怪我のため、2日ほど伏せっていたモモ。その間に彼女を取り巻く状況は大きく変化していた。
移動要塞に避難してきた沢山の人々、戦えない人の中で膨れ上がっていくサーヴァントへの期待……。
そんな風に変わっていく世界の中でも、モモの友を思う気持ちは変わらずで、彼女はアスカと会うべく外に出かけた。
待ち合わせ場所で合流してから、表通りに移動した時、アスカを見つけた人々が集まり出してしまった。
「救世主」とまで呼ばれ、慕われるアスカ。けれど、『予定』がある2人は強引にその場を抜け出す。
友が慕われ、立派になっていたことに喜ぶモモだが、言葉を返すアスカの顔は暗く、秘密を抱えたままの両者の間で交わされる会話はぎこちない。
モモは自らの秘密、短い寿命のことを言い出せず、押し黙る。
そして2人は『予定』……レジスタンスの会議に出席するため、先を急いだ。
会議室にはアーチャー961がいた。彼の格好だけでなく、雰囲気まで柔らかなものに変わったことに気が付いたモモ。
世間話をしている間に、部屋に人が集まり始める。
レジスタンスのリーダーであるミライ。お付きの少女であるノイン。
通信機越しで会議に参加したのは、『グラン・カヴァッロ』ことダ・ヴィンチちゃん。
961と共にやってきた謎のロボット、アダム。
ミライに呼ばれていた全員が揃い、話が始まる。
リーダーである彼女は、唐突に961へ頭を垂れると、彼を「英雄」と呼び、「言い伝えの通り、我らを導いて欲しい」と言う。
態度の変わりように混乱する961とアスカ、モモ。
ノインはミライの代わりに言葉を紡ぐ。
「レジスタンス『アカツキ』の秘密の場所」に、皆を案内すると。
巨大移動要塞『カルナ』は、大雑把に言うとカブトムシのような形をしている。
人々が暮らしている涙型のドームはお腹。それを支える無数の多脚が下部にあって、夜間はドームの蓋として機能し、日中は横へ広げられているソーラーパネルは甲虫の羽根と言えるだろう。
ドームから真っすぐ上に伸びているエレベーターと、その先っぽにある会議室や作戦室、連絡室は角。
今、ノインに案内され私達が向かっているのはお腹の下の方、限られた人間しか入ることを許されていない、隠されていた空間だ。
「私……話したいこといっぱいあったのになー、『アーキマンレポート』とか『Aプロジェクト』のこととか」
「アダムさ……アダム、後で話す時間、作りますので」
ワイヤーめいた四本足で歩きながら愚痴ったアダムを、ノインが諫めている。
ミライちゃんも態度を急変させていたが、ノインの様子もおかしく見える。アダムに対し、配慮しているというか、敬っているかのような素振りを見せていた。
「到着です。アーチャー961、ここが『約束の場所』に繋がる封じられた門」
私達は足を止め、ノイン以外一様に言葉を失っていた。
打ちっ放しのコンクリートの床、天井から注ぐ人工灯は、月を思わせる青と白。空気中に漂う埃が、光を受けてきらきらと光っている。
そして目の前にあるのは、装飾も飾り彫りも無い石扉。大きさにして高さ20m、幅も10mはあろうか。
「リーダーミライ、この扉は」
アーチャー961に呼びかけられた彼女は、暗い表情のまま扉の前に立ち、彼へ告げる。
「今より何百年と前、我らに力を貸してくれた魔術師──額に癒えぬ傷を持つ赤髪の男が作成した、魔術による封印が施された扉です。
我らが英雄、どうかこの扉を開き、約束を成した場所へと至ってくださいませ」
「開けと言われても……」
彼は石扉に近づき、じっくり眺めたり、足先でこんこんとノックをしてみたりするが、扉に劇的な変化は無い。その様子を、離れた場所より私達は見守っていた。アスカは今にも駆け寄りたそうにしていたが、ハラハラするだけにとどめ、我慢しているようだ。
「それにしても……よく考えられています」
いつの間にか、私の足元にアダムがやってきていた。彼はしみじみといった様子で呟く。
「リリスの手先であるAIが例えここまで攻め込もうとも……魔術による封印がされていれば、敵方はそれを破れず諦めるしかない」
「AIって、魔術使えないの?」
いかにも質問してほしそうな呟きだったので、私は聞いてみた。
「はぁい。だから……サーヴァント使ったり、機械化サーヴァントを探したり修理したりしているんですね」
「そう……なんだ」
アダムの言葉を聞き、私の常識は揺さぶられた。
生まれてからずっとAIに管理されたせいか、AIは何でも出来ると考えていたから、『出来ないことがある』なんて思いもしていなかった。
「リーダーアカツキ、封印を解く方法について、君は何も知らないのか?
