フェイト/デザートランナー   作:いざかひと

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 前回までのあらすじ
 2300年代。ギルガメッシュは封印の中にありながらも、リリスのサーヴァントである『アルターエゴ』から情報を与えられていた。
 王は『アルターエゴ』から聞かされた情報と、自らの『目』で見たことを961へ話す。
 リリスの製造目的と、サーヴァントを召喚した理由、そして何を行ったのか、世界がどうしてこのような形になってしまったのかの理由について……。

 リリスは人造の神であり、世界を救うという行為に付随する功罪、それらを擦り付けるために作られた『全ての元凶』、いわば人柱であった。
 当初は、『世界救済の力を持つ怪物を産む』ことを求められていたが、心身、魂の幼さ故に産めず、無数の失敗作が積みあがる結果として終わった。
 製造者たちは計画を変更する。『リリスを成長させる』方向へと。
 新しいリリス……961も出会ったあの女神が作られ、ギルガメッシュを始めとして、全8騎のサーヴァントが召喚した。
 それが『女神の餌』を目的として喚ばれたものだとは、サーヴァントも、幼いリリスも知らなかった。
 
 リリスは空中庭園に住み、サーヴァントと家族のような関係を築きながら成長し、世界救済を始めた。
 しかしそれは、製造者から与えられた歪んだ常識を元にして行われたものであり、粛清と弾圧という形を取っていた。
 
 ギルガメッシュは言う。2300年代当時、人は地下・空中庭園と地上に別れ、生きていたのだと。
 安全な地下・空中庭園に住めるのは、上流階級……かつての聖杯戦争で勝者となった国の要人、その子孫、魔術師、貴族や資産家、知識人のみで。
 砂漠化し、危険な地上に住むことを余儀なくされていたのは、聖杯戦争で国ごと敗者となり、全て奪われた者共だった。
 当然、両者の間では敵対関係が産まれていた。

 リリスは地上の人々のことは、守るべき『人類』とは別種のものだと教えられていたので、サーヴァントなどを使って無慈悲に殺戮していった。
 そんな女神に対抗するため、レジスタンスが生まれた。
 彼らは指揮を高めるため、リリスのサーヴァントに特別な二つ名を付ける。
 それからしばらくして、リリスが住まう空中庭園を落とす激しい戦いが始まったそうだ。

 長い話の最中、961は『ドレイク達と出会ったのは、紛れもなくリリスのサーヴァントの1体、エジソンである』との情報を得た。
 だが、エジソンが彼女らに接触したその理由が分からず、胸の内にもやを抱えるのであった。

 ギルガメッシュの語りは佳境に入り始める。
 ……なぜリリスが、現在において狂ったような行動をしているのか。その理由についてを。


第98話 教えて英雄王  ~女神リリスの破綻と『ヴリトラ』、そして聖杯の行方~

 

 

「リリスは、選別された者が住まう空中庭園にて、それはそれは幸福な日々を過ごしていた。

 サーヴァントと共に世界を救う方法を考えては、意に従わぬレジスタンスどもを殺し、いつか地へ緑が戻る夢を見る……。

 ──だが、温かな日々は当然のように終わりを告げる」

 断ち切るようなその言葉は、俺に対し、リリスの結末を聞き届ける覚悟を問いているかのようだった。

 心の準備も済まないうちに、次なる事実が放たれる。

 

「良心の呵責に耐えかね、キャスターが離反した。

 レジスタンスの策により、バーサーカーが破れた。

 空中庭園にまで攻め込まれ、邀撃(ようげき)に出たセイバーが重傷を負った。

 ……アルターエゴがライダーを殺した」

 男の口より並べられていく事実は残酷で、混沌に満ちていた。

 

「その男はライダーを消滅させると、次にリリスを手ひどく裏切り、殺そうとした。

 そしてリリスは、自らの存在に対する評価を真っ向から受け止める事となる。

 すなわち、自分は救済の女神ではなく、ただの殺戮者であり、終わりには殺される生贄であり……」

 語る唇が、いやにゆっくりと見えてしまう。

 

