サイドストーリー |
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シアンを下がらせたボクは改めて
アシモフとしての肉体は消え、雷撃が人のカタチをしたかのような、歪な姿。
以前アキュラからあの姿は「自らを電脳へと変じた雷撃能力者として最も純化した究極の姿」だと聞いている。
そして、その姿は特殊な真空管の中でしか維持出来ない筈の物だとも。
なる程確かに、限定環境下でしかチカラを発揮出来なかった枷から開放され、謡精のチカラやメビウスのチカラを取り込んだ上で強いチカラを得られたと言うのなら、可能性世界の全てを掌握しようだなんて考えるのはありえそうな話だ。
そう、メビウスに飛ばされた可能性世界で再会したアシモフの事を考えれば。
あの時の彼は誘いを断ったボクと一緒に戦っていたきりんの事を利用する算段があった。
しかも「邪魔なパーツはリムーヴさせてもらう」等とも言っていた。
その戦いが終わった後の言葉から、それらの挑発的な言葉はボクを動かす為のブラフである事は何となく察してはいた。
しかし、あの時ボク達が敗北していたら、ボクの知るきりんはアミカの消えた場所に転がっている麒麟デバイスにされていたであろう事は容易に想像が出来る。
そしてソレが転がっているという事は、ボクの想像がアキュラの居た世界で実際に起こったという事だ。
……こんな事を仕出かすデマーゼルを、生かしておく訳にはいかない。
ヤツからはもうアシモフでいた時のわずかに残った良心や人間味が消え失せてしまっている。
何としてでも、
今のボクが持つ、世界を破滅させうる強い強制力を持ったチカラを用いて。
STRIK
『ナゼダ……ナゼ今更、ソノヨウナパワーヲ得タ! ソレガアレバ、
「このチカラはそんな便利な物じゃない! 破壊する事しか、壊す事しか出来ないチカラだ! 未来を破滅へと導くチカラだ! この世界には不要なチカラだ! だけど、こんなチカラでも使い道はある! デマーゼル! お前を滅ぼすと言う使い道が!」
互いにライトニングスフィアを身に纏い、衝突する。
それは一度目のアシモフとの戦いで、ヤツにダートを当てる為にオーバーヒートを狙った雷撃麟同士の衝突による相殺を彷彿とさせる。
あの時は相殺した際互いにオーバーヒートしたが、こちらは
では、今回の場合はどうだろうか?
『グゥ……
「オォォォォォォォ!!!」
こちらのチカラが完全に上回り、デマーゼルを一方的に押し返す。
怯んだ隙を突いてフラッシュダートを飛ばしてロックオン。
その後、ライトニングスフィアを再展開しながら放電を叩き込み、突撃しながら畳みかける。
己を雷撃と化して、デマーゼルを通り抜けながらスパークカリバーによる追撃を行いつつ背後を取る。
そのまま聖剣のチカラを開放し、上段から一刀に切り伏せる。
その衝撃は超大型の三日月型の衝撃波となり、地面に雷撃を残しながらデマーゼルを押し込む。
『マダダ! コノ程度デハ終ワラン!』
「この程度で終わるだなんて、ボクも思っちゃいない!」
『オォォォォォォォッ! スティンガー!!』
デマーゼルはボクが扱う
そして、そのままこちらに突っ込んで来る。
その気になれば回避する事は難しくないが、ここはあえて受ける選択をボクは取った。
そして、
『電磁結界ダト!? 我ガ雷撃を無力化シタトデモイウノカ!』
本来ならば電磁結界は蒼き雷霆の雷撃を無力化する事は出来ない。
しかし、本来のチカラが開放されたボクの扱う電磁結界はそのルールを容易く覆す。
これは鎖環で出力を制御されていた時でもそうであった為、それが開放されて十全に振るえるようになった以上、こうなる事は必然であった。
デマーゼルの攻撃は悉く無力化されていく。
ライトニングスフィアも。
ヴォルティックチェーンも。
スパークカリバーは愚か、虎の子で放ったであろうグロリアスストライザーも。
とは言え、これ等の攻撃を無力化するのに全く代償を払っていない訳では無い。
明確にチカラは目減りしている。
ただ目減りしている以上に、ボクからチカラが溢れて止まらないだけだ。
『ナラバ、モットチカラヲ引キ出スマデダ! オォォォォォォォォッ!!』
那由他の星の海宙より
選び手繰りて実と成す
