英雄がヒーローになります!給料次第ですけど。 作:聖剣エクスカリ棒
エビノワールの悪ガキ感面白かったですよね。ずっと笑ってました。
更新が遅れた理由はスプラ杯と謎解きコラボ、いにゅいの3D配信などを見ていたからです。すみませんでした。
USJ事件が発生し、1日学校が休校になるかと思いきやならなかったというUSJの次の日。
既にホームルーム開始のチャイムが5分前に鳴り終わった廊下でエクスは頭を抱えていた。
「やばい…、昨日ヒーロー目指す宣言したばっかなのに早速遅刻とか洒落にならんわ…。昨日遅くまでハリーポッター見たせいだ…。やらかした…!」
教室の扉の前に座り込んで頭を抱えるエクス。なんとかこの状況を打開する方法を考えるが、頭にはハリーポッターの感想しか出てこない。
「いやぁ、バジリスクまじでえげつないよなぁ。バカでかい上に不死鳥の涙でしか治せない毒とか最強すぎる」
ニヤニヤと笑いながら独り言を呟くエクス。故に気が付かない。エクスの後ろに立つものの姿に。
「エクス」
後ろから聞こえた声にエクスの笑顔が凍りつく。恐る恐る振り向けばそこには、包帯でぐるぐる巻きの担任・相澤消太の姿。
「何か言うことは?」
「すいませんっしたあああああ!!」
エクスは目にも留まらぬ速さで土下座した。
「遅刻した理由は?」
土下座するエクスに冷ややかな声で相澤先生が問う。エクスは必死に頭を回転させ、苦しい言い訳をする。
「こ、公園で…子供が200人くらい…居て…、全員にSwitchを…買って、あげてました…」
「なるほどな。という事は、お前はそれだけの金を持っていたという事か?」
「…はい」
「200人も子供が入る公園、この辺りにあったか?」
「…あります」
エクスの返事を聞き、相澤先生は短く息を吐いた。
「反省文、原稿用紙10枚だ」
相澤先生の言った言葉にエクスは静かに肩を落とした。ゆっくりと立ち上がって教室に入るエクスに相澤先生が後ろから小さな声で言った。
「お前の傷を治した普通科の生徒、1年D組だそうだ。礼に行っておけ」
「わかりました」
エクスの返事を聞き、相澤先生は教卓に戻る。エクスも自分の席に着いた。
「さて…、話を戻そう」
教卓に立つ相澤先生が話を始めた。
「先ほども言った通り、雄英体育祭が迫ってきている」
相澤先生がそこまで話したところで1人が手を挙げた。
「なんだ、エクス」
「雄英体育祭ってなんですか?要するに中学の体育大会ですよね?」
エクスが呆けたあほ面で質問をする。静まる教室内。すると突然、エクスの頭に衝撃が走った。
振り返るとアルスが自分の頭の横で指をクルクルと回し、パーと手を開いていた。
エクスは中指を立てた。
「お前ら、遊ぶなら外でやれ」
「いや、違いますよ。ししょ…アルスさんが悪いです。俺は悪くないです」
敢然と言い放つエクスに相澤先生は頭をかいてため息をつく。そして、説明を始めた。それによれば、雄英体育祭は日本ビックイベントの一つであり、日本に於いてかつてのオリンピックレベルの物凄いものらしい。
さらに、プロヒーローがスカウト目的で見る為、良い成績を納めればそれだけ道が拓かれるとのこと。
「へぇ〜〜!全然知らんかったわ。言うてあんまり興味なかったもんなぁ」
にこやかにそう発言するエクスに、クラスの殆どが心の中でツッコんだ。
「(それで本当にヒーロー志望なのか!?)」
ちなみに、葛葉もゲーム三昧で全く知らなかったというのはここだけの話。
休み時間。エクスは1年D組の教室前で悩んでいた。
「どうしよう…考えたら誰が治してくれたか知らないじゃん、俺。かと言って、『昨日僕を助けてくれた人居ますか〜?』なんて聞くのは死ぬほどダサいしなぁ…」
