ガンヴォルト 現地オリ主原作開始前スタート   作:琉土

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サイドストーリー





 ボクは今、一触即発の真っただ中にいる。


『うぅ~~~!』

『むぅ~~~!』

「あらあら」

「モルフォ。オウカさんに迷惑かかっちゃうからそろそろ……」

『ダメよシアン! ここで引き下がったら、電子の謡精(サイバーディーヴァ)の名折れだわ!!』

「どうしようGV……モルフォが言う事聞かないよ」

「……シアン、コレはボクにはどうしようもないよ」

「ロロ、いい加減そんな風に睨み合うのは……」

『アky……イクスは黙っててよ! ぼくの【超時空歌姫】としての第一歩が掛かってるんだからね!』

「…………」

「はわわ……イクスがたじたじになっちゃってるよぉ~」

「コハク、ヌルの言葉遣いが移ってしまっているのです」

「なあなあジン、これってどうやって止めればいいんだ?」

「残念ですがキョウタ、僕らには止める術はありません……」


 切欠はボクが大型デパートで助けた女の人、オウカがその時のお礼に屋敷へと招待してくれた時の事だった。

 そこでボクはシアンと共にオウカからのおもてなしを受けていたんだけど、そこでボク達とは違う客がやって来た。

 その客はそれぞれイクス、コハク、キョウタ、ジン、マリアを名乗り、ボク達はオウカを切欠に彼らと知り合いになった。

 イクス以外の四人はボクの事を見て姉そっくりである事を話しており、気になったのでその事について尋ねたらその人の写真の入ったロケットを見せてくれた。

 その写真の人物は確かにボクに似ており、これなら間違えるのも仕方がないと思った。

 それと同時にフェムトを見て縮んだと言っていたのも納得出来た。

 そこまでは良かったのだが、問題はここからだ。

 イクス……()()()()()()どこか只ならぬ雰囲気を持った彼にオウカがこう尋ねたのだ。


「イクスさん。今日はロロさんは居ないのですか?」

「ロロはオレ達が出かける前に()()()()()()()()から少し遅くなる」

「あ、ロロちゃんまた動画上げてるんだね」

「ああ。近頃のアイツは妙に気合が入っていてな……」

「あの……イクスさん。ちょっといいですか?」

「……なんだ? ミt……シアン」

「その、ロロさんって何をやっている人なんですか? 動画を上げているって言っていましたけど」

「ああ、それはだな……」


 イクスがシアンに説明しようとした時、オウカの屋敷の玄関から勢いよく()()が聞こえた。

 そして、その足音の人物はボク達の前に姿を現した。


『じゃじゃ~ん! おまたせ~~! ロロちゃん、ただいま参上!』

「あ! ロロちゃん。動画の投稿、終わったんだ」


 その子の名前はロロ。

 緑色のボーイッシュな髪型をした活発そうな女の子。

 その子は明るくボク達に自己紹介を済ませ、あっという間にこの輪の中に溶け込んでしまった。

 ただその子は何処かで見た事があった様な既視感を感じた為、ボクは記憶を掘り返していたのだがシアンが先に気が付いたらしく、大きな声を上げた。


「あ! 思い出した! ロロちゃん、【希望の歌姫】そっくりなんだ!」

『へぇ~~……。よく気が付いたね! そうさ! ぼくが希望の歌姫、ロロなのだ~! ドャー!』

「え? 本当に?」

「ああ、本人のシュミみたいな物だ。何でも自分の歌がどこまで通用するのか試してみたいと言っていてな。オレは止めたんだが、コイツは歌の事になると頑固でな」

「そうなのか……世間は意外と狭い物だね」

「全くだ。……こんな所でお前と会った事も含めてな。ガンヴォルト。

「ロロちゃんの歌は、わたし達の間じゃすっごく有名なんだ~♪」


 ここまでは実に和やかなムードだったのだが、問題はここからだ。


「そもそもどうしてロロは動画を上げるようになったんだ?」

『そりゃあ勿論、電子の謡精モルフォへの挑戦状さ! ぼくは今世界を股に掛ける超z……歌姫を目指してるんだ! モルフォへの挑戦はその試金石なのさ』


 このある意味挑発ともいえるロロの発現によって、希望の歌姫と聞いてうずうずして出てくるのを我慢していたであろうモルフォが表に出て来てしまった。