昏き幻想のアルカディア
無限の星詠みを解放した事でデマーゼルの雷撃の出力が更に上昇し、その影響からか体の中心部に存在するコア以外の雷の外装を黒く変質させ、雷撃も紫電が扱う物とは違う禍々しい紫色へと変化。
攻撃は更に苛烈さを増し、少なくとも謡精暴龍よりもずっと驚異的な存在であるのは間違いない。
しかしフェムトと同調していた時のボクならばいざ知らず、今のボクが相手では焼け石に水以外の何物でもない。
その姿はもう、ボクから見れば愚かな
『マダダ! マダ、終ワリデハナイ!』
蒼き信念は畏怖の導
奔る吼雷は終焉の証
砕く霆玉こそ万象の裁定
ヴォルティックチェーンメテオ
デマーゼルは姿を消し、ボク達の居る戦場を数多の鎖が囲み、逃げ場を奪う。
その中央に千切れ跳んだと思しき鎖の破片が球状に集結し、膨大な雷撃が収束。
周囲に雷撃の余波をまき散らしながら、更に鎖が追加され続ける。
それはやがて雷撃で作られた
……このまま電磁結界でやり過ごしても何も問題は無いだろう。
しかし鎖の結界の隙間から見える
「フェムト。借りさせてもらうよ」
煌めくは雷霆纏いし城塞
守護の領域よ 数多に重なり城塞と化せ
ヴォルティックリージョン
右手を迫りくる雷霆の隕石へと翳し、フェムトの扱うSPスキル「パルスサンクチュアリ」をボクなりにアレンジした雷霆の城塞を展開。
そのまま受け止め、膠着状態へともつれ込む。
集束された雷撃同士の衝突による甲高い音が周囲に響き渡り、周囲に衝撃波をまき散らす。
ボクの足元は攻撃を受け止めた衝撃でひび割れ、少しづつではあるが徐々に押し込まれている。
ボクの作り出した城塞を突破する為に囲いの鎖を消失させてリソースの集束を行う事で雷霆の隕石は勢いを増し、ボクを飲み込もうとする。
そんな状況の中、飛来物が雷霆の隕石へと着弾。
それは着弾と同時に細かく分かれ、雷霆の隕石の周囲を飛び交う。
同時に隕石と雷撃の勢いは減衰し、デマーゼルは驚愕する。
『ナ……! 鎖環ノチカラダト!』
『会えて嬉しいよ。デマーゼル』
『きりんだけじゃないわ!』
「オレっち達の事、忘れて貰っちゃ困るぜ」
そこに居たのはチカラをギリギリまで振り絞っているB.Bと、現界しているきりんとアミカ。
彼らはここに居るデマーゼルの居た世界の、最後の生き残りだ。
ヤツを見る三人の視線は憤怒や怨念等と言う言葉では到底表現できそうもない程に壮絶で、何が何でも仕留めようと言う意思をボクは感じた。
故に、彼らのお膳立てをしようと現在進行形でこちらに突っ込んでいるデマーゼルをヴォルティックチェーンを用いて拘束する。
『キ……貴様ラ……! グァッ! コレハ、GVノ……!』
「ボクが動きを拘束する。トドメは任せた」
『ありがとGV。さてと……ホントアンタって、横から掻っ攫うの大好きだよね。イクスの時も、わたしの時もそうだったけど。ま、そっくりそのままお返しさせて貰ったよ。
……………………………裏八雲の、皆の仇!』
『嘗てのわたしだったミチルの恨み……』
「シロン、レクサス、カミオム……オレっちの仲間が受けた苦痛と絶望を、全部纏めて受けて貰うぜデマーゼル!!!」
『何故動ケル! オ前達ハ先ノ戦イデチカラヲ使イ果タシタ筈!』
「生憎こちとら誰かさんのお陰で、超ヤベー極限状態で動くのは慣れてるんでなぁ!」
『行くよ二人共! わたしの動きに合わせて!』
『分かったわきりん!』
「任せな! さあ、地獄へ落ちやがれ! デマーゼル!」
織り連ねしは漆黒の軌跡
因業断ち切る禍威剣閃
戦巫女、死神、龍の巫女が刃の怨念
零式・朧村正
三人の持つありったけの想いを乗せた数多の因業を断ち切る漆黒の剣閃がデマーゼルを捉える。
しかし、ヤツが謡精暴龍を取り込んだ事もあり仕留めきれない。
『まだ動けるの!? でもまだ……!』
『マダ倒レン! ココデ、デッドエンドスル訳ニハ……!』
彼らはもう完全にチカラを出し尽くしてしまっている。
トドメを譲れなかったのは残念だが、仕方が無い。
ボクのこの手で、ヤツを終わらせる。
それに同調する形で、メビウスがボクにチカラを貸してくれた。
「いや、これで終わりにさせて貰う!」
(
殺戮 選択 破滅 覚醒
犠牲 堕天 未来 輪廻
————————拒絶する
