刀使ノ巫女RTA 綾小路武芸学舎フリーエディットAny% 作:滑落車博士
展開はどこ…ここ…?
暗札未遂と逃走幇助から始まるガールミーツガール、はーじまーるよー!
御前試合が前代未聞の事態に中断させられた所から再開です。
ここから本格的に各チャートによって展開が分岐していきます。微妙なガバによって大きくチャートが変動してしまうので、走者にとっては腕の見せ所さんです。
選ぶルートに拠っては、『二人と一緒に逃走する』『裏で舞草に離反する』『逃走した二人を追跡する』等、ここでプレイヤーが選択できる行動は多いです。そして、ここでの行動が今後の展開を大まかに決定します。
その最たるものは『荒魂ルート』ですね。本編主要キャラクターとの関係性が『敵対』に変化します。難易度は高いのですが、本編キャラクターとガチで対決できるルートは少ないので人気のルートの一つです。メインストーリーよりも大幅に強化された各キャラクターとの歯ごたえのある戦闘を楽しむことができます。
―――さておき、状況を整理しましょう!
事件発生後、各校生徒は会場からの外出禁止令を受けており、外に出ることはできません。事件を起こした二人の母校…美濃関学院と平城学館の学長は緊急招集され、現在進行形で鎌倉へと移動中。舞衣さんと岩倉さんは重要参考人として呼び出され、絶賛事情聴取中で面会謝絶。
ついでに何故かホモちゃんも拘束されて屋敷の個室に閉じ込められています。
―――、―――。
―――な、ナンデ?
御刀も抜いてないし迅移も使ってないし警備を突破しようともしてないのに!
アイエエエエ!? こんなのテストに出ないよう…。
椅子に座らされたまま、無駄にボタンを連打してビクンビクンと痙攣するホモちゃんをしみじみとご覧ください。おお、跳ねる跳ねる。……こういうのを専門用語でロスといいます。なんたるうんち! このロスが挽回できそうにない場合、残念ながらリセットです。
ーーーあ、真希さん! 親衛隊第一席の獅童真希さんじゃないっすか! は、早くここから出して! ホモは罪じゃありませーん! 無実でーす!?(必死)
「……本多紅葉、か。お前は何故あんな行動をした?」
そりゃ急がなきゃマズいからですよ!!! 一分一秒の遅れが致命的なんです! 何の為に全力で走ってると思うんですか! この瞬間だって貴重な時間が過ぎ去ってるんですよ? ホモちゃんには立ち止まってる暇なんて無いんです!
「ふむ。それは、この状況を早く終わらせたいということかい?」
そりゃ(RTA的に)そうでしょ。
(走者的に)当たり前だよなぁ?
「では、岩倉早苗に向かって走った行動も、その為なんだな?」
そうだよ?(半ギレ) だって、岩倉さんは姫和さんと同じ学校の代表選手で疑われる立場でしょ? 親衛隊だって岩倉さんと舞衣さんを絶賛疑ってるじゃん! だから、多少はね?
・・・え、なんですか、その微妙な表情…。
初めて見る表情グラフィックなんですけど…なんかヘンなこと言いました?
「―――お前はあの瞬間、紫様が殺されたと思ったのか?」
・・・は?
いやいやいや。姫和さん単独では紫さんじゅうななさいは頃せないでしょ? そんな無謀、100%失敗しますよ~(原作準拠ルート) もし暗札するんなら、もっとこう…姫和さんだけじゃなくて、事前に色々な人と協力して用意周到に準備してないと駄目でしょ多分(幻のいきなりタギツヒメぬっ頃ルート)
(物語の展開的に)あそこで紫さんが氏ぬわけないじゃないですか〜 だから、二人が失敗して逃げ出すのを前提に動いただけですよ~。
「まさか、あの一瞬でそこまで読み切って動いただと…!? おい、お前、本当に連中と仲間じゃないんだろうな…!」
ち、違うっす! 信じて欲しいッピ!(技能:暗札剣)
―――なんとか信じて貰えたようです。
もう既に致命的なロスな気がしますが、このあと挽回できる可能性が微粒子レベルで存在するので続行します。
開放されたら、舞衣さんと岩倉さんの所在を確認します。ホモちゃんの行動が上手くいっていれば、事情聴取から無事に開放されて話しかけることができる筈ですが…。
……あ、大丈夫みたいですね。二人とも廊下で話をしているようです。
良かった! 無事だったんだね!(曇りなき瞳)
「ひっ…!」
「も、紅葉さん? えっと…」
あ、あるぇー?