『試金石って……! アタシは踏み台だって言いたいのかしら?』

「モルフォ……! 出て来たらマズイって!」

「えぇ!? 女の人が出て来た!? ひょっとして、ユーレイさん?」

「コハクさん、彼女はわたし達の国が誇るバーチャルアイドル。電子の謡精モルフォさんです。少なくとも、ユーレイさんではありませんよ。」

「びっ……びっくりさせないで欲しいのです!」

「うぉーー! 綺麗な姉ちゃんが出て来た!」

「……僕はロロさん一筋ですので」

「……出て来たか。ノワが言うにはミチルの体の不調の原因は……

「やれやれ、どうしたものか……」


 モルフォが出てボク達はてんやわんやしていられたのは今の内だけだった。


『だとしたら、どうする?』


 ロロの明らかな挑発目的のこの一言が切欠で互いに言い合いとなり、先の一触即発の状況へと戻る。

 さてどうしたものかとボク達は頭を悩ませていたのだが。


「ふふ♪ 二人共、仲がよろしいんですね」

「えぇ!? オウカさん、あの二人どう見ても喧嘩してる様にしか見えないんですけど!?」

「ああやって本音を言い合えるのですから、何だかんだで互いを認めていると言う何よりの証拠です」

「……そう言う物なのか?」

「ええ。その内直ぐに仲直りすると思いますから今の内におやつの用意をしましょうか」


 その後オウカの言う通り二人は本当に仲直りをし、しかも意気投合までしてしまった。

 そしてロロから『ぼくがもっと有名になったらコラボしようね』と約束まで取り付けてしまう。


(……この件はフェムトに相談する必要があるだろうな)


 そう思いながらボクはオウカから貰ったコーヒーを飲んで一息入れるのであった。






第十九話 インターミッション(二回目)

 

 

 

 

 羊姿のホログラム能力者【クラフトマンズドリーム】が消滅したのを確認し、残心しつつ互いの状況を確認する。

 

 

「終わったみてぇだな」

 

「ええ。一先ずは」

 

「んで、データの方はどうよ?」

 

「二度目という事もあって進捗状況はあまり伸びていませんが、総合的には悪くない結果です。少なくとも新しくいくつかアビリティを組む事は出来そうです」

 

「そうじゃなきゃオレ達がこうして苦労した意味ねぇからな。それにしてもこのアビリティってやつには助けられたぜ。何だかんだ数発はいいのを貰っちまったし」

 

「私の方はデイトナが攻撃を引き受けてくれたお陰でダメージはありませんでしたけど精神的な安心感と言う物が違いますね。一回二回多く受けても大丈夫と言う安心感は動きに迷いを生じさせない点では助かりました」

 

「……ただ、あの最後の攻撃には肝を冷やしたけどな。フェムトが機転効かせてくれなかったらヤバかったぜ」

 

「あれはリトルが私の想いに応えてくれたんです」

 

(ん。リソースが少し馴染んだから出来る様になった)

 

 

 以前、青き交流(リトルパルサー)の方向性を決めた際に説明されていたリソースの事を覚えているだろうか?

 

 今回SPスキルを習得出来たのはこのリソースの一部が馴染んだ事に加え、リトルが私の想いに応えて頑張ってくれたのが理由だ。

 

 

「しかし、フェムトも【SPスキル持ち】になれたのは朗報だぜ」

 

「そんなに違う物なんですか? SPスキルがあると」

 

「そりゃあな。コイツを扱えるのは一握りの能力者だけだ。つまり、扱える奴は一目置かれるんだぜ。周りの連中からな。つまりだな、もうお前を舐めてかかる奴は早々出ないって事だ」

 

「それは助かりますね」

 

「まあそれでもお前は小せえし女顔なのもあって完全にって訳にはいかねェだろうが、SPスキルを持つってのはそれだけ大きな意味があんのさ。……んじゃあ、一息入れられたしそろそろ戻ろうぜ」

 

「ええ、戻りましょう」

 

 

 


 

CLEAR

 


 

 

 

 私達はミッションを終えて外に出て、デイトナと周辺で見張りをしていた隊員に対してキュアーヴォルトを施す。

 

 見張り続きで疲れが出ていた隊員達は元気を取り戻し、再び職務に戻る。

 

