ISと空に舞う   作:ALUKana

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青と碧

龍Side

ピットに設置されているモニターからアイツ・・・・・基希とオルコットの試合を眺めてながら、俺はデータ取りという自分の仕事に取り掛かっていた。とはいえ、まだミーティア(第三世代兵装)をつかっていないから、そこまでの仕事ではない。

というか、初手から距離取られてバカスカとレーザー撃ち込まれてるけど、後で機体見るの怖いな・・・・・

その後で全弾斉射でオルコットを追い詰めているように見えたが、オルコットもオルコットで切り札があるだろうな。

 

「たしか、イギリスの研究は・・・・・イメージインターフェイスによる無線兵器のコントロール・・・・・だっけな、ウイングについてるのがソレっぽいな」

 

つい考え事をする時の癖で独り言を呟くと、未だにISの最適化を行っている1人目(織斑一夏)が声を荒らげていた。何事だよ。

 

「あいつ・・・・・!もうあんなにボロボロなのにまだやるのかよ・・・・・!もう武装も無いのに・・・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・・・さてはコイツ、馬鹿だな?機体スペックも何も見てないようだ。ただひたすら基希に対する批判ばかり。ほら、隣にいる嬢ちゃん見てみろよ。呆れてるぞ?スゴい顔だぞ?可愛い女の子がしちゃいけなさそうなしわしわピカテウ顔になってんぞ?

 

「嬢ちゃんも・・・・・苦労人だなぁ・・・・・」

 

本当にドンマイって感じだな

さてと、もうすぐケリも着くだろうしデータをまとめるか!!

にしても、鉄扇を構える姿は様になってんな・・・・・可愛いとすら思える・・・・・無茶さえしなければな・・・・・って、なんか変な感じだな

とりあえず、あそこの馬鹿は放置しておこう。馬鹿に構うだけ無駄だ

 

 

 

一夏Side

 

俺は信じられなかった!

 

何がって、基希のやつ!オルコットは女子だぞ!?なのにあんなにたくさんの弾丸やミサイルであそこまでボロボロにするなんて!

 

アイツ、男の風上にも置けねぇ奴だ!!男なら正々堂々だろ!

 

そんな奴、俺がこの白式で・・・・・やってやるぜ!!

 

「見てろ!俺が男らしい戦いを見せてやる!」

 

 

 

 

箒Side

 

一夏のやつ、専用機をもらって浮かれているのか?慢心にも程があるぞ。

 

あの戦いぶりを見れば分かるくらいに三雲さんは成長している。セシリアに対して接近しようとしたり、それを潔く諦める事が出来る判断力。あれだけの弾幕を張れる制圧力。どれをとっても、一夏にとっては欠けている事だ。

 

剣道による鍛錬と知識を無理やり詰め込んだだけの付け焼き刃では、到底・・・・・

私のせいだな・・・・・訓練機すら借りなかった・・・・・私の。

なら、せめて、祈るくらいはしていたい・・・・・想い人の無事を・・・・・

 

そんな思いも裏腹に試合は続いていく・・・・・

 

 

 

シャルロットSide

 

「あー、僕の考えたコンビネーションでも耐えられたかぁ・・・・・流石イギリス代表候補生。」

 

僕の観ているモニターにはナイフで基希の振るう鉄扇を受け流し、反撃の機を伺っているオルコットさんを観て僕ならどう戦うか考えている。

 

初撃のレーザーはシールドで、その後、近づきながら《ガルム》で牽制して撃たせないようにして、《グレー・スケール》を入れる・・・・・かな?

