ボロ屋敷に帰ってきたサツキは、五歳のメイに押さえつけられるタツオの元までやって来くると、離してあげるようドミネーターを突きつける。メイはタツオの拘束を解き、地面に優しく座らせた。
「お父さん、引越しの人が来てるでしょ。手伝ってあげて」
「わ、わかった……」
サツキが笑顔で告げると、タツオは砂埃を払って急いで引越し業者の方へ駆けて行った。心做しか軽い足取りだったのをサツキは見逃さない。
苦労しているんだなと思いながら、サツキは変身を解き、2mサイズまで縮んだメイと共に裏口からボロ屋敷の中に入ろうと試みる。しかし、錆び付いているのかサツキの力では開けられず、メイに開けるように促した。
「せいっ!」
裂破の気迫と共に、扉を殴るメイ。裏口の扉は亡きものとなった。
「……」
どうしてくれるんだとサツキはメイの眉間にドミネーターを突きつけようかと考えたが、五歳の妹に開け方を説明しなかった自分が悪かったかと思い直すと、頬を軽く叩いてからサツキはボロ屋敷の中へと入っていく。メイもサツキの後に続く。
「あら、中は意外と綺麗ね。だけど昼間にしては暗いような───」
と呟いた瞬間、ザ───ッ!と物凄く大量の黒い塊が一斉に台所の奥へと逃げていった。
「……」
サツキは溜息をつき、メイに視線を向けた。
「メイ」
「なんだ……お姉ちゃん」
「叫んで」
サツキの言葉にメイは体を丸くさせ、一気に声を張った。
「ゥ、ウグゥウヲオオオオ!!!」
メイの雄叫びがジリジリと部屋を震わせる。その間にサツキは外に出て、一息ついた。うんと伸びをして辺りを見渡しておや、思う。外にM字ハゲの少年が立っているではないか。サツキはその少年に軽く会釈をする。すると、M字ハゲの少年が此方へと歩いてやって来る。
「おい貴様。誰の許しを得てこのカンター様の顔を見ている。死にたけなければさっさと失せろ」
少年ことカンターがサツキの胸倉を掴もうとした瞬間───
「───この無礼者。誰の肉体に触れようとしている」
サツキの雰囲気が一変。瞳の色が赤く変わり、爬虫類のような瞳に変化していた。
カンターはサツキの豹変ぷりに思わず腰を抜かして尻もちを着く。
サツキはカンターに目線を合わせるようにしゃがみこみ、カンターの瞳を覗き込んだ。
「今の我はあの愚かな駄妹が原因で憤激していてな。何をしでかすか分からんぞ……そうさな、貴様を殺してしまうかもしれない」
「ふ、ふん!やれるものならってみがれ!!」
カンターの言葉にサツキが軽く手を地面に触れて見せた。一瞬間を置いた後に、半径5m辺りが純銀に変化した。
「これで私の力の10000分の1だ───人間ですら滑稽な銀人形に変えることが可能だがどうする?私とやり合うか?」
その言葉にカンターは首を高速で横に振った。それに満足したサツキは一瞬目を閉じてからゆっくりと目を開けた。
「……あれ、何してるんですか?」
そこにはいつものサツキがいて、カンターの瞳を覗き込んでいた。
「い、いや……」
「そうですか、ならいいんですけど」
サツキは立ち上がって、再びぼろ屋敷にの中に入っていった。
一人取り残されたカンターは、酸素を欲するように呼吸をして、ビー玉のような汗を垂らした。
「こ、殺される……勝てるわけが無い……!」
カンターは自分のプライドが崩れ落ちていく音を聞いた。
「くくく、ふはははは!!」
その頃のメイ。屋敷の中を駆け回り、黒い生命体を探していた。しかし、いくら探し回っても先程の生き物は見つからない。そんな中、タツオがひょいと顔を出し、メイに言った。
「二階の階段がどこにあるか分かるかい?」
「二階があるのかぁ?」
「うん、そうだよ?」
メイは歓喜した。口を三日月のように歪め、階段を探し回り……見つけた。
それにしてもなんて暗い階段なのだろうか。まったく上が見えないではないか。
と、その時。
階段の上から何かが落ちてきた。
メイがそれを手に取り確認すると、それはピンの抜かれたグレネードだった。
瞬間、メイを中心に爆発。
爆煙の中から所々焦げたメイが現れる。
「くくくく、死にたいようだなぁ?」
二階へと駆け上がり着地。しかし、辺りは暗く何も見えない。メイは気を高め、辺りを明るく照らした。
眩い光が辺りを照らした瞬間、ザッ!と黒い物体が大量に蠢くのを確認。
メイは逃げ遅れた黒い物体を握り締め、言い放った。
「まっくろくろすけ、出てこい!お前たちが戦う意思を見せなければ俺はこの家を破壊尽くすだけだ!!」
ちなみに、まっくろくろすけというのは今名付けたらしい。
しばらくしてメイの後ろに続くように大量のまっくろくろすけが現れ、サツキがドミネーターを放ったのは言うまでもない。
カンター
本名:大垣勘太。次回から本格参戦。ベジータ的立ち位置。
サツキさん
ドミネーター所有者だけに留まらず何かを宿している可能性あり。
メイとの戦いは
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熱戦・烈戦・超激戦 を元に考える
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ブロリーを元に考える