英雄がヒーローになります!給料次第ですけど。 作:聖剣エクスカリ棒
エビオが指揮とサポートをしている姿やロケランのアル×チャイ、イブの千鳥部隊、終わったあとの司会ゆめおなど見どころをたくさんありがとう!
この話を書き終えたらヨルミナティ視点も見に行きます。楽しかった!
これを機ににじさんじssもっと増えて(懇願)
雄英体育祭当日。目に見えるほどの緊張感が控え室に張り詰める。
…ただ一角を除いて。
「あーダメだぁ…。手札が回らない」
「エクスって手札揃わないとまじで弱いよな」
控え室のベンチを使ってマジック・ザ・ギャザリング(通称MTG。にじさんじでもアプリ版が遊ばれている)をプレイするエクスと葛葉。
この2人の間にのみ、全く違う緊張感が流れていた。
「君たち!もうすぐ体育祭が始まるぞ!というか、何故学校で平然とカードゲームをしているんだ!?」
再びプレイし始めた2人に飯田の声が突き刺さる。
「大丈夫ですよ。始まるまであと少しありますから」
「校則には『カードを持ってきてはいけません』なんて書いてねーし?」
「エクス君はともかく、葛葉君は言ってる事が高校生とは思えないぞ!?」
葛葉の小学生の様な言い訳にその場にいた全員が飯田と同じ事を思ったであろう。
相変わらずカードゲームをするエクスと葛葉にもう一度注意をしようと飯田が口を開きかけた時、何やら少女型の機械が客席の方から入ってきた。金髪で何やら蛍光色の服をきた機械は背中にプロペラを付けて手に1枚の手紙を携えている。
その機械を見た葛葉がサッと顔を青くする。
「?葛葉さんどうしました?うわ、何これ」
葛葉に問いかけるエクスの横を飛び、葛葉の膝に手紙を落とす機械。
そして葛葉の手札のカードを1枚場に出し、場を数回動かして機械は客席の方へ戻っていった。
「それなんですか?」
「俺、今日死ぬかも」
葛葉が手紙を開く。そこには見覚えのある筆跡で一言、『葛葉?』とだけ書かれていた。
それを見た葛葉は一瞬で立ち上がり走って廊下に出ていった。
その場にとり残されたエクスがふと盤面を見る。
「なにこれ地獄じゃん」
その盤面では、エクスは既に詰んでいた。
まもなく、葛葉がシャキッとした姿で控え室に戻ってきた。先程と違い、髪型も整えて背筋も伸びている。
「え、大丈夫ですか?頭でも打ちました?」
「真面目にしないと母さんに殺される」
くすくすと笑いながらエクスが冗談交じりに言った言葉に葛葉は、少しだけ怯えたような声で答えた。
「そんなにやばいんですか?」
「母さんが本気出したら近づく前にやられてる」
「戦闘力ぶっ壊れてません、それ?」
エクスの言葉にゆっくりと頷く葛葉。エクスは思わず息を飲む。
結局周りと違う緊張感漂う2人。
「エクスくん、葛葉くン!そろそろ並ばないト。体育祭始まるヨ?」
「気にしなくていいよ。早く並ぼ」
今から戦場にでも出そうな面持ちの2人にレヴィが声をかける隣でアルスが冷静に言う。
すると、近くに居た麗日と蛙吹が話し始める。
「ケロ、アルスちゃんって思ってたよりクールだわ」
「だねぇ。ウチも最初はもっとこう、甘えてくる子やと思ってた!」
「はいはい、どーせボクは冷酷なまんまる饅頭ですよーだ」
「誰もそこまでは言っていないのだけれど」
2人の言葉に頬を膨らませたアルスに蛙吹がつっこむ。
「みんな、整列はしたか!?入場するぞ!」
控え室に飯田委員長の声が響いた。
『雄英体育祭!ヒーローの卵たちが我こそはと鎬を削る年に一度の大バトル!どーせてめーらアレだろ、こいつらだろ!?敵の襲撃を受けたにも関わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!ヒーロー科!一年!A組だろぉぉぉ!?』
スピーカーから流れる特大ボリュームの紹介と沢山の喝采を浴びながらA組の生徒達が前に進む。
「うわ何これ人だらけじゃん気持ち悪。もうこれ地獄だよ。吐きそうになってきた、俺もうここで死ぬかもしれないよどうしよ。プレッシャーとか半端ないしここまで言われて一瞬で負けたらもう絶対雄英辞めるわ。もうほんとにだめかもしれん。なんd「選手宣誓!」うぉ、びっくりしたぁ」
もうダメだムーヴを決めていたエクスだが、女性の声に驚いて顔を上げた。
そこにはかなり際どいスーツを着た女性ヒーロー、《ミッドナイト》の姿が鞭を持って壇上に立つ姿。
「この学校まじで地獄じゃん。この高校に入ったのを本気で後悔してきたよ?この短期間で」
危ないスーツを着たヒーローの姿を見て恥じらい以上に畏怖や絶望が勝ったエクスは、既に気持ち的に負けていた。
「選手代表1-A爆豪勝己!」