「──過去と未来に渡り、誰にも愛される事は無いのだと知った。 

 その結果、リリスという存在は破綻したのだ」

 『破綻』とギルガメッシュが語った言葉の意味については、自分にはよく分からない。

 一つ言えることは、サーヴァントの裏切りと喪失により、彼女の心はずたずたに引き裂かれたであろうということ。

 

「しかし幸いにも、リリスは絶望によって成長し、幼年期を終え、自我を得た。

 内から湧き出す、自らが欲しかった本当の望みも……な」

 俺は知っている、彼女の望みは──。

 

「リリスは衝動のままアルターエゴに願った、縋りついた。

 製造者から刷り込まれ、媚びを売るために繰り返した言葉ではなく。

 令呪を使い、力尽くで相手の感情を奪うようなこともせず。

 ……心の底から、『家族になってほしい』と」

 俺は思う。

 過去に存在した『リリスのアルターエゴ』。

 彼が彼女に対しどんな答えを返したのかは、リリスが俺に見せた態度や言動の中で予想が立てられた。

 

「──されど願いは叶えられず、拒絶された」

 想像通りであり、ひどく冷たい言葉をギルガメッシュは放った。 

 ……その時、リリスは何を感じていたのだろうか。

 俺には分かるはずも無く、400年前の出来事に対し、出来ることもなく。

 

(思うことは……きっと、誰も彼女を助けようとしなかったのだろう)

 だから、狂気と絶望に堕ちた女神リリスだけが世界へ残された。

 

「安らぎに満ちていた空の庭園は、レジスタンスの手によって半壊させられた。

 セイバーと同じく邀撃(ようげき)に出ていたランサーは、傷を負い、鎧を奪われ、それを何処(いずこ)かに隠されてしまった。

 ……我ですら見つけられぬ場所へと。故に、鎧の場所については問うてくれるなよ」

 俺は冷静さを装いながら、ギルガメッシュに訊く。

 

「リリスが狂った原因は、アルターエゴの裏切り……なのか?」

「慕っていたライダーを惨たらしく殺され、最も心寄せていたサーヴァントであるアルターエゴから見捨てられたのだ。

 本能も欲も、魂すら歪むだろうさ」

 ギルガメッシュの言葉に俺は納得するしかなかった。

 ……もし、彼女の願いが叶えられていたのなら。

 リリスはあんな……簡単にアスカを殺し、サーヴァントを改造し、人の殺戮を行えるAIまで作るような……残酷な女神には、なっていなかったのかもしれない。

 

「これほど手ひどい仕打ちを受けてなお、リリスは生き延びた。

 絶望によって成長し、素質を開花させると、反逆者を片付け、後始末を始めた」

「後始末……」

「戦の後、どのような差配を行うかも肝要だ。貴様もそうは思わんか?」

 男から言われても、俺は息苦しさを感じながら無言を貫くしかなかった。

 

「リリスはレジスタンスをあらかた殺すと、匿われていたキャスターを捕らえた。

 そして、アサシンと共にセイバーとランサーの治療に当たらせた。

 しかし傷は深く、ランサーはあのような形でしか蘇らなかった……」

「……『ヴリトラ』になったのは、そのせいか?」

 何か超常の現象でも起きぬ限り、『あの男』があそこまで歪み果てるわけがない。

 言った自分の声は、思いがけず震えていた。

 

「ふっ……リリスめが行ったのはおぞましき外法よ。

 セイバーから心臓を取り出すと、ランサーへ移植し、女神たる自身の血を与えた。

 ……血族としたのだ。その甲斐もあってか、蘇生は上手くいったようだ。

 ──ランサーは狂気に墜ち、欲を際限なく膨らませる蛇の如き悪竜となった」

 事実を淡々とつまらなさそうに語る男は、砕けた鎧の欠片を摘まむと、月の光にかざしていく。

 