ぶつぶつ呟きながら廊下を行ったり来たりするエクスに、D組の生徒は気味の悪さを通り越して恐怖を感じていた。
お花を摘んでから戻ってきていた1人の生徒がそんなエクスを見て近づいてきた。
「君、確か昨日怪我してた…?」
いきなり声を掛けられて冷凍エビになるエクス。それでも、なんとか言葉を発する。
「あ、貴方…が、僕の傷を…治してくださった方…ですか?」
「あ、はい、そうです。…よ?」
「あ、そう…なんですね」
会話が途切れ、エクスの背中に冷や汗が流れる。このままでは不味いと頭を働かせ、まだ自己紹介をしていない事を思い出した。
「えーっと、エクス・アルビオって言い、ます。昨日は、ありがとう…ございました」
「あぁ〜!わざわざお礼を言いに来てくださったんですね!ありがとうございます!」
頭を下げるエクスに、こちらも頭を下げ返す少女。
「えっと、私、健屋花那です。昨日の件は私も良い思いをさせて貰ったので、こちらこそありがとうございました」
少女、健屋の言葉にエクスは内心首を傾げた。彼女は怪我した人を見るのが好きな性癖でもあるのだろうか。
が、命の恩人には何も言うまいとエクスは口を噤んだ。
左目が笑い、右目が悩む。そんな微妙な表情のエクスに健屋は首を傾げる。
ふと時計を見れば、もうすぐで授業の開始時刻だった。
「そろそろ授業の3分前なので私はこれで失礼します。今度一緒に遊びましょう!」
LINEのIDを書いたメモ帳を渡して教室に帰っていく健屋。それを見送ったエクスは一言、
「陽キャだ…」
と呟いた。
昼休憩。エクスは食堂に来ていた。食券を買い、料理を受け取りに行く。そこで、見た事の無い人物が居るのに気がついた。
黒い髪に赤と白のメッシュが特徴的な男で、大学生くらいのように見える。
エクスがじっと見つめていると、向こうもエクスに気がついたのかにこやかに近づいてきた。
「何?俺に何か用事?」
カウンターに肘をついてにこにこと問いかける彼に、エクスは何故かあまり緊張せずに接することが出来た。
「いや、見たことない人が居るなーと思って。どちら様ですか?」
エクスの問いかけに彼はキョトンとした後、大声で笑い始めた。
「あははははは!どちら様ですかって、そりゃそうだわ!」
涙を拭いながら彼が首から下げられたネームプレートをエクスの顔の前まで持っていった。
「俺、三枝明那。雄英には教育実習できてんの。3週間くらい色んなとこに居ると思うから、よろしく」
差し出された手をエクスは握る。
「エクス・アルビオです。よろしくお願いします、三枝さん」
「エクスね、覚えとくわ。…っと、これがご注文の品でーす。またな」
「明日また来ます」
何となく仲良くなれそうな雰囲気の実習生に見送られながら、エクスは食堂で座る席を探し始めた。
簡単に辺りを見回すが、見たところ全ての席にグループが出来ておりエクスが座れそうな席は見つからなかった。
諦めてどこかが空くまで待つことにしたエクス。
「エクスさーん!」
仕方なく再びカウンターまで戻ろうとしたエクスに、少し離れた席から声がかけられた。
そちらを見れば、席を立ってエクスに向かい手を振る加賀美の姿。
「席をお探しなら、こちらにどうぞ!」
エクスは加賀美の言葉に甘え、そこに座ることにした。
「ようこそ!さぁ、座ってください!」
加賀美の隣の席に座るエクス。前の席には葉加瀬、左前には夜見も座っていて3人ともエクスを歓迎していた。
「失礼します…」
「はーい。私達の中で居心地悪いかもしれないけど気にしなくていいからね」
「私の事は冬雪って呼んでいいよ。私もエビオって呼ぶから」