両手でボクのおさげと直結したダートリーダーを構え、その銃口を中心に雷撃を収束。
そのチカラの高まりに合わせ、ボクの背中にあるモルフォの翼は大型化し、虹色に輝く。
既にボクの鎖で拘束されているデマーゼルに対し、再びダメ押しの護符による封印が重なった事を確認した後に、トリガーを引き絞る。
放射された雷撃は収束に収束を重ねた結果、あり得ない規模の荷電粒子砲と形容すべきエネルギーの奔流へと変化し、断末魔をあげるデマーゼルを完全に飲み込み、この不可思議な空間の一部に大穴を空けた。
やがてエネルギーの奔流は収まり、辺りに静寂が訪れる。
ダートリーダーの銃身は収束した雷撃の余波に巻き込まれて完全に消失し、残っているのはグリップとトリガーの部分のみと言う有様だ。
……ヤツの放つ禍々しい波動は完全に消え失せている。
戦いは終わった。
デマーゼルの完全消滅を以って。
CLEAR
デマーゼルの消滅を確認したのか、本当の意味でチカラを使い果たしたB.Bはその場に座り込んでしまう。
それと同時にきりんとアミカは再び消失し、彼だけが取り残される。
頭を俯かせていた為その表情は見えなかったが、地面に落ちる涙と嗚咽から、ボクは察する。
彼の世界の詳細はあまり詳しく聞いていなかったが、先の台詞から察するに、B.Bは向こうの世界でもシロン達とは仲間で、デマーゼルはそんな彼らの仇だったのだろう。
今はそっとしておくのが正解だと判断して彼の傍を離れ、倒れていた人達の安全を確保し終わり、シアンにミチルの介抱を任せていたアキュラへと近づく。
アキュラは今のボクの尋常じゃない様子から警戒しつつもこちらへと同じように近づいてくる。
「……終わったのか?」
「デマーゼルは滅びた。今度こそ、跡形も無く」
「そうか」
「……アキュラ、頼みがある」
「なんだ?」
「
「ちょっと待ってGV、何を言ってるの!」
ミチルの介抱をしながら話を聞いていたシアンの声が木霊する。
何故その様な事をする必要があるのかと言う疑問を出しながら。
「今のボクがどう言う状態なのか、キミなら良く分かる筈だ」
「…………」
「ぇ……GV?」
『……GVから観測されるエネルギーは今も尚上昇を続けてる。このままだとボク達にも危険が及ぶ可能性がある位に』
「そんな……そ、そうだ! フェムトくんが居る! 彼ならGVの暴走何て止めてくれる筈!」
「残念だが、今のヤツのチカラを御する事は不可能だろう」
「……嫌。嫌だよGV! こんなに沢山頑張ったのに、追放だなんて! それにどうして、こんな危険なチカラの解放なんてしたの!?」
「……済まないシアン、あの時のデマーゼルと戦うにはこうするしか手が無かった」
こうして会話を続けている間も際限なくチカラが高まり続ける。
今はまだボクの中に居るメビウスが抑えてくれているから何とかなっているが、もう間もなくボクの知るきりんと対峙していた時の状態に陥ってしまうだろう。
それも、あの時以上に高められたチカラによって。
「やだよGV! わたしを置いて行かないで!」
「シアン……! ダメだ! こっちに来ては……ぐぁっ!」
シアンがボクに駆け寄ったそのタイミングで、限界は訪れた。
ボクから迸る暴走する雷撃がシアンへと迫る。
それを読んでいたかのようにアキュラが間に入り込み、その手に持つ盾で受け止める。
「限界か」
「どうやら、そうみたいだ……」
膝を付き、ボクはメビウスの制御から漏れて荒れ狂うチカラの制御に専念する。
顔を上げ、シアンの顔を僕は見る。
目頭に涙を溜め心の底から悲しそうな表情をボクの視界は捉える。
……確かにボクはシアンを守る事は出来た。
しかし、彼女の心を守る事は出来なかったようだ。
彼女の想いを知りながら、居なくなろうとしているボクは最低だ。
しかしもう、こうするしか世界を救う方法は無い。
頼みの綱の鎖環を扱えるきりんもB.Bがチカラを使い果たして燃え尽きてしまっている為、姿を現す事が出来ない。
その上、あの時ボクを封じる事が出来たのはZEDΩ.と彼の歌姫のチカラも合わせていたのもある。
代わりとなり得るシアン達もチカラを使い果たしている以上、本当にどうしようもないのだ。
「アキュラ……頼む。まだボクの、理性が、残っている内に……!」
アキュラは目を瞑りながら悔しそうな表情をにじませた。
