英雄がヒーローになります!給料次第ですけど。   作:聖剣エクスカリ棒

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投稿して1日で評価に色がついてびっくりしました。
とりあえず、3話まで投稿してみます。
今回で、A組のにじさんじ勢は全員登場します。


遂に高校デビュー!陽キャなんで友達作ります!

エクス・アルビオは悩んでいた。

目の前には巨大な扉。中からは教師と思われる声が聞こえている。

 

「遅刻した…」

 

エクス・アルビオは遅刻常習犯である。

 

「どうしようかなぁ…、入ったら絶対怒られるよなぁ。帰ろうかなぁ。でも、初日から不登校はやばいよなぁ。はいるしかないかぁ」

 

廊下をウロウロしながらぶつぶつ呟くエクス。結局入ることにしたらしい。

 

「行ける、焦るな、俺は冷静沈着エクス・アルビオ。よし、行ける!」

 

扉に手をかけ、一気に開く…!

ことはなく、エクスはビビりながらそろ~っと扉を開けた。

クラス全員の目がエクスに集中する。

全員の奇異な視線がエクスに集まるこの状況を打開するため、エクスは頭をフル回転させ…

 

「すみません、間違えました」

 

エクスは逃げ出すことにした。

 

「無理だー!あの空気感で入れる奴の方がおかしいわ絶対!」

 

扉の前で頭を抱えるエクス。彼は高校デビューを失敗した。

 

「もういっそ、このまま帰る手も…」「ねぇよ」

 

突如聞こえた声に、エクスは咄嗟に振り返る。そこには、寝袋を来た小汚い男性の姿。

エクスは思った。

 

「(やべぇ、なんか不審者いるんだけど!テロ起きてんじゃん!つかなんで寝袋!?)」

 

「何を考えてるかは知らんが、俺は担任の相澤消太だ」

 

「え、担任なんすか!?あなたが!?」

 

酷く混乱するエクスをよそに、男性は寝袋のままエクスに尋ねた。

 

「お前、エクス・アルビオだろ。なんで遅刻した」

 

ここからは一瞬だった。エクスは現実味があり、なおかつ普通に起きそうなパニックを瞬時に考えたのだ。そして、ひとつの言い訳に辿り着く。

 

「道端でおばあさんが重そうな荷物持って歩いてたので、運んであげてました」

 

平然とウソをつくエクス。それに対して担任は…

 

「今回は人助けとして目を瞑るが、ヒーローは他のどの職業よりも時間を守れ。災害現場じゃ遅刻は命取りになる」

 

「はい!了解しました!」

 

エクスは安堵して、2列目一番前の自分の席についた。

エクスが席についたのを確認して、相澤先生が話し出す。

 

「エクスも到着したので、早速君たちにはこれを着てグラウンドに出てもらう」

 

相澤先生が取り出したのは、雄英高校の体育服だった。

エクスに英雄の勘が囁く。

 

「(嫌な予感しかしねぇ…。)」

 


 

担任にグラウンドに出ろと言われた生徒達は、男女に別れて体育服に着替え出した。

今度は遅刻出来ないと急いで着替えるエクスに赤髪を逆立てた青年と黒髪で肘部分がテープの様になっている青年が声をかけた。

 

「お前、体でけぇな!」

 

「あ、はい、ありがとう…ございます?」

 

「なんで敬語だよ!クラスメイトだろ~?」

 

「デカいって言ったら、あの人もだいぶでかいですけどね」

 

エクスの視線の先には、1人で着替えをしている白髪に赤眼の生徒がいた。彼の周りにはどこか、近寄り難い空気が流れている。

 

「いや、お前の方がでかいだろ。なぁ!」

 

「あー、ありがとうございます」

 

とりあえず、この2人はめちゃくちゃ良い人らしい。エクスはそう思った。

 

「俺は切島鋭児郎。よろしく!」

 

「瀬呂範太。よろしくな」

 

「エクス・アルビオです。よろしくお願いします」

 

会話を交わしていると、2人はいかにも外国人風なエクスに興味を持って話しかけてきたらしい。

 

「エクスって外国人?」

 

「いや、純粋な日本人ですね」

 

「へー、じゃあ英語とか喋れねぇのか?」

 

「いや、日本人だけど英語ペラペラですよ」

 

嘘である。なぜこんなしょうもない嘘をつくのか。エクスの生態七不思議の1つだ。

 

「にしても、いきなりグラウンド出ろとか意味わかんねぇよなー」

 

体育服を着ながら切島が言う。

 

「そうですねー。まぁ、俺は何があっても余裕ですけど」

 

「凄い自信だな!」

 

「まぁ、見た目強そうだもんな。お前」

 

3人で話しながら廊下に出ると、丁度女子更衣室から見覚えのある少女が出てきた。

 

「あ、師匠じゃないっすか。受かったんですね」

 

「ボク、キミの師匠になったつもりないんだけど」

 