 それを確認した後で基地へと帰還。

 

 今回の顛末を紫電に報告する。

 

 

「……なるほどね。今度は意思を持ち出したか」

 

「ああ。オレが相手した中ではガンヴォルトを除けばかなり厄介な分類に入るぜ」

 

「しかし、気になる事を言っていたみたいだけど」

 

「オレに対して【怒れる爆炎(バーントラース)】、フェムトに対して【異端者(イレギュラー)】。なんか御大層なコードネームを付けられてたな」

 

「そう言ったコードネームは採用した覚えは無いんだよね。向こうが勝手にそう言っているのか或いは……」

 

「後、【魂が捕らわれている】と言っていた事も気になります」

 

「それに関してはボクでもお手上げだよ。オカルト分野は扱って無いからね。ただこれに関しては心当たりはある。まあ、フェムトも分かるとは思うけど」

 

「頭領さん、ですか?」

 

「そう言う事だね。今回持ち帰ってくれた情報は貴重だ。ホログラム能力者は意思を持つ事、協力しているテロリスト組織が存在する事、オカルト方向からのアプローチが必要になるかもしれない事、こちらをそれなりに把握している事が分かったのは大きいよ。……あぁそれと、キミがSPスキル持ちになれた事は今日一番の朗報だよ」

 

「デイトナも言っていましたけど、それってそんなに重要なんですか?」

 

「重要さ。何しろ能力者部隊において本来上の立場になる為の必須技能だからね。コレのある無しは扱いが本当に変わる。キミの場合は特別待遇で上の立場になっていたからより強く実感すると思うよ」

 

「オレもサンシャインノヴァを習得した前と後の待遇の差には驚いたモンだったぜ。ま、フェムトなら直ぐに慣れるさ」

 

「なんだかちょっと期待半分、不安半分ですね」

 

「ボクとしては少し肩の荷が下りてホッとしてるんだけどね。……それじゃあ、今日はもう解散しよう。次のミッションについてはまた別の日に通達するから」

 

 

 そうして私はミッションの報告を終え、エリーゼの待つ私の家へと帰還する事となった。

 

 何だかんだで今回のミッションは早く終わった為、今の時刻はお昼を回った所だ。

 

 なので携帯端末を取り出しエリーゼにこれから帰る趣旨を伝える。

 

 

《フェムトくん?》

 

「ええ、今日は早く終わる事が出来ましたよ」

 

《そっかぁ、良かったぁ。……怪我はない? 何処か痛かったりしない?》

 

「今回も無傷でしたし前回みたいに酷いトラウマを植え付けられた訳でも無いので平気ですよ」

 

《それならいいんだけど。……あ、今わたしお昼ご飯作ってるの。フェムトくん、早く帰れそう?》

 

「今話しながらそっちに向かってる所です。……何かお土産買って来ましょうか?」

 

《ううん。早く戻って来てくれる事の方が嬉しいからそのまま戻って来て欲しいな……なんて》

 

「ふふ。承りました。エリーゼ。お姫様は早く帰ってくることがお望みみたいですので」

 

《お……お姫様って……わたし、そんなんじゃ……♪》

 

 

 と、会話をしている間に私の家へと帰還し、自動ロックを解除して扉を開ける。

 

 扉の先には顔を赤くして何処か嬉しそうに携帯端末を耳に向けているエリーゼの姿。

 

 

「……ぁ」

 

 

 ……うん、かわいい。

 

 今日も私の恋人はとてもかわいいです。

 

 私は変身現象(アームドフェノメン)を解除し、リトルと一緒にエリーゼに声を掛ける。

 

 

「ただいま、エリーゼ」

 

「ただいま、エリーゼ!」

 

「あぅ……コホン。おかえりなさい。フェムトくん、リトルちゃん。ご飯もうすぐ出来るから先にお風呂入りながら待ってて欲しいな。二人共、疲れてると思うから」

 

「ん! フェムトフェムト、早くお風呂入ろう!」

 

「リトル、そんなに急がなくてもお風呂もご飯も逃げないから」

 

 

 そうしてエリーゼはお昼の仕上げに、私達は風呂に入る事になった。

 

 私の家の風呂は良くリトルが一緒に入る事が多かった為元々一回り大きな浴槽を用意していたのだが、最近は日によってエリーゼも含めた三人で入る事も良くある為思い切って浴槽も含めた新しい浴室を別に用意。

