フェイト/デザートランナー   作:いざかひと

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 前回までのあらすじ
 敵の爆発を至近距離で受けた961。その意識は、ある男の声を聞いて目覚める。
 不鮮明な視界の中で何とか見えたものは、2人の『英雄』。
 英雄の1人、イアソンは961のことを「アルジュナ」と呼んだが、直ぐに間違いに気が付き訂正をする。
 イアソンは「頑張りすぎるな」と彼に言葉をかけ、大勢の思念を連れて去っていってしまった。

 アンとメアリーに起こされた961は、ドレイクの無事を確認する事を彼女達に任せ、自らの体の傷を確認する。
 『砂塵の迷宮』という場所の特異さもあってか、ややダメージは残りつつも体は治っていた。
 やってきたガレスに対し、盾を勝手に武器として使った非礼を詫びる961。そんな彼に合わせたい人がいると彼女は言う。

 彼を待っていたのは、『射手座の機械化サーヴァント』の核として惨たらしい姿に改造されていたケイローン、その人だった。
 もうすぐ消えてしまうであろう彼は、最後の力を振り絞って言葉を紡いでいく。
「尊厳と心の恩人に触れさせてほしい」と言った彼の願いを汲み、ガレス、アダム、961は自らの体へ触れさせたのだが、ケイローンは961に対し、奇妙な反応を見せる。

「サーヴァントでありながら霊基が完成しきっていない」
 似たような言葉をいわれたことがあると、961が思い出したのはダユーの発言。

『育つって未知よ、何も分からないの!』
『変な人。あなた、まだ自分がサーヴァントだと思っているのね』
 全く傾向の違う2人から放たれたよく似た言葉。
 自分の存在に疑問を感じた961は、己の記憶を掘り返してみた所──知っているのに知らないサーヴァントが、ぬるりと現れ出た。
 バーサーカー04とほぼ同じ見目形をした男は、身勝手に961を応援し、『ファンボーイ』とまで自称する。
 出所の分からない自らの記憶に困惑する961であったが、ケイローンの消滅が近づいたことにより、我へ返った。
 ケイローンは最後に、世界と961達の幸福を願う祈りの言葉を発し、金の粒子となって空に昇っていった。

 ドレイクの無事も確かめられ、戦闘後の後処理も済んだ頃、日は傾きかけていた。
 アダムに対して報酬をせっつくドレイク。取引に従い、アダムは情報を開示していった。
 一つ、『砂塵の迷宮』はその特異性を無くし、簡単に脱出できるようになったということ。
 二つ、地下都市より逃れた人間達は、レジスタンス組織『アカツキ』、『マヒル』、『トコヤミ』の三つに別れて保護、というより所有されていること。
 961は、レジスタンス組織の名前を既に知っていたという事実は彼女達に隠した。

 アダムは言葉を続ける。それはギルガメッシュ王も言っていたこと、ドレイクの船では『最後の海』を突破できないという残酷な事実。
「あらゆる海に関する災厄や呪いがぎゅっと詰まった」と情報を付け足したアダム。
 それを知ってもなお、ドレイクはひるむことなど無かった。

 961は、ドレイク達についていこうかと迷いながら口にしたが、彼女からあっさりと断られてしまうのであった。


第108話 人には人それぞれの旅路

 

「別に一緒に旅する必要はないって話さ。分かるだろう?」

「そうかもしれないが……」

 時刻は更に進んで夜。

 俺は、ドレイクが甲板上に並べた荷物を数えているさまを眺めながら、立ちすくんでいた。

 

「アーキマン、アタシ達は海賊。

 アンタは戦士、それもお綺麗な戦い方をする戦士様さ。

 違い、何か分かる?」

「違い、とは」

「考え方、価値観だよ」

 荷物の正体は、機械化サーヴァントから回収できた相当量の『液体リソース』だ。

 砂漠に崩れ落ちた敵の体を検分したところ、内側で半透明のタンクに詰められ、分割して保管されていたものをそのまま手に入れることが出来た。『砂塵の迷宮』の外では、これを用いた魔力の補充が必要となってくるだろう。

 彼女はタンクを手で押し、横に揺らした。中身がちゃぷちゃぷと波打つ音がする。

 

