103th Fighter squadron『Folgore』 作:COTOKITI JP
《1975年 12月 9日 『フルグル飛行場』11:43AM》
先程コトブキ飛行隊を助けた戦闘機隊、第245飛行中隊、通称『フルグル隊』と呼ばれる彼等は、既に全機飛行場への帰還、格納庫への機体の運び入れも済ませ、少しの休憩を挟んでここの司令官の元へと報告に来ていた。
「では『クレメンテ』大尉、報告を始めてくれ」
執務机で両膝を突いてこちらを見据える老け顔の基地司令、『バイロン』大佐を前にして、クレメンテは報告書片手に口を開く。
「今回の
「敵と交戦……あっちから襲ってきたのか?」
問を投げかけて来るバイロン大佐に対して堂々と言い放つ。
「いや、所属不明の隼一型六機が襲われており、不明機側の不利を察したから俺の独断ではあるが仲間の要望もあって助けに行った」
「あー……いや、分かってたよなんとなくな……」
本来独断で部隊を動かすなど言語道断なのだが、このフルグル隊に於いてはそれがあまりにも頻発する為に、ある程度黙認されている所がある。
処罰を与えようにも彼等は皆立派なエース部隊なので前線から引き戻す訳にも行かないので仕方なくトラブルを起こさない限りはお咎め無しという事になった。
何とも杜撰な組織体制だが、そもそもこんな軍隊ごっこをやっている武装勢力にちゃんとした秩序を保ち続けろという方が無理がある。
穴を潜ってここにやって来てから一度も大きなトラブルが起きていないのだから寧ろ奇跡的とも言えるだろう。
「んで?お前らの戦果はどれ程だ?」
「六機撃墜、こちらは被弾した機体は無い」
「帰還する時につけられてねえだろうな?」
「帰還時に何度か周囲の索敵を行ったが、機影は一つたりとも確認出来なかった。 それ所か不明機からは無線で礼を言われた」
ある程度状況を把握したバイロンは安堵したのか大きな溜息を零し、表情を僅かに緩めた。
「にしても隼一型か、確か別の部隊に隼の部隊がいなかったか?」
「確かにいるがアイツらももうすぐ機種転換が始まるしアイツらが乗ってるのは一型じゃなくて三型だ」
「なんだ、機種転換しちまうのか。 格好良いのに勿体ねぇなぁ」
バイロンの言ってる事も分かりはする。
だがいつまでも時代遅れな機体に乗せられるパイロットの身にもなれと言いたいものだ。
観賞用に置くのは良いとしても、あんな時代遅れな機体で戦わされたんじゃ溜まったものでは無い。
確かに隼は見た目は良いが、全体的な性能でさもう他の戦闘機に置いてかれてしまっているのが現状だ。
どんなに見た目が良くても、結局は性能で善し悪しが決まるのだ。
「まっ、取り敢えずもう帰っていいぞ。 あと報告書は置いてけよ」
「分かってる」
執務机に報告書を放り、執務室を後にする。
まだ門を潜ってこの世界に来てから間も無く、部隊全体の動きは覚束無いようだ。
原因の一つとして地理的要因があるだろう。
地質調査などでここが嘗て海底であった事は分かっているが、その地形が劣悪にも程がある。
水は地下水でどうにかなったが、問題は食料とそれを確保する為の移動手段だ。
文字通り山あり谷ありなこの場所で輸送車なんてとてもじゃないがリスクが大き過ぎて出せない。
と言うと残る移動手段は空しか無いのだが、一番可能性があるとはいえこれもこれで危険だ。
ウチの飛行場には空中でも航空戦力を展開出来るように『飛行母艦』が一隻あるが、飛行防空艦ほど対空兵装は充実していない。
なので進出し過ぎれば最悪、袋叩きにあって我らが『マックス級』飛行母艦三番艦『ベネディクト』と運命を共にすることになる事は明白だ。
飛行母艦を動かしたいのであれば軍の主力が前線をフロンティアを押し広げて尚且つ制空権を確保してくれれば飛行母艦による物資の輸送も可能なのだが。
作戦司令本部もそっちに意識を向けているらしく、近々大艦隊を編成してこの『レッドランド』奥地に踏み込むらしい。
勿論前線にいるフルグル隊も例外ではなかった。
「おい、クレメンテ!」
建物を出た途端に待ち構えていたのか、一人の男が声を掛けてきた。
彼もクレメンテの僚機の一人である。
「どうした? 『クラウディア』」
「飯が出来たぞ!早く食堂に来い!」
腕時計の時刻を確認し、本当に昼食の時間であることが分かると、クラウディアの後に続いて食堂へと向かった。
コンバインドローラで平らに整備された滑走路の傍らにはマックス級飛行母艦三番艦、ベネディクトが鎮座していた。
要塞の如きその船体を見ると、ベネディクトの初陣が少しばかり楽しみになった。
我らがヴェストヴィントは主人公勢と敵対するか?
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戦争だ!!我等にはそれが必要だ!!
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世に平穏のあらんことを