例えば伝え書きなどとか」
「今は去った赤髪の魔術師より、ある言葉のみ
『英雄が望めば、自然に開く』と」
「望めば、自然に」
アーチャーはざらざらとした石の表面を、油断ない目つきで観察している。
私も背伸びして、扉を上から下からまんべんなく見てみるが、文字も絵も描かれていないその表面に、開くヒントがあるようには思えない。
「つまりこうすればいいんだろう。
──開け」
扉を見上げながら彼が宣言した瞬間、空間が振動を始める。
石扉が床のコンクリートに削り跡を付けながら、ゆっくり、ゆっくりと、彼を奥へ招くかのように、外開きに。
「すごい! アブラカタブラの呪文みたい!」
私は、『ただ一言のみで扉が開かれた』という状況に、自分を抑えるのを忘れはしゃいでしまった。『アリババと40人の盗賊』のお話の様だったから。
「中に、私以外の者が入っても構わないか?」
「全ては貴方様のご随意がままに」
ミライちゃんはアーチャーに対し、腰を深く折って礼する。まるで彼の召使いかのような振る舞いだ。
普段の、明るくて、年上も従えるほどのリーダーシップがあり、皆の未来が良くするためならなんでも行う貪欲さを併せ持った彼女とは、まるで別人。
「アーチャー、どうやって扉を……」
遠巻きに事の推移を見守っていたアスカが、名を呼びながら彼に駆け寄る。
「俺があるがまま自然に声を発して望めば、扉が開く。
そう考え、やってみただけのこと」
「考えに至った理由は?」
私も彼の側に寄り、気になるところを聞いてみた。アーチャーはよどみなく答えてくれる。
「扉には文字も絵も刻まれていなかった、リーダーミライも口伝しか知らなかった。
その二つの事から考えるに、『扉を作ったのは司祭である』と考えた」
「司祭?」
「即ち、俺と同じ時代を生き、同じ伝説、教えを信じ、後世へと伝えていた者達のことだ」
「なる、ほど?」
いまいち理解が及ばないが、つっこみはせず彼の話の続きを聞く。
「古代、神秘に近しかった司祭達は、歌と動きにより膨大な言の葉の暗記を行い、神秘を損なわない、文字に頼らない物語の継承を行っていました。
この扉も、それに由来する秘術によって閉ざされていたのでしょう」
「ふむふむ?」
まだ良く分かっていない私とは反対に、アスカは納得言っているような表情をしながら話し出す。
「司祭の弟子達が、師と全く同じ歌、動き、口調によって伝説を損なうことなく後世に伝えたように、貴方が現れた時、同じ口調、声で開くように仕掛けを整えていたと。
つまり、古代式の声紋認証のようなものでして?」
「その認識でおおよそ合っています、マスターアスカ」
両者はバッチリ通じ合ったようだ。
私も、アスカちゃんの説明で何となく……何となく理解出来た、ホントダヨ。
アーチャー961の声でないと扉は開かないように細工されていた、簡単にまとめればそういうことだろう。
「開かなければどうするつもりでしたの?」
「……蹴破ろうかなと考えていました」
彼が、ローブで隠された体の下にある足を軽く振った。
「ノインったらうっかりです。先にアーチャー961へ、言っておくべきでした。
物理的に破ろうとすれば、1トンを超える爆弾が、起動する仕組みになっています。
要塞ごと、木端微塵、予定です」
「わー……物騒だなぁ」
ノインの言葉を聞いたアダムが、
開かれた扉の内に入る。先頭を行くのは961とミライちゃん。
そのすぐ後ろをノインとアダムが歩き、私とアスカは一番後ろからついていく。