呆れたような目でエクスを見る少女。

その時、場に少しばかりの沈黙が流れた。主に、瀬呂がエクスに親の仇を見るような目を向けたからである。

切島がエクスと少女を交互に見つめた後、瀬呂を捕まえて走り出した。

 

「邪魔しちゃ悪いし、先に行ってるわ。じゃーなエクス!」

 

「え、ちょ、離せ!エクス!後で色々聞くからなー!」

 

「あ、はーい。…なんだったんだあの2人」

 

エクスは首を傾げながら、少女と共に廊下を歩きだす。2人は気づいていないが、傍から見れば恋人とも間違われそうな距離感である。

もちろん、2人にそんな気はさらさらない。

 

「あ、師匠の名前ってなんですか?」

 

エクスが少女にそんな事を尋ねる。

 

「は?」

 

「いや、そう言えば、聞いた事ないなーって」

 

エクスの言葉を聞いて少女は考える。確かに、試験会場で名乗りあった記憶はないし、教室では話す時間すらなかった。

 

「ボクはアルス・アルマルだよ。先輩は?」

 

「俺っすか?俺はエクス・アルビオです。エクス様って呼んでいいですよ」

 

微妙にうざいドヤ顔でそんなことを言うエクスに、少女一一アルスはムッとした顔で言い返す。

 

「エクスなんてカッコイイ名前、先輩には似合わないから。名前の最初と最後をとってエビオでいいんじゃないですか?」

 

「はぁぁ!?嫌ですよそんなクソダサい名前!エクス様って呼べ!…んでください!」

 

エクスが叫ぶも、アルスはそれを無視して走り出す。

 

「えび先輩~、早く行かないと遅れちゃうよ~」

 

「ああもう、この師匠めちゃくちゃ腹立つー!」

 

エクスもアルスを追って走り出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「え、師匠走るのおっそ!」

 

「し、しょうがねぇーだろぉ!こちとら魔法使いだぞぉ!」

 


 

グラウンドに集まると、相澤先生が話を始めた。何やら、『個性把握テスト』なるものを行うらしい。

なんでも、『雄英高校は自由な校風で有名だが、それは教師にも適用される』らしい。入学式やその他諸々を飛ばして、まずは生徒達がどんなものかを見る

というわけだ。

 

「はー、なんかすげぇとこに来ちゃった感が凄いなー」

 

「だねー。普通、考えられないよ」

 

腕組みをしながら呟くエクスに、アルスも同意する。

 

「でも、個性把握って何するんですかねー。殺し合いとか?」

 

「うわ、物騒だなー。もしそうなったら、ボクと先輩で組みましょうよ」

 

「それいいですね!近接俺がやって、師匠が後ろから魔法撃てば絶対負けませんよ!やっぱ師匠頭いいなー」

 

「だろ?魔法使いはここを使うからね」

 

人差し指で頭をトントンと叩くアルス。

それを見たエクスは、何も考えずに言った。

 

「師匠って顔丸いですよね」

 

『どうして本当の事を言っちゃダメなのか分からない』と、後のエクス・アルビオは語った。

だがまてよ、と。普通に考えて、顔が丸いは悪口だ。誰だって怒るだろうし、それが当たり前の反応だ。

もちろんアルスもキレた。

 

「はぁぁぁあああ!?ふっざけんなおまっ、誰の顔がでかいってぇ!?」

 

「え、ちょ、なんでキレてるんすか」

 

「こちとらなぁ、おめぇみたいに小顔で生まれてきてねーんだよ!悪かったなぁ!顔が丸くて!」

 

エクスの足をゲシゲシと蹴りつけるアルス。ふと視線を感じて見れみれば、周りの全員が二人を見ていた。

エクスとアルスは二人で顔を見合わせ…

 

「「すいませんっしたぁぁぁあ!!」」

 

目にも止まらぬ速さで土下座した。この二人には恥もプライドも無いのか。

 

「はぁ…。次授業妨害したら、即退学だ。わかったな」

 

「「わかりました!」」

 

相澤先生のお叱りに、二人はピシッと気をつけの姿勢のまま、ピクリとも動かなくなる。

 

「悪いな、爆豪。改めて、やってくれ」

 

「言われなくてもやってやるよ」

 

どうやら今から、爆豪と呼ばれた青年が個性を使ってソフトボール投げをするらしい。

2歩の助走の後、爆豪がボールを投げる。

 

「死ねぇ!」《FABOOOOOM!!》

 

いきなり起きた爆発と共にボールは遥か遠くまで吹き飛んだ。

 

「まず、自分の『最大限』を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

相澤先生の手元の機械に表示された数値は『705.2m』。

その数値を見た生徒達が、一斉に盛り上がる。

 

「なんだこれ!!すげー面白そう!!」

 

「705mってマジかよ」

 

「個性思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」

 

もちろん、エクスもめちゃめちゃテンションが上がっていた。

 

「うおおぉぉぉ!!師匠見た!?師匠見ました!?なんか爆発してボールがぶっ飛びましたよ!」

 

「分かってるって、えび先輩ちょっとうるさい」

 

