ガンヴォルト 現地オリ主原作開始前スタート   作:琉土

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第四話 柴犬?の正体 自由の代償 刹那に見えた悪夢の断片

 

 

 

 

柴犬?の正体

 

 

 

 

 休暇を利用してGVの拠点にお邪魔させてもらった際にシアンとどの様に過ごしていたのか話を聞いていた時、なんとも珍妙な話を聞く事となった。

 

 その内容はシアンが学校の帰りに犬の鳴き声がする猛犬注意のステッカーの貼ってあった家に居た柴犬らしき犬に右手を嚙まれたとの事。

 

 ただ、どの様な犬だったかを尋ねた際、変な事を話していたと言う。

 

 

「紫色の犬……ですか」

 

「ええ、ボクも少し気になったんで見に行こうとしたんだけど、その騒ぎがあったせいかその家はもう引っ越してしまってて……」

 

「ねぇフェムト。多分フェムトと一緒に働いてる部署の人が時々連れて来てるワンちゃんの事だと思うよ」

 

「……そういえば居ましたね。休暇中に見た記憶があります」

 

「そっか。皇神ビルの近くに引っ越してたんだ」

 

「ええ、確か丁度その時期に私の部署の部下として配属された人だったはずです。ただ単に新居を仕事場の近くに移しただけですよ」

 

「だから、シアンは何も悪く無いよ」

 

「そっかぁ……よかったぁ」

 

 

 そうして話は紫色の犬は何なのかにシフトしたのだが……

 

 

「え? そうなの?」

 

「ええ、シアンの言う紫色の犬とは犬型の警備ロボットtype【ゴスペル】の事だと思いますね」

 

「typeゴスペル?」

 

「ええ、警備ロボと同時にペットロボの機能を併せ持った犬型……では無く狼型のロボットです」

 

「警備にロボットを用意するのは分かるけど……」

 

「ペットは飼いたいけど世話をする時間が無いって人には需要があるんですよ。ペットロボットは」

 

「なるほど。そのオマケに警備もしてくれるなら一石二鳥でもある……と」

 

「そう言う事です。GV……っと、コレですね」

 

 

 そうして会話をしながら持っている端末でネット検索をして映し出した画像をGV達に見せる。

 

 

「そうこの子! この子に間違い無いよGV!」

 

「……思ったよりも、カッコイイ感じなんですね」

 

「狼型みたいですからね。確かにこのデザインはカッコイイ感じです」

 

 

 狼型の警備兼ペットロボゴスペル。

 

 その画像と共にあったレビューの内容は上々なようだ。

 

 

 

 

自由の代償

 

 

 

 

 街中でGV、シアン、リトルと共に会話をしていたら一羽の小鳥がシアンの型に止まった。

 

 

「わぁ……! ねぇGV! この子、前家に来てた(しめじ)だよ!」

 

「言われてみれば……確かにあの時の小鳥だ」

 

 

 シアンがまだGVの拠点に居た時、窓を開けながらGVが夜風に当たっていた時に迷い込んだ小鳥との事。

 

 ただこの小鳥、何所か元気が無いようにしているのが気になるのだが……ちょうど私達の視界から死角になっていた方角から見たリトルはある事に気が付く。

 

 

「ねぇ、その子怪我してるよ?」

 

「え……あ、本当だ。GV、この子怪我してる」

 

「…………」

 

「……GV? どうかしたのですか?」

 

「あぁ、ちょっと思う所があってね……一先ず、治療をしないと」

 

「なら私がキュアーヴォルトで治します。野生の生き物にも効果は実証済みですので安心して下さい。さあリトル、手を」

 

「ん。この子を治してあげて」

 

 

 私は基本、変身現象(アームドフェノメン)をしなければノーマルスキルの使用は出来ない。

 

 が、何事にも抜け道は存在する物で、私の場合はリトルと物理的な接触があれば効果が落ちてしまう代償はあるが、ノーマルスキルの使用が可能となっている。

 

 淡く藍色に輝く電流が小鳥を包み込み、その傷を癒していく。

 

 

「……これでよし。これで外傷は大丈夫でしょう。但し……」

 

「またこうなる可能性があるって事だよね?」

 

「そう言う事です」

 

……これが自由の代償……か。一歩間違えてたらボクもシアンもこの小鳥のように……

 

「……GV?」

 

「……何でも無いよ、シアン」

 

 

 その後再び小鳥は元気に飛び立っていった。

 

 何処までも吸い込まれるような広い空へと羽ばたきながら。

 

 私達四人は、懸命に飛び立った小鳥のその旅路を祈るのであった。

 

 

 

 

刹那に見えた悪夢の断片

 

 

 

 

「GV、こっちの下ごしらえは終わったよ」

 

「ありがとうフェムト。……よし、これで準備は完了。後は仕上げに取り掛かろう」

 

「ご飯♪ ご飯♪」

 

「リトルちゃん。私達もそろそろ食器を並べよっか」

 

「うん♪」

 

 

 私達は今、私とリトルの住む住居にて料理を共同で作っていた。

 

 切欠はリトルが「久しぶりにフェムトの手作りご飯食べたい!」と言ってきた事が切欠だった。

 

 そう言った流れで私は料理を作り始めたのだがさり気無くGVが「ボクも料理出来るから、手伝おうか?」と尋ねられたのでこれを承諾。

 

 少し前から料理に凝っているらしいGVのお手並みは見事な物で、結果として完成までに大幅な短縮をすることが出来た。

 

 

「やっぱり経験者が手伝ってくれると作業がだいぶ楽になって助かるよ」

 

「お邪魔している以上この位の事はさせて貰わないとね。ボクの拠点での時はフェムトに手伝ってもらってたから、そのお返しもあるけど」

 

「フェムト、GV、シアン、早く食べようよ~~!」

 

「ご飯は逃げないからそんなに慌てなくても大丈夫だよ、リトルちゃん」

 

「……リトルももう待ちきれないみたいだし、そろそろ食べ始めよっか。じゃあ……」

 

「「「「いただきます」」」」

 

 

 ……うん、今回の出来もなかなかだ。

 

 リトルは……幸せそうによく噛んで食べている。

 

 GVは……シアンの分の料理を取り皿に移している。

 

 シアンは……それを受け取って嬉しそうに微笑んでいる。

 

 そう、この瞬間は紛れもなく幸せだと確信できる、そんな一時。

 

 その刹那……ほんの一瞬だけであったのだが【地獄】が顕現した。

 

 

(……!!)

 

 

 GVとシアンが血まみれの姿で倒れている姿と、その姿を銃を構えながら見下ろしている誰か。

 

 なんだこれは。

 

 そう思った刹那、再び元の幸せな光景へと回帰する。

 

 

「……どうしたのフェムト? 大丈夫?」

 

 

 先ほどの光景で血まみれだったGVが、心配そうに声を掛けてくる。

 

 

「う……うん。ゴホゴホッ! ゴメン、ちょっと変な所にご飯が入っちゃって」

 

「そっか、なら大丈夫そうだね」

 

「フェムト、普段から仕事ばっかりだったから疲れてるんじゃないのかな?」

 

「……そうかもしれない。心配かけてゴメンね、シアン」

 

「フェムト、フェムト! ご飯お代わりする!」

 

「ちょっと待ってねリトル、今用意するから」

 

 

 この時は、リトルの食欲に助けられる形となってしまった。

 

 ……あの光景は一体何だったのだろうか?

 

 出来る事なら、あのような光景は二度と見るのはゴメンだと、私は思うのであった。

 

 

 

 




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。



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