扉の中は天井の高い通路となっていて、外側の空間を照らしていたものと同じような、青と白が混ざった人工灯で神秘的に照らされている。
歩きながら、暗い横側の空間に目を凝らしてみると、石造りの棚が何十とあるのが分かった。
その一段一段に、布で梱包された箱が乱雑に置かれているのも見えた。本来は整理されていたのかもしれないが、ここは移動要塞、長年の振動によって乱れてしまったのかもしれない。
「……」
霊廟を思わせる厳かな空気に圧倒されてか、誰も喋ろうとはしなかった。
静かな廊下には、私達の靴音だけが響いている。
「ここが最奥です。我らが英雄」
ミライちゃんが立ち止まる。そこに見えたのは草木も無い庭園と。
(お墓……?)
私の感性ではそうとしか思えなかった。
ここだけコンクリートではなく、小石散らばる硬い地面となっていた、まるで地上の世界の一部を切り取って持ってきたかのようだ。
朽ちた造花が散乱し、中央には寝台のような形をした石がある。これが墓に見えた。
そこに置かれていたのは透明なガラスの箱で、中には一握りほどの灰が。
すぐ隣、寄り添うように置かれていたのは、月の光と酷似した人工の色に照らされた、金色の塊。
「これは」
961は、その溶けてからもう一度固められたような金の正体が分かったのか、はっと息を飲む。
「はい、我らが英雄。貴方様のお察しの通りでございます」
ミライは謡うように高らかと言う。
「これは、英雄アルジュナより私達が授けられたもの。
──英雄カルナの鎧、その半分です。
私達はこの鎧の加護により、今の今まで、空を覆う『衛星軌道上展開兵器ヴリトラ』に目を付けられず生きてこられたのです。
……なぜ、会議室でミライが「襲われることなど、万に一つも無い」とまで言い切ったのか分かった。
このレジスタンス組織は、英雄の宝具を有していたのだ。あれほどまでに自信がつくのも納得だ。
(兵器ヴリトラが英雄カルナ? それは一体どういう……)
次から次へと疑問が湧いてくるが、質問するための時間は私には用意されてはいない。
今のミライは、961のためだけに動いてしまっているから。
ノインとアダムは静観している。
「我らが英雄……いいえ! 再び降臨せし
400年前、我らが始祖にカルナの鎧を託し、遥か未来を物語った時のように、救いを、導きをお与えください! どうか、どうか!」
「カルナに、アルジュナ、だと?」
ミライが口にした人名2つに対し、アーチャーは肩をいからせ気配を鋭くする。
私は彼の雰囲気が一変したのに対して、思い出す出来事があった。
それは数か月前、生まれ育った地下都市が焼けたあの痛ましい日の事。
バーサーカー04が彼の真名を看破した際──。
(「私を……アルジュナと……呼ぶなぁぁぁぁぁ!!!!」)
稲妻発しながら叫んだ、あの怒りの姿を。
「ミライちゃ……」
もしそうなったとしたら、彼を止められるのはこの場では私だけだろう。
危惧し、前に踏み出そうとした私を、服の端を引っ張ることで止めたのはアスカだった。
「モモ」
名を呼ぶアスカの黒い瞳に、焦りと冷や汗をにじませている私の顔が映っている。
「大丈夫、きっと大丈夫ですから。彼を信じて」
私とは対照的に落ち着き払っている彼女の声を耳にして、私は動きを止めた。
「なぜ、お前がカルナとアルジュナの名を知っている」
アスカが信じた通りだった。アーチャーは取り乱すこと無く、どこまでも冷静に、ミライに対して問いただしている。
「アスカ、ねぇアスカ」
私は小声で話しながら彼女の袖を引っ張る。
「カルナってどんな英雄なの? アーチャー961と何か関係がある人なの?」