ここは、互いの無事を確認して胸をなでおろすシーンの筈なんですが…。…駄目みたいですね…。表情グラを何度じっと見つめて確認しても、『不安』のままです。
あれれ~おかしいぞ~。序盤から二人への好感度稼ぎは入念に実施していたのですが…まさかの乱数に嫌われたのでしょうか。走者特有の屑運が発動してしまったようです。
よくわからないですが、とりあえず謝っておきましょう。
さっきは疑っちゃってゴメンね! でも、二人は無関係だって信じてたからっ!
・・・。
・・・、・・・。
どうしましょうか。好感度は確かに十二分に稼いであるはずなんですが…(チャートガン見)
知らない間にガバが重なって、もうそろそろ取り返しのつかない段階に来ています。
このままだとリセ案件、再走です。
ーーーふむ…。
よし、ここで決断的にオリチャー発動!
一旦、二人の好感度調整は横に置いておきます。このまま固まってても何も判りませんので、先ずは動きましょう。現状分析なんて走ってる途中ですれば大丈夫だ問題無い。どうせチャート通りに進行していても「だって私達みんな・・・仲間だもんげ !」って再確認するだけです。ヘーキヘーキ、誤差だよ誤差! ただちょっとパーティー加入するメンバーが不安定になりますが……最悪のパティーンでも舞衣さんと沙耶香ちゃんと岩倉さんが未加入になるだけで…よし、イケるな!(錯乱)
二人の前から立ち去って、長船女学園の代表二人に接触しましょう。場所はさっきまで御前試合が行われていた会場です。観戦していた生徒は、基本的にここに集められて待機させられています。
「あの二人、まだ捕まってないみたいデスねー」
「俺達はいつまで放置されるんだ…」
益子、古波蔵ペアは、このタイミングでは事件に関する詳しい情報を所持していません。…勿論、裏では舞草の一員である彼女らは薄々察する部分もあるのでしょうが、今回の事件は基本的に姫和さんの若さゆえの暴走なので…。二人に話題を振っても、「……さあな?」「突然でビックリしたデース!」とはぐらかされます。
あんまり踏み込むと不信フラグが立つので、話を切り上げて立ち去りましょう。とりあえず話しかけて少しでもリカバリーに努めます。
ーーーちなみに、刀使ノ巫女の癒やし淫獣、ねねちゃんによる成長可能性チェックはダメでした。(ホモちゃんの将来性は)無いです。
(あいつはーーー黒か?)
(綾小路の動きは読めませんネー)
(ねねー?)
よし、次だ次!
あ、糸見の沙耶香ちゃんじゃないっすかー。今日も良い天気だねー。え、そうでもない? そう……。
沙耶香ちゃんは舞衣さんに懐いてもらわないと困るので軽く様子だけ見てスルーします。舞衣さんが本編通りに動いてくれれば順当にパーティー加入しますが、それらのイベントが消化できないと少し手間なんですよね……たしか、力ずくで奪って言うことを聞かせるルートもあった筈です。無表情のまま言いなり人形として動き続ける沙耶香ちゃんを、その目で確かみてみろ!(邪悪)
ダッシュで折神屋敷に戻って廊下を走ります。すると、廊下を走っちゃ駄目でしょ!とばかりに燕結芽ちゃんがエンカウントして斬りかかってくれるのでバトルです。
現時点のホモちゃんでは当然勝てないのですが、このバトルはちゃんと経験値が入るので発生させておきます。発生させて即敗北で構いません。弱ーい!つまんなーい!と結芽ちゃんは暇そうで退屈そうですが、ホモちゃんは忙しいので立ち去ってイベントを終わらせます。じゃあの! あんまりヤンチャしてると此花パイセンに叱られるっすよ!
……可能な限りのリカバリーは取れたでしょうか。
広く浅く会話を進めて多少なりと交流を確保してみました。
ちょっと加速して時間を進めて……あ、舞衣ちゃんが学長に掛け合って可奈美ちゃん捜索に向かうイベントが発生しましたね。良かった良かった。これで一安心です。公衆電話の電話音声から位置を割り出してストーカーできるお嬢様怖い…怖くない?
