正直削除して逃げ出したい気持ちしかない。
草壁サツキは小学生にしては、やや老成してる傾向がある。
だから尚更だろう。目の前のこの現実から目を背けたくて仕方がなかった。
引越し当日。田舎町に行くということでオート三輪に乗ることになったのだが、オート三輪の音と乗り心地の悪さを嫌がったメイは走ってついていくと言い出したのだ。
最初は無理だと思っていた。人間が走ってオート三輪に着いていくなんて到底無理だろう。しかし、メイはやった。
「ふはははははッ!」
高笑いをしながらオート三輪の目の前を走るメイを見て、サツキは意識が遠くのを感じた。
「はは、今日もメイは元気だなー」
父親である草壁タツオは呑気な様子でそんなことをボヤいているが、よく見ると目に光がない。というか死んでいる。
それは恐らく先日、メイが翠色の光を手から放ったことが原因だろう。サツキだって現実逃避をしながら幸せだったあの頃に帰りたい。
「ひっ!」
たまたま近くを通りがかった郵便配達の方が、メイの姿を見て悲鳴をあげた。
無理もないだろう。今のメイは三メートル近くある巨漢だ。誠不本意ではあるが、そんなメイの様子に慣れてしまったサツキはそんなことはさして気にしてなかったが、垢の他人からしてみれば恐怖の対象でしかないだろう。
「何を見ているッ!」
メイが郵便配達の方の頭を掴むと、宙に放る。
「せやッ!」
メイの放った翠色の光が郵便配達の方に直撃。天高くまで昇っていき、どこか遠いところで爆発四散した。
サツキはなんとか生きていることを祈りながら、物陰から顔を出した。
そして、懐に仕込ませていたサツキの母である靖子から預けられたいざという時になったら使いなさいと言われた『例のもの』を取り出し、メイに向けて照準を合わせた。
【携帯型心理診断 鎮圧執行システム「ドミネーター」起動しました。
ユーザー認証、草壁サツキ。使用許諾確認。適正ユーザーです】
大型の拳銃の形をしたそれを取り出したサツキは死んだ目をしながら、目の前で高笑いをしながら走り続けるメイに照準を合わせる。
【犯罪係数オーバー999。執行対象です。セーフティを解除します。
執行モード デストロイ デコンポーザー。
対象を完全排除します。ご注意下さい】
「こらメイ!反省しなさいッ!」
扇型に変形した銃口にエネルギーを収束させて射出。メイに着弾した瞬間、球状に膨張したエネルギー弾が包み込んだものがメイに襲い掛かる。
「ぬおっ!?」
メイは見事に地面に転びピクピクと痙攣する。白目を剥いてるようなので、気絶しているのは確かだ。稀に、デフォルトで白目を剥いている時があるけれど、さして気にしてはいない。
どこからともなく哀愁漂うBGMが流れているような気がするサツキだったが、きっと気の所為だろう。そうだ、気の所為に違いない。
サツキは痙攣し、動けないメイを引き摺り、紐で括り付けるとオート三輪を発進させるようタツオに言ったのだった。
そんなサツキの言葉で我に返ったのか、タツオはオート三輪を再度発進させたのだった。
三メートル近くある巨大な少女を引き摺りながら───
草壁家は今日も平和である。
草壁サツキ:携帯型心理診断 鎮圧執行システム ドミネーター保有者
つまり、中の人ネタ。
メイとの戦いは
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熱戦・烈戦・超激戦 を元に考える
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ブロリーを元に考える