ミッドナイトに呼ばれた爆豪がゆっくりと壇上に上がり、右手を上げた。
「せんせー。俺が1位になる」
『絶対言うと思った!』
爆豪を知っているもののほとんどが声を揃えて叫ぶ。
A組以外の生徒達からブーイングが飛ぶ中、爆豪が振り向いて親指を下に向ける。
「せめて跳ねのいい踏み台になってくれ」
爆豪によってただでさえ高かったA組へのヘイトが更に高まる。エクスはもう無だった。
その後、ミッドナイトから第1種目が発表された。第1種目は障害物競走であり、エクスは入学の時を思い出してなんとも言えない気持ちになっていた。
ルールは単純で、コースは守るのみ。あとは自由らしい。つまり、この時点で既に潰し合いが始まるという事だ。
障害物競走のスタートラインから少し後ろに立って腕を組むエクス。
「でも思ったほどやばくはなさそうだよなぁ」
「そうだネェ」
独り言に返事を返されて隣を見れば、いつの間にかレヴィが隣に立っていた。
「死ぬほどビビったんですけど」
「ウン、驚かせようと思ったもン」
悪びれることなく笑顔を見せるレヴィにエクスも苦笑する。
「もうすぐ始まりますけど良いんですか?」
形だけの問を投げかければ、イイヨイイヨと朗らかな声が帰ってくる。
「それで、どうしました?」
「最近はエクスくん、アルスちゃんとか葛葉くんとばっかり仲良くするかラ。ボクちょっと拗ねてまース」
エクスの問いかけにおどけたように答えるレヴィ。だが、恐らく本当の事なのだろう。
「葛葉さんは普通に男友達ですし。ししょ…アルスさんは、なんというか……」
そこで言葉を切って考え込むエクス。
「多分…ですけど、僕と性格が似てるんですよね。だから絡みやすいって感じだと思うんですけど…」
「確かに、それはありそうだネ」
悩みながらも途切れ途切れに言ったエクスにレヴィは脳裏にエクスとアルスを思い浮かべ、少し吹き出して肯定する。
そこで突如エクスはハッと我に返って頭に疑問符を浮かべるレヴィに何故か弁明をしだした。
「いやでも幼馴染はレヴィさん1人ですし、あの2人とレヴィさんは違うというか…!」
そこでレヴィも気が付く。エクスはレヴィに自分と2人との仲間の良さを自慢しているように感じたのだろう。
それを理解したレヴィはちょっとだけエクスを弄ることにした。
「エー…でも、結局ボクとは絡んでくれなかった訳だシ?やっぱりボクには友達なんて出来ないんダ…」
大袈裟に悲しむ真似をすれば、エクスが焦る様子が視界の端に映った。
エクスは焦る頭で何とか考えた。そして一一
「ンェ?」
「僕は、僕はずっと友達だって思ってますからね!」
気付けばエクスの顔が目の前にあり、手を握られていた。
この事実が普段冷静なレヴィの頭ですらショートさせる程の熱を生み出した。
「〜〜ッ!アリガト!ボク、前の方に行くネ!」
走って遠ざかるレヴィの声が呆然とするエクスに届く。エクスはとりあえず誤解が解けたと思うことにして、一息つく。
人の間を走り抜け、エクスから見えない壁際に寄るレヴィ。その顔が赤いのは走ったからだけでは無いだろう。落ち着きを取り戻す為に深呼吸をすると、口からポロリと言葉が盛れた。
「もう、めちゃくちゃびっくりした…」
「アー、めちゃめちゃびっくりしタ…」
レヴィとのちょっとした1件で焦ったエクスだが、開始前には何とか落ち着きを取り戻していた。今では周りと同じで開幕を今か今かと待ち構えている。
そして、緊張感が最大まで昂るスタート地点で、遂にその言葉が発せられた。
『スタート!』
途端に生徒達が狭いゲートを抜けようと動き出す。結果、スタートゲートはぎゅうぎゅうに詰まってしまった。
少し後ろに居たためにその中に入らなかったエクスはどうやって通り抜けるかを考える。
そんな中、いち早く抜け出す生徒がいた。
「俺が1番だぜ!」
ミサイルに跨り、圧倒的なスピードで進んでいく生徒。
『最初に飛び出したのは誰だァ!?……普通科、ヤミクモケリンだぁぁあ!!』
プレゼント・マイクの口上に合わせてミサイルの上でポーズを決めたり叫んだりするケリン。
だが、順調に見えたケリンのミサイルは徐々にコースの外に向かって行っていた。
『ありゃどうなってんだ!?イレイザー!』
『ただのミサイルが綺麗にカーブを曲がれるわけがないだろう』
イレイザーヘッドの言った通り、ミサイルは搭乗者の意志を無視して真っ直ぐに進んでいく。結果、コースアウトしても止まることなく進み続け…
「ぐわあああぁぁぁぁあああ!!!」
空中で大爆発を起こしたのだった。
その一部始終を見ていたエクスは心の中で手を合わせる。そして、ケリンの真似をすることにした。