「アンタ、この液体の正体を知ってるかい」

「知っているし……その作り方も」

 何年も前から知っていた。カイヤが俺に教えたからだ。

 それを知っていてなお、俺はこの液体を受容し続けていたのだ。

 ケイローンは自らを『怪物』だと称していたが、異形の霊基を持ち、人食いと同族食いを重ねていた俺も十分怪物だろう。

 

「アタシも初めて知った時は驚いたもんさ。

 あれは地下都市から逃げる途中の……まあこの話は余分だね、忘れとくれ」

 甲板の上を撫でた風が、彼女のマゼンタ色の髪を揺らす。

 

「でも、出来るならばこの液体を使いたくなかった。そうだろう?」

 俺は肯定の意味でうなずいた。

 

「今の俺、親友と同じ顔をしていたか、ドレイク」

「いいや全然。でも、お人好しの顔はいつもしてるねえ。

 悪党の目から見れば、アンタは良いヤツだって直ぐにバレちまうよ」

 彼女からのほめ言葉にも似たそれを受け取り、俺は口の中に苦いものが広がるような気分になった。

 全ては『アルジュナ』を取り戻すため。……そんな建前に縋っては、『液体リソース』を啜り続けていたのだから。

 良い奴でも何でもない、脆弱なだけだ。

 

「もしガレスが俺のように真実を知って、これからの旅路で『これ』が必要になってくるのだと知れば……」

 目を伏せ、考える。けれど、あの少女騎士がどのような反応を見せるかは分からなかった。

 

「あの子に不思議なリボンが巻き付いていて、それがちょっとの魔力を補っているのは知ってる。

 けど、今回みたいな戦いや旅を続けていれば、あのリボンにも限界が来るはずさ。

 背に腹は代えられないって時が来るだろうね」

 ドレイクの声を受けて、瞳を開ける。

 

「ガレスに、真実を伝えたのか」

「──言ったよ」

「っ、彼女はなんと」

 俺は、船の下でアダムと会話している彼女を横目で見た。

 

「『戦う力を得る手立てがそれ以外無いとしたら、迷わず使います』、とさ」

「……そうか」

 ガレスはその言葉をどんな表情で、決意で言ったのだろう。俺には想像する事しかできない。

 だがきっと、生半可な覚悟では無かった筈だ。

 俺のように言い訳もせず、彼女は決断した……。

 

「アーキマン、あの子とアンタは似た者同士ってこと」

「彼女の方が気高い」

「でも根っこはおんなじ良い子ちゃんさ。

 アタシ達みたいな、海賊にでもならないと生きていけなかったヤツとは違ってね」

 ドレイクはタンクを数え終わったのか、腰に両手を当て、背伸びをした。

 

 

「これから先、同じ道を行ったとしたら、絶対に価値観がすり合わせられない時が来る。

 『液体リソース』を飲む以上の悪逆に手を染めなきゃいけない事だってある……かもしれない。

 そん時、アンタ達と切り合いたくはない、船の上での争いごとはごめんだよ」

「だから俺達を船に乗せないのか。良い子ちゃんらしく、別の道を行けと?」

「そうさ。アタシらは悪人、アンタ達は善人だからね」

 わざわざ理由まで教えてくれるだなんて、この人も大概善人と見える。

 

「それに、もう一つ理由はある」

 彼女の唇の動きが、やけにゆっくりと見えて、知っている形をつくり出した。

 

「『アルジュナ』」

 俺は黙って次の言葉を待った。

 

「……って、さんざんあの機械化サーヴァントが言ってたろう」

「だから、なんだ」

「怖い顔しなさんな。そんな態度とられたら、誰だってアンタが『アルジュナ』と深い関りがあるって気が付いちまうよ」

 無意識のうちに、怒りの表情となっていた顔を元に戻す。

 

「何の関係があるのかって、別にアタシは聞かないけど、隠し切れなくなる時は来るさ。

 それを先延ばすためにも、別々の道を行った方がいい」

 自らの状態をどのように表現すればいいのか、俺は十分な言葉を持たない。

 アスカにすら真実は言ってないのだから。もっとも、あの子は聡いから気が付いているかもしれないが……。

 

