英雄がヒーローになります!給料次第ですけど。   作:聖剣エクスカリ棒

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思ってた3倍くらい書くのが遅かったです。待ってた皆様、すみませんでした。
エビマル2.0や幻影旅団、ガチプラベなどエビオ関連で色々あってリスナーとしては満足すぎますね。


ふざけた障害物競走を全力でクリアします!!

後ろから謎の2人組に追われながら走るエクスとアルス。2人の視界に第2関門の『ザ・フォール』が見えてくる。

 

「うわ、なぁにあれ…」

 

地面に開いた大穴をみて驚くアルス。

 

「…師匠」

 

「やだ」

 

エクスからの呼びかけを即座に切り捨てるアルス。エクスが何を考えているか理解した故の反応である。

 

「なんでですか。ここに困ってる弟子が居るじゃないですか」

 

「どーせ?『僕も浮かせてください』なんて言うんでしょ?嫌だよ」

 

「困ってる可愛い弟子を見捨てるんですか?」

 

「別に可愛くないし、弟子だとしてもライバルを助ける訳ないじゃん」

 

アルスが正論でエクスをねじ伏せる。だが、アルスの予想と違いエクスは声を荒らげることなく平然とした態度のまま。

その姿に何となく嫌な予感を感じながら、第2関門を超えるために少しずつ高度を上げるアルス。穴スレスレに飛ぶとふとした瞬間に落とされかねないからだ。

4メートル程の高さに浮いたアルスは、何故かエクスが速度を落としていることに気がついた。

後ろの2人から何かされたのかもしれないと心配するアルス。だが、下を走るエクスは悪ガキのような笑顔を浮かべていた。

 

「師匠ー!いきまーす!」

 

声を張り上げ、加速するエクス。それを見て全てを察したアルスは距離を取ろうとして

 

「よいしょお!」

 

次の瞬間、アルスに向かってエクスが飛び上がっていた。距離を取ろうとしていたアルスも思わず受け止める姿勢をとる。

結果、アルスは不本意ながらもエクスを両手で吊り下げて進むこととなった。

 

「えびせんぱい、ボクが受け止めなかったらどうするつもりだったの」

 

アルスと両手を繋いでぶら下がるエクスにジト目を向けつつ問いかければ、エクスは相変わらずのクズな返答を返す。

 

「んー、師匠を引きずり下ろして道連れにしてましたね」

 

「うわー、ほんとにないわー」

 

レース中とは思えない空気を漂わせながらザ・ウォールの上空を進む2人はゆるい会話を交わしながらザ・ウォールの中間地点を過ぎる。

 

「行け!顎!」

 

「耳元で叫ぶな!うるさいんだよ!」

 

アルスとエクスが手を離して上下に別れた次の瞬間、つい先ほどまで2人がいた場所を紫色の剣閃が通り抜けた。

 

「ほらぁ!だから絶対避けられるって言ったじゃん!」

 

「はぁー!?お前が下手なだけだろーが!」

 

アルスがなんとかエクスをキャッチして振り返る。後ろには案の定、星マークのような浮遊物に乗ってギャンギャンと言い合う、先程エクスとアルスを襲撃してきた2人組。

 

「僕が前線張るから星川は援護頼む」

 

「りょーかい、当たっても文句言わないでね」

 

「いや、それは言うわ!フツーにそれは文句いうわ!」

 

「チッ…いちいち細けぇなぁ!」

 

星川と呼ばれた少女の手の動きに合わせて、2人の乗る星が動き出す。剣持の乗っている星は猛スピードでエクスに向かって進み、星川の乗った星はその後ろからゆっくり進んでいる。

 

「師匠、俺のこと頑張って投げれたりします?」

 

「え?なんで?」

 

「空中戦じゃ明らかに分が悪いでしょ。地上に降りれれば片方は俺が引き受けますよ?」

 

2人の視線が交差する。そして、アルスがため息をついた。

 

「仕方ねーなぁ」

 

「じゃ、早く投げてください。後ろから来てるんで」

 

「分かってるっつー…の!」

 

魔法で手にかかる負荷を無くしつつ、筋力を最大まで上げてエクスを投げ飛ばす。

 

「うおおぉぉぉ!すげぇ!ジェットコースターみたい!」

 

風を切りながらエクスが飛んで行く。

 