 

 そこは三人所かもっと五人くらい一緒でも余裕をもって寛げる大浴場に仕上がった。

 

 この広いお風呂にリトルはご満悦し、エリーゼはナニを想像したのかはさておき、顔を赤くしながら悶々としていた。

 

 とまあそんな事はさて置き私とリトルはご飯が出来るまでの間、ここで過ごす事になった。

 

 

 

 


トークルーム

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

「ごくらくごくらく~~♪」

 

 

 

 広い湯船に浸かる私とリトル。

 

 ミッションの疲れを湯船に溶かしながら私達は()の休息をしていた。

 

 そう、裸である。

 

 今まで水着を着ていた筈のリトルも、裸なのである。

 

 理由は当然あり時間は初ミッションをしていた日まで遡るが、その日私はエリーゼとリトルと共に浴室に強制連行された事があった。

 

 その時は当然水着を着てもらうつもりでいたのだけれど……言い訳するのは、よそう。

 

 兎に角その時に水着を着ずに標準的なお風呂スタイル、即ちバスタオル以外は完全に裸で一緒にお風呂で過ごした事があった。

 

 あの時何があったのかは……まあ、そう言う事*1だ。

 

 そんな事が切欠でリトルが水着を着ると言う習慣が無くなり、普通にお風呂に入るようになった。

 

 

「えへへ……」

 

 

 私が湯船で足を延ばしながらゆっくりと浸かっている所、リトルは私の膝の上に乗ってそのまま身を任せる。

 

 限りなく人間に近いヒューマノイドらしからぬその肢体。

 

 柔らかく、しっとりと吸い付く肌は心地よく、こうしてただ触れ合っているだけで大きな幸せを感じる。

 

 

「フェムト」

 

「ん?」

 

「ギュッってして」

 

「はいはい」

 

「ふわぁ……」

 

 

 リトルを後ろから両腕で優しく抱きしめる。

 

 心地よさそうに息を吐き、気の抜けた声を出しながら安らぎを感じてくれている。

 

 それに気を良くした私はリトルのお腹を優しく撫でる。

 

 

「ん……むぅ~~……」

 

「嫌だった?」

 

「私、太って無いよ?」

 

「あぁ、そう言う……って、リトルはヒューマノイドなんだから太らないでしょ?」

 

増えてた……

 

「え?」

 

「体重、増えてた……」

 

「え?」

 

「どうしよう……このままじゃフェムトに捨てられちゃう……」

 

「え?」

 

 

 いやいやちょっと待って、流石にそんな所まで再現したヒューマノイドなんて私でも聞いた事無いんだけど。

 

 ……念のため、変更後の最初のデータと比べて……

 

 

「……! 比べるの、ダメ!」

 

「リトルに何かあったら私が困るから。素直に調べられなさい」

 

「でも、でも!」

 

「リトルを捨てるなんてあり得ないから、ね? それにそんな事したらエリーゼや皆から私がボコボコにされちゃいます」

 

「あぅ……分かった」

 

 

 そうして最初のデータと今のデータを比べて見た結果、驚くべき事が判明した。

 

 ()()()()()()()()()()

 

 身長は私と変化は無い物の、身体がより女性らしく変化していると言った感じだ。

 

 まっ平だった胸がほんの少しだけ膨らんでいたり、お尻も少し大きくなってたり、髪も少しだけ長くなっていたりする。

 

 ただこれは普通に生活しているとまず分からない程の小さな変化な為、私でも比べて見なければ気が付けなかった。

 

 

「……リトル、正直に言ってください」

 

「えぅ……」

 

「新しい体に更新した時、何かしましたか?」

 

「えっと……」

 

 

 リトル曰く、変更時の際宝剣開発部の人達にありったけの生体パーツを要求し、今までこっそりと集めていた女性の身体のデータを元にリトル自身が新しい宝剣(カラダ)を更新。

 

 それが理由なのか今のリトルの身体は宝剣の機能以外ほぼ完全に生身の身体に近くなっているのだと言う。

 

 

(通りで宝剣開発部の人達、あの時目が泳いでいたりどこか様子がおかしかったりした訳だ)

 

「……黙ってて、ごめんなさい」

 

 