やがて決心したのかボクの懇願を聞き、その手に持つ複雑な銃の様な物から緑色の光が溢れる。
そして、そのチカラがボクに向かって放たれようとしたその時、彼の表情に変化が現れた。
「何……メビウス? ……時間を稼げだと? ……そうだな。悲劇にはもううんざりしていた所だ」
「……アキュラ?」
最初は困惑していたその表情は、やがて新たに決意を固めた表情へと変化し、戦っている最中の鋭い視線をボクへと向ける。
それはまるで、何かを確信したかのように。
「生憎だが、お前の頼みを聞く訳にはいかない」
「な……!」
『あ、アキュラくん!?』
「メビウスがオレに語り掛けて来た。『漸く見つけ出す事が出来た』と」
見つけ出す?
それは一体……
そう思った矢先、この空間の入り口から
その肩にはジーノが乗っており、真っ直ぐこちらに迫って来る。
やがてその戦車は倒れているフェムトの傍で止まり、中からアメノウキハシで事後処理をしていた筈のアシモフが降りて来る。
「アシ……モフ」
「遅くなって済まなかった。状況を説明して欲しい」
「……時間が余り無いから手身近に話す。今ヤツはチカラの暴走を引き起こそうとしている」
「マジかよ! って言うか、GV背が伸びてねぇか?」
《本当ね。これも蒼き雷霆のチカラの一端なのかしら?》
「これを何とかするにはある程度時間を稼ぐ必要がある。……手を貸してもらうぞ、アシモフ」
「良いだろうデンジャラスボーイ。お前と手を組めばオーガにバットだからな。それに暴走する辛さを、私はよく知っている。……例え違う
「そう言うこった! ここで見捨てたとあっちゃあ後味悪すぎだからな!」
《それはそうと、シアンちゃんを泣かせた罰は、後できっちり受けて貰うつもりよ。……だからGV、貴方は私達が必ず何とかするわ》
「アシモフ……ジーノ……モニカさん……!」
「……行くぞ、ロロ」
『OKアキュラくん!』
「自分のチカラに負けないで! GV!」
「アキュラ……ロロ……シアン……!」
そして遂にチカラの高まりはボクの制御からも離れ始め、身体があの時の様に勝手に動き出す。
目の前に居る彼らを殲滅せんが為に。
ボクの望まぬ戦意を感じ取った皆はそれぞれ戦闘態勢へと移行する。
アシモフが今ではもう役目を終えている【雷霆のグラス】を外し、蒼き雷霆のチカラを開放。
ジーノはシアンを避難させ、倒れている仲間達の直衛に入る。
アキュラはロロをモード・ヴァルキュリアへの変身を指示し、身構える。
そうして戦いは始まった。
ボクを倒す為の戦いでは無く、助ける為の戦いが。
「これは……
理越えし蒼き福音
我が
創世総壊、雷の徒たれ
アンリミテッドヴォルト
アシモフは開幕から自身のチカラを開放し、ボクに対して雷撃麟を展開しながらの突進を慣行。
ボクはそれの直撃を受ける。
デマーゼルとの戦いでは何も遠慮せずにチカラの解放をしていたから電磁結界が発動していたが、今ボクは全力でチカラを抑えに回っている為、発動が抑制されている。
しかし、この状態も長くは続かないだろう。
『ハイドロザッパー!』
「ダメ元だが……!」
ロロのビットから特殊な電解質を持った超高水圧が、アキュラの盾にマウントされていた銃から
これら二つの武装はそれぞれ蒼き雷霆に対して高い効果を発揮する。
但し、チカラを開放する前の話になってしまうが。
『嘘! 着弾する前に蒸発しちゃうなんて!』
「こちらも同じ結果とはな」
「正に
超高水圧は着弾前にボクのチカラの余波で電気分解されつくし、漆黒の弾丸も同じようにボクに到達する前に消失。
ボクの知るきりんのイマージュパルスでの漆黒の弾丸の時は直撃させて時間稼ぎする事も可能だったのだが、今はその時以上にチカラが高まっている為どうしようもない。
そんなボクの思考とは関係無くボクの身体は勝手に動き出し、アキュラ達に複数のグロリアスストライザーを蒼き雷撃の軌跡を残しながら飛ばすと言う暴挙に出る。
それに対してアキュラ達はそれぞれ回避に専念する事で避けてくれているが、それが何時まで続くかは未知数だ。
「アキュラ! 今からでも間に合う! ボクを飛ばすんだ!」
「断る。非常に気に喰わないが、貴様を飛ばすとミチルが悲しむからな」
「なっ!? アキュラ、キミは……!」