「え、なんでそのあだ名知ってるんすか」
葉加瀬の何気ない一言にエクスが食いつく。そのあだ名は嫌では無いものの、かっこ悪い為自分からはあまり言わないようにしているのだ。
そのため、何故葉加瀬がそのあだ名を知っているかエクスは分からなかった。
「エビオ呼びの事?それならもう結構広まってるけど」
「嘘でしょ…」
首を傾げながら答えた葉加瀬にエクスは頭を抱える。どこからこの不名誉なあだ名広がったかは分からないが、とりあえずは最初に考えたアルスが悪いという思考に行き着いた。
「もういいです。僕はエビオです。よろしくお願いします」
「あははは、じゃあ私はエビちゃんって呼ぶね」
「私はちゃんとエクスさんと呼ぶので安心してくださいね!」
諦めた顔のエクスに夜見が追い打ちをかけ、加賀美がフォローをする。こういう時の反応でその人の性格は分かるものだ。
「ところでさ!」
ピザを食べ始めるエクスに葉加瀬か興味に満ち溢れた瞳で身を乗り出してきた。
「ヴィランに襲われたんでしょ?どんな感じだった?」
「葉加瀬さん」 「冬雪?」
葉加瀬の問いを聞いた瞬間、加賀美と夜見が純粋に怒りを感じさせるような声を発した。
2人に咎められ葉加瀬は口を尖らせる。
「でも気になるじゃん…」
少しいじけた様な声を出すが、本人も分かってはいるのかそれ以上聞いてくることは無い。
そんな3人を見ていたエクスは、特に気にした様子もなく口を開く。
「別に聞きたいなら良いですよ」
エクスは良くも悪くも直ぐに吹っ切れる性格な上、今回は仲のいいもの達は怪我も無く無事だった為にエクスは殆ど気にしていなかった。
「エクスさん、無理しなくても良いんですよ?」
エクスを気遣う社長の言葉にエクスはピザを口に運びながら答える。
「別に何とも思ってない…わけでも無いですけど、気にしてはいないので大丈夫です。聞きたいこととかあるなら言ってください」
エクスの発言に加賀美は眉をひそめて何かを言おうと口を開くが、その声は葉加瀬の声にかき消された。
「ヴィランってどんな個性持ってたの!?」
「えーと、凄い再生するやつと打撃が効かなくなるやつ、なんかボロボロになるやつ、瞬間移動ですね。雑魚は覚えてません」
飄々とした態度で答えるエクスに葉加瀬が感嘆の声を上げる。
「…あのぉ」
二人の会話を横で聞いていた夜見が申し訳なさそうに手を上げる。
「コスチューム改良の為に使った感想を教えて欲しいんだけど…」
「あ、それは出来れば私も知りたかったり…」
「全然大丈夫ですよ。えっとですね…」
その後質問返答コーナーはヒートアップし、最終的には昼休憩の間ずっと質問攻めにあうエビオなのだった。
なんやかんやは特に無かったが、普通に一日が終わった放課後。
教室を出ようとしたら扉の前に人だかりが出来ていた。
「え、気持ち悪っ…人めっちゃ居るじゃん」
驚愕するエクス。その隣を葛葉が平然と通り過ぎ、人だかりに向かって歩いていく。
「あのさ、邪魔なんだけど。人の迷惑とか考えてくださいませんかねぇ?」
ギロリと睨めば人だかりが分かれて葛葉の道を作った。
「葛葉さんやぁば!えー、仕方ないから窓から出よう」
室内用の靴を脱いで窓から外に出るエクス。校舎を回り、昇降口にやって来て靴下を脱ぐ。室内用の靴を下駄箱に入れて靴を履く。
脱いだ靴下をカバンに入れながら校門を出ようとしたところで、突然誰かに腕を引っ張られた。
「うおぉ!?…あ、師匠じゃないですか。誘拐するなら小学生とかにしてください」
「誘拐じゃねーし。えびせんぱいさぁ、約束の事すぐに忘れるよね」
腕を引っ張っていたのはどこか不機嫌そうなアルスだった。