「ちょっとすみません」
「は?なんだおま痛てぇ!」
目の前で詰まっている人間のうち1番近かったものを跪かせ、それを足場に詰まった人間の上を走る。下からはブーイングが巻き起こっている為、戦々恐々としながらエクスは進んでいく。
ふと前を見れば、アルスが魔法で飛んでいるのが見えた。
人の道の残りを飛び越えて、地面を走る。
「師匠!魔法使えるのに思ったより遅いですね!」
アルスの横に並んで走るエクス。アルスは一瞬驚いた様子だったが、直ぐにエクスにジト目を向ける。
「えびせんぱい、なんでこの状況でもボクに近づいてくるわけ?ボクのこと大好きかよぉ」
「え、何勘違いしてるんですか…。師匠が1人寂しく進んでるのが見えたから、わざわざこの優しい弟子が来てあげたんでしょう」
アルスの言葉を真正面から鼻で笑いとばすエクス。アルスの頬がピクピクと引き攣り、額には青筋が浮かぶ。
「いやいや、この競技って明らかに1人で挑むやつだからね?」
が、アルスはあくまで冷静に言い返す。魔法使いとしてのプライドが声を荒らげるのを許さなかったのだ。
「チーミングが駄目だなんて言われてないですよ?師匠話聞いてました?」
「ぶっ飛ばすぞぉ!?」
魔法使いのプライドなど、エクスの煽りによってどこかに飛んでいった。
「おまっ、まじでそろそろいい加減にしろよ!?ボクだって怒る時は怒るんだからなぁ!?」
「ハハハ。今の師匠の顔、饅頭みたいですね」
「うがぁぁぁぁ!!」
怒りのあまり絶叫をする。が、エクスはそれを見て更に爆笑するだけだ。
やがて、アルスも少し落ち着いてきた頃。コース上に大きな影が見えてきた。
「あれ、入試時のロボットですね」
「あれからあんまり経ってないのになんか懐かしいね」
コース上に大量のロボが設置されているのをみて、エクスとアルスが懐かしむ様な声を上げる。
「じゃあ師匠は俺に着いてきてください」
「え?なんで?」
エクスの言葉にアルスが首を傾げる。
そんなアルスの前に出ながら、エクスはニヤリとして答えた。
「俺に任せてください」
「って言ってたのは誰だっけ?」
「やっぱり持つべきは頼れる師匠ですね。もう全部師匠に任せます」
「なんでえびせんぱいの面倒まで見なきゃいけないんだよぅ」
エクスとアルスが走りながら相変わらずの会話を交わす。エクスの服は先程に比べて心做しかボロボロに見える。
「でも、幾らえびせんぱいでもあの数に素手で突っ込むとは思わなかったなぁー?」
アルスの蔑むような視線を受けてエクスは顔を逸らす。
そう、エクスは第1関門であるロボインフェルノに対してなんと素手で殴りかかったのだ。
最初は敵をテンポよく破壊していたのだが、0ポイントが三体登場したことにより形勢は逆転。潰されそうになっていたエクスを何とかアルスが引っ張って逃げてきたという訳だ。
「…言い訳させてください」
「言ってみろぉ?」
アルスが促すと、『どうしてだか分からない』という様な顔をしながらエクスは頭をかいて続けた。
「入試で一体倒したんですよ。だから、一体も三体も変わらないかなって」
真面目な顔でそんな事を言うエクス。
「えびせんぱい、大丈夫ですか?」
「いや、入試の時はノーダメだったんですよ!だからいけるかなっt「 あ た ま 」アッハハハ、師匠めちゃめちゃ口悪いっすね」
言葉で殴り合いながら進む。
すると突然、何かが後ろから物凄いスピードで飛来してエクスとアルスの間を抜けていった。
「うぉぁあぶねぇ!」
足を地面に擦り付けてスピードを殺しながら体ごと後ろを向く。目の前に何かを振り上げる人影があった。
エクスは咄嗟に頭を突き出して相手の鳩尾に頭突きした。
「っぐ…」
「顎!頑張れ!」
腹を抑えてよろめく、紫髪に棒状のロボのパーツを持った男子生徒。その奥に星に座る金髪の女子生徒の姿。
「えびせんぱい、走って!」
「ああもうまじで意味わかんねぇー!」
「オイ!逃げんな!」
絶叫しながら後ろから星(?)が飛ぶ中逃げる。アルスも後ろに向かって球体の風を飛ばしているようだ。
「剣持、いい加減起きろ!」
「いや、まじで痛いから!?お前も1回食らってしまえ!」
何故か争っている様子の声を背中に受けながら進むエクスとアルス。その数百メートル先に、第2関門《ザ・フォール》が待っている。
体育祭はまだ始まったばかりだ。
アンケート、思ったよりも星川が顎に迫ってて驚きました。
ハジキの跡を継いで四皇になったエビオと四皇狩りをする社長が「以前はありがとうございました」って言った後に全力でやり合う妄想をしてます。
8:2くらいで書くかもしれないです(エビオリスナーには伝わる信頼度の低さ)。