フェイト/デザートランナー   作:いざかひと

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 前回までのあらすじ
 罪人として労働地区へ連行されたモモは、無為にも感じられる単純作業で、いたずらに流れる日々を過ごす。
 どうにかここから脱する手立てをもとめ、労働地区長に新しい仕事を求めてみた。
 『リソースセンター』という、液体リソース生産施設へ行くことを勧められたモモは、心を許しあう中になったナット(N10)と共に向かう。

 蒸気立ち込めるリソースセンターに到着したモモとナットは、防護服に身を包み、パイプ詰まりを直しへ。
 ナットが言う詰まりの原因とは……粉砕された人間の遺体や、サーヴァントの事だった。
 液体リソースとは、サーヴァントや人間の残骸を用いて作られた物だったのだ。
 残酷な事実と、それを知らずに無邪気に使っていた自らへの嫌悪で、モモは嘔吐する。

 モモはその日から急激に体調を崩し、2日後には吐血するまでになってしまった。
 ナットはモモを救うため、労働地区長に懇願するが、そこに誰かがやって来た。

「……アインはあなたにこう言います。
 『あの方』が、モモタ・トバルカインに会いたいとおっしゃった」
 地下都市を守る無慈悲なAI、アイン。
 そのAIはモモを「軌道エレベーター内部の人工楽園」に連れて行った。
「真に善良なる者のための、理想郷」だとささやきながら。

 痛みに苛まれていた自分の体が、急激に癒えていくその感覚に、モモははっきりとした意識を取り戻した。
 目の前にいたのは、数日前に離れ離れになったバーサーカー04の、簀巻きにされた姿。
 
 再会を喜ぶ暇もなく、奥へ行くようにアインに促される2人。
 人工の滝の間に真っすぐ伸びている、光降り注ぐ黄色いレンガの道を歩く。
 
 その終点……草木の茂る美しい庭園でモモを待っていたのは、白い仮面で顔を全て隠した謎の人物と……その人物に自らの髪を梳かせていた『女神』。

「リリス・トバルカインが私の名。君の遠い先祖にして」
「世界を救うために数百年前鋳造された、人造女神なのさ」
 彼女は、モモと話がしたかったと、完璧な微笑を浮かべながら話すのであった。

 ──今ここから、女神との対話が始まる。


第13章 終末世界のボーイ・ミーツ・ガール
第50話 いと美しや因果始まりの女神


「普段は他の軌道エレベーターにいるのだけど、数日前からこの都市に遊びに来ていたんだ。

 けど良かった、君に会うことが出来たから」

 嬉しそうに話す……女神たるリリス。

 一部が()りガラスで出来た天井から、和らげられた陽光が差し込み、花や草木は鮮やかに輝いていた。

 この世のものとは思えないほど美しい円状の庭園に、居る人物は4人。

 私、バーサーカー04、女神リリス。

 そして……彼女の髪を整えていた、白い服を身に着け、同じ色の凹凸の無い仮面で、顔を隠している謎の従者。

 

「君のサーヴァントも……どうか座って」

 リリスに言われ、バーサーカーが簀巻きのまま席についた。

 

「紅茶は旧スリランカから発掘したもの、茶器は旧ドイツから見つけたものさ。

 どちらもとびきり上質だよ」

 彼女は手ずから、客人である私達のカップ2つに、色濃い紅茶を注いだ。

 白地にバラの紋様が描かれたそれは、映画の中から抜け出てきたかのように華やかだ。

 

「さて、何の話をしようか。

 君に話してあげようと思っていること、たくさんあるのに……興奮の方が勝って、考えが上手くまとまらない……」

 リリスは金色の眉を下げながら、困ったような表情を見せる。

 香りの良い湯気がティーカップから立ち昇り、私の頬を熱く湿らせた。

 

「……よし、現行世界の成り立ちと、それに関わる私の生まれからお話しようかな。

 何より私がそうしたい」

 リリスは指先でカップの持ち手をつまみ、紅茶を飲んで赤い唇を濡らしてから、感情の薄い美しい声で語り始めた。

 

「700年前、世界大戦が起きてね、それまでの社会は滅んでしまったんだ。

 でも人間はまだ生きていて、死にたくないって願ってた。

 そんな人達の一部……『トバルカイン家』が、神として2300年代に鋳造したのが私」

「世界大戦って」

「そうだね、『聖杯戦争』と呼んでもいいかな」

 女神は言葉を続ける。

 

