[夜]
≪side 牙≫
今我々は大天狗屋敷の裏手にいる。
「いつまでもここにいてはらちが明きません。早速いきましょう。」
犬走がそう言う。
なんて頼もしい後輩なのだろう…
そして俺たちは屋敷のなかに入っていった。
【屋敷内部にて】
中に入った物の、敵があまりにも多すぎる。
「役割分担をしましょう。調べたところ天星様がかけられている術はかけられた者が戦闘不能に陥らなければ解くことができません。つまり派手にばれると言うことです。」
「!俺が行く!」
「よろしいのですね?」
犬走にそんな危険なことをさせる訳には行かない。
「戦って勝利したらなりふり構わず彼女を連れて私の家に逃げてください。」
「私は証拠を集めて参ります。ではご武運を!」
≪side out≫
≪side 椛≫
任意に発動出来ると言ったがあの術はそんなにすぐに被術者を殺められる物ではない。
被術者が術者に明確な裏切りの意思がなければ発動しない。
ならば天星様を気絶させればいい。
この術は私達で作ったが担当していた私の部下の一人が術に手を加えた。恐らく大天狗はこの事を知るよしもない。
彼女がそうしなければ私は堕ちるところまで堕ちていたかもしれない。
彼女は身を呈して私を正気に戻した。彼女が死んだのは間違いなく私のせいだ。あいつのためにもあの本を回収しなければならない。
私は右肩に「Ⅳ」の入墨を刻んだ人間の
≪side out≫
≪side 天星 社≫
「お前はもうすぐ俺たちの物になるんだよ!」
目の前の天狗がそう言い下卑た視線を私に向けた。
私は小心者だ。自らが死ぬのが怖く大天狗の言いなりになっている。私は誰かが私を救ってくれるのを待っていた。そんな奴は一人たりともいないのに…
「ぐげっ!?!」
目の前の天狗が吹っ飛んで言った。
「社!!! お前を救いにきた!!!」
馬鹿者…
「もう私はおしまいなんだよ!」
そう言い私は白狼剣を抜き相手に向けた。
懐かしい幼なじみに…
≪side out≫
≪side 牙≫
見つけた!
お前の苦しみずっと気づかなかったのは俺だ!!
任務で何度も一緒だったのに!
だがもうこれ以上は苦しませない!
そのためにもお前に勝ってお前を救う!
そう俺は決意し拳を構えた。
≪side out≫
≪side ???≫
全て私の不始末ね…
あの方を救うと意気込んでいたのに情けない。
あなたがこんなに苦しんでいるのにごめんなさいね。
でもあと少しの辛抱よ。
そう言い肩に入墨をしてある少女の魂は社の頬を撫でる。勿論社はその事に気づかない。 「Ⅳ」
今日はあと1話かきます。