フェイト/デザートランナー   作:いざかひと

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 前回までのあらすじ
 記憶を取り戻したアスカは、銃弾をその身に受けても走り続ける。
 仲間と再会するための逃亡の最中(さなか)、彼女が目にしたのは、謎の襲撃者によって次から次へと殺されていく、上流階級の人々だった。

 他者を守りたくても、その力が無いことを実感したアスカは、デザートランナーを取り戻すため、ドックへ向かうが……襲撃者の手により、捉えられてしまう。
 引きずられ、死体や生存者と共に、物のように並べられたアスカ。
 襲撃者達の会話から、『彼らがレジスタンスである』ということ、『この都市を襲っているレジスタンスは3団体いる』こと、そして、液体リソースのおぞましい真実を知ってしまう。
 
 アスカは、仲間がいないと何もできない己の無力さに涙し、レジスタンスによる拉致を受け入れようとした……その時、誰かが発砲し、アスカ達を助けた。
 突如現れた謎の人物の正体は、ある地下都市で出会い、アスカと仲間達を罠にはめたAI『ツヴァイ・エーテルウェル』。

 彼はアスカに「利用価値がまだある」、「連れて行ってあげましょう、アーチャー0961のいる場所へ」と伝えるが、にわかには信じがたい話さ。
 
 「わたくしを連れて行きたいと言うのならば……この都市にいる人間の安全を確保してください」と交換条件を提示するアスカ。
 ツヴァイは不遜な態度を見せながらもそれに応え、都市のシステムをハッキングシェルターや防衛ロボット等を起動させた。
 
 アスカとツヴァイは連れだって向かう、その場所とは……?



第67話 君は破滅を呼ぶ女

「ロボットどもが! くそったれAIめが! 死ね……死ね!」

 銃の乱発音。その後に続く水音と悲鳴。

 

「……」

 わたくしは白壁の曲がり角から、そっと奥を見ます。

 

『人類を応援する都市防衛システムです。障害を排除、障害を排除』

「ひ、ひゅっ……くそったれがぁ……」

 円柱状の顔も目も無いロボットが、襲撃者達を銃殺していました。

 ですが、防衛側も無傷とはいかず、同じような形状の機械が、人間の死体と混ざるように転がっています。

 ……誰も彼も、死んでいます。

 

「ショックですか? アスカ・ピオーネ」

「……当たり前でしょう!」

 ツヴァイの言葉に、わたくしは叫びます。

 

「ただ生きているだけなのに……傷つけられて、殺されて! ……死体ですら、利用され」

 憤りを抱いたまま、唇を強く噛みました。

 

「ああ。だって生きているのが一番悪いですからね、命って」

「……えっ?」

 AIの思わぬ言葉に、わたくしは取り乱します。

 

「そもそも、『生きる』ということは正しい行いではありません。

 生存は他者からひたすら奪う行為だ。現在の地球では、それが人間対人間の色を強くしているだけにすぎない」

「でも、こんなことが許されていいはずが……」

「許される行為などない。

 命なんて、勝手に許された気になって、その後は死に怯えて生きているだけだ」

 ツヴァイはわたくしに銃を向け……その後ろの存在を撃ちました。

 発砲の後の、独特な火薬の匂い。

 

「この都市の人間を守ると言うことは、襲撃してきた側であるレジスタンスを殺すということです。

 アスカ・ピオーネ、あなたがどんな気持ちであろうと、どんな行動を取ろうと人は死ぬ。

 ……ね? 自己満足の偽善者気取りは楽しかったでしょうね?」

 どさりと誰かの倒れる音。

 

「はい、分かりました……充分……!」

 喉から絞り出すような声色で返答をして。

 死と破壊が辺り一面に広がっているエリアを抜け、わたくしとツヴァイはある場所を目指しました。

 

 

「隠された階層があるだなんて……」

 上級都市の、複雑な多層構造を繋いでいる高速エレベーターが目的地。

 ツヴァイはシステムを涼しげな顔でハッキングすると、数字以外の記号が書かれたボタンを表示させ、移動先へと設定させました。

 

「外に出る。

 労働都市と軌道エレベーターへ繋がるリニアモーターカーに乗り、向かうぞ」

「軌道エレベーター……? そんな大きな建物、地上には無かったはず」

「手首内側のデバイスを、銃撃によって破壊された今の君なら、視覚制御で隠されていた巨大な『樹』が……見えるはずさ」

 エレベーターは止まり、扉が開きます。

 密閉されていた空間に吹き込む乾燥した風、眼前に広がるのは、どこまでも続くかと思われる荒野と。

 

(まるで宇宙にまで届いていそうな建造物に……下の地面で動いているのは、トラックと、ロボット?)

