ガンヴォルト 現地オリ主原作開始前スタート   作:琉土

19 / 60
第七話 チャタンヤラクーシャンクは実在する 意外な相談相手と解決法 見学と言う名の雑用

 

 

 

 

チャタンヤラクーシャンクは実在する

 

 

 

 

  私はたまたま休暇中にリトルと共に体を動かす目的でトレーニングルームへと足を運んでいた。

 

 

「ハァッ!!」

 

「いっってぇ!! やりやがったなぁ!!」

 

 

 そこではGVとデイトナによる模擬戦が行われていた。

 

 どうやらそこそこ時間が経っているらしく、お互い若干負傷している。

 

 デイトナは特に型は存在しないが、皇神に入社する以前に喧嘩に明け暮れていたいた時の我流の足技を得意とする。

 

 その技は見る人が見れば粗削りな物だったらしいのだが、入社後は独自に研究や実戦を重ねる事で洗練され、今では生半可な相手ならば即座に蹴り倒せる程だ。

 

 鋭いスライディングによる強襲、カカト落としによる強撃は間違いなく脅威だろう。

 

 実際、GVにもそれなりに有効な打撃を与えている。

 

 対して、GVはと言うと……

 

 

「……っ! そこ!」

 

「ちぃ! 普段は近接戦なんてしねぇだろテメェは!」

 

向こう(フェザー)に居た頃に、みっちり仕込まれてね!」

 

 

 あれは……何かしら一定の型であるのは分かる。

 

 強いて言うならばカラテに近い。

 

 そう私が考えている内に、GVの鋭い掌底が油断したデイトナの顎に直撃。

 

 そのままデイトナは軽い脳震盪を起こしたのかそのまま撃沈し、勝負は終わった。

 

 そんなデイトナに対してGVは手を差し出す。

 

 

「……すまねぇな。付き合わせちまってよ」

 

「構わないさ。ボクもいい刺激になった」

 

「しっかしガンヴォルト。テメェの()()、何なんだ? カラテみてぇな感じはしたんだがよ」

 

「ああ、これはアシ……ボクの師匠が言うにはカラテの【チャタンヤラクーシャンク】をベースにしたオリジナルのマーシャルアーツだって言ってたけど」

 

「……??? ちゃたんらや……なんだって?」

 

 

 チャタンヤラクーシャンク……ちょっと軽く調べて見ましょうか。

 

 私は手にした端末で検索。

 

 そこに記されていたのは大雑把に言うと「沖縄をルーツにした最高難易度のカラテの形」といった感じだった。

 

 

「……なぁガンヴォルト、ソレって本当に存在すんのか? なんか騙されてねェか?」

 

「……正直、余り自信は無いかな。あの人はバリツを実在の格闘技だと思っているタイプの人だから」

 

「おいおい。そんな事言われたらオレはエセ格闘技でやられた情けねぇヤツになっちまうじゃねェか……っと、フェムトにリトルじゃねぇか。その様子だとオレらの模擬戦見てたんだろ。丁度いいぜ。そのちゃたん何とやらが実在するのか調べててくれねぇか?」

 

「アハハ……もう調べてありますよ。物凄く簡単に言うと、最高難易度のカラテの形なんだそうです。ほら、こんな感じです」

 

「なんかすっごく難しいんだって!」

 

 

 そう言いながら私はチャタンヤラクーシャンクが実際に用いられた試合の動画を二人に見せた。

 

 

「お! この型、さっきのガンヴォルトの動きそのまんまじゃねぇか!」

 

「……本当に実在してたんだ。チャタンヤラクーシャンク」

 

 

 その後、私もリトルと共に忍者の頭領さんから教わった鉄扇の基本の型をリトルと共に行い、それを見て興味を持ったGV達と模擬戦をする事となるのはまた別の話である。

 

 

 

 

意外な相談相手と解決法

 

 

 

 

(あそこに居るのは……カレラとGV?)

 

 

 廊下で何やら話し込んでいる二人を見つけた為、私も気になって話に参加。

 

 その内容は、GVのバトルスタイルについてだ。

 

 

「ボクが使っている電磁加速銃(ダートリーダー)は特注品でね。今はまだ予備はあるし、新しく調達する伝手は今の所あるけど、正直そろそろ怪しい感じがするんだ」

 

「怪しい……ですか」

 

「うん。向こう(フェザー)がちょっと……いや、かなり大変みたいでね」

 

「GV、それは……」

 

「大丈夫、今の皇神はボクから見ても信用出来ると思うよ。まだ少し、複雑な感情も無い訳じゃあ無いけどね。……話を戻すけど、ボクのバトルスタイルの基本はこの銃が中心になっているんだ。だから……」

 

「なる程、貴殿の得物が将来使えなくなる可能性を見越し、新しい戦術を考案、と言った所でござるか。しかし、何故小生に相談を?」

 

「ああ、カレラよりも前にデイトナとイオタにも相談しててね。その時に「格闘術と能力を組み合わせてみたらどうだ」って言われたんだ」

 

「あぁ、なるほど。だからカレラに相談を持ち掛けたんだね。何しろ格闘術と能力を組み合わせた磁界拳(マグネティックアーツ)を扱えるから」

 

「そう言う事だね」

 

 

 そういう訳で私達三人でトレーニングルームへと向かい、色々と試行錯誤する事となった。

 