「やべぇ、めちゃくちゃ楽しそう…!」

 

そんな浮ついた雰囲気の中、相澤先生が静かに声を上げた。

 

「…面白そうか。ヒーローになる為の3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

その一言で、クラス全員が不穏な空気を感じ取った。

 

「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し『除籍処分』としよう」

 

相澤先生の言葉に誰一人として動くものが居なくな…いや、1人だけいた。

エクスのみ、何かを呟きながらあっちこっちを歩いていた。

 

「えーっと…、パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ!よし!全部言えたぁ!」

 

エクスは何故かピカソのフルネームを暗唱していた。

相澤先生は最早、エクスを無視して話を続ける。

 

「生徒の如何は先生俺たちの《自由》。ようこそ、これが『雄英高校ヒーロー科』だ」

 

「最下位除籍って…!入学式初日ですよ!いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!」

 

相澤先生に反論をしたのは茶髪ショートの少女。彼女の言葉は世間的には最も正しいことだろう。

だが、ここは雄英高校だ。

 

「自然災害、大事故、身勝手な敵たち。いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽にまみれている。そういう理不尽(ピンチ)を覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったならお生憎、これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」

 

相澤先生の言葉に生徒はそれぞれ、様々な反応を示した。

 

「えー、マック行けないのかー。じゃあミスドとか行こうかなぁ」

 

「えび先輩さぁ…、ちゃんと分かってる?」

 

エクスの反応にアルスはジト目を向ける。

 

「分かってますよ?でもですよ、師匠。理不尽が襲ってくるなら俺が死ぬほど強くなって上から叩き潰せばいいだけでしょ?」

 

「えび先輩…!」

 

エクスらしからぬ言葉に、アルスは思わず声を上げた。

 

「それを今先生が言ってたんだけど」

 

「あれぇ~?」

 

訂正、エクスはエクスだった。

その裏で、相澤先生が薄く笑みを浮かべて言った。

 

Puls ultra(更に向こうへ)さ。全力で乗り越えて来い」

 

個性把握テストが、始まった。

 


 

結論から言えば、除籍処分にされたものはいなかった。どうやら、相澤先生がついた嘘らしい。

エクスは「僕は分かってましたよ」と言っていたが、恐らくこれも嘘だろう。

ちなみに、テストの結果としてはエクスは特にハプニングもなく次々と高記録を重ねていったし、アルスも、バテつつも色々な魔法を駆使してギリギリ上位にくい込んでいた。

緑谷出久という青年が指を1本大怪我したが、それ以外は特に怪我もなく殆ど無事に終わったと言えるだろう。

 

 

 

そして、慌ただしかった入学初日が終了した。

自分の席で荷物をまとめ、帰る支度をするエクス。そこに1人の少女が近づいてきた。

 

「ヨッ!エクスくん久しぶリ!」

 

エクスの机に両手をつき、エクスを真正面から見据える少女。白髪で、彼女の頭部からは角らしきものが生えている。

エクスは数秒間考えるように眉を寄せた後、ハッとして少女を指さした。

 

「え、レヴィさん…ですか?」

 

「そうだヨ!エクスくんも雄英に来てたんダ!」

 

レヴィ・エリファは、元々エクスの幼馴染である。だが、エクスがなんやかんやで中学から一人暮らしを始めた為疎遠になっていたのだ。なんやかんやはなんやかんやである。決してイキった結果家を壊しかけ、両親の大激怒をくらったとかそういう理由では無い。

幼稚園からよく遊んでいた2人はお互いを親友だと公言するほどの中だった。

そんなレヴィに、エクスは雄英に来た理由を語る。

 

「まぁ、ヒーローって稼げるらしいですし」

 

それを聞いたレヴィは一瞬キョトンとした後、笑いだした。

 

「アハハ、相変わらず現金だネ~」

 

「まぁ、世の中金なんで」

 

エクスの物言いにひとしきり笑ったあと、レヴィはエクスに手を差し出した。

 

「とりあえず、これからよろしク!」

 

差し出されたレヴィの手をエクスは掴む。

 

「また仲良くやりましょう」

 

「だネ!」

 

「一緒に帰ります?」

 

「途中までならいいヨ~」

 

教室を出て、楽しそうに話しながら廊下を歩くエクスとレヴィ。その横を、大きな向日葵の髪飾りをつけた少女が通り過ぎた。

 

「葛葉~!帰るよ~!」

 

「いや、俺もう高校生だから。1人でも帰れるって、ねーちゃん」




アルス・アルマル

個性:《魔法》
様々な魔法を使うことが出来る。同じ系統(例えばデインとライデイン)の魔法を使えば使うほど使った属性の威力が少しずつ上がる。本人は雷を愛用している様子。



エクス→アルス
尊敬するという意味で師匠

アルス→エクス
近接戦闘を教えてもらうが、同い年で先生だと違和感があるので妥協して先輩




1話よりも書くのが下手だったりしたら、そのまま言って頂けると幸いです。
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