「アタシ達は『最後の海』を越える方法を探す。悪人らしくね。

 アンタは、誰もが納得できるような別の道を探してみな」

「善人らしく、か」

「ああ。

 その果てにもう一度道が交わることも……ある。

 そん時までには、『最後の海』を越える方法を見つけておくよ」

「……ガレスがどうしたいか、聞いてくるよ」

 俺の行く道は決まった。後は、俺と同じ場所でドレイク達に拾われた彼女の意見を知らなければ。

 

「──ガレスはもう決意を固めていますよ、アーキマン殿」

 慌てて振り向いてみれば、船の端から彼女が登ってくるところだった。

 

「ついていきます、当然ではありませんか。

 だって、貴方のことが心配なのですもの」

 少女騎士は目じりを柔らかく下げたまま言葉を続ける。

 

「とても強いのに、どこか危なっかしくて、誰かに頼るのもまだ下手で。

 それに……アーキマン殿を見ていると、『我が王』を思い出してしまうから」

()のアーサー王を?」

「ええ。

 ブリテンの赤き竜、常勝の王にして永遠の王、白亜の城の主たるあの方を」

 話ながらガレスは、両手の人差し指をくっつけていた。

 

「ガレスは色々と事情があり、我が王の戦いを最後までお支えできませんでした。

 人らしく未練もあります。ですので、どこか似ている貴方をお手伝いできればなー……と。これが私の素直な気持ちです!」

 直ぐに言葉を返せなかった。そんな俺を心配そうに見ながら、ガレスは首を傾げる。

 

「……ご迷惑でしょうか? やはり、ドレイク卿達についていった方が良いでしょうか?」

「迷惑だなんて、思ってもないよ!」

 とても嬉しい申し出だった。俺は首を縦に深く振る。

 

 

「なら、良かった!」

 彼女は満面の笑みを見せることで、俺に気持ちを伝えてくれた。

 

「アーキマン殿についていくのでしたら、ドレイク卿とは一度お別れですね。

 拾ってくださったことを含め、ありがとうございました」

「堅苦しい礼なんて要らないよ。

 それよりさ、伝説の円卓の騎士を船に乗せられたこと、他の奴らに自慢しても?」

「どうぞ! 

 あっ、でも、ガレスで良いのでしょうか……。

 ランスロット卿や兄様達のような高い水準の騎士の方が、自慢になるのでは?」

「さてはガレス、アンタ自分の人気の高さを自覚してないね?」

「えっ? ……ええっ!?」

 船乗りと騎士の会話を耳に聞きながら、俺は天を見る。

 輝く星の光も、今は恐ろしくは無かった。

 

(女神リリスのこと、天を支配する兵器『ヴリトラ』のこと。

 聖杯のこと、トワ・キリエライトのこと。

 俺の記憶に挟まっていた、バーサーカー04とよく似た男のこと。

 そして……アスカの生き死にのこと)

 問題も謎も山として積まれている。

 それでも今の俺は、前に足を進めていきたい気持ちだった。

 ──だって、俺はまだ生きていて、同じ道を行く頼もしい仲間がいるのだから。

 

 

 

 翌日。

 

「400年前の英雄とその仲間たち。そして偉大なる賢者ケイローンへ。

 気持ちだけじゃないよ、()()だって置いていく」

 言いながら、ドレイクは砂漠にプラスチック容器に入った酒を備えていく。アン、メアリー、ガレスがその動きに続いた。

 

(酒、まだ取ってあったんだな)

 内心思いつつも、俺は静かに光景を見つめた。

 

「アンタが船を遺してくれたおかげで、アタシ達は冒険の旅に向かうことが出来る」

 ドレイクは地面に膝を付けながら優しく語りかけているのは、小さな岩を突き立てて作った簡易的な墓碑だ。

 