 今回の目的はGVの銃に依存しないバトルスタイルの確立。

 

 格闘術との組み合わせが勧められたのはミッション中のGVが折角の格闘術を持て余している所もあると思うが、恐らくはシアンの為だろうと私は思っている。

 

 何しろ、シアンの護衛中は基本学校とかの公共の場が殆どであり、そんな場所で武装など出来ないからだ。

 

 

「手や足に雷撃を集中させて殴るとかはもうやってるよね」

 

「流石にね」

 

「フム……貴殿のスペシャルスキルを見る限り、剣であったり鎖であったりと物質化する物が多いでござるな。ならばそれを簡略化しつつ、貴殿の拳を守る籠手の形に物質化する、と言う案はどうでござるか?」

 

「スペシャルスキルを、あえてダウングレードさせて運用するって事ですか?」

 

「うむ。貴殿が望んでいるのは言葉は違えど継戦能力の獲得と場所を選ばぬ獲物であろう? ならば貴殿の格闘術の邪魔にならず、かつ守る力もある籠手が最適でござろう。後はこれを軸に、出来る事を増やせばよいであろう」

 

 

 カレラのこの一言で方針は決まった。

 

 物質化した籠手による鋭い一撃は後に用意した分厚い装甲版も打ち抜いたのもダメ押しとなった。

 

 その後、脚の方もグリーブを物質化する形で蹴りも強化。

 

 結果として継戦火力では雷撃麟には劣るものの、瞬間火力と取り回しの良さ、更には機動力も副次的に増す事となりGVの総合的な戦闘力は飛躍的に向上する事となった。

 

 そのGVの新しいバトルスタイルは後に【ヴォルティックアーツ】と呼ばれる事となるのは、また別の話である。

 

 

 

 

見学と言う名の雑用

 

 

 

 

「すっごくおっきいね、フェムト」

 

「そうだね、リトル。……これが大型自律飛空艇(ドローン)【飛天】、ですか。この大きさは圧倒されますね」

 

「うむ。我が皇神の威光を広める為、そして護国の為の新たな力となるであろう」

 

「あ~~……だるい。何でボクがここに来なきゃいけないのよ」

 

 

 メラクがそうぼやいているが、そもそもここの仕事の担当はメラクであり、私とリトルは付き添いで、イオタは私達の護衛だ。

 

 ここに来た目的の一つは将来能力者部隊の移動拠点として稼働予定であるこの飛天の見学だ。

 

 そしてもう一つは……

 

 

「じゃあフェムト、後はよろしく」

 

「え? ちょっと待ってよメラク!」

 

「……行ってしまったな」

 

「凄い勢いで居なくなった!」

 

「はぁ……まあ、メラクが面倒臭がるのも分かるけどね。()()()の欠陥を何とかしろとか無茶振りされたら……ね」

 

「無人戦闘機【フェイザント】……見た所、ほとんど完成している様に見えるが」

 

 

 世間からは極秘裏に開発が進んでいたと言うこのフェイザントの欠陥を直す、或いは直す目途を立てる事だ。

 

 その欠陥と言うのが、エンジンの出力不足だと現時点では言われている。

 

 正直エンジン以外にもハード面の問題があるのではと思いながら作業員へと挨拶を済ませ、宝剣を開放しつつ解析を始める。

 

 

(…………うーん。意外だけどエンジンを中心に全体を解析して見た感じハード面は問題無いのか。そうなると……あぁ、なるほど。ここをこうして……)

 

「フェムト殿、解決できそうか?」

 

「そうですね。機体その物の設計には問題無いのですが、ソフト面に問題があるみたいです。各パーツの制御系統のプログラムに幾つか不備を見つけました。もう少しで終わりますよ」

 

「うむ。やはりこう言った事を任せる時はフェムト殿は頼りになる」

 

「それを分かってて、メラクは私を飛天に誘ったんですよ。……まあ、面倒臭がりだからこそ、こう言った人材派遣を的確に出来るんですよね」

 

 

 さっき別れたメラクも今頃めんどくさいとぼやきながら頑張っている事だろう。

 

 主に自分が怠ける為に。

 

 ……よし、これで不備は粗方潰せた。

 

 次はこの状態での挙動をシミュレートして……

 

 うん、スペック通りの挙動をしてくれた。

 

 なので、整備員さんを呼び、作業が終わった事を報告する 

 

 

「終わりましたよ」

 

「え? もう終わったんですか?」

 

「制御系統のプログラムに幾つか問題があったので、此方で直しました。使わせてもらった端末に詳細データを即席で用意しましたので、後はそちらで確認をお願いします」

 

「ありがとうございます! いやぁ噂には聞いていたのですが、仕事が早いですねぇ」

 

「メラクの面子を潰す訳にはいきませんからね」

 

 

 そうして私は宝剣による変身現象(アームドフェノメン)を解除し、再び元に戻ったリトルとイオタと一緒に飛天の見学へと戻る。

 

 だがこのフェイザントの不備を直すのは序の口で、飛天に存在する多種多様な他の問題をメラクの指示という事で解決する事になる。

 

 ……私も乗る可能性がある事と、飛天の内部構造を詳細に把握する事が出来たのは個人的にプラスだったので不満は無かったのだが。

 

 そう思いながら無事試験飛行を開始したフェイザントを飛天の大型ヴィジョン経由で私達は見学するのであった。

 

 

 

 




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。