「『カルデア』という機関が偶然にも手に入れてしまった、万能の願望器……『聖杯』をめぐる殺し合い。

 でも、優勝商品である『大聖杯』自体は、もう誰の願いも届かない場所に行ってしまったのだよね」

 語る彼女は、短い草の生えている地面を真っすぐに指さした。

 

「カルデアの勇敢なる生き残りの行動によって、地下2900kmより下にある星の地核と、大聖杯は融合してしまったんだ。

 ……しまった、主題から脱線してしまったかな」

 彼女は背を丸めると、わざとらしく咳払いをした。

 金と桃色が混ざった細い髪が、日の光を反射で膨らませながら美しく揺れる。

 

「えへん……造られた私は、人間を救うために色んな発明をしたんだよ。

 液体リソース、管理AI、地下都市、階級制度、生存権、軌道エレベーター……。

 どうだい? どれもすごい発明だったろう?」

 彼女の誇るような発言に対し、私は思わず唇を苦々しげに歪めてしまった。

 

「……液体リソースはなぜあんな、尊厳を貶めるような」

「尊厳を貶め……? 貴重な資源の有効活用なのに?」

 リリスは表情を変えもせず話を続ける。

 

「地核と融合し、誰の願いも受け入れなくなった大聖杯は、それでも莫大なエネルギーを発生させていた。

 それを使える形とするためには、どうしてもサーヴァントの細切れが必要だったんだ」

「……細切れ」

 私はうつむきながら、彼女の言葉を繰り返す。

 

「理由はね、サーヴァントが『人の祈りに応える存在』だからさ。

 その本質を利用してエネルギーに方向性を与えた」

 女神は自らの発明について、朗々と語った。

 

「何にも使えなかった原液は、人の傷を癒やし、サーヴァントの魔力源となり、発電にも使える万能燃料に変わったんだ!

 なんと素晴らしきかな、液体リソース……」

 ……それに対して一切の悪感情など抱いていないかのように、彼女は丁寧に説明してくれる。

 

「いけない、いけない……また脱線してしまった」

 女神の従者は、席に着かず会話にも参加しない。庭園の壁を伝う植物を、銀に輝くハサミで剪定していた。冷たさを感じる金属音が響く。

 

「とにかくだ。

 世界大戦によって化石燃料は枯渇し、バイオマス、核も使えなくなってしまったから、どうしても新しいエネルギー源が必要だったんだね」

 バーサーカーは唇を固く結び、女神たる彼女の顔をただ静かに見つめていた。

 

「有益なエネルギー源を確保できた私は、自らが発明したものを利用し、残っていた人類を保護。

 そして400年以上、種として存続させている。

 ……これが現行世界の成り立ちと、私の生まれだよ。ちゃんと伝わったかな?」

 話を聞き終わった私は、熱い紅茶を無理にでも喉へ流し込んだ。粘膜がひりつく。

 

「私ばかり話してしまってごめんね。人間と喋るのは久しぶりだったから。

 さぁ、次は君の番だ。

 モモタ・トバルカイン、楽しくお話しをしよう?」

 彼女に対し、まだ温もりが残っている口を私は開いた。

 

「貴女は400年前の英雄だと学校で勉強しました。なぜ、まだ生きているのですか?」

「ん……もう答えが会話の中で出ていたじゃないか」

 私からリリスは顔を逸らして、ほころびかけているピンク色のバラの蕾を見た。

 

「私が『人類を救いたまえ』の願いを基に造られた女神だからさ。

 その役目を完遂するまで、私は老いることも劣化することも、死ぬこともない」

「……分かりました、そういう存在もいるんでしょうね」

 主に見つめられた桃色の蕾を、従者は(がく)の下からハサミで切り落とした。

 庭を飾る白いレンガの地面に、二度と咲かぬものとなった花が転がる。

 

「理解してくれたようで嬉しいな、モモタ」

 返答を聞いたリリスは、ティーカップを優美な所作で唇に運んだ。

 

「さっき言っていた……貴女が私のご先祖であるって、どういう意味ですか?」

 次の質問を、私は焦れるような思いで訊いた。

 