「世界と妹の気持ちを天秤にかけるつもりかと言いたげだな」
『GV? アキュラくんはね、勝算が無きゃこんな事しないんだよ』
「そういう訳だ。分かったら気合を入れてチカラを抑えろ。ミチルを泣かせる気か」
「全く……キミと言う人は! 以前は悪鬼羅刹だの、神の摂理に背くだの言っていただろうに!」
「随分と昔の事を掘り出してくれるな」
『昔のアキュラくんはそうだったよねぇ~』
「……いや待て、何故その事を言いだす? お前には話していない筈だ」
「蒼き雷霆の意思と記憶を統合して知ったんだ!」
「なるほど、ソイツはオレの知る
「話を戻すけど、エデンとの戦いが終わった時なんてキミはボクに対して八つ当たりをするし、挙句の果てにシアンを守れなかったボクに『ハミングでも口ずさんでいるんだな』と来た! 今だから言うけど、アレは本当に腹立たしかったんだ!」
『えぇ……アキュラくん、それはちょっとヒドくない?』
「待て! 流石に身に覚えが無いぞ! お前のその話はここに居るオレの事ではあるまい!」
統合した記憶を元にした言い争いのお陰か、図らずともチカラの抑制が強まり、ほんの少しだけ動きを鈍らせる事に成功する。
その機を逃さずにアシモフはボクを拘束する為にヴォルティックチェーンを発動。
ボクの動きを一時的に拘束する事に成功する。
「くっ! アシモフ……!」
「
「もう少しの筈だ!」
「ならば今ある私のチカラ、全て引き出す! 行くぞ、GV!」
万象統べし蒼雷よ
我が憤激の楔となりて
愚かなる運命を抹消せよ
ヴォルテクスレイジ
アシモフが持てるチカラを全て解放し、更に強い拘束力を持った鎖でボクを拘束。
その後、複数のライトニングスフィアを始め、スパークカリバーからグロリアスストライザーの連撃を叩き込み、最後に全身に収束させた雷撃をボクに叩きつける。
それと合わせ、アキュラも動き出す。
集う、集う、光が集う
龍を救う為の輝きが集う
雷霆の心臓より供給される調律の閃光 今ここに
ハートブレイザーフォーカス
アキュラの前方に円陣を組んだビットが回転しながら集結し、チカラが収束される。
それを中心にアキュラが銃を構え、引き金を引く。
そこからはアミカとの戦いの時よりも収束された光がボクに向かって放たれる。
その光はフェムトの持つ青き交流を模倣したチカラが込められており、それはボクが行っているチカラの抑制を大いに助ける一助となった。
そんな中、アシモフが声を上げる。
「ニコラ! 何時までダウンしているつもりだ! いい加減ウェイクアップしないか!」
「……全く、おっさんをこき使いやがって……!」
「こんな時ばかり
「んだとぉ!? 舐めんな! オレはまだジジイじゃねぇ!」
我が舞うは雷の舞
大地を潤す煌めく稲妻
春雷よ 冬を切り裂き春を告げろ
アシモフが発破を掛けた事で戦線に復帰したニコラが放つのは第七波動では無い別の波動を用いたSPスキル。
それはかつてこの世界のアシモフの暴走を抑制するのに使われた物だとボクは聞かされている。
実際、この舞から放たれる温かな雷は更にボクのチカラの抑制に成功……したかに思えた。
しかし度重なる抑制が原因なのか、ボクの中に眠るチカラがそれに対抗する為にボクの意思とは関係無く唸りを上げ、彼らの決死の抑制が全て解き放たれてしまう。
それに気が付いたボクは即座に声を上げたが、突発的だったのと大技を放った後だった事もあり、皆はこのチカラの解放に対応しきれなかった。
「皆逃げろ! グァァァァァァァァァァ!!!!!」
「何!?」
『うわぁ!?』
「かはっ!?」
「マズ……!」
この雷撃の衝撃によってアキュラは盾を全損し、アーマーも半壊。
ロロはSPスキルの際に背中にドッキングしていた為奇跡的に本体は無傷だが、ビットは全損。
アシモフは咄嗟に自身の雷撃を防御に回したが、アキュラと同じようにボクの雷撃の直撃を受けてダウン。
ニコラは辛うじて受け流す事に成功したらしいが、その代償として手に持つ鉄扇が解け落ちてしまっている。
実質壊滅状態に陥ってしまった彼らを後目に、ボクは何とか荒れ狂うチカラの暴走がシアン達の元へと届かぬよう必死だった。
しかしボクの努力は虚しく届かず、いよいよシアンに雷撃が触れるその瞬間。
(な!?)