 

にしても、この後に僕と織斑くんの試合かぁ・・・・・盛り上がりに欠けるとか言われないかなぁ?僕の戦い方って地味だし・・・・・

 

そう考えていると、モニターに基希のドアップが映される。服を着ていると中々に中性的であるが、実際にISスーツ姿になると分かるがそれなりに筋肉が付いてるため、より男の人っぽく見える。それを観ている僕は胸がポカポカして、元気を貰うんだ。

 

「やっぱり、基希はかっこいいな・・・・・」

 

独り言はピット内で木霊するだけだった。

 

 

 

 

基希Side

 

鉄扇を構えて突撃した俺に対し、オルコットさんはナイフを構えて、鉄扇の攻撃を受け流していく。上段、下段、袈裟斬り、横回転、縦回転・・・・・連撃を加えるがナイフ1本で捌ききるあたり、この子は凄いと思う。

 

「まだまだ・・・・・踊り足りませんことよ!」

 

そう言いつつ、オルコットさんは自身の脚でハイキック・・・・・回転しているからサマーソルトか、を仕掛けてきた。

 

「なっ!?おわっ!」

 

サマーソルトなんてしないと思ってた俺は持っていた鉄扇を弾き飛ばされてしまい、空いたそこにオルコットさんはナイフを突き立てようとした。が、咄嗟に回転蹴りを行いオルコットさんのナイフを払い、後ろへと下がる。

 

 

その瞬間、オルコットさんは微笑んでいた。

 

「えっ・・・・・?っ!ぐぁっ!?」

 

背後からレーザーが撃たれ、衝撃で吹き飛ばされる。あれは・・・・・小型機!?

 

「かかりましたわね、これが《ブルー・ティアーズ》の第三世代兵装。その名も《ブルー・ティアーズ》!通称BT兵器ですわ。さあ、ここからが本番ですわよ!」

 

そう言うとオルコットは上昇し、背中のウイングパーツが3つほど機体から離れて飛んでくる。

 

「げっ!また来る!アリス、ガード!!」

 

『シールド、展開・・・・・あまり持ちませんよ?どうしますか?』

 

アリスの言葉を聞く前にシールドにレーザーがぶつかり、シールドが焦げ、更に削れた。

これをどうやって攻略すれば・・・・・それを考えるにも周りで旋回しながら攻撃を撃たれてはどうにも出来ない。

 

「仕方ない!《ミーティア》、使うぞ!」

 

決断し、エネルギーをチャージしながらBTの包囲網を抜けようと上昇と下降を織り交ぜた軌道で飛ぶ。

 

「今更、何をなさるおつもり!?」

「こうするの!!!最大出力!いっけえええええええ!!!」

 

両手を前へ突き出すと、指という指から光が溢れ出す。その光はそれぞれに空を飛び交い、時には複雑な軌道を描き、オルコットさんにぶつかる。

 

「っ!?あぁっ!ぶ、ブルー・ティアーズ!」

 

焦ったのかBT兵器を呼び戻したが、その直後ウイングパーツから爆発が起き、BT兵器は使えなくなった。

俺は、そこへ《陸奥守》を構えて突撃をする。

お互いにSEはギリギリ。次の一撃で決まる。

 

「これでっ!終わりっ!!」

「残念ながら、それはコチラのセリフですわ」

 

落ち着いたオルコットの背後から一基のビットが出てきて、突撃してきた。もう一基あったのか!?

ビットは刀を避けて接近し、俺の腹目掛けてレーザーを撃ち込んだ。

 

<ヴェール・リヴァイブ、シールドエンプティ、勝者セシリア・オルコット>

 

そのアナウンスが聞こえ、俺の初めての試合は黒星となってしまったのだった。

 

To be continue....




セシリアは地味に強化されています。具体的にはビットの扱い、近接戦闘。

そして、箒は一夏が好きだけど、呆れている状態ですね、好きな男子が馬鹿やってるの見て呆れる女子と一緒。実力はあるから夏以降エグいんだよなぁ・・・・・戦力が。

あと、シャルの戦闘は決して地味ではありません。謙虚なんです。でなきゃあんな戦法を地味とか言えない・・・・・

次回!!
しゃ、、、、シャルロットさん?

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