「星川、これどーすんの!」

 

「〜〜っ、あたしがこっちやるから、そっち任せるわ!」

 

「了解っ」

 

星川の声を聞き、剣持は足場から飛び降りる。

落下しながら手に持っている棒を前にかざすと、落下速度が速まってどんどんエクスに近づいていく。

 

「いい加減、諦めろ!」

 

剣持がエクスに向かって棒を振り抜く。エクスは空中でなんとか身をかわす。

 

「は!?なんか切れたんだけど!?」

 

棒が当たった体育服の裾が切り裂かれる。よく見れば、棒はいつの間にか鋭い刃物と化していた。

 

「あんま動くと怪我するぞ!大人しくしろっ」

 

「いやいやいや!だったらそれ仕舞って貰えます!?」

 

空中で取っ組み合いをしながら落ちる2人は、次第に地面に近づいていく。

 

「あ待って、着地のこと考えてなかった!」

 

「お前馬鹿じゃん!」

 

ぎゃああああという叫び声と共に2人が地面に衝突する――その寸前、突風と星がそれぞれの体を浮かせて助けた。

 

「師匠ぉお!」 「星川!」

 

バッ!という音が聞こえそうな程の速さで振り向く2人に、上にいる2人は同じように頭を押さえた。

 

「いや〜、助かって良かったですね!」

 

「っすねぇ〜。じゃ、さっさとゴールしましょうか」

 

「ですね!」

 

助かった2人は笑い合い、共にゴールを目指して走り出す――

 

 

「じゃねぇよ!俺たちは敵どうしだろ!」

 

頭を抱えて叫ぶ剣持。エクスはそれを無視して走り去っていく。

 

「おい待てぇ!逃げんな!」

 

「いや、そっちは武器あるのにこっちは素手とか戦う気失せるんで。逃げて当たり前でしょ」

 

前方を走るエクスの言う言葉に、剣持はグゥの音も出ない。

 

「じゃ、じゃあお前の師匠を2人で倒すぞ!いいのか!?」

 

剣持が棒の先でアルスを指し示す。それを見たエクスは悩む素振りもなく言い返した。

 

「まぁ、僕がゴール出来るならいいですよ」

 

次の瞬間、エクスの体を雷が消し飛ばした。

 

「…仲間じゃないの?」

 

雷を放ったアルスに星川が問いかける。アルスは頬をふくらませたまま答える。

 

「あんな奴知らない。ほんっとにありえない」

 

力任せに腕を振り回すアルス。その姿に星川も同情の意を隠せない。

その下で、地に伏したエクスを剣持が介抱していた。

 

「おーい、大丈夫か…?」

 

恐る恐る、エクスの体を揺さぶる。

どういう素材で出来ているのか、体育服は多少焦げている部分はあれど、その原型は失われていない。

何度か揺さぶっても起きる気配がないのでもう少し強めに体を揺さぶると、うめき声と共にゆっくりと目を開いた。

 

「…何があったんですか?物凄い音がしたあとから記憶がないんですけど…。あとなんか、体が痺れて動けないっす」

 

倒れたまま、少し嗄れた声を出すエクス。その目の前に誰かが降り立った。

 

「あっれーえびせんぱいこんなとこで何してるんですかー?」

 

しゃがみこんでエクスの頬をつつくのは、エクスを吹き飛ばした張本人であるアルスだ。

 

「師匠っていい性格してますよね」

 

「えびせんぱいには言われたくないですー」

 

口を尖らせながらエクスの脇腹を蹴り続けるアルスと、それを恨みがましい目で見つめるエクス。

そんな2人をみて、剣持と星川は顔を見合わせて大きく脱力した。

 

「A組ってめちゃくちゃ威張ってるイメージあったけど、なんか想像と全然違ったわ」

 

「僕達から見たお2人の印象ってただの頭おかしい奴らですからね」

 

呆れた声を出す2人にエクスが異を唱える。

 

「僕はまともなんですけど。誰かさんと違ああああああああ!」

 

エクスの言葉が終わらない内にアルスがエクスの体に電流を流す。

 

「で、えびせんぱいもう1回言ってみて?」

 

にこりと笑って首を傾げるアルスをエクスは睨みつける。そして、意を決したように声を張り上げた。

 

「師匠は顔がでけぇなぁ!」

 

「おう、死ね」

 