「400年もの間、船を保たせ続けたんだ。どんな偉大な英雄だって、向こう見ずの冒険野郎にだって、出来ない芸当さ。

 ……勇者にして王、キャプテンイアソンとその仲間たちに!」

 立ち上がり、海賊帽を胸に当てて敬意を表した彼女に続き、メアリーは立ったまま目を閉じて祈りを捧げ、アンはマスケット銃より礼砲を空へ撃った。

 ガレスは砂に両膝を付け、厳かな雰囲気を纏いながら黙とうをする。

 皆、思い思いの方法で感謝を示していた。

 俺も、古い英雄達へ向け、心の中で言葉を呟いた。

 

(ありがとう)

 この想いが、どうか世界の外、死者の眠る場所まで届けばいいと考えながら。

 

 

 

 

「僕、やっぱりアーキマンについていこうかなー」

「ダメです、メアリー」

「アンのけち」

「しかし珍しいですわね、貴方がそこまで懐くだなんて……」

「いや、あっちの方が刺激的そうだなって思って」

「もう! 海賊らしいこと!」

 礼を伝えた後に、別れの時間がやって来た。

 上より、気心しれた2人らしい会話が耳に流れてくる。

 俺とガレスは、陽光をたっぷりと帆に受けている船を地上より見ていた。

 

「じゃあねー! アーキマン、ガレスー!」

「お元気でー!」

 メアリーの軽い調子の別れの挨拶に、少女は手を振って答える。

 俺は礼をすることで返した。

 

「アーキマーン!

 宝の地図でも見つけたら、アタシ達のために取っといておくれよー!」

「それでは、失礼しますわー!」

 アンとドレイクが俺達に向けて話しかけてくれた言葉を最後に、船は砂を削りながら旋回し、ゆっくりと離れていく。

 別れの間際、ドレイクの瞳がダユーを思わせる琥珀色に輝いたのは、きっと見間違えでは無いだろう。

 俺とガレスはしばらく船出を眺めてから、ほぅと息を吐いた。

 

「じゃあ行こうか、ガレス」

「はい、アーキマン殿」

 そして、砂丘の陰に隠していた()()()()に向かい歩いていく。

 

「アダム、本当にこれで行けるのか?」

「元々……機械化サーヴァントって、サーヴァントの可能性拡張のための計画でしたので、()()はある種本来の使い方と言いましょうか、なんと言いましょうか」

 自らの四角い体を左右へ揺らしながら、アダムは俺の懸念に答える。

 

「でも、これを使えばアーキマン殿の体の問題も一時解決、なのですよね」

 ガレスが()()をぺたぺたと手で触りながら言う。

 

「その通りです! ……ガレス嬢。

 偽装表面のおかげで『ヴリトラ』に狙われる危険性も低く、船より早くてコンパクト、なおかつロマン&エレガンスです」

 アダムはわざわざ後ろ二本足で立ち上がると、人間のように胸を張った。

 

「浪漫……か」

 海賊達が口にしていたこと、今なら分かる気がする。

 確かに()()は、誰もが胸躍らせる浪漫だろう。

 

「時間をいたずらに浪費するわけにもいかないし、これに詰め込んである『液体リソース』だって無駄にしたくない。

 使ってみるが……補佐はアダムがしてくれるんだよな?」

「毎秒事に再計算するとか……いかにサーヴァントと言えどまだるっこしいでしょう」

「できなくはないが」

「サーヴァントなのにAIと張り合うとかやめてください……。

 旧世界のことわざを借りれば、『餅は餅屋』です。得意な私にお任せあれー」

 アダムが内部に潜り込んでいった。

 

「ガレスは後ろに」

「しっかりついていきますね」

 彼女は鎧姿のまま後方へ移動していく。

 

「……いくか」

 目の前にした今でも、『まさか』という気持ちが強い。

 賢者ケイローンが残した言葉のまま、()()が俺の助けになってくれるとは思っていなかったからだ。

 覚悟を決めつつ、俺はアダムが先にしたように内部へ入り込む。腕が無いとこういうところでも苦労した。

 

「目的地は、レジスタンス組織の一つ『マヒル』、その移動要塞」

 意識が伸展されていく未知の感覚にくすぐったさを覚えながら、前を見据えた。

 

「──発進!」

 ブースターが点火し、空気が焦げていく音と臭いが漂ってくる。

 

「俺に出来ることをするよ。

 まずは……足を動かすことから!」

 それらも過去の未練と共に置き去りにして、俺は『砂塵の迷宮』より旅立っていった。

 

 

 第108話 人には人それぞれの旅路

 終わり

 

 

 第19章 砂漠行く賊なんという?