「怪我治してやったのに礼も言いに来ないしさぁ。多少は心配してたんだけど?」
「いや、師匠なら別にいいかなって思ったんで」
笑うエクスにムッとした表情を浮かべながら、アルスは歩き出した。その横に並ぶようにエクスも歩き出す。
「まぁ?別にボクはえびせんぱいがちょぉーっとは感謝してくれるかなーとか期待してないし?」
「あ、そうですか?なら感謝しないでおきます」
「おまっ、はぁ!?今のはそういうんじゃないだろぉ!?」
アルスがエクスを蹴る。が、エクスはよろけることも無く歩き続ける。
「感謝して欲しいならそれなりの対応があるんじゃないですか?」
「もう意味わかんねーよ」
相変わらずの煽りあい、罵りあいをしながら歩く。
「今どこに向かってます?」
「校庭。端の方なら使っても大丈夫でしょ」
まもなく、目的地の校庭から見えてきた。
「とりあえず、今日は師匠がどのくらい動けるかとかを見る感じですね」
「うへぇ、面倒くさい」
いかにも嫌そうな顔をするアルスを置いてエクスはずんずん進んでいく。アルスも慌てて後を追いかける。
ようやく到着し、2人が向き合う。
「じゃあ師匠、今から体力テストするので個性を使わずにやってください」
「仕方ねぇなぁ。ボクを舐めんなよ?」
「嘘でしょ師匠!?」
「ハァ…ハァ…これがボクの力だ」
アルスの測定結果を見てエクスが驚愕する。そこに書かれた数字はエクスの予想を上回るものだった。
「こんなの、下手したら小学6年生にも負けますよ!?」
「これがボクの力だ…思い知ったか…!」
大の字で倒れているアルスがエクスにドヤ顔を向ける。エクスはそれを見てうわぁと少し引いた。
「これは特訓とかの問題じゃないですね。筋トレしましょう。筋トレ」
「えー、いやだー」
「僕も一緒に付き合いますから。3秒くらいは」
「付き合ってねーじゃん!」
アルスが魔法を発動し、エクスが額に石をぶつけた。エクスは額を抑えて蹲る。
「いってぇ…!師匠ってまじで最悪ですね」
「う…、まぁ今のはボクが悪かった…かも」
自分の立場を考え、アルスが謝る。すると、エクスはガバッと頭を上げた。その瞳が次に何を言うか物語っている。
「だったらご飯奢ってくださいよ!約束ですからね!」
「なんでだよ!謝ったじゃねーかよぉ!」
「分かってないですね師匠。こういうのは誠意が大切なんですよ」
「誠意を持って謝っとるわ!」
ギャーギャーと騒ぐ2人。ひとしきり叫んだ後、エクスが仕方が無いというふうに首を振った。
「じゃあ割り勘です。7:3でいいですよ」
「はぁ?…6:4だよ」
「もうそれでいいです。…疲れたんで帰りましょうか。全然特訓出来なかったじゃないですか」
「はぁー?それはえびせんぱいがふざけた事言うからだろぉ?」
「ほら、すぐ人のせいにする!やっぱりこの人最悪だ…」
「んだと、やんのかぁ?」
「いいでしょう、受けてたちますよ」
「私らエリートが普通科とか許せねぇよなぁ!?だから!体育祭を通じて!ヒーロー科の奴らと戦争だよ!いいな!?」
「「おー!」」
健屋花那
個性:《快復》
怪我ならば誰のどんな怪我でも治すことが出来る。欠損は治せない。ただし、傷が酷ければ酷いほど治した後に吐き気がこみ上げる。(尚、本人にはデメリットでは無い模様)
三枝明那
個性:《スパイス》
手の指から様々なスパイスを出す事が出来る。ランチラッシュと組めば最高のカレーが出来上がるが、ランチラッシュは白米至上主義としている為なかなか食べられないメニューとなる。ちなみに本人は辛いものが食べられない。
にじさんじスプラ杯めちゃくちゃ良かったです。ココ最近で1番感動しました。
エビオの夜勤事件もめちゃくちゃ面白かったですよね。