エクスの体がまたもや雷で吹き飛ばされた。エクスの体が空中で舞う。

その様子に剣持も星川も完全にやばい物を見る目付きになっている。

完全に気絶したエクスを魔法で受け止め、自分の横に浮かせながらアルスが2人に向き直った。

 

「それで、どーするの?もうこっちは戦う気は無いよ。1人やられちゃったしね」

 

やられちゃったと平然と口にすることに対して口元を引きつらせつつ、2人は目線を交わして頷く。

 

「こっちももう戦う気は無い…というより、貴方達を見てたらそんな気も失せました。とりあえず、この競技においてはもう手は出しません」

 

「次会った時はぶっ潰すけどね!」

 

「お前は直ぐにそういう事言うのをやめろ」

 

星川がアルスに人差し指を突きつける。その横から剣持が星川の手を握って上に向ける。

 

「じゃあせっかくだし、一緒に行かない?ボク1人じゃ多少不安になって来たし」

 

「あー、それいいですね。一緒に行きましょうか」

 

アルスの提案に乗っかる形で剣持も同意する。星川も特に反対はしないようだ。

ちなみに、第3関門は星川とアルスがいる時点でお察しの為、省略させて頂く。

 

 


 

 

目を開けると、控え室の天井が目に入る。

 

「やっと起きタ?あんまり起きないから叩き起こそうかと思ってたところだったんだケド」

 

「…ナチュラルに怖いこと言うのやめてください」

 

起き上がってみれば、ベンチの隅にレヴィさんが座っていた。俺が寝ていたからそんな所に座っているのだろう。

 

「障害物競走ってどうなりました?途中から記憶ないんでなんも分からないんですけど」

 

具体的には師匠に顔がでかいと言ったあたりからの記憶が無い。師匠がゴールまで運んでくれてれば嬉しんだけど…。

 

「気にしないデ、エクスくんはちゃんと第2種目に進出してるヨ」

 

レヴィさんの答えを聞いて体から力が抜ける。一応運んでくれてれていたようだ。

 

「デモ、なんでエクスくんは気を失ってたノ?」

 

こてんと可愛らしく首を傾げるレヴィさんに額を押さえる。どう説明すればいいのか全く分からない。

 

「…まぁ」

 

「?」

 

「……成り行きで?」

 

「…なりゆキ」

 

「………はい」

 

レヴィさんの頭の上にはてなマークが飛び交っているのが見える。

だけど、仲間であるはずの師匠にやられたとか意味がわからないし、そうなった理由は俺自身の保身のためにも言うわけにはいかない。

 

「まァ、別にいいんだけどサ。エクスくんが言いたくないなラ」

 

「うぐ…」

 

拗ねたようにも見えるレヴィさんの態度に思わず変な声が出てしまった。

レヴィさんにどうやって説明すればいいか考える。起こったことをそのまま言う…のはできれば避けたい。

出来ることなら、物凄い敵と戦って相打ちになったところを師匠に拾われたという設定にしたい。だが、それだとその敵とはレヴィさんも当たっていないとおかしいからこの言い訳は使えない。

どうしたものかと頭を悩ませていると隣からクスクス笑う声が聞こえてきた。

見てみれば、レヴィが可笑しそうに笑っている。

 

「なんで笑ってるんですか」

 

「ゴメン、エクスくんがあんまり真剣に考えてるから可笑しくテ」

 

そこでようやく、自分はからかわれていたのだと理解した。

 

「なるほどね。レヴィさんはそういう事するんですね。体育祭終わるまで覚えといてください」

 

「エ〜?なんのことだっケ?」

 

「今日のレヴィさんめちゃめちゃ煽るじゃないですか」

 

とりあえず何かしらでやり返すことを心に決めながら立ち上がる。

 

「第2種目って発表されました?」

 

「マダだヨ〜。この休憩が終わったら、第1種目を突破した人だけまた並ぶ感ジ」

 

「わかりました」

 

「?どこか行くノ?」

 

扉に手をかける俺の背中にレヴィさんの声が掛かる。

 

「適当に散歩してきます。一応体動かしときたいので」

 

「ソッカ。行ってらっしゃーイ」

 

「行ってきまーす。…何だこの会話」

 

「はよ行ケー!」

 