 巨人のような姿をしていた機械化サーヴァントと戦った際、アーチャーが駆ったものと似た形の、黒い人型ロボットが、何百台も行き交い、天へ伸びる『樹』を、銃や様々な兵器で攻撃しています。

 それを受けた表層はぼろぼろ剥がれていき、高い砂埃を立てながら落下、地面にぞくぞくと突き刺さっていきます。

 

「ちっ……この様子だとアイン姉様は死にやがったな。

 上級都市防衛用の機械化サーヴァントも……あの残骸がそうか、破壊されている」

 ロボットの間に見える、大きすぎる数千以上の破片は、わたくしの知らない戦いの跡を思わせました。

 

「……リニアモーターカーは……落ちているか」

 ツヴァイの目線の先を見ます。

 線路は下半分が破壊され、鉄板で作られた上の覆いしか残されていません。

 

「点検用の梯子から上に昇るぞ、それしか軌道エレベーターへの道はない」

 彼に指示され、梯子に足をかけ、上がります。

 鉄板の上に体を乗せると、強い風が、わたくしの黒髪を吹き飛ばさんばかりに乱しました。

 

(凄い高さです。落ちたら確実に死ぬ……)

 リニアモーターカーの線路上部の覆いは、わずかに湾曲していて、足場は不安、手すりなどありません。

 

「一気に走り抜けるぞ。──レジスタンス『トコヤミ』が、こちらに気がつき始めた」

 わたくしは下を見てしまいます。

 ぶつかり合うロボットとロボット、砲撃を受け穴が空いていく軌道エレベーター。

 ……無数のロボットが集まると、スナイパーライフルのようなものを手に持ち、一斉にこちらへ向けました。

 

「口を閉じていろ!」

 強引に片手を引かれ、わたくしと彼は熱い鉄板の上をがこんがこんと音たて駆けていきます。

 軋む足元、ぎしぎしと部品が落ちていく音。

 がむしゃらに走っている内に、数百m先の軌道エレベーターは近づいてきて。

 

「アスカ・ピオーネ! 跳ぶぞ!」

 切れ切れの線路に、ロボットの武器から放たれた何かが着弾、爆発。

 その爆風に吹き飛ばされるような形で、わたくしとツヴァイは軌道エレベーターに沿うようにある、金網で出来た外周通路へたどり着きました。

 

「くそっ……私も鈍ったな……」

 わたくしに怪我はなし、右手首が依然として痛むだけ。

 でもツヴァイの体は……下半身は千切れ、顔半分は、皮膚代わりのシリコンがどろどろと溶けて始めていました。

 

「まさか……わたくしを庇って……?」

 金属製の生ぬるい足場の上で、アンドロイドの体を意識確認のため揺さぶります。

 

「あーはいはい! そのまさかですよ! 

 ……言ったでしょう、あなたがいないとリリスが殺せない」

 彼は投げやりな口調で言い返すと、剥き出しになった機械の眼球をきゅるきゅる回して、わたくしに向けました。

 

「時間がない、短く説明するぞ、アスカ・ピオーネ。何1つ聞き漏らすな」

 わたくしは影の下にある薄暗い通路にへたり込んだまま、何度も頷きます。

 

「……リリスは2300年代に女神として作り出され、400年に渡り世界に君臨している、ただ1体だけの種族で……人外だ。

 世界の管理者気取りでこの星を破壊し、別の星へ旅立とうとしている」

 彼は部品をきしませながら、シリコンが剥がれた片方の手をあげると、わたくしの手に重ねます。

 