 終わり




 登場キャラクター紹介
 

 終末世界のライダー

 クラス:ライダー
 真名:アン・ボニー&メアリー・リード0144
 マスター:なし(魔力的な契約で繋がったマスターは存在しない)
 所有者:爆死した

 2人で1騎のサーヴァント。歴史に語られる女海賊。
 この世界に召喚されてからは、見目の良さからオークションにかけられ、様々な所有者の間を転々としていた。
 地下都市で退屈な日常を過ごしていたが、突然の聖杯戦争開催と内乱により所有者が死亡(爆死)し、自由の身となる。
 所有者のことをメアリーは少し気に入っていたため、少しショックを受けた。アンは偶然にも目にしていなかったため、傷心せずに済んだ。
 その後、憧れの人物であるフランシス・ドレイクと出会い、意気投合。『砂塵の迷宮』へ挑むこととなる。

 アーチャー961のことを気に入ったのは、「良いやつだけど何か抜けてる」、「見た目が良い」から。
 これから先の旅路でまた出会うことがあったとしても、元気でやっているだろう。

 
 終末世界のライダー

 クラス:ライダー
 真名:フランシス・ドレイク0016
 マスター:なし(魔力的な契約で繋がったマスターは存在しない)
 所有者:なし

 16世紀、世界一周を生きたまま初めて成した航海者にして、大海賊。悪魔(エル・ドラゴ)と呼ばれた存在。Fate世界においては女性。
 別世界の縁でもあったのか、フランスの伝説の海賊公女『ダユー』と混ざった状態で召喚された。
 なので若干の性格変化がある。具体的に言うとやや意地悪でネガティブとなっている、そうは見えないよう努力はしているが。

 この世界において、フランシス・ドレイクは珍しい存在だった。なので高値で取引されようとしていた矢先、地下都市が争いに巻き込まれ、所有者も無く自由の身となる。
 その後、アンやメアリーと出会い、レジスタンスからは『楽園』の噂を、リリスのキャスターからは『伝説の船』の話を聞き、この珍妙な世界に俄然興味が湧いた彼女は、真実という『宝』を得るため冒険の旅へ赴く。

 新たな船を手に入れ、彼女は地図も無い航海に旅立った。
 これから先の旅路でまた出会うことがあったとしても、元気でやっているだろう。
 
 ちなみに、ダユーとは『ある場所を治めた者』という共通点があったりする。もっとも、ドレイクはその地位(プリマス市長)を、戦いの場へ戻るがために手放してしまったのだが。


 ダユー
 クラス:?
 真名:ダユー
 マスター:なし(魔力的な契約で繋がったマスターは存在しない)
 所有者:なし

 フランス、ブルターニュの土地に伝説在り。
 一夜にしてある都が水に沈んだ。
 その都の名はイース。
 都は美しく、享楽に満ちており、ひどく残酷な女が治めていたという。

 伝説に謳われる海賊公女。グランドロン王の娘。
 別世界の縁でもあったのか、イギリス史に燦然と刻まれた海賊『フランシス・ドレイク』と混ざった状態で召喚された。
 なので若干の性格変化がある。具体的に言えばポジティブになり、残酷さも少しだけ鳴りを潜めた。

 戦闘においては、妖精と契約していた逸話から、不可思議な力を用いてドレイクをサポート。『射手座のサーヴァント戦』では、妖精の力を使って船の速度を無理やりに上げ、宝具を使う彼女を助けた。   
 また、『奪う力』を用いることで他者のものを己のものに変えることが出来る。アルゴー号をドレイクの船へと改造できたのもこの力のおかげ。

 ドレイクのことは気に入っている。いつか何もかもを艶やかに奪うつもり。
 961のことは気になって仕方がない。だって、自らを『サーヴァント』だと信じている可愛い愚か者なのだから。
 でも真実は、自らの手で暴いて知った方が甘美で残酷だと考えているため、ヒント以上のことは言わなかった。
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