アスカは私のことを一度だけ上目で見てから、ためらうような顔をしながら小声で話してくれた。
「……カルナは、英雄アルジュナの異父兄弟にして、彼の仇敵です。
幼い頃に捨てられたカルナは、アルジュナにとっての敵国に組し、最後は彼によって討たれました」
「家族同士なのに、戦いあうことになってしまったんだね」
「……話すと長くなります。また今度、時間のある時にお話ししますわ」
今度、今度か。今日は特に『今度』って言葉が多い気がする。
私はアスカから目を離し、前へ向き直った。
ミライが寝台のような石……棺にも祭壇にも見えるそれに手をかけ、アーチャーの質問に対し、喋り始める所だった。
「英雄アルジュナ。貴方様が400年前、私達の先祖にこの鎧を託したことが全ての始まり。
そして私達は、語られた未来に従い生き、鎧を守り続けていくと決めたのです。
約束をした場所を、そのままここに持ってきて、鎧と共に流浪の魔術師に頼ってまで封じて……」
「故に、『約束の場所』と呼んだのか」
「はい、英雄アルジュナ」
そう呼ばれる度、彼は苦し気に眉間へシワを寄せる。刺されでもしているかのようだ。
アーチャーは部屋全体に目配せながら、ミライに語りかける。
「話してくれないか。400年前、何があったのかを」
「分かりました、英雄よ。
お話します、先祖達と英雄との出会い、そして託されたものについて」
ミライは信託を受けた巫女のように両手を胸の前で組むと、まだ幼さ残る少女の声で伝説を物語り始める。
今より遥か昔のお話、人と英雄の話を。
「──400年前の私達の先祖は、レジスタンス組織でも何でもありませんでした。
防護服に身を包んで、地上を徘徊し、破壊された都市の食料、壊れた兵器の部品を拾ってはその日を凌ぐ……いわば、スカベンジャーと呼ばれる者達だったのです。
掲げるべき理念も無く、誇りも無い、ただ過酷な日々を生きるだけで精一杯だった人々……そんな存在が生まれ変わったのは、英雄との出会いがきっかけ」
アダムが冷たい地面の上に、四本足を折り畳んで座ったのが見えた。
「ある時、世界の命運をかけた大きな争いが起きました。
大量のサーヴァントを得たレジスタンスと、女神リリスの陣営との戦いです。
先祖達は、『何か役立つ物が拾えるかもしれない』の軽い気持ちで戦場に向かいました。
……たどり着いた戦場跡は、ひどく痛ましいものだったと伝えられています。人も機械も一緒くたに壊れ、あちこちに部品が広がる凄惨な景色だったと」
ミライはその光景を心の中で思い浮かべでもしたのか、一度目を伏せた。
「そこで、先祖は思わぬ存在と出会いました。
全身に傷を受けた男が歩いていたのです。防護服を纏っていないことから、先祖達は目の前にある存在が『人ではない』ことにすぐ気が付きました。
けれど、先祖達は男を見捨てておけず、保護し、手当てをして、地下住居に運びました。
男は床に臥せったまま名乗りました。
『我が名はアルジュナ、レジスタンスを助けるべく召喚されたサーヴァント。
この世界を救うためにやってきた英雄だ』と」
「……アルジュナはそれから、どうなったんだ」
アーチャー961が言葉を挟んだが、ミライは返答はせず話を続ける。
「アルジュナの傷は未知のもので、治す術を当時の人間達は持っていませんでした。
日に日に弱っていく男。彼は死期を悟っていたのか、沢山のことを私達に話してくれました」
ミライが息を吸い込む。そしてまた話し出す。
「あまりにも多くのことです……。
『レジスタンスとリリスの戦いは、痛み分けに近い形で終わった』。