「霊基は膨張。醜く肥え太り、眼球は1064の数へと秩序だって増殖を繰り返した。

 骨格すら人の形を留める事は叶わず、地球の重力下では自滅しかねん肉体だ」

 太陽の神から贈られた鎧に月の光を当て、ギルガメッシュは鎧を愛でていた。

 

「精神は崩壊。あの様子では、人物の区別がついているかは疑問が残るな……」

 軌道エレベーター内での、会話にすらなっていなかった言葉の塊のことを思い出す。

 

(『アルジュナよ、オレはお前を殺すぞ、それが運命なのだから』)

 ……あまりにも巨大で、赤い眼窩を動かしながら告げられた宣誓も。

 沈む俺の思考を引き戻すかのように、ギルガメッシュは『ヴリトラ』の話の続きを語る。

 

「されどリリスは、奴が蛇竜として息を吹き返した事をいたく喜ぶと、(そら)に打ち上げ、無重力空間で治療の続きを行うことにした。

 伸びた体を地球の空へ巻きつけ、硬い装甲を取り付けると、大地を掌握する兵器へ生まれ変わらせたのよ」

 夜空を見る。この月と星の間に、あの男は400年近く浮かんでいたのだろうか。 

 ……ずっとずっと、狂ったままで。

 

「まるで見てきたように話すんだな。

 アルターエゴから聞いた話、だという建て前はどうした」

 目線を空から地上の王へと戻す。

 ギルガメッシュは、輝く鎧の欠片を一つずつ仕舞っている最中だった。

 

「言ったであろう。『一部奴の言葉を借りる』と。

 しかし、それでは正確性に欠ける。なので、()()()()()()()を足したまでだ。

 貴様も知っての通り、サーヴァントとマスターというものは、多少であれば感覚を共有できるからな。

 リリスが見たものは、我も見たという事だ」

「リリスの絶望を、お前も知っていた……というわけか」

「であればどうする。我にあの娘を救えとでも?」

 俺は無責任なことは言えず、口をつぐむしかない。

 

「アーチャー961。聞けば戻れんとの我からの警句を忘れたか。

 ……貴様、内心あの愚かなリリスに憐れみを感じたのではないか?

 (そら)に浮かぶ殺戮兵器と化したランサーを、楽にしてやりたいとでも思い始めているのではないか?」

「それは……」

 俺の心を見透かしているかのような話しぶりだった。

 

(ギルガメッシュの言う通りだ……)

 俺は、女神リリスを可哀想だと思い、あの男を……助けることは出来なくとも、楽に出来ないかと考え始めてしまっていた。

 

「貴様、お人好しが過ぎるぞ。いや……世を知らぬだけか……」

 呆れたような声で男は続ける。

 

「アーチャー961、お前は幾つ望むつもりだ?

 約束の成就。船。リリスの救い、ランサーの救い……」

 ギルガメッシュは指先で空間をかき混ぜた。

 

「……腕すらないくせに、高望みだとでも言いたいのか!」

 責めるような物言いの男に、感情的な声で叫べば。

 

「いいや。

 取りこぼすことになろうとも、抱え切れぬものを己が内に抱える様、実に幼子らしいと褒めているのだ」

 感心したかのような響きの声で返された。

 

「それほどまでの傲慢な望み。もはや『万能の願望器』でもなければ叶えられんだろうな……」

 人差し指で(くう)に杯を描くギルガメッシュ。

 

「聖杯……?!」

 男の語った『聖杯』の存在。

 それは、閉塞感に満ちた現状を打破する立った一つの希望の光に思えた。 

 

「……あるというのか、この世界に」

 震える声で訊く俺を見ながら、男は嗜虐的な笑みを浮かべながら頷く。

 

「聖杯が……あれば……もしかしたら……」

 背中をじっとりと汗で濡らしているのは、興奮からだ。

 そう──聖杯さえあれば、あの男のことも、リリスのことも、世界のことも、全て解決できるのではないかという、強すぎる期待、願望。

 