ここで話しかけて『捜索に同行する』を選びましょう。表情グラは相変わらず『不安』のままでしたが、所属組織:柳瀬グループでゴリ押せば100%でついていけます。
(……少女饅頭刀使移動中……)
黒塗りの高級車は追突することなく東京へ。
既に空になっている潜伏先ホテルを確認したら、あとは車内でぼーっとしつつ荒魂発生まで待ち、出現したと同時に迅移で加速して明治神宮に直行します。この荒魂は最速で向かうと可奈美ちゃん姫和さんがトドメを刺す前に到着できるので経験値になります。
後ろから超スピード!?で接近して荒魂を斬り倒すと、ムービー演出が入りシーンエンドです。セーブをして次に進みましょう。
……何か忘れてるような気がしますが、アドリブが多かったのでまぁ良いでしょう。不手際が目立ちましたが、今回はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。
ーーーーーーー
「ーーーですから………。
……はい、ではこのまま………ますね」
連絡用のスマートフォンの通話を切り、溜息を吐く。
一人きりになった部屋は、酷く広かった。
贅沢に空間を専有してのんびりする…という気分にはとてもなれない。昨日まで共に過ごしていた親友は、どこかに出かけてしまっている。温泉も食事も、共に時間を過ごす相手がいなければどこか虚しいものだ。
あの事件が起きた直後から、紅葉はおかしかった。
見たこともない表情で、信じられない行動をした。
親友だと思っていた。自分は理解していると思っていた。だというのに、たった数時間程度で本多紅葉のことが判らなくなった。
彼女を怪しんでしまう自分自身が嫌になる。
でも、頭の中の冷静な思考は、本多紅葉が敵になるかもしれないと訴えている。ーーーまさか、紅葉は舞草の事を知っている? 僕と友人になったのも、最初から狙っていた行動? 僕の正体を知っているの? 今、不在にしているのは親衛隊の命令によるものなの? 紅葉が、僕の敵になるの?
わからない。
ただ、舞草にとっても予想外の事態が発生している。
そして、僕は怪しまれるわけにもいかず動けない。
対して、紅葉は飛び回っている。各学校の生徒に声をかけ、情報を集め、外へ捜索に向かってさえいる。
何もわからなかった。
誰も信じられなくなりそうで、鈴本葉菜は目を閉じた。
時計の秒針だけが、部屋に響いていた。
ーーーーーーー
明治神宮。
原宿駅、竹下通りとも隣接するその社は、都会にあって一種の静謐な空気を漂わせている。正月などは参道を人の海が埋め尽くすが、そうでなければ人影も疎らだ。大都会の中にも、ぽっかりと空いたエアポケットのようにその空間は在る。
そこに現れた荒魂は、二人の刀使によって倒されようとしていた。
「ーーー可奈美!」
「うんっ!」
片方が弾き、片方が止めを刺す。
それは、訓練も打ち合わせもない即席の連携としては上等なものだった。息が合っている。攻撃を凌がれて上空へと逃れようとした荒魂は、そのままであれば数瞬の後に可奈美の御刀に斬り裂かれていただろう。
そこに、横槍が入った。
二人の死角から飛び出した影は、長尺の御刀を鞘走らせると、すれ違い様に一閃する。振り抜いた姿のまま着地をすれば、その背後で割断された荒魂の巨体が地面へと激突した。
「ーーーやぁ。数時間ぶりかなぁ?」
影は、極めて普通の調子で声をかけた。
微妙に舌足らずな稚気のある口調。身長は高めで目鼻といったパーツは大人びているのに、どこか子供っぽさを感じさせる表情。
本多紅葉は、御刀を肩に担ぎ直して笑いかけた。
「追手か…ッ!」
十条姫和は、小烏丸を車に構えた。
追いつかれるとは思っていたが、予想外に動きが早い。どこかの誰かが公衆電話から連絡しなければ一日二日は猶予があった筈だが、今更それを怒っても詮無い話である。
(紅葉ちゃん…?)
可奈美は、内心で困惑していた。
だって、
だから、目の前の現状に困惑した。
「ーーー可奈美ちゃんっ!」
息を切らせて追いついた舞衣も御刀を抜き、挟み撃ちの格好で相対する。
たとえ此処から逃げるにしても、どちらか一方を斬らねば逃走は叶わない。回復したとはいえ、写シを張るのが精一杯の姫和は、冷静に勝率を天秤にかける。
「その制服、綾小路と美濃関の刀使か…!」
姫和は重心を落とし、肘を曲げた構えで息を吐く。そして吸う。
人を斬る覚悟は既に出来ていた。
だが、この隣にいる少女は…可奈美は。おそらく度が過ぎるほどお人好しで、底抜けの馬鹿であるコイツは、人を斬ることはできないだろう。……良い機会だった。逃げるにしても、捕まるにしても。己一人が全て背負うだけのこと。勝手についてきたコイツは、ここで置いていけば良い。
それで良い筈だ。
姫和は覚悟を決めると、目の前の『敵』を睨みつけた。