[数日後]
≪side 椛≫
あれから私達はそれぞれ大天狗について調べた。牙様は能力を使い大天狗の部下の話を盗み聞きし、私はある方法で調べた。
<偽罪「
私が出す瘴気を無数の狼に変身させる技だ。
この狼達が聞いた音は直接私に届くと言う仕組みとなっている。狼自身を透明化することもできる。
一つ弱点を挙げるのであれば、
この狼、出せば出すほど操作が難しくなる。だから私は数匹の狼を直接コントロールし他の大多数の狼には大雑把な命令をぐたす事がある。
前回フランの件でもこの方法で挑んだ。
そして狼達を使って色々な情報を集めたが…
知れば知るほど大天狗がどれだけろくでもない奴か見えてくる。様をつけていたのが恥ずかしくなってくる。
まずこいつは仕事を殆ど部下に任せる。そのくせその部下が少しでも失敗すると全責任をその部下に押し付ける。
仮に部下が何か功績を残しても全て自分の物にしてしまう。 しかし奴はかなりの強引な方法でそれらをやっているが天魔様にもばれず部下に慕われ続けている。
それは天星様の能力によるものだ。
…思い返して見れば確かに彼女は大天狗の仕事を代わりにしている事が多く、この間も報告の仕事を押し付けられていた。その時誰も違和感を持たなかったのは彼女の能力のお陰だろう。
…私はおかしいと思っていたがあまり気にしなかったが
話を戻そう。問題はこのあとの情報にある。どうやら牙様の言っていたことは本当だったのだ。
そして禁術だ。天星様に施してある術、偶然だと思っていたが違った。
間違いないあれは、私達が作り出した忌まわしい術式<
その術は術者が逆らったと思った時、任意で発動が可能であり、一度発動すると生命活動に必要な重要器官を破壊しつくすと言う代物だ。
奴はどこで手に入れたか分からないが私達が作り出した禁術について書かれている本を持っている。
一度、狼で盗もうとしたが、どうやら本の位置が分かるように妖術をかけてある。
これは許せる物ではない。
その術を作り出した一人である私が言うのはお門違いかもしれない。
だが、自分の過ちを償うのは間違いではないだろう?
全てが終わったあと私はこの事実を彼らに話さなければならない。例え恨まれようとも。
≪side out≫
≪side 牙≫
あれから数日後、俺は犬走に呼ばれた。
「牙様、情報が揃いました。あなたの言う通り天魔様に報告するのはあまりにも危険です。」
「!やはりそうか。」
俺は悔しそうに言う。
「しかし、方法がないわけではありません。」
「なんだと!?」
「天星様をどうにかすればこちらの物です。どうやら術式についての本があるようです。」
「本当か!?どうすれば!」
「まず明日は有給を取りましょう。それから大天狗屋敷に忍び込み天星様の解放と決定的な証拠の収集をしましょう。」
ならば!
「ならば俺一人で行こう。これ以上お前を巻き込む訳には行かない。」
「いいえ、私も行かなくてはなりません。」
「何を言って!?!」
「今はまだ事情を言えませんが私は行かなくてはならないです。」
「…そうか。」
すると彼女は…
「…これ以上話すと誰かに聞かれるかもしれません。それでは。」
そう言い去っていった。
≪side out≫
あと2話位で今回の章は終わりです。
紅霧異変が長すぎた…