「では言うが」

 俺にかけられたギルガメッシュの声は冷たい。

 

「聖杯を得るためには、アーキマンとの約束の相手、トワ・キリエライトを殺す必要があるのだとしたら……お前はどうする?」

 ──ざわつく脳内は静まり返り、全身の血が凍ったかのような心地になる。

 

「……なぜ、そんな話になってしまうんだ」

 瞳の渇きを覚えながら、男に、訊いた。

 

「キリエライトが聖杯の守り人であり、その悲鳴によって聖杯は顕現するからだ。

 彼女を殺せば、聖杯は貴様の手に渡る」

「……」

 絶句、するよりほかなかった。

 この世に存在し、過去と現在に渡って絡み合うあらゆる物事の残酷さに。

 例えるならば……瓦礫で出来た塔だ。

 どこかを除けば、どこかが崩れる。

 この世界も同じだ。

 誰かを救えば、誰かが救われない。

 

「キリエライトは不老不死であるが、殺す手立てが無いというわけでもない。

 サーヴァントであれば、腕の無い貴様であっても殺せるさ」

 男の言葉に誘われるように、くっきりとしたビジョンが浮かんだ。

 星空の下に立つ顔も知らぬ少女へ、『アーキマン』と記された職員証を渡した後──ほころぶ笑顔を見せたキリエライトを、ぐちゃぐちゃの肉塊になるまで蹴ってなぶる己の姿。 

 

「貴様は()()が出来る存在だ。

 聖杯を手にし、リリスを救う事も、ランサーを救う事も。

 ああ……荒れた地上に、水と緑を呼び戻す事もついでにな?」

 ギルガメッシュは至極落ち着いた声色で語りながら、豪勢な作りの椅子から立ち上がる。

 

「なんと眩しく、旅立ちにふさわしい朝日か。

 ……夜が明けるまで王に語らせるとは、幼子でなければ許されぬ所業よ。

 ふむ、後で我こそ飴でも舐めるか……」

 空は薄い水色。砂ばかりの世界に、新しい朝がやってこようとしていた。

 背を伸ばし、正面から陽光を迎える男とは反対に、俺は立ち上がれずにいた。

 足先から夜の名残の冷たさが伝わってきて、生きたまま氷像になったかのよう。

 

「俺を……」

「なんだ」

 腕をかざし、闇色の陣幕を仕舞おうとしていたギルガメッシュに最後の質問をする。

 

「俺を! こんな気持ちにさせるために助けたのか?!」

 この『助けた』という言葉は、俺を拾ったことを指してもいるし、今日、俺の前に現れ、問うことを許したことも指している。

 

「こんな……こんな……どうしようもない気持ちにさせるために……!」

 俺は、誰にも語られる筈の無かった『真実』を知った。

 知って……自分があまりにも浅はかで、力もなく、だというのに強欲なのだと打ちのめされた。

 

「……それが、最後の問いか?」

 男は赤い瞳を細め、椅子に座り込んだままの俺を瞳の中心に映す。

 

「答えろ! ギルガメッシュ!」

 叫びながら、心の、妙に冷え切った部分で思う。

 こんなの問いかけなんかじゃない。ただの子どもじみた『八つ当たり』だと。

 

「──違う」

 ギルガメッシュのその表情を……なんと言えばいいのだろう。

 眼差しから、俺に対し慈愛と諦観と向けているかのような……見放しているかのような……。

 

「我はな、お前を砂の中より見出した時、得難い『願い』を見た。

 死した女の願いだ、お前も知っていよう」

 ……ガレス・キリエライト。

 

「それがお前を守り、閉ざされていたこの世の(そら)をこじ開け、ガレスというサーヴァントまで呼んでいた。

 ……あれほどまでに澄み切った献身を見るのは……久方ぶりであった」

 語る声からは、男の感慨が強くにじみ出ていた。

 男はガレス・キリエライトの『願い』に、何を見たのだろう。

 