レヴィさんの声に押されて控え室を出る。廊下は生徒がまばらに行き来しており、どこか雰囲気も明るい様に感じる。

なんとなくの勘に従って右方向に通路を進む。休憩が何分かは知らないが、どうせアナウンスがあるだろうから気にしなくて良いだろう。

 

「おい、お前」

 

にしても、これだけ廊下が広いと言うことは物凄い生徒数なのだろう。女生徒が3人横に並んでいても、その横を両手いっぱい広げて余裕がある程度には広い。

 

「おいって。聞けよ」

 

これだけ広さがあるなら何かに乗って爆走したい気持ちもあるが、そんなことをすればほぼ間違いなく退学にされるだろう。あの先生なら絶対にする。

 

「無視すんなやコラ!」

 

「うおいてぇ!」

 

突然背中に衝撃が走り、それに伴って体が前に倒れる。

 

「うげぇ!」

 

「叫び声キモ」

 

後ろを見てみれば、見覚えのある顔と金髪。障害物競走の時に襲ってきた2人組の片割れだった。名前は星川だったはず。

 

「…なんの用ですか」

 

起き上がり、服やズボンを軽く叩いて埃を落とす。そんな俺を見て星川さんは小馬鹿にしたような顔をする。

 

「いやいや、とぼけても無駄だから。スパイとかやめて貰えますー?」

 

「何言ってるかわかんないんですけど。スパイってなんですか」

 

まじで身に覚えがないので全力で否定させてもらう。すると、星川さんは少しずつ顔を青くしていく。

 

「…まじで違うの?」

 

「だから何の話ですか?」

 

「いやこの辺、B組の控え室だから…」

 

確かに、ドアの上のプレートを見る限りこの辺りはB組の控え室があるようだ。それで俺はA組の生徒。なるほど。

 

「え、土下座とかした方がいいですか?」

 

「…ん?なんで?」

 

「だって明らかに俺怪しいやつじゃないですか」

 

体育祭中、自分達の控え室付近に違う組の生徒がいたら過度に反応するのも仕方ないだろう。俺は気にしないが。

星川さんもその反応をする側の人だったのだろう。

 

「いや、別にこっちの勘違いだったし…」

 

「そう?じゃあ謝んないわ。冷静に考えたら俺が謝るの意味わかんないしね」

 

「…なんでかわかんないけど今一瞬イラッとしたわ」

 

「意味がわからない」

 

この人は理不尽の塊なんじゃないだろうか。突然襲われるし、突然体当たり(多分)されるし。今のもなんでイラッとされたのか理解できない。

 

「不本意ですけどここは引き分けにしましょう」

 

「…うん」

 

「じゃあ僕はこれで」

 

これ以上話が長引くのはめんどくさいので話を切り上げてこの場から退散する。

…このまま進んでも同じ目に合いそうだし、自分達の控え室に戻ることにしよう。

そう思ってA組控え室の方へ歩き出す。

 

「あ、待って!」

 

「んぇ?」

 

いきなり大声で呼ばれて思わず振り返る。星川さんがこちらに歩いてきていた。

 

「あたし星川サラ。名前教えてよ」

 

「僕はエクス・アルビオです」

 

俺の名前を伝えると星川さんは驚いたように目を見開く。

 

「噂のエビオってもしかして「人違いです」」

 

星川さんが言い切る前に否定する。というかなんだ。エビオは百歩譲っても『噂の』ってまじで意味がわからないからね?これあれか。夜見さんと葉加瀬さんが言ってたやつか。

 

「へぇ〜、エビオってあんたなんだ?」

 

「違うって言ってるじゃないですか。

 

こちらを探るような目線の星川さんに思わず目をそらす。

 

「ふ〜ん、あたしそろそろクラスに戻るわ。じゃあね、エビ!」

 

ニコニコしていかにも楽しそうに控え室に入っていく星川さん。こうやって噂は広がっていくのだろう。

 

「せめてエビオって呼べよ…」

 

エビはもはや人ですらないだろ。エビオも人かは怪しいけど。




アンジュがArkに参戦したり、にじさんじ乙女とかいう神企画があったり…気になることが多すぎて木になったわね…。
明日の21時からにじさんじスプラガチプラベがあります。
リスナーの皆様はもちろん、にじさんじが気になる方や時間が空いている方などは1度見てみて欲しいです。
貴方もそう思いますよね?
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