(
(間に合った?)
(
(調律のチカラ……まさか!)
辛うじて動かせたボクの眼は、起き上がったフェムトを捉えた。
彼はアシモフがここまで来た時の脚として使っていた戦車の上に、いつかの時と同じ姿勢でこちらを見据えていた。
その姿は完全にきりんの衣装の色違いの姿となっており、その手には麒麟デバイスでもある錫杖型の仕込み刀があった。
フェムトが使っていた鉄扇は、リトルが扱っていた鉄扇と合わせて彼の周囲をX字に回りながら防御結界らしき物を形成し、彼を守っている。
そして、彼の背後に飛んでいる
この構図は
……彼のチカラは以前の時と比べて確かに増しているが、単純な出力は相も変わらずこちらが圧倒しているのは変わらない。
しかしアキュラ達が、メビウスが彼が目覚めるのを待っていた事には意味がある。
そう信じ、ボクは再び彼と対峙したのであった。
この世界で初めて彼と出会った時の事を思い出しながら。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。
ここ以降は独自設定のオマケ話みたいな物なので興味の無い方はスルーでお願いします。
〇STRIKの色の変化について
今のGVの記憶と
本格的に鎖環GVとしても振舞うようになった事を表している。
〇世界を破滅させるチカラについて
鎖環のトゥルーEDの追加演出にて、「GVが生きている限り、世界の破滅は免れない」と言う因果を主軸とした物。
ソレによる運命の強制力は相当で、あの無限の星読みですら破滅していない未来を選べなかった程。
〇ライトニングスフィア同士の相殺について
鎖環で追加されたアシモフ戦で実はライトニングスフィアを纏ったアシモフの突進を同じくGVのライトニングスフィアでの相殺が無印の時の雷撃麟相殺と同じ感覚で出来る事から描写に採用しました。
それ以外に鎖環でアシモフが実装された影響を沢山散りばめていたりします。
〇デマーゼルの雷撃を電磁結界で回避した件について
これは鎖環GVの被弾時の演出をそのまま持ってきた感じで、GV操作時はどんな攻撃も電磁結界で回避できる所を描写した感じです。
〇ヴォルティックリージョンについて
GVがフェムトのパルスサンクチュアリを参考に自身の雷撃で再現したSPスキル。
フェムトの物とは違って退魔のチカラは無いが、その分より強固な城塞として機能するようになっている。
〇零式・朧村正について
きりん、アミカ、B.Bの終末世界における生き残りである三人がチカラを合わせたSPスキル。
彼等の様々な言葉では表せない程の強く暗い感情を乗せて叩きつけられる奥義。
零式なのは裏八雲に存在しない奥義であると言う意味でもある。
名前の元ネタは和風アクションゲームの【朧村正】から取っています
〇
プレイヤー操作である為、ラスボス時とは少しアレンジした形に内容を変更している。
主に広範囲に雷撃をまき散らす部分をおさげとダートリーダーを接続できる設定も合わせてゾイドシリーズに出て来る荷電粒子砲をもっと凄くした感じへと変更している。
〇ハートブレイザーフォーカスについて
フェムトのチカラを模倣した閃光を放つハートブレイザーの派生SPスキル。
集束率がより高く設定されており、より効率よくGVにチカラを投射する。
しかしフェムトのチカラの模倣であると言う点から、暴走したGVに対しては時間稼ぎ程度しか出来ない。