「おんどらぁ、いつ書くねんなぁ!」(もう少し優し言い方でした)
と言われたので初投稿です。
メイに赤い気弾が放とうとしたその時だった。
凄まじい殺気が森に放たれ、トトロットは思わず後方へ跳躍。空中に浮遊した。
「なんだ、これはッ」
森が、大気が、怯えている。
数百年も昔に戦った夜叉の名を持つ巨大な猿と戦った時ですら、森が震え上がるほどの恐怖感はなかったというのに───。
「ほう、貴様は他の人間共とは違うようだな」
女の声だが、到底人のものとは思えない妖しさと寒気がトトロットを襲った。
反射的に振り向くと、そこに立っていたのは見たことも無い女だった。
銀髪に、紅蓮の瞳。そして、神に愛されでもしなければこんなことにはならないだろう外見。
トトロットは女の妖しげなオーラに圧倒され、思わず生唾を飲み込んだ。
「……誰だ、貴様はッ」
女は数瞬、考える素振りを見せてから手を打って答える。
「我が名は───そうだな、シェムシェム。訳あって本名は隠させてもらおう」
「ふざけるんじゃねぇッ!」
トトロットは瞬間移動で女───シェムシェムの背後に回ると、あらかじめ溜めていた気を前に突き出した。
「波ッ」
海の家に住んでいる老人に習った技を自分なりに昇華させたトトロットの必殺技。こんな至近距離から喰らえばシェムシェムを簡単に無力化する事が出来るだろう。
本当ならば、彼女との戦いを楽しみたいものだが、今優先すべきはメイと呼ばれた少女だ。
トトロットが再び地面に目線を向けたその時だ。
「───な、なにッ。ガハッ!?」
地面を突き破るように現れて巨大な銀の腕がトトロットの身体を意図も簡単に殴り飛ばした。
この森の生態系はトトロットが頂点に君臨している。そのトトロットの肉体を意図も簡単に殴り飛ばすなんて、とトトロットは久しく感じる敗北感と高揚感に口の端を上げた。
森に直撃する直前、気を高めて静止。そのまま赤い気を放ちながら、シェムシェムに肉薄するトトロット。
「らあッ!」
一つ一つがボクサーの一撃を遥かに上回る殺意を持った殴打。そんな攻撃をシェムシェムは目を瞑りながら捌く。
「ダダダダダダッ、ダリャッ!!」
すかさずラッシュを叩き込みながら、シェムシェムの防御を突破しようとするトトロット。しかし、シェムシェムは相も変わらず涼しい表情でトトロットの攻撃を、赤子をあやすように捌いていく。
「ちょっとは真面目にやりやがれッ!」
トトロットがそう言った刹那、シェムシェムは唇を三日月型に歪めた。
そして、トトロットの右腕を掴んで、いつの間にか握っていた拳銃をトトロットの鳩尾に突きつけた。
「……巫山戯ているのか、そんな豆鉄砲如きがこのオレに効くわけないだろう」
「嘲笑。これが拳銃に見えたのなら、それが貴様の限界だ」
【犯罪係数オーバー999、執行対象です。セーフティを解除します───執行モード《デストロイ・デコンポーザー》。対象を完全排除します。ご注意ください】
拳銃の形が変化。禍々しい形に変わった拳銃の引き金を躊躇いなく引くシェムシェム。青白い光が一瞬、放たれたかと思うとトトロットの肉体に直撃。
「───ぐッ、ぐあああああああああああッ!?」
トトロットの肉体を青白い光が貫いた。
赤黒い鮮血を撒き散らしながら、トトロットはシェムシェムの拘束から逃れ、後方へ退避する。
「意外だな。あれを至近距離で受けてそれだけで済むなど。流石、この森の守り神なだけある」
「……本当にお前は何者なんだ」
トトロットは息を荒くしながらシェムシェムに訊ねる。
「愚問である。何度も言っているであろう。我が名はシェムシェム。何度も言わせるでない」
まあ、強いていえばとシェムシェムは続ける。
「人が仰ぎ見るこの星の神───だったものだ」
「……なんだと?」
「何、するな。今回はたまたま興が乗ったから貴様の相手をやったに過ぎぬ。我は下の駄妹の面倒があるからな、そう何度も表に出る訳には行かぬのだ」
「……逃がすと思っているのか」
「……?ああ、そうだったな。貴様の家族がどうたらとか───安心しろ。貴様の家族はそのうち目を覚ますだろう」
シェムシェムの言葉にトトロットは眉間に皺を寄せた。
「おい、どういう───」
一瞬、つよい風が吹く。思わず目を瞑ったトトロットが次に目を開けた時には、そこにシェムシェムの姿はなかった。
帰り道。サツキはデフォルトで自分よりもでかいメイの巨体を引きずりながら自宅へと向かっていた。気づけば夕日が暮れている。
朝起きたら緑髪の美少女に変わっていたため、これが本当の姿なのかと思ったが、どうやら本当の姿は筋肉隆々の青年のような女性だった。現実というのはどこまでも非情である。
サツキが森を抜ける寸前、出口にこれまた筋骨隆々の青年が立っていた。
年齢は20代後半くらいだろうか。刺々とした特徴的な髪を生やし、赤いバンダナを巻いた青年がこちらを見つめている。
───またメイが何かをやらかしたのだろうか。
サツキは思わず身構える。
「お前、名前はなんて言う」
「わ、私ですか?」
「ああ。後ろのそれはメイとかいうガキなのはわかっている。気を見りゃ一発だ」
「えっと、見ず知らずの方に私の名前を教えるなんて───」
「オレはトト……いや、ソンゴクウ。この森に住んでいる。これで赤の他人じゃなくなっただろう」
青年───ゴクウは組んでいた腕を解くと、こちらへ向かって歩いてきた。
そして、サツキを見下ろすと、口角を僅かに上げた。
「そんなに警戒するなよ。別に取って食ったりしようとしてるわけじゃねえんだからよ」
「は、はあ」
「今回はお前に礼を言いに来ただけだ」
「わ、私に……?」
「ありがとう。オレの家族を呼び戻してくれて」
どういう意味、とサツキが訊ねるも、ゴクウは片手を軽くあげると森の奥へと消えていったのだった。
シェムシェムって誰だろうね。
え?こんなに特徴しかないのに分からないなんてお前何言ってるんだって?
そうです。日高のり子さん繋がりで彼女です。あの人です。あの御方です。
答え合わせは最終話にでも。
メイとの戦いは
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熱戦・烈戦・超激戦 を元に考える
-
ブロリーを元に考える