『リリスのサーヴァント、シグルドはブリュンヒルデの尽力によって倒された。
ヘラクレスも倒されたが、その他については分からない』。
『リリスの空中庭園は私が半壊させた、やがてどこかへ落ちるだろう』。
『黒い化け物に傷は与えたが、殺せなかった。恐らく、サーヴァント墓場に逃げ込んだ』。
『カルナを倒せなかった。あのままでは恐ろしい悪竜になってしまう。
止めたいけれど、力では解決できない』。
『機械の兵隊は壊滅させた』。
『エジソンが狙われている。そのことをレジスタンスの生き残り達に伝えてくれないか』。
英雄の話したことのほとんどを先祖達は理解できませんでしたが、とにかく記録しました」
私は思わず息を飲んで、物語に聞き入っていた。
「英雄アルジュナは、私達の先祖に
彼は言います。
『これは、カルナというとても強い英雄の持ち物、太陽の神が彼に与えた
いつか来る者達に渡して欲しい。
時が来るまでは、鎧が君達を悪竜より守ってくれるだろう。
だからそれまで、預かってはくれないか』と。子どもに伝えるような優しい言葉遣いで」
ミライの目線が、石の上にある金色の塊に注がれる。
「彼が告げたことはこうです。
『私は未来を見た。
何百年と後に、君達の元へ、白い車に乗ったある者達がやってくる。
私と同じ風貌をした男と、黒い髪の女の子、灰色の髪の女の子、その三人だ。
来たのなら、私のことを話し、黄金の鎧を渡しておくれ。
それだけで全てが伝わる。何も心配することは無い』。
……先祖は、『きっとそうしてみせる』と、彼に約束をしました」
次にミライが目を向けたのは、白い灰が入ったガラスのケース。
「次の日、英雄の姿はどこにもありませんでした。彼の眠っていた寝台には白い灰だけが残されていて、先祖達は彼が死に、灰となってしまったことを悟りました」
サーヴァントは、消える時なにも残してはくれない。
けれどアルジュナというサーヴァントは、未来に希望を託してくれたのだ。
「その後、レジスタンスの生き残り達と合流し、先祖達は大きな組織を作りました。
日を迎えるための空を意味する『アカツキ』の言葉を組織名に冠し、鎧の持ち主の名が忘れられぬよう、要塞に『カルナ』と名付けた。
英雄アルジュナが話してくれた通り、この400年、私達が悪竜に襲われることはありませんでした。……英雄の語ったことは真実でした。
ならば約束も、未来において果たされるはずだと、私達は強く信じるようになった」
ミライはそこまで語り終えると、再びアーチャーの前に跪く。
「私はずっとこの約束を聞いて育ってきました!
私の母も父も、祖母、祖父も、それより前の祖先だってそうです!
邪神リリスから鎧を守るため、約束をレジスタンスリーダーのみの秘密とし、語られた未来を希望に、私の血筋は
私の名前もこの約束より付けられたの! だから、だから……!」
霊廟を思わせる空間に、彼女の、救命を乞う声が響き渡る。
「予言の通り、ここに降臨せし英雄アルジュナ様!
私は貴方に従います、どんなことだってやります!
だから私達に救いをください、未来をください! どうか!!」
数分の沈黙が部屋を満たした後。
「それは」
アーチャー961が口を重たげに開く。
「──その約束は希望なんかじゃない、呪いだ」
青ざめた顔で、そっと。
「アルジュナは、他者に呪いをかけるような男じゃない。
呪いをかけたくて言葉を残した訳じゃない……はずだ……」
苦虫を嚙み潰したような顔で、唇を噛んで。
第115話 お腹と胸中には秘密が詰まってる
終わり