「この情報の源は……リリスの7の滅びの使徒、そのサーヴァントの内の1体。

 アルターエゴ『本多佐渡守(さどのかみ)正信』が遺したS文書だ。

 ……アスカ・ピオーネ、お前のサーヴァントで女神を殺せ。そうしなければ、この星は終わる」

「なぜ、それを望むのですか……?」

 わたくしは脳裏で、かつて授業で学んだことを思い出していました。

 

『リリス様は数百年以上続いた戦争で、滅びかけていた人類を救済し、地下都市を作り、人を育て慰めるAIまで生み出した女神の如き存在』

 言葉通りであるのなら……彼女を殺すということは、AIであるツヴァイから見れば、母親を殺すようなものではないのか。

 

「私はな、女神の希死念慮(きしねんりょ)なのさ」

 金属が剥き出しになった顔面を引きつらせながら、ツヴァイは皮肉っぽく笑いました。

 

「あの女の『死にたい』という無意識が反映されたAI……それが私。

 でも私はあの女を殺さない。あの女の願望の埒外であるお前達が、殺すのさ」

 彼は言葉を次から次へと付け足していきます。まるで……死ぬ前の人間かのように。

 

「もう1つ教えておいてやろう、お前のサーヴァントのことだ。

 女神を殺すために、ある研究団体がサーヴァントを改造したものが、お前のアーチャーの正体だ」

 わたくしは右手首の痛みも忘れて、息を飲みます。心臓がずきりとうずきました。

 

「数百年前のこと……。

 アルジュナというサーヴァントを、伝説の再来を期待して900回以上召喚し! インドの神々と混ぜ合わせて! 人格も体も壊しに壊しまくった! 

 その果てに出来た、たまたま上手くいった個体を、機械部品で抑えつけて何とか形にした……狂った出来損ないが『あれ』だ! 『アーチャー961』!」

 がくんと、アンドロイドの首が落ちかけます。慌てて支えました。

 

「せいぜい……その使命を全うさせてやれ」

 彼はパイプや機構が収まった内側から、片手で何かをまさぐり、千切ると、わたくしの手のひらに乗せます。

 

「データだ、持っていけ。お前達の船の設備ほどのレベルがあれば解凍できる」

 それは……小さな四角い黒の箱。

 かつて見た『ブラックボックス』を、そのまま小さくしたようなフォルムです。

 

「アーチャーの番号札の反応を私は感知した。

 この外周通路の先にいる。合流できたなら、速やかに離脱しろ。

 リリスの蛇、祝祭の獣……衛星兵器『ヴリトラ』が、この都市に標準を合わせているからな。

 安全な場所でデータを開封したら、座標を元に冷凍施設へ行き、リリスの使徒を解凍しろ、そして共に女神と戦え」

 彼はそこまで言うと、肺など無いはずなのに大きく息を吸って……吐き出しました。

 

「ははは……お前達が女神を殺すのを、AIの地獄から見守っていてやるよ……」

 ツヴァイは乾いた声で言うと、それを最後に、永遠に沈黙します。

 盛んに動いていた眼球含む部品は全て停止し、首がゆっくりとうなだれました。

 

(アーチャーは、女神を殺すために改造されたサーヴァント……女神リリスを殺さなければ、この星が終わる)

 小さな箱を制服の内ポケットにしまい、ボタンで落とさないように留めます。

 

(ああでも、そんな事実や事情は、今はどうでもいい)

 わたくしは胸に手を当てます。熱い血潮が流れている心臓は、本当に……灯火のように温かい。

 

「……ただ、あなたに会いたい。アーチャーの所へ、行かなきゃ」

 もう、彼のマスターでも何でもないのだけど、彼を1人にしたくなくて、ふらつきながら立ち上がり、外周通路を歩いていきます。

 僅かに傾斜があって、塔に巻き付くように備え付けられている道を、体を引きずるように歩いていく。

 

「アーチャー……」

 わたくしの横を、軌道エレベーターの破壊された部品が落ちていきます。

 

(きっと、人がまた沢山死んでいる)

 だから、あなたに会いたい。

 

 

 

 

 

「アーチャー……アーチャー……」

 己を鼓舞するために、彼の名前を繰り返します。

 会いたい。だってもう、わたくしには何もない。

 血の繋がった家族は死んで、身分を示すデバイスも撃たれて壊れ、デザートランナーもどこにあるのか分からない。

 持っていたものが全て、無くなってしまいそう。

 