「血のつながりというより、同じ技術で造られた後継機……という意味合いかな」

「……私も、造られた存在」

 胸に手を当てながら、事実で鼓動を早くする心臓をなだめる。

 

「本当に知らなかったんだね、可哀想に。

 事情、カイヤ・トバルカインは君へ伝えていなかったんだ」

 リリスが目を細めると、長いピンクのまつげが明るい緑の瞳に被さった。

 

「……おばあちゃんの名前、知っていたんですね」

「うん、女神様は何でもお見通しなのさ」

 『カイヤ・トバルカイン』、それは10年前に亡くなった祖母の名。

 

(おばあちゃん、私に隠し事してたんだ……)

 大好きな彼女と血が繋がっていなかったという事実もまた、ショックだった。

 

「カイヤはトバルカイン家の末裔。君とは違い、人間さ」

 リリスは美しい形の白指でクッキーを摘まむと、小さな唇に押し込んで一口で食べてしまった。

 

「……体に不調が現れたのは、私が造られた存在だから、ということですか」

 バーサーカーに治してもらわなければ、あのまま死んでいたであろう致命的な体調不良の理由を、女神へ問うてみる。

 

「大正解、君の耐用年数が近いってこと。

 私の見立てだと……発生から16年ってところかな。

 ちょうど今年の終わりあたりだね」

 ──思考と心臓が止まりそうになった。

 

(寿命? 16年で、私は終わり?)

 上から注ぐ光は、先ほどまでと何も変わっていないというのに、今の私の目にはくすんで見える。

 

「どうしたんだい?」

 女神はテーブルに肘をつけると、手の上に自らの顔を乗せ、にこりと笑ってから、私を見つめつつ明るい声をかけてくる。

 

「質問は? 話題は何でもいいさ、もっとお喋りをしよう。

 お茶もお菓子も、君のためだけに! 用意したのだから」

 彼女の声すら、私の耳には不気味に聞こえた。

 膝の上に乗せていた手は震えている。それを握りしめて拳をぎゅっと作り、もう一度口を開いた。

 

「……私の故郷は、聖杯戦争が起きて、ひどい、本当にひどい世界になってしまった」

 声を震わせながら話す。自らの脳裏に浮かぶのは、炎の記憶。

 生きながらに焼けていく人の声、遺体かどうかすら判別できないほどに破壊された、焦げた塊。

 ──人間の尊厳など微塵も残されなかった、あの惨状を。

 

「他の都市でも争いが起きていた、悲しむ人間もサーヴァントも大勢いた……。

 貴女が人類の庇護者だと言うのなら、なぜそんな悲劇が起こることを許したのですか」

 私の非難を受け、女神は笑みを湛えていた唇を真っ直ぐにした。

 

「『あの男』が隠したものを炙り出すため、私がAIに命じたんだ。

 ……実際に行うかどうかは、AIらの自由意志に任せていたけどね」

 リリスの白い頬に朱が指す。それがどういった感情の動きによるものか、私には分からなかった。

 

「君の言うとおり、何百という都市と、何億という人間が失われたけど……悲劇ではない、成果があったから」

 従者がリリスの手の平に何かを乗せる。

 彼女は受け取ったそれを、テーブルの上へ半ば放り投げるように置いた。

 女神という肩書に似合わない、ひどく乱暴な仕草。

 

「……これはね、『S文書』と呼ばれていた」

 白紙の表紙を持つ、何も書かれていなかったはずの本。バーサーカーが地下の研究施設で見つけた物だ。

 茶菓子が揺れて皿にぶつかり、耳を突くような音を立てた。

 

「200年以上かかったけれど、ようやく見つけられた。

 私にとっての不安要素、逆転の一手……私が最も憎んでいる男が残したもの、『世界を救う方法』が書き記された外道の本」

 リリスは不機嫌そうにも見えた顔に、また完璧な微笑を浮かべて、私へ笑いかけてきた。

 

「君のバーサーカーのおかげで全て解読出来たんだ。ありがとう」

 私はサーヴァントに目線だけを向けた。

 やや沈んだ表情をしている彼は、わざとらしく目をついっ……と横に逸らした。

 

「世界を救う方法」

 胸に引っかかった単語を、私は口に出す。

 

「知りたい?」

 嬉しそうに問いかけてくる女神。

 

「……それは」

 自分の気持ちを整理するため、目を閉じて、一旦考え込んでみた。

 

(私はなぜ、旅に出たのか)

 知りたかったからだ。悲劇の理由を、それを起こした聖杯戦争の首謀者を。

 救いたかったからだ。突然の出来事で傷ついた人々を、苦しむ他者の心を。

 

(世界を救えたのなら……地下で管理されている人達も自由になる?)