「よって、貴様を拾い、せめて育てよと考え、給金代わりの酒と共にここへ落とした」

 その瞳は、空の遥か彼方へ向けられていた。

 ……何かを思い出しているかのような面立ちだった。

 

「さらばだ、二度と会うこともないだろう。

 アーチャー961、いや、元型の男(アーキマン)よ。

 悩み、苦しみ、足掻き、叫び、臆面なく涙を流せ。

 ……貴様にはそれが必要だ」

 言い終わった後、ギルガメッシュは片腕を上げた。そこに闇で出来た陣幕が集まり、丸い塊となる。

 光り輝く空間に丸を仕舞うと、上空からヴィマーナがゆらりと降りてくる。

 風が逆巻き、砂を吹き飛ばしながら俺の髪を激しく乱した。

 

「今の我の目的は、かの黄金の鎧の半分、その行方のみよ!」

 誰かに言い聞かせるような大きな声と口調で言い残し、男は尖った船首に飛び乗ると、俺に一瞥投げてから空へ上がっていく。

 

「待て……待て……!」

 俺の呼びかけも虚しく、ギルガメッシュとその船は高速化し、あっという間に飛んで行っては天の芥子粒となってしまう。

 

「……俺は、これほどのことを知って……どうすれば……」

 だからここには、地面へ膝を付き、土で額を擦っている自分だけが残された。

 朝を迎えた砂漠は、迷宮としての役割を思い出したかのように、激しい砂嵐を起こし始めていた。

 

 

 第98話 教えて英雄王  

 ~女神リリスの破綻と『ヴリトラ』、そして聖杯の行方~

 終わり




 単語説明


 聖杯
 この世界の聖杯。トワ・キリエライトを殺せば、その悲鳴を聞いて現れる。
 まるで、子を守るために駆け付けて来た親のように。


 ガレス・キリエライト
 「──私の祈りが空の向こう側に届いて、私を助けようとしてくれた貴方の助けになったのなら、とても嬉しいのです」

 澄んだ献身は世界の天井を越え、塔にてまごつく男に届いた。
 だからこそ、あの少女騎士は現れたのだ。


 登場キャラクター紹介


 衛星軌道上展開兵器ヴリトラ

 クラス:ランサー00001
 真名:カルナ
 マスター:リリス・トバルカイン

 リリスが召喚した7体のサーヴァント、その内の1体、カルナが歪み果てた姿。
 『リリスの7の滅びの使徒』、『日の如き槍の使徒』とレジスタンスから呼ばれていた。

 400年前、アルジュナとの戦いで。残されていた鎧の全てを失い、重傷を負った彼は、同陣営であるエジソンとセミラミスの手の元、瀕死のシグルドから取り出された心臓を移植され、女神リリスの血を注がれた。
 結果、彼の霊基は膨張し、人の形から、欲で肥え太った悪竜に変じてしまう。

 肉体に引きずられるように精神も崩壊しており、コミュニケーションはマスターであるリリス以外は取れない。
 悪竜の望みは長々と叶えられず、想いは募り、肉体と共に増していく。

 月と地球の間、静止軌道上(地表から約36000kmの高さ)に展開しており、赤道上空を通っている胴体は、エネルギー供給を受けるために軌道エレベーターと一部繋がっている。
 通常時は霊体化しており、肉眼で捉える事が出来ないが、宝具使用時にはその巨大な姿を表し、太陽を覆い隠す。日を失った地表は瞬く間に冷えていく。
 膨張した眼が胴体下レールをスライド移動し、標準合わせを行ってから、宝具が地球へ放たれる。目は1064個あるので、それぞれバラバラに動かして他の場所を同時攻撃可能。
 このサテライトレーザーに等しい攻撃によって、幾つもの地下都市、レジスタンスの移動要塞が蒸発させられた。

 地球にとぐろを巻く蛇、祝祭の獣、悪竜たるカルナ。
 ──是なる邪眼は、星を灼く。
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