 リトルは私の方に体を向け、泣きそうな表情で謝った。

 

 

(……これで宝剣としての性能が本来の設計の時より落ちていたら怒らなきゃいけないんだけど……上がってるんですよね、性能。と言うか宝剣の性能以外の物も色々と。しかもその恩恵、知らなかったとは言え私も受けちゃってますし*2

 

「……グスッ」

 

「……リトル、次からは黙っていない様にして下さい。何かあったら大変ですから」

 

「許して、くれるの?」

 

「ええ。()()許しますよ」

 

「ぁ……良かったぁ~~……えへへ♪ ありがと、フェムト♪」

 

 

 ……リトルの視界の死角でエリーゼが珍しく怒った表情をしている。

 

 実はリトルの「体重、増えてた……」の辺りからご飯が出来た事を知らせにここに来ていたのだ。

 

 つまり……

 

 

「でも、わたしは許すとは言っていませんよ?」

 

「ぇ……エリーゼ!? いつの間に!?」

 

「フェムトくん、リトルちゃんをそのまま捕まえててくださいね」

 

「分かったよ、エリーゼ」

 

「フェムト!?」

 

「今逃げても怒られるのが増えるだけだから大人しくしなさい」

 

「うぅ~~……」

 

 

 一糸纏わぬ腕を組んだエリーゼから珍しく怒られたリトル。

 

 終わった後は物凄く落ち込んでいたけれど、分かって欲しい事がある。

 

 普段怒らないエリーゼが怒ったのはリトルの事が心配で、とても大切だからなのだと。

 

 

 

 


 

 

エリーゼとの心の繋がりを感じた

 

 


 

 

 

 


情報解析

 

 

 

 

 リトルを慰めつつ昼食を済ませ、私は今回得られた戦闘データの解析を始める。

 

 今回のデータは二度目なのもあって進捗状況は三割半と言った所。

 

 だけど有用なデータである事は変わりなく、アビリティも新しく組むことが出来る。

 

 どんな攻撃も一撃は耐えられる【シャリーアライブ】、私達の精神状態(クードス)次第で攻撃力が変化する【ハイプラウド】。

 

 そして今回のTASの運用データから役割(ロール)に縛られなくなる【フリーラン】。

 

 シャリーアライブはあの死を予感させた一撃(レッドラインデッドレイヴ)が、ハイプラウドはデイトナのサンシャインノヴァの止めが、そしてフリーランは一度TASのロックオン機能を解除した時のデータで作り上げられた。

 

 

(ふぅ……これで一段落ついたかな)

 

(お疲れ様、フェムト)

 

 

 この調子でアビリティを増やして行こう。

 

 

 

 


 

 

GET ABILITY シャリーアライブ ハイプラウド フリーラン

 

 


 

 

 

 


出社

 

 

 

 

「いってらっしゃいフェムトくん、リトルちゃん。お仕事頑張ってね。それと……はい、これ」

 

「お弁当、いつもありがとう。……じゃあ、行ってきます。帰りは何時もの時間までには終わらせるから」

 

「行ってきま~す! 今日のお弁当なんだろな♪」

 

 

 今日は兼業になって初めて情報処理部門へと足を運ぶ日。

 

 それなりに日が空いてしまった為、向こうは結構てんやわんやになっているらしい。

 

 なので既に用意していた部下を労う為のお土産を引っ提げ、私は何時も通りの時間に出社し、受付のお姉さんに挨拶を済ませる。

 

 

「おはようございます」

 

「おはようございま~す」

 

「おはようございます……あぁ、フェムトさん! リトルちゃん! やっと来てくれたんですね! 前線でのお仕事と兼業と聞いて、私すっごく心配したんですよ!」

 

「心配をかけてすみません。暫くはこんな調子で日を跨ぐことになりそうです」

 

「いえいえ……二人共無事ならいいんですよ。あの日以来社内で色々と心配の声を聞いていたもので」

 

「皆には心配かけちゃったみたいだね」

 

「ごめんね。受付のお姉さん」

 

今日も二人共尊い……好き……コホン、とりあえずフェムトさんは情報処理部門の皆さんを安心させてあげてください。皆、()()()()()()心配してましたから」

 

「……その様子だと、大分()()()()()みたいですね」

 