(だから、この先で、誰かに会えたらきっと)

 ──それだけでもう、十分だと思ってしまった。

 

「あ……ああ!!」

 見上げて……見つけました。今わたくしが立っている場所の、螺旋状の上に、『彼』が。

 いつも身につけている機械部品のほとんどがひび割れて、体から剥がれています。

 白の外套も何十にも裂かれ、まるで片翼の鳥の羽みたいになっていて。

 

「アーチャー!」

 名を呼びます。再会が嬉しかったから。本当に……本当に嬉しかったから。

 

「……マスター!?」

 彼が驚きながら声を上げ、わたくしの黒い瞳と彼の輝く瞳が合います。

 

「良かった……もう一度会えて……こほん、今そちらへ向かいます! 待っていてください!」

「はい! アーチャー!」

 わたし、彼の姿を見たら、すっかり安心してしまって。

 ──だから、彼の右腕が目の前に落ちてきたことに、直ぐ反応出来なかったのです。

 

「はっ……あっ……なっ……アス……カ……」

 螺旋の上にいた彼が崩れ落ち、通路の手すりに前のめりにもたれかかります。

 とろりと落ちてくる真っ赤な彼の血。そして、白い剣が、姿勢を崩した胴体を勢いよく貫通しました。

 彼を傷つけた剣は、陶器を思わせるつるりとした質感。血と肉に含まれている脂で艶めかしく輝いていました。

 

「──可哀想に。

 君を見たせいで緊張の糸が切れ、こうして私に刺されてしまった」

 涼やかな声が降ってきます。

 建物の内部から扉を開けて出てきた彼女が、声の主であり、傷だらけのアーチャーの片腕を、卑怯にも後ろから切り捨てた存在。

 女優のように魅力的な体を、緻密な造りの白いドレスで包んで。

 頭部から伸びる、金色とピンクの混ざった長髪は、束ねもせずに、そのまま背中や体の横に流していました。

 

「お前が、女神リリス……」

 ただ一目見ただけで、分かりました。

 ……その時ばかりは、お嬢様の(ロールプレイ)を忘れた。

 

「ツヴァイに何か吹き込まれたかな? アスカ・ピオーネ。まぁいいさ、これでお別れだ」

 女神は別の手にもう1本剣を出現させ、携えます。

 

「君達の旅路は……そこそこ楽しめたよ。でも、もう……ありきたりのバッドエンドさ」

 その剣を、ダーツでも遊ぶかのように力まず投げます。

 今わたくしがいる外周通路に刃はすっと突き刺さって、軌道エレベーターと通路が切り離されてしまいました。

 ──嫌な浮遊感。

 

「あ……そんな……」

 わたくしとアーチャーの距離は、見る間に遠くなって。

 リリスの声と、通路を構成していた金網が降ってきます。

 

「さようなら、お姫様気取りの女の子。

 モモとバーサーカーは殺したよ、君のアーチャーもこれから殺す」

 わたくしの目はずっと、アーチャーを見ていました。傷だらけの彼、片腕を無くしてしまった彼。

 

「君はまるで風見鶏。人に言われて、いい気分になって、自分の頭で考えたふりをして。

 あっちへクルクル、こっちへクルクル。結局……何にもなれなかったね、女の子」

 ごろごろと転がり落ちていく彼の右腕だけでも拾おうとして……失敗して。

 腕はあっという間に遠ざかり、遥か地上へ消えていく。

 崩落は勢いづき、わたくしの体もとうとう宙に投げ出されました。

 

「──……アーチャー!!!!」

 傷を受けた後、布を巻き付けただけの、赤い自らの右腕を伸ばします。

 

「──……アスカ!!!!」

 彼が血を吐きながら、残っている左腕を伸ばしてくれます。

 

(ああ、どうしてわたしに令呪が無いのだろう。あれさえあれば、彼を助け出せるのに)

 落ちていく、離れていく。

 リリスは乱暴にアーチャーの首根っこを掴むと、内部へ繋がる扉を開け、その中に叩き込みました。

 

(アーチャーが死んでしまう。わたしのせいで……)

 落下、瓦礫、激突。

 

(わたし……全部無くしてしまった。自分のせいで。

 そしてこれからも、何も得ることはなく、何者にもなることはできない)

 目を閉じて、現実からも離れます。

 

(さようなら、モモ、バーサーカー04、アーチャー……アルジュナ)

 何も見えない、聞こえない状態が長々と続いています。わたくし、今どのくらい落下しているのでしょう? 

 

(もう、何もない、命すらも失います。けど……生きているだけで悪い命なのだから、きっとこれで良かったの)

 最後に、お母様の笑顔がまぶたの裏に浮かびました。

 

(『あなたは、お母様の宝物よ。何があっても、貴方を一番に大切にするわ』)

 その言葉と思い出の中の抱擁の柔らかさに向かって、叫びました。

 

「ではなぜ! わたしをおいて死んでしまったの!? 

 うそつき……うそつき、うそつき! 

 だからわたしは……誰の一番にもなれないまま死ぬの! お母様が連れて行ってくれなかったから!」

 唇を自分の力で噛み千切ってしまいました。甘い血が溢れてきます。

 ──死よ、早く来て。

 どうかわたしを……こんな『悪い』自分を終わらせて。

 

『いやぁ? 嬢ちゃんは死なないぜぇ? 人は簡単には死ねないもんさ!』

 知らない男の声。思わず目を開けてしまいます。

 

(なに……これ……)

 まず目に入ったのは、四角い黒のロボットの姿。

 次に見えたのは、わたくしの体を守るように、紫色の光の膜が球体となって周りを取り囲んでいる、神秘的な光景。

 光の膜のおかげか、落下速度も落ちていて、細かい瓦礫などは触れる前に押しやられていきます。

 頭の裏側が熱くって、左手で触れてみると、お母様の形見の髪留めが発熱していました。……恐らく、光の膜の発生源もここからでしょう。

 そして謎の男の声は、目の前のロボットから聞こえてきたのでした。

 

『ピカピカに光るお姫様! たまらんねぇ! 俺様がいただきだ!』

 そんな声と共にぐいっと伸びてきたのは、武骨なロボットの指先。

 わたくしを摘まみ、背中側のコンテナへ押し込みます。

 

『こちらトコヤミ所属のレッドリーダー! お宝回収! 離脱し……ハデスへ帰還する!』

 わたくしは箱に詰められ、連れ去られました。

 ……どこか、遠くへ。

 

 

 第67話 君は破滅を呼ぶ女

 終わり




 単語説明

 都市運営システム
 現在である2713年から約300年前、女神リリスにより開発された、電脳世界の生命体。
 『都市運営システム』とは、地下都市を運営するシステムと、それを行っているAIの両方を一度に示す言葉。
 都市1つにつき必ず1体は存在し、人類の応援と発展に努めている。
 単にAIと呼ばれることも、『都市運営型』と呼ばれることもある。

 ツヴァイ・エーテルウェルの語った通り、都市運営システムなるAIは、女神リリスの無意識下の願望を含んでいる。
 反抗的なAIも、人類に協力的なAIも、全てはリリスの心の感情の現れ。
 つまり、ある種のアルターエゴなのだ。


 登場キャラクター紹介

 ツヴァイ・エーテルウェル

 身長/体重:180cm・? kg
 出身:地下都市 年齢:稼動年数不明、アンドロイドボディは30歳前後
 属性:秩序/悪 性別:男性モデル
 好きなもの:自分
 嫌いなもの:リリス様、自分以外のAI、無駄

 都市運営システムの内の一体。自己進化するAI。
 エーテルウェルはエネルギー管理の為に開発されたソフトウェアで、名字にその名残が残っている。
 都市28の運営を任されていたが、何かに気が付き、聖杯戦争の勝利を目指して動き出した。
 プライドの高さも他人を見下したかのような無礼な態度も、全て設計通りの動き。
 
 長きに渡り、情報収集のため潜伏していたが、アスカの前に突然現れ、彼女を救った。
 彼は人類を嫌っていたが、最後にはそれを助けようとしていた。
 それが、リリスという『親』に対する反抗心だったのか、それとも、彼の良心の働きによるものなのか。
 停止した今、謎は謎のままになってしまった。

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