 頭に浮かんだのは、灰色の労働地区で生き続けるナットさんの姿。

 

(砂と岩だらけの地上も、世界を救う方法が分かれば、昔みたいに緑や水が戻る?)

 次に思い出したのは、AIスローネとキルケーが守っていた、地上ではとうの昔に失われた景色。

 

(聖杯戦争のような恐ろしいことも、起こらなくなる?)

 寂しげな顔でコーヒーカップを見つめる、刑部姫やネロ帝の姿。

 それは今でも私の瞼の裏に焼き付いている。

 

(もし世界が救えたのなら……その方法が、はっきりとあるのだとしたら)

 ……夢のような展望だと、我ながら思った。

 

「教えてあげてもいいけれど……条件を出そう、モモタ」

 リリスの声で、思考の奥底から私は帰ってきた。

 目を向けると、彼女は指先と白いドレスの袖をひらひらとさせながら、話し出そうとしているところだった。

 

「どうか私の賛同者になっておくれ。

 そして計画に参加し、私と終わりの無い旅に出よう」

 彼女はそこから矢継ぎ早に言葉をつなげ始めた。

 

「私はこの駄目になってしまった地球を捨てて、人類と共に外宇宙へ旅立とうと考えている。

 原液を汲み上げ、リソースへ精製しているのも。

 人類を地下都市で保護し、厳密な資源管理をしているのも。

 全て、果て無き旅路への準備なのさ」

 リリスの白い人差し指が、光注ぐ天井を示した。

 

「今、月と地球の間で宇宙船を組み立てている、もうすぐ完成するんだよ!」

「……」

 私は、まるで自慢する子どものような響きを持った女神の言葉を、黙って聞くしかなかった。

 

「理解者になってくれるのなら、君の体も治してあげよう。

 私と同じ不老不死、永遠に人類を見守り続ける美しい存在に組み替えてあげる」

 そこまで興奮したようにまくし立てると、細めた瞳で簀巻き状態の私のサーヴァントに視線を投げた。

 

「……君のバーサーカーは、傷は治すことは出来ても、寿命を治すことなんて出来やしないからね」

 何時もは口を挟もうとする彼だけれど、今日はずっと黙っていた。

 

「モモタ・トバルカイン! さぁ! 君の答えを聞かせてよ!」

 女神は歯を見せながら笑う。その表情はどこか暴力性を感じさせるものだった。

 

「……私、は」

 紅茶を飲む、クッキーをばりばりと齧る、目線を泳がせる、震える膝を手でさする。

 思い浮かぶのは今までの人生と、アスカのこと、アーチャーのこと、家族に等しい存在であるバーサーカーのこと。

 ……デザートランナーで旅してきた、世界のこと、出会った人、サーヴァント達。

 私の、寿命の、こと。

 

(ああ……だったら、答えなんて初めから決まってるじゃないか)

 自分の頭で考えた言葉を、心を落ち着かせてから、リリスの瞳を真っ直ぐに見つめて言い放った。

 

「──貴女の賛同者にはなれません。

 人間やサーヴァントの命や心を、物みたいに扱って、苦しめることを良しとしている、貴女の賛同者には」

 リリスは金と桃の髪をさらりと揺らしながら首を傾げた。

 

「どうして? 私は君のバーサーカーや、君の祖母のように隠し事はしないよ? 

 なんだって教えてあげるし、欲しいもの全部あげる!