「ええ。今日までずっとデスマーチ状態みたいだから早めに行って助けてあげてください」

 

 

 そういう訳で私は足早に情報処理部門へと足を運ぶ。

 

 そして辿り着いたそこは、死屍累々と呼べばいいのだろうか。

 

 私が初めて出社した程では無いにしろ、皆鬼気迫る表情で仕事に打ち込んでいた。

 

 

「終わらない……仕事が終わらないよぉ~~……」

 

「データが……データの津波が迫って来る……!」

 

「オレ……死ぬのかな……死んだはずのじいちゃんとばあちゃんが見える……」

 

「フェムトせんぱ~い! 早く戻ってきて~~~~!!!」

 

「はい。戻ってきました」

 

「おまたせ、みんな~」

 

 

 私達が声を掛けた瞬間、私達の方へ皆が顔を向け、時が止まったかのように動きを止めた。

 

 そして……

 

 

「来た! フェムト先輩来た!!」

 

「俺達の希望が帰って来た!!」

 

「あはは……私の留守の間、頑張ってくれてありがとうございます。この様子だと大分追いつめられているみたいなのでコレで一息入れて下さい」

 

「フェムト先輩のお土産!」

 

「あれは有名店の限定品の高級スイーツです!!」

 

「あのケーキ、生クリームは甘すぎないし果物盛り沢山だからオレも好きなんだよなぁ……」

 

 

 私が戻ってきてお土産を渡した瞬間部下の皆は復活を果たした。

 

 美味しそうにケーキを皆がほおばっている間に私はコーヒーの入った魔法瓶を開け、皆のコップに注ぎ手渡ししていく。

 

 

「このコーヒーがたまんねぇんだよなぁ~♪」

 

「……ふぅ。生き返る」

 

「フェムト先輩、何時もありがとうございます!」

 

 

 そうして部下の士気を回復させ、改めて私もリトルと変身現象をしつつ仕事に取り掛かる。

 

 ……私が思った以上に皆、頑張っていたみたいですね。

 

 予想よりもずっと仕事の片付き具合がいい。

 

 

「……え? あの、え?」

 

「この状況で、片付き具合がいい???」

 

「……そうだったな。言われてみれば確かに、フェムトが来る前を考えれば十分片付いている状態だったな」

 

「あの、先輩??? それ、本当ですか?」

 

「本当だ。……今のお前らには想像できねぇかもしれないが、そもそもこの情報処理部門が立ち上がる前はどの部署も帰れないのが基本だったんだぞ」

 

「帰れない……? ひょっとして、このビル無駄にシャワーや仮眠室が多いのって……!」

 

「ま、そう言うこった。……フェムトにはマジで感謝しろよお前ら。コイツがここまで効率化して無かったらお前らも家に帰れないって事になってたんだからな」

 

 

 その後、兼業で私の能力が上がったことが理由なのか仕事が思ったよりも早く終わり、エリーゼのお弁当を食べて一息入れてから余った時間は部下の面倒を見る事としたのだった。

 

 

 

 


 

 

GET MG 10000

 

情報処理部門Lv1→Lv2up!

 

 


 

 

 

 

*1
番外編案件です。お察しください。

*2
番外編案件です。お察しください。




ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。
アンケートは引き続き行われています。

6/25追記
アンケートは第二十話の投稿が終わった時点で受付を終了しました。
その結果、番外編を書きつつ倒錯(えっち)なネタを増やす事に決めました。
私の考える倒錯ネタは駆け出し編辺りから反映される感じになっています。
それと番外編は話が一区切りついた所まで、或いは気が向いたら書く予定ですので投稿が始まったらその時は活動報告辺りで誘導を行いますのでよろしくお願いします。




〇出社について2
フェムトが出社してMGを稼ぐのが基本なのですが、その際にフェムトの部署である情報処理部門のLvを上げることが出来ます。
基本、放置する時間が長い程Lvを上げることが出来るのですが、放っておきすぎると士気が低下して間接的にフェムトの居る能力者部隊にしわ寄せが来て本末転倒な状況となる為注意が必要。
具体的にはミッション開始前に体力が減った状態でスタートするハメになったり、ミッションの評価が下がったりする事もあります。

倒錯した(エッチな)話についての需要について

  • 無いよ!
  • あるよ!
  • R-18描写に番外編で挑戦して欲しい!
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