風邪を引いてしまう。
「こ、これは風邪を引かないためだから……私、悪くないよね」
強引に大義名分を掲げ、それを着込むために起き上がる。依然として思考の半分止まった頭のまま、ゆっくりと袖を通す。肌に触れるたび自らの汗が布地に吸われていくのを感じながら、袖口を上腕、肘、前腕と通していく。
「ああ、やっちゃった……♡シュン君のパーカー、着ちゃった……♡」
完全にパーカーが上半身を包む頃には、面積の半分近くが濡れて色濃くなっていた。自分から出た汗で恋人の服を穢したみたいで、背徳的な興奮が全身を震わせる。
「あ、温かい……♡シュン君に包まれてる感じがする……♡」
思わず体を抱き、もっと密着せんと縮こまる。もし鏡を用意されたら、そこに気持ち悪い笑みを浮かべた私の顔が映るに違いない。夢中になって彼のパーカーを感じていた私は、がちゃりと扉が開かれる音を聞き流していた。
「ふう、さっぱりした。杏奈、もう動け……る…………?」
「あ、シュン君♡…………え」
パジャマ姿で現れたシュン君と目が合い、思わず正気に戻る。あ、終わった。こんなのしてる姿見て嫌わない訳がない。絶対引かれた。もうだめだ。
「あー……えっと…………」
「……ごめんなさい」
「いや、あの。えっと……それしばらく洗濯せずに部屋着にしない?」
「早急に洗濯しよう!?」
結局一週間ほど洗濯されることなく、シュン君と私共用の部屋着になってました。