 君のことを一番に思おう、家族みたいに愛してあげようじゃないか」

 私の思いなど知る由もない彼女へ対し、首を横に振ってから答える。

 

「……例え死ぬことになったとしても、私は貴女から何も受け取りたくはない」

「世界を救いたくないの?」

「その方法があるのだとしたら、自分と仲間達で見つけてみせる。

 貴女からは、絶対に教えて欲しくない」

「……そっか」

 私の答えを聞き、彼女は寂しそうな口振りで呟いた。

 

「君は、自分の行為を全部棚上げして、私だけが悪いみたいに言うのだね。

 こんな世界になってしまったのは、沢山の出来事の積み重ねだというのに」

「──なぁ、ずっと黙って話を聞いていたが、リリス」

 バーサーカーがとうとう口を開いた。その声は低く、荒々しい。

 

「お前、モモが頷いたとしても、世界を救う方法を教えようなんて思っていなかっただろ」

 演技教本に記された、お手本のような表情ばかり浮かべていた女神の、左眉だけがわずかに歪みながら上がった。

 

「人類のことも、救おうだなんてこれっぽっちも思っていない」

 従者が大輪のバラの花を切り落とした。断たれた花はゆっくりと下へ、他の蔓や草に紛れてゴミとなる。

 

「本心は別なのに、使命だか理念だとかで覆い隠している……違うか?」

「……」

 リリスは黙り込むと、腕でテーブルを無いだ。

 

「……誰に召喚されてもお前は変わらないね、本当に悲しいよ」

 突き放すような冷たい彼女の声と共に、『S文書』なる白い本だけが地面へ叩き落とされた。

 

「これ、もういらない。燃やして」

 主の命を受け、仮面の従者は壷を持つと、中身の油を本にかけ、火をつける。

 花と茶葉の心地よい香りが漂っていた庭園に、命の危機を感じる焦げ臭さが一気に充満した。

 

「私に剣を」

 従者は彼女へ、セラミックのような質感の、何の飾りもない白の長剣を手渡す。

 

「うん、じゃあ……」

 女神の如きリリスは立ち上がり、右手で受け取ったばかりの剣を振るった。

 その圧で、壁に伝って咲き誇る時を待ちわびていた蕾が、ぼとりぼとりと地面へ無慈悲に落ちていく。

 

「君、ここで死にたまえよ」

 輝く双眸はペリドット。その眼光の奥に、確かな殺意があった。

 

 

 第50話 いと美しや因果始まりの女神

 終わり




 単語説明


 世界大戦
 2016年から始まり、当時の既存社会全てを崩壊させた最終戦争。
 地球人口の2/3が犠牲となった。

 原因は『カルデア』という機関が偶然にも手に入れた『大聖杯』。それをめぐり、地球上の全国家、全人類を巻き込んで始まった聖杯戦争でもあった。


 カルデアの大聖杯
 現代まで続く、数百年に及ぶ聖杯戦争の原因。
 もはや地上には無く、カルデアの生き残りの行動によって、地下2900km下の星の地核と融合している。


 液体リソース
 女神リリスが発明した、淡く青色に光る液体。単に『リソース』と称されることも。
 この世界において唯一と言っても過言ではないエネルギー資源で、サーヴァントの魔力源にもなり、車・自家発電機の燃料にも使え、飲んだり塗ったりすれば、簡単な傷や病の治療も出来る。

 強い青に輝く『原液』と、人間の遺体やサーヴァントの肉片を混合して作られる。
 

 原液
 軌道エレベーター内部に据えられた掘削機械によって、地下深くから汲み出されている、とにかく強い青に輝く液体。その様はまるでブルーブラッド。
 
 大聖杯と融合している星の地核から採取された、『誰の願いも受け入れない状態となった魔力エネルギー』。
 そこに、『人の祈りに答える存在』であるサーヴァントを混ぜ込むことによって、人間を救う液体リソースへと加工されている。


 女神リリス
 2300年代に活躍した英雄。長きにわたる戦争を治め、絶滅寸前の人類を救ったとされる。その結果、現代に至るまで多くの人間とAIに信仰されている。
 地下都市、都市運営を行うAI、『液体リソース』も開発したと言われている。
 一般的には、金の髪に明るい緑の瞳、豊かな胸や体つきを持つ、女神の如き美しい姿でイメージされている。

 2300年代に、トバルカイン家を中心とした魔術師、技術者の手により鋳造された、『有機人造女神』。
 この星と世界の管理者として造り出され、多くの発明をし、400年近く生きている。
 死ぬことも老いることも無い、いと美しや因果始まりの女神。
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