東方魔天狼   作:タバスコ星

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あんまり思い付かない…


16.妖怪山反乱異変⑦

【社の深層意識内部】

 

≪side 社≫

 

私は小さい時に両親をなくした。その後親戚に引き取られたが能力がわかるや否や私を化け物扱いした。しかしそんな中、牙だけはずっと私の味方でいてくれた。彼は私の両親が生きていた頃からの幼なじみである。

少し不器用だが人一倍正義感があるのがあいつの長所だ。幼い頃の私はそんな彼に惹かれた。

 

しかしある日、私の能力に目をつけた大天狗が親戚に言い値で私を買うと言ってきた。案の定、私を厄介祓いしたかった親戚はその取引に応じた。その後大天狗は私の体に何かを刻み込んだ。曰く古の禁術らしい。どんな禁術かは、本能的に理解できた。このとき私は全てに絶望しもう自身は終わりだと思った。

 

そんな中、私は大天狗達に暗殺術等を叩き込まれた。そのお陰で並の白狼天狗では、私には勝てないほどの実力を手にいれた。牙でさえ私には勝てない。何度か合同訓練に参加してもいいと言う許可が出た。その度に牙が私の組み手相手になってくれる。当然私には勝てない。しかし彼は諦めず必死に訓練をしていた。

 

あぁ、こいつは昔から変わってないんだな。

 

私は嬉しく思いながらも、彼を裏切っているような感覚で罪悪感にさいなまれていた。

 

こいつに…

 

こいつにだけは…

 

知られて欲しくない…

 

心からそう思った。

 

しかし、現実は厳しかった。彼は私の境遇を知ってしまった。それだけではない。私達の共通の後輩である犬走にも知られてしまった。

 

彼女はとても不思議な子だ。私や牙がどれだけ厳しく指導しようが文句ひとつ言わずに従う。それも完璧なほどに。そして彼女を調べたがなにも出てこなかった。

 

そう…

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

私は少し不自然に思いながらも彼女を後輩として厳しく接していた。

 

厳しかったからと言っても嫌いと言うわけではなかった。むしろ気に入っていた。

 

 

そんな、私に取って大切な二人に全て気づかれた。大天狗からは我々に歯向かう者は殺せと命令があったがこの二人を殺す位なら自分が死んだ方がましだ。

 

…これで良かったんだ。

 

 

『本当にそうですか?』

 

?!?!

誰だ!

 

『私はエルマ・ファウスト。とある魔神の配下にして、あなたに刻まれた禁術を作った魔術師です。』

 

私の目の前にローブを着た、黒髪の紫色のインナーカラーの入った私よりも背の低い少女が現れた。

 

そうかお前が、お前のせいで!

 

私は驚きよりも先に怒りが出てきた。

 

私はとっさに彼女に飛びかかり押し倒した。

 

『全て私の責任です。私は発展のためと吟いながら自分の知識欲のためにあの本を作ってしまいました。』

 

ああそうだ!お前があんなものさえ作らなければ!

 

私は!私は…私…は!

 

『ええそうです。私のせいであなたに訪れるはずの幸せは全て消えてしまいました。』

 

……

 

『今更勝手かもしれませんが、私に罪滅ぼしをさせてください!』

 

…今更何をするつもりだ。

 

私は彼女に聞き返す。

 

『私の持っている知識と能力、魔力、そしてあの本をあなたに差し上げます。』

 

そう言い彼女は私の頭に手をかざした。

 

すると私の頭に何かが流れ込んでくるような感覚がした。

 

『今あなたに私の世界の真理を知る程度の能力を譲渡するついでに魔術耐性を付与しなおかつあなたに刻まれた禁術を消しています。副作用で私の全ての記憶を見ることになりますが…』

 

…ああ、お前も苦労していたんだな。

 

『あなた程ではありませんよ。』

 

そう微笑み掛けてくる。

 

彼女は私ににている。遥か前に人間として生を受けたが、能力の存在のため家族から気味悪がられていた。そして彼女が忠誠を誓うことになる、魔神に拾われた。私と違うところはここからだ。彼女はその魔神を恨むようなことはせず、それどころかその魔神を改心させようとした。結果的に成功したが彼女は命を落としてしまった。身を呈して魔神をかばった彼女がついに魔神の心を動かしたのだ。それに加え後の発展のために全てを書き記した本を作ったのだ。

 

私とは大違いだ…

 

『あなたはまだ間に合います!あなたを愛してくれる存在がいる限りあなたは終わりではありません。それに例え道を踏み外したとしても私の主人があなたを止めてくれるはずです。』

 

お前の主人?

 

私が聞こうとしたその時最後の記憶が流れてきた。

 

!!?!!

 

え!?

 

お前の主人って!

 

『はい!今は貴女の後輩です。』

 

そうなのか…

 

『私はあなたに幸せになってほしいのとついでに彼女と仲良くしてあげてください!ああ見えて寂しがり屋さんなんですよ。』

 

…ああ!わかった約束する。

 

そういった私の右肩に「」の文字が浮かび上がった。

 

 

 

≪side out≫

 

【大天狗屋敷一室にて】

 

≪side 牙≫

 

どうなっているんだ?!

 

俺は社を抱き抱えながら驚愕していた。

 

社の傷が消えていくのだ。

 

「ん…ん~…」

 

そんな俺の反応をよそに社は目を覚ました。

 

「社!」

 

「すまない牙。お前に迷惑かけてしまって。」

 

「お前はなにも悪くない!悪いのは大天狗だ!」

 

「それでもだ。それとありがとう。」

 

「本当に良かった。」

 

俺がそう安堵していると社は俺に手をかざしてきた。暖かな光とともに俺の傷が治っていった。

 

「お前!そんなことができたのか?!」

 

俺が聞くと…

 

「とあるお人好しの魔術師が私に世界の真理を教えてくれた。」

 

彼女の発言に理解しかねると、彼女は突然

 

「さて、例の本を回収するか。」

 

パチン!

 

彼女が指を鳴らしたかと思うと彼女の目の前に突然本が出現した。

 

「うまくいったようだな。これが魔術か。」

 

「な、何をしたんだ!?」

 

「ん?秘密!」

 

そう言い目くばせをした彼女に何故かドキッとした。

 

「と、所でその本は?!」

 

そう聞くと…

 

「この本は全ての発展の為の本だ。悪用した大天狗には天罰が下るだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良かった。これでもう私の未練はもうないわ。

社さん!あとは頼みましたよ!

 

そう言い彼女は天に召された。




魔術をどうしよっか迷ったけどパチン!で済ませました。

後悔はしてない!

あと二話くらいかかります